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広場で男女が親し気に話しているのを見て

”カップル”だと勘違いした男ー。


その二人のうちの一人、女子大生の

佳奈絵に憑依した男は、一緒にいた男子大学生・誠を誘惑して、

欲望を満たしたあとに佳奈絵の身体を人質に金銭を巻き上げようと

画策していたー。


しかし、誠のあまりにも天然な反応の数々に、

佳奈絵に憑依した男が、逆に戸惑いを感じ始めてー…?


★前回はこちら↓★

<憑依>さぁ、どうする…?と、言われても②~誘惑~

マイペースな性格の男子大学生・誠は、 偶然帰り道の広場で出会った女子大生・佳奈絵と 話をしていたところ、”誠と佳奈絵がカップル”だと勘違いした男に よって佳奈絵が憑依されてしまい、 「お前の彼女を開放したければ、俺の言う通りにしろ」と脅されてしまうー ”その人、僕の彼女じゃないんだけどなぁ…” そんな風に思...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


”イライライライライライラー”

チャイナドレスを身に着けた女子大生・佳奈絵は、

心の中で、文字通り苛立ちを感じていたー


「ーーー…あ、そんなもので良かったですかー?」

佳奈絵が食べている弁当を指さしながら、

男子大学生の誠が言うと、

佳奈絵は「ーーー…べ、別にいいけどー」と、言いながらも

苛立ちを露わにしていたー。


”くそっ…俺はこんなことするために、この女に憑依したんじゃねぇぞ!?”

佳奈絵に憑依した男は、

”カップル”の女に憑依して、欲望のままにその身体を楽しみー

最後には相手の彼氏に”憑依からの解放”と引き換えに金銭を

要求するー。

そんな行為を繰り返してきた男だー。


佳奈絵の身体でまずはエッチなことをー…

と、思っていたのだが、ラブホに連れて来られた誠は、

まるで状況を理解していない様子だったー


「ーーー…っていうか!」

佳奈絵は箸を乱暴に置くと呟くー。


「ここ!ラブホ!

 お前の彼女、こういうエッチな格好してお前を誘ってんの!

 分かる?」


佳奈絵は苛立ちを露わにしながら言うー。


「ーーーーラブホ?僕、このホテルに来たことないんでー

 今回が初めてです」


誠は笑いながら言うー。


”ラブホ”は、ジャンルではなく

このホテルの名前だと勘違いした誠ー。


「ーーーはぁ?お前、彼女がチャイナドレス着て、

 エロいことしようとしてるのに、何も感じねぇのかよ!?」

乱暴な口調で佳奈絵が叫ぶと、

誠は「ーー…っていうか…本当に憑依されてるんですか?」と、

戸惑いの表情を浮かべながら言うー。


「はぁ!?まだ疑ってんのかよ!

 今のこの女、様子がおかしいと思わねぇのかよ!」

佳奈絵が怒りの形相で叫ぶー。


「ーー…そんなに怒らないで、せっかくの弁当、冷めちゃいますよ」

誠の言葉に、佳奈絵は「ーーチッ!何なんだよ」と呟きながら

不機嫌モード全開で弁当を食べ始めるー


ラブホの室内に、

完全に平常心のままの誠と、

イライラしながら不機嫌そうに弁当を食べるチャイナドレスの佳奈絵ー。


事情を知らない人が見たら

首を傾げてしまいそうな光景が広がっているー。


「ーーー…大体何で弁当と、フランクフルトなんだよ」

佳奈絵がフランクフルトをかじりながら言うー。


”ってか、この女の身体でこんな喰っちまっていいのかー?”

と、少し疑問に思いながらも

”いや、乗っ取った身体のことなんて、いつもどうでもいいと思ってるしな”

と、自分の中で勝手に納得するー。


「ーえ…食べたいのかと思ってー」

誠が言うと、佳奈絵は「はぁ?」と、首を傾げるー。


「ーだって、僕の…アレ、口に入れてたんで、

 そういうの、食べたいのかなぁって」

誠は戸惑った様子で言うー。


「ーーーーーはぁ~~~~?

 おまっ…お前!フェラを知らないのか!?」

佳奈絵が立ち上がって叫ぶー。


「せっかく…せっかくこんな可愛い女が、

 お前の肉棒咥えて気持ちよくしてやってたのにー!!」

佳奈絵が言うと、誠は

「ー自分で可愛いとか言っちゃいます?まぁ、確かに

 綺麗な人だとは思いますけどー」と、苦笑いするー。


全く恋愛感情や下心がない故にー

ナチュラルに”綺麗な人”と言ってしまう誠ー。


「ーーそ、そういう問題じゃー!」

佳奈絵が言いかけると、

誠は「それで、お腹空いてると思って、

西崎さんにも、弁当をー…って…コンビニに買いに行ったんですけど…」

と、困ったような表情を浮かべるー


”こいつー”

佳奈絵は歯ぎしりをしながら考えるー


”まさか、この女にフェラをされたからー

 お腹空いてると勘違いして、

 しかも、アレを咥えたから、俺が

 フランクフルト食べたがってると思ったってことかー?”


