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とある高校ー


生徒の中に、裏社会で暗躍する犯罪組織幹部の息子がいるという情報を

手に入れた警察の特殊捜査班ー。


特殊捜査班に所属する捜査官の一人が、その男子生徒から

情報を引き出すために、女子高生に変身してその男子に接近することに…。


この記録は、女子高生に変身して、高校に潜入した

捜査官が残した記録…。


(第11週)


☆前回はこちら↓☆

<他者変身>JKに変身した捜査官の日記⑩~5/22-5/28~

とある高校ー 生徒の中に、裏社会で暗躍する犯罪組織幹部の息子がいるという情報を 手に入れた警察の特殊捜査班ー。 特殊捜査班に所属する捜査官の一人が、その男子生徒から 情報を引き出すために、女子高生に変身してその男子に接近することに…。 この記録は、女子高生に変身して、高校に潜入した 捜査官が残した記録…...

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☆主要登場人物☆


・山村 彩智(やまむら さち)/坂上 孝治(さかがみ たかはる)

潜入捜査官。現在は女子高生・山村彩智に変身して高校に潜入中。


・小野田 龍吾(おのだ りゅうご)

高校生。犯罪組織ドッペルサイエンス幹部の息子。


・小野田 正昭(おのだ まさあき)

犯罪組織ドッペルサイエンスの幹部とされている男。


・笠倉 千鶴(かさくら ちづる)

孝治の同僚捜査官。女性として自然に振る舞えるよう、孝治を指導した。


・春日部 本部長(かすかべ ほんぶちょう)/捜査班本部長

・郷原(ごうはら)/捜査官の一人。彩智の父親役を担当

・清水(しみず)/捜査官の一人。彩智の母親役を担当


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5月29日(日曜日)


俺が”山村 彩智”という女子高生に変身して

潜入捜査を始める前に、”女子高生”としての過ごし方を

指導してくれた上に、学校への潜入開始後も

俺をサポートしてくれていた女性捜査官の笠倉さんー。


彼女は、今回の件以前からも、何かと一緒に

任務を行うことが多く、

お互いに強い信頼関係がある間柄…


…だと、俺は思っていたー。


だが、小野田龍吾によれば、

”親父のいる本部で見たことがある”とのことだったー。


犯罪組織”ドッペルサイエンス”の本部は

俺たちもまだ、突き止めていない。


その本部に笠倉さんがいた、とはどういうことなのだろうかー。


だがーー

これだけで”裏切者”と決めつけることはできない。


母親役の捜査官・清水さんも最近、誰かと連絡を取るような

素振りを夜に見せているし、誰が内通者だか分からないー。


俺たちの情報は、漏れているー。

俺の同期の捜査官・西尾がサポートに入ることに決まった直後、

西尾が殺されたことからもこれは明らかだー。


笠倉さんと清水さんー

この二人に特に注意を払いつつも、

父親役の郷原さんや春日部本部長にも、警戒は続けなければならない。



5月30日(月曜日)


昼休み。

学校の空き教室で小野田龍吾から、

”ドッペルサイエンス”について聞こうと、

色々と質問してみたー


小野田龍吾は、俺が父親の小野田正昭のことを

探っていることに、気づいてはいるものの、

俺のことを”男が女子高生に変身している”とは

夢にも思っていないようだー。


単純に”自分の好きな子が、何らかの理由で親父の所属する

組織のことを探っている”ぐらいの認識のようだー。


小野田龍吾は、驚くほどに

”知ってること”を全部話してくれたー


逆に、”これは罠なのではないか”と、心配になるぐらいにー。


結果的にー

ドッペルサイエンスの幹部・小野田正昭の息子、小野田龍吾は

父親が”研究施設で働いている”ということぐらいしか知らず、

ドッペルサイエンスの”闇”については、何も知らないようだったー


”親父は、機密性の高い研究を行っている機関で働いている”

