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とある高校ー


生徒の中に、裏社会で暗躍する犯罪組織幹部の息子がいるという情報を

手に入れた警察の特殊捜査班ー。


特殊捜査班に所属する捜査官の一人が、その男子生徒から

情報を引き出すために、女子高生に変身してその男子に接近することに…。


この記録は、女子高生に変身して、高校に潜入した

捜査官が残した記録…。


(第10週)


☆前回はこちら↓☆

<他者変身>JKに変身した捜査官の日記⑨~5/15-5/21~

とある高校ー 生徒の中に、裏社会で暗躍する犯罪組織幹部の息子がいるという情報を 手に入れた警察の特殊捜査班ー。 特殊捜査班に所属する捜査官の一人が、その男子生徒から 情報を引き出すために、女子高生に変身してその男子に接近することに…。 この記録は、女子高生に変身して、高校に潜入した 捜査官が残した記録…...

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☆主要登場人物☆


・山村 彩智(やまむら さち)/坂上 孝治(さかがみ たかはる)

潜入捜査官。現在は女子高生・山村彩智に変身して高校に潜入中。


・小野田 龍吾(おのだ りゅうご)

高校生。犯罪組織ドッペルサイエンス幹部の息子。


・小野田 正昭(おのだ まさあき)

犯罪組織ドッペルサイエンスの幹部とされている男。


・笠倉 千鶴(かさくら ちづる)

孝治の同僚捜査官。女性として自然に振る舞えるよう、孝治を指導した。


・春日部 本部長(かすかべ ほんぶちょう)/捜査班本部長

・郷原(ごうはら)/捜査官の一人。彩智の父親役を担当

・清水(しみず)/捜査官の一人。彩智の母親役を担当


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5月22日(日曜日)


昨日、ドッペルサイエンスの幹部を名乗る男と会ってきたー。


だが、相手は俺の予想に反して

俺が調査している”小野田正昭”ではなく、

別の幹部の大久保という男だったー。


どうやらー

この大久保という男はドッペルサイエンスの上層部とは

異なる思惑で動いているらしく、

私利私欲のために”勝手に行動している”

そんな感じの男だー。


そしてー

やつはいきなり俺の胸を触ったり、

スカートの中に手を突っ込んだりー

欲望まみれの行動に出て、

俺にこう言ってきたー


”俺の女になれー”

とー。


だが、当然、俺は大久保とかいうやつの女になるつもりはないし、

そもそも俺は女ではないー

今は一時的に女子高生の姿を借りているだけだー。


やつの目的は単純に

”己の欲望を満たすこと”そして、ドッペルサイエンス内の権力闘争に

勝つことー…


の、ようだったー。


昨日は結局、大久保との話し合いはまとまらず、

進展のないまま俺は戻ってきたー。


がー…

大久保のような、私利私欲に走る幹部がいれば、

こっちとしてもやりやすいー。


幹部・小野田正昭との接触は引き続き目指しつつ、

この大久保とかいう男とも、接触を続けていきたいー。


”組織の内部抗争”ほど、

組織を崩すきっかけになるチャンスは、ないからなー。



5月23日(月曜日)


小野田正昭の息子、小野田龍吾が俺のことを

”本当に女子高生”だと思って、

気遣ってくれている理由がなんとなく分かった気がするー。


最近、俺のことを何度か襲撃してきた黒服の連中は、

ドッペルサイエンスの人間であることには間違いないが、

土曜日に会ってきた”大久保”のほうが差し向けた連中で、

小野田正昭は関与していないのだろうー。


”大久保”だけが俺のことに気付いているのかー

それとも、ドッペルサイエンスの上層部も既に気付いているのかー


それはまだ分からないが、

とにかく、慎重に行動を進める必要があるー。


今日はまた、このあと”大久保”と接触するー。


小野田龍吾とLINEのやり取りをしつつ、

”仲良しの女子”を演じることも欠かすことはできないー。


とにかく、このまま奴らの中枢に近付いていきたいー。



5月24日(火曜日)


大久保が殺されたー。

2度目の交渉の現場に行ったときには、

既に大久保は冷たくなっていて、

死亡していたー。


ドッペルサイエンスの仕業だろうかー。


それにー

やはり”俺の行動”の情報が洩れているー。


春日部本部長か、父親役の郷原さんか、

母親役の清水さんか、それとも笠倉さんなのかー…

誰だかはまだ分からないが、

とにかく”内通者”がいることには違いないー。


いずれにせよ、これで

”大久保”のほうを経由して

ドッペルサイエンスの情報を探ることは不可能になったー。


”単純そうなやつ”だったから、

上手く取り入ることができれば

俺が女子高生に変身した潜入捜査官だと知られていても、

やつらの情報を探る糸口になりそうだったのだがー…。


まぁ、大久保が消された以上は仕方がない。

当初の予定通り、小野田正昭の息子・小野田龍吾との

関係を深め、そこからやつらの情報を探るしかないー。



5月25日(水曜日)


少し不味いことが起きたー

女性捜査官の笠倉さんと共に話している最中に

偶然、小野田龍吾と鉢合わせしてしまったー。


笠倉さんが咄嗟に

”彩智の母親の姉の娘”という設定で、

話を合わせてくれたものの、

スーツ姿の女性と真剣な表情で会話していた場面を

目撃されてしまったのは、あまり良くない状況と言えるー


小野田龍吾は単純な男子高校生だがー

それでも、”変だ”と違和感を抱く可能性もあるー。


小野田龍吾に疑われてしまったら

この”潜入捜査”は失敗だー。


そうなればー…

ドッペルサイエンスの奴らを追い詰める方法を

俺たちは失うことになってしまうー。



5月26日(木曜日)