佳奈絵に憑依している男からすれば、常軌を逸している誠ー。


”チッー”


色目を使って落としてやるー

そう思いながら、佳奈絵は

「ひっど~い…わたし、気持ちよくしてあげようと思ったのに~♡」と、

甘い声を出すー。


「ーーー気持ちよくー?」

誠が首を傾げるー。


「ーーチャイナドレスを着た彼女がフェラしてあげてるんだよー?

 もっと興奮してよ♡

 わたし、欲求不満で我慢できなくなっちゃうよ?」


佳奈絵が顔を赤らめながら言うー。

”この女を支配してこんなことを言わせているー”という

ゾクゾクで赤面しているのかー、

佳奈絵本人の潜在意識が、今、させられていることに

恥ずかしさを感じているのかー

佳奈絵に憑依している男には分からなかったが、

とにかく”佳奈絵の身体が欲求不満になっている”ことだけは

男にも分かったー


「ーーあ、チャイナドレスじゃ好みに合わなかった?

 メイドでも、バニーでも、水着でも、わたし、何でも着るよ!」


佳奈絵が甘い声でそう言うと、

誠は「あ…あの!」と叫ぶー


「ーーい、いつから僕の彼女になったんですかー?」

とー。


「ーーーーん?」

笑みを浮かべていた佳奈絵の表情が歪むー。


「ーあ…え、えっと、”憑依してる”んでしたっけー?

 まぁ、どっちでもいいですけどー

 その人、僕の彼女じゃないんでー」


誠が言うと、佳奈絵は「ーーーは????」と、表情を歪めるー


「ははっ!嘘はよくねぇ!」

佳奈絵はそう叫ぶと、

「あんなに楽しそうに話していたしー、

 俺には分かるんだよー!

 ”カップル”と”そうじゃない男女”の違いが、男の顔を

 見りゃ分かるんだよー。


 お前には何の照れ臭さも、恥ずかしさも感じなかったー

 自然に笑顔で話してた!


 ああいう感じは、彼氏じゃないとできねぇ!」

と、説明を付け加えたー。


しかしー


「ーーーいえ…僕、その人とさっき会ったばかりですけどー」

誠の言葉に、佳奈絵は「はぁ?????」と、声を上げるー。


「ーう…嘘だろ?」

佳奈絵が呆然としながら叫ぶと、誠は「いえ、ホントです」と

即答したー。


佳奈絵は慌てて、佳奈絵のスマホを手に取ると

「嘘をついても、この女のスマホ見りゃ、分かるんだぜ!」と叫ぶー。


しかしー

スマホを確認した佳奈絵は、表情を歪めたー。


”彼氏”からの連絡が、スマホに届いていてー

佳奈絵のスマホに保存されている写真には

”誠ではない男”と一緒に写っている写真が何枚も保存されていたー


「ーーーー…え……」

佳奈絵は、誠とスマホを見比べながら

少し間を置いて、口を開くー


「じ…じゃあ…お前…誰…?」

佳奈絵が言うと、誠は

「ー西崎さんが、自販機でジュース出て来なくて困ってたので

 助けてあげた通りすがりの男子大学生ですけどー」と

苦笑いしながら言葉を口にしたー。


「ーーは…はァ…!?!?!?マジかよ!?」

佳奈絵は大声で叫ぶー


そうこうしているうちに、弁当を食べ終えた誠は、

「ーーまぁ、よく分かんないですけど、楽しかったです」と、

立ち上がるー


「ーーえ…ちょ?どこ行くんだよ!?」

佳奈絵が言うと、誠は

「あ、いえ、賞味期限が今日までのヨーグルトが家の

 冷蔵庫にあるので、やっぱり帰ろうかと思ってー」と

恥ずかしそうに言うー。


「ーーーは…!?!?」

佳奈絵は呆然とするー。


「ーあ、ごめんなさいー。

 せっかく一緒にお泊りしようって誘ってくれたのにー…

 僕は帰りますので、あとは一人でゆっくりしてくださいー」


誠はそう言うと、「弁当は僕のおごりで大丈夫です!」と

笑いながらそのまま立ち去ろうとするー


「ーーま…待てよ!