そのような、認識らしいー。


だがー

父親の小野田正昭とは定期的に会っていて、

ついこの間も会った、とも言っていたー。


小野田龍吾から直接ドッペルサイエンスのことを探るのは

難しそうだが、龍吾を通じて、幹部である父親・正昭との

接点を繋ぐことはできそうだー。



5月31日(火曜日)


母親役の清水さんが、夜になると外出する日々が続くー。


父親役の捜査官・郷原さんも少し違和感を抱いている様子だったー。


そこで俺は、男装して清水さんを追跡することになった。


それにしてもー

まさか”女に変身して”

そこから”男装”するなんて、夢にも思わなかったー


男⇒女⇒男

頭がおかしくなりそうだ…。


女の身体で、男の格好をするっていうのも…

なんかこう、言葉に言い表せない違和感があるー。


父親役の郷原さんも”これはこれで興奮するなぁ”などと、

笑っていたー


……っていうか、郷原さん、女子高生に変身した俺を見て

いつもニヤニヤしてるだけで

特に何もしてないような…。


と、思ったが

ここに書くだけで口には出さなかったー。


さて…

そろそろ清水さんの尾行を始めるとするか。



6月1日(水曜日)


結論から言うと、清水さんは”シロ”だったー。

犯罪組織ドッペルサイエンスと内通している可能性は

”限りなく低い”と言えたー。


夜に外出し、誰かに連絡を繰り返していたのは

”ネズミ”を探り出すためだと、清水さんは

笑いながら説明してくれたー。


いつもニコニコしている清水さんだが、

たまに発言が怖かったり、怒らせると怖いー。


…清水さんによれば、

”内通者”がいるであろうことは、

俺同様に気づいていて、清水さん自身が

”あえて”夜に怪しい行動をとることで、

内通者をあぶり出そうとしていたとのことだったー。


確かに、誰かがドッペルサイエンス側に情報を

流しているのだとすれば

”清水さんの行動”は気になるはずだし、

確認しようとするはずだー。


しかしー

昨日、尾行に途中で気づかれて

清水さんに壁ドンされたときは怖かったなー…


清水さん、

”誰かがわたしを尾行してるから、てっきり内通者だと思って”

とか言ってたけど、

あれは、百戦錬磨の目だったなー。


今回が一緒のミッションは初めてだけど、

きっと、ヤバい橋を渡って来てるのだろうー。



6月2日(木曜日)


女性捜査官の笠倉さんに呼び出された。


内容はいつも通りの”状況報告”ー


俺が潜入捜査を始めてから

笠倉さんが、春日部本部長と、現場にいる俺たちの

連絡役を担っているー。


そこで俺は”あえて”笠倉さんに

”内通者がいて、その正体を突き止めた”ことを告げたー。


今夜、春日部本部長にその情報を直接報告するために、

沿岸の倉庫地帯で合流する、とー。


それを聞いた笠倉さんは、特に変わった様子はなく、

いつも通り、”それは、他に誰か知ってますか?”などと

確認していたー。


もし、笠倉さんが”内通者”なら、動きがあるはずだー。


念のため、春日部本部長には

”現在、重要な局面にあるため、万が一に備えて、今日は警戒を

怠らないでください”と、直接連絡しておいたー。


春日部本部長は俺に事情を聞くことなく”了解した”とだけ

答えてくれたー。


”仲間であっても言えないこと”があるのは

俺たちはお互いに理解しているー。

だから、春日部本部長も詳しくは聞かなかったのだー


そして、これを伝えたことにより、

万が一、笠倉さんが内通者で、俺ではなく春日部本部長のほうを

狙った場合にも、春日部本部長は自分で自分の身を守ることができるー。


本部長も、プロだー。

そう簡単にやられはしないー。


今夜が勝負、内通者をあぶり出してやるー。



6月3日(金曜日)


内通者はーーー

笠倉さんだったー


今まで共に任務を何度もこなしてきた

笠倉さんが、どうしてー…?