小野田龍吾から、

「笠倉さん…今度の土曜日に、時間あるか?」と、

聞かれたー


いつも、ふざけた様子の、お調子者な感じの奴だが、

今日ばかりは、真剣な表情だったー


俺は”心の中で”動揺しつつも、

それを一切表には出さずに「うん。あるよー」と答えたー。

潜入捜査をしていると、必ず”上手くいかないこと”はある。

そんな時には、少なからず、俺も動揺はする。


人間である以上、これは仕方のないことだ。


だがー

その動揺を悟られることは絶対にあってはいけないー。


俺は平静を装いつつ、小野田龍吾と土曜日に話をする約束をすると、

やつは、それ以降はいつも通り俺に接してくれたー。


既にー

俺の正体はバレているのだろうかー。



5月27日(金曜日)


”山村 彩智”に変身している母親役の清水さんが、

最近、不穏な行動を見せているー


夜になると、誰かと連絡を取り合っていることが多いのだー。


父親役の郷原さんにも、それとなくそのことを伝えるも、

”清水さん、怒らせると怖いからなぁ”などと、苦笑いするだけで、

仲間を疑うことには乗り気ではない様子だったー。


確実に、俺の近くに”内通者”はいるー。

ドッペルサイエンスに通じている人間がー。



5月28日(土曜日)


小野田龍吾と会ってきたー


てっきりー

”俺の正体に全く気付いておらず、告白してくるのか”

”俺の正体に少なからず気づいていて、何か言ってくるのか”

そのどちらかだと思っていたー。


だがー、

少し俺の想像とは違ったー


”山村さんは、俺の親父のこと、調べてるんだよなー?”


あいつは、そう言ったー。


小野田龍吾は、途中から、俺が

”父親である小野田正昭のことを探っている”と感付いていたらしく、

そのことを聞いてきたのだー。


俺は、小野田龍吾と対立関係になることも覚悟したー。


しかしー

奴の反応は、そうではなかったー


”この前、一緒にいた女の人ー

 あれ、山村さんの親戚の人じゃないよなー?”


女性捜査官の笠倉さんのことまで、バレていたー。

俺はこの時点では、潜入捜査の失敗を覚悟したー。


がー

そのあと、奴は信じられない言葉を口にしたー


”あの女ー…

 親父のいる”本部”で少し前に見たことがあるー”


とー。


小野田龍吾の父親は、犯罪組織ドッペルサイエンスの幹部ー。

そして、その”本部”に、

俺の仲間である女性捜査官の笠倉さんの姿があったー、

と言うのであればー


内通者は”笠倉 千鶴”ということになるー。

俺たちはまだ、ドッペルサイエンスの本部の場所も知らないー。

その本部に笠倉さんがいたと言うなら、そういうことになってしまうー。


だがー

どうしてー?


笠倉さんとはこれまで何年も同じチームの捜査官として

色々な捜査を乗り越えて来た信頼できる存在なのにー


その笠倉さんが、ドッペルサイエンスと内通ー…?


そして、小野田龍吾は俺にこう言ったー


”山村さんがどうして俺の親父のことを

 調べているのかは分からないー

 けど、俺、山村さんの力になりたいー。

 たとえ、親父と争うことになっても、

 俺、山村さんの力になりたいんだー”


とー。


あいつはー

小野田龍吾は、”山村彩智”が、自分の父親のことを

探っていることには気づいたようだったが、

話をしている感じでは、

”山村彩智は、潜入捜査官の俺が変身した姿”…

つまり、本当の女子高生ではない、ということには

まだ気づいていない様子だったー。


その上で、アイツは言ったー


”俺の親父ー…何か悪いこともしてるみたいなんだー

 山村さんが俺の親父を調べてるのも、たぶん、そのせいなんだろ?

 俺ー、親父を止めたいし、山村さんの力になりたいー


 好きな子の力になりたいー

 だからー、俺と、俺と付き合ってくれ”


とー。


”告白”

”協力”


予想外の話に、俺は小野田龍吾からの”告白”を受け入れたー


もちろん、小野田龍吾が好きなわけではない。

俺は男だし、今は、身体は女でも

そこに恋愛感情は芽生えないー。


でもー

小野田龍吾が、俺に協力してくれると言うのであればー

やつの父親であり、犯罪組織の幹部である

小野田正昭に一気に近付くことができるはずだー。


まさかー

俺が”男の恋人”になるとは思わなかったが

これも、潜入捜査のためだー


小野田龍吾の協力も得て、一気に”ドッペルサイエンスの全貌”を暴き、

やつらを壊滅させてやるー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


”謎の連絡”


久遠様ー。

大久保はご指示の通り、始末致しましたー。


例の”潜入捜査官”を今しばらく泳がせて、

”潜入捜査チーム”のメンバー全員の調査、

そして責任者を突き止め次第、

全員”処分”致しますー。


”S”


⑪へ続く


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コメント


まだもう少し続きますが、そろそろゴールも見えてきました…★!

どのような結末が待ち構えているのか、

楽しみにしていてください~!☆

今日もお読み下さり、ありがとうございました~!


※毎週土曜日の更新(コンパクト枠)とは?

(いつもと同じ説明デス↓ 既に知ってる方は読まなくて大丈夫デス!!)

毎週土曜日(以前は火曜日でした!)は、

私が仕事の都合で書く時間を確保できないので、

本来更新は難しいのですが

少しでも皆様にご恩返しということで、他の6日間で毎日

少しずつ執筆して、土曜日にも、作品をお届けしています!

そのため、いつもより少し文章量が少ないため

毎週土曜日の作品は、100円プランでも読めるようにしてあります!

(※土曜日枠のお話は必ず完結まで100円プランで読めるようにします!

  途中から上がったりはしませんので、安心してください)

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