昨日の夜ー

沿岸部の倉庫に入ると、俺の目論見通り、

俺のもとに”ドッペルサイエンスの構成員”が襲い掛かってきたー。


俺は、”内通者の可能性が低い”清水さんに事前に相談しておいて、

逆にドッペルサイエンスを待ち伏せ、構成員たちを

一網打尽にし、リーダー格の人物を捕まえたー


その人物が、笠倉さんだったー。


”最初から、わたしを疑っていたのか!”


そう、怒りの形相で叫ぶ笠倉さんに、

いつもの”面影”はなかったー。


何故ー?



6月4日(土曜日)


小野田龍吾から連絡があったー。

とても、大事な話があるー。


とー。


何故か、待ち合わせ場所に遊園地を指定された俺が

遊園地に向かうと、小野田龍吾は嬉しそうに手を振り、

俺と遊園地デートを満喫したー


女子高生らしく楽しそうに振る舞っておいたが、

まさか、あいつは”本当は男”なんて、夢にも思ってないのだろうなー


”大事な話って?”

と、何度聞いても”まずはデートを楽しもうぜ”ばかりー。


次第に俺は”罠なのではないか?”と思い始めたがー

そうではなかったー


観覧車で突然俺にキスをしてきた龍吾は言ったー。


”ー俺の親父が、明日、お前と会いたがってるー。

 何でかは分からねぇ。

 できれば俺は行って欲しくないー。

 でもーー伝言は伝えないと、親父、キレるからさー”


小野田龍吾は、そう言ったー


”もしかしたら、山村さんが、親父に何かされるんじゃねぇかって

 おもったらー…

 俺ーーー”


小野田龍吾は震えながら、俺に想いをぶつけてきたー


”もしかしたら、明日、彩智はいなくなってしまうかもしれないー”


そう思った龍吾は、デートせずにはいられなかったのだというー。

これが、最後の機会になってしまうようなー

そんな、気がしてー、いても立ってもいられなくなったのだというー。


”ーーー行くんだろ?”

小野田龍吾はそう言ったー。


「ーーうん」

と、俺は答えたー。


小野田龍吾には悪いがー

俺は、女子高生じゃない。潜入捜査官だー。


たとえ無事でも、任務が終われば”山村 彩智”はいなくなるー。

本当の山村彩智は、過去に死亡している少女なのだから、

俺が変身を解けば、もう、山村彩智は、いなくなるー。


明日はいよいよ、ドッペルサイエンス幹部・小野田将昌との

直接対面ー。


…命懸けの1日に、なるだろうー。


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”謎の連絡”


久遠様ーーー

申し訳、ありませんー。


”笠倉 千鶴”に変身しての”潜入捜査”ー、

失敗に終わりましたー


ですが、まだー

”私が、笠倉千鶴に変身している偽物”だとは

気付かれていませんー


私なりに”責任”を取らさせていただきますー。


”S”


⑫へ続く


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コメント


6月最初の潜入捜査のお話でした~!☆

今月中にラストを迎える予定なので、

どのようになっていくのか、ぜひ見届けて下さいネ~!

今日もありがとうございました~!


※毎週土曜日の更新(コンパクト枠)とは?

(いつもと同じ説明デス↓ 既に知ってる方は読まなくて大丈夫デス!!)

毎週土曜日(以前は火曜日でした!)は、

私が仕事の都合で書く時間を確保できないので、

本来更新は難しいのですが

少しでも皆様にご恩返しということで、他の6日間で毎日

少しずつ執筆して、土曜日にも、作品をお届けしています!

そのため、いつもより少し文章量が少ないため

毎週土曜日の作品は、100円プランでも読めるようにしてあります!

(※土曜日枠のお話は必ず完結まで100円プランで読めるようにします!

  途中から上がったりはしませんので、安心してください)

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