 せっかくなんだから、この女とエロイことしていけよ!」

欲求不満が爆発しそうな佳奈絵は、誠の腕を掴んだー


誠は少し驚いた様子を見せながらも

「ーーう~ん…出会っていきなりそういうことって

 ハードル高くないですか?」と笑うー。


「ーあと、僕ー、あんまりそういうの、興味ないんですよねー」

誠はそれだけ言うと、

「ーそれじゃ、失礼します。今日はありがとうございました」

と、再び頭を下げたー。


「ーーお、おい!この女がどうなってもいいのか!?

 俺の言う通りにしねぇと、この女を滅茶苦茶にするぞ!


 裸で街の中を走ったりするぞー!」


佳奈絵がそう叫ぶとー

誠は戸惑った表情を浮かべるー


「クククーいいからわたしとエッチしよ?

 もうわたし、限界ー!

 興奮して狂っちゃいそう!」


佳奈絵がニヤニヤしながら言うと、

誠は「そんなこと言われてもー…僕の彼女じゃないのでー…」と、

呟いてからー、

「ーー…あ、何をするかはご自由にー…

 友達でも、彼氏でも、知り合いでもないのでー…

 西崎さんが、その…裸で外を走りたいならー

 僕は止めませんー…」

と、そのまま立ち去って行ってしまったー


「ーーーーー」

一人残された佳奈絵は、放心状態でしばらく

その場に立ち尽くしたー。


しかしー、しばらくすると、

髪をぐしゃぐしゃに乱しながら

「あ~~~~~~~~~~~…最悪だ」と、

怒りの形相を浮かべたー


「この女の身体、すっかりヤるモードになってたのに

 なんだよこの寸止め感ー…」


佳奈絵はイライラした様子でそう呟くと、

ラブホの部屋の中で、一人壁を蹴り飛ばすー。


「ーーうぜ~~~~!くそっ!」

しばらく怒り狂っていた佳奈絵は、

まるで、佳奈絵の身体自身に八つ当たりをするかのように、

一人で狂ったようにエッチなことを繰り返し始めるー


「ーーあぁ…うぜぇ…今日はもう…この女を滅茶苦茶にしてやるぜ」

腹いせにー…と言わんばかりに

佳奈絵の身体を酷使し始める男ー。


金を奪うこともできなかったどころか、

欲望を満たすこともできなかったー


完全に欲求不満モードになってしまった佳奈絵の身体を

使って、男は一人、怒りをあらわにしたまま、欲望を満たし始めるのだったー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーふ~~~よかった」

帰宅した誠は、賞味期限が今日で切れてしまうところだった

ヨーグルトを完食すると、

”間に合って良かった”と満足そうに笑みを浮かべるー。


「ーそれにしても、あの子ー、急に態度が変わって変な感じだったなぁ…」

誠はヨーグルトの容器を片付けながらそんな風に呟くー。


”憑依”とか言ってたけどー、

もしかして本当に憑依されてたのかなー…?


と、誠は首を傾げるー


「ーーそれにしても、お腹空いたからって、僕の身体を

 舐めるとか、変な子だな…ははっ」


誠は、何が起きているのか、結局最後まで

あまり理解しないまま、

「まぁ、そんなことより、明日の大学の準備をするか」と、

一人、明日の用意を始めるのだったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


バニーガール姿に着替えた佳奈絵は、

ラブホで一人、何度もエッチを繰り返した挙句、

だらしのない格好で、床に倒れ込んでいたー。


「ーーーふ~~~♡ たまんねぇな…」

乱れ切った佳奈絵が、不気味な笑みを浮かべながら、

「ーーこの女も、運が悪かったな」と呟くー。


いつもならー

”乗っ取った女の彼氏”とエッチをして金銭を要求し、奪い取ったあとに

身体を開放するー


まぁ、それはそれで悲劇だがー、

佳奈絵は運が悪かったー


身体をこんなにも酷使されてー

さらにー


「ーーー…やっぱ、誰かいねぇと物足りねぇな」

佳奈絵はゆらゆらと立ち上がると

「仕方ねぇ…その辺の男、連れ込むかー」

と、笑みを浮かべるー。



翌日ー

彼女である佳奈絵の身に何が起きているのか

全く知らなかった、佳奈絵の本当の彼氏は、

ラブホ前で、半裸の佳奈絵が警察に保護されたと聞き、

只々驚くことしかできなかったというー。


おわり


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


知らない男に勘違いされて憑依されて、

誠に”変な子”だと勘違いされた挙句

身体を酷使されてしまった佳奈絵が一番の被害者ですネ~…!


誠は、何も気づかないまま、今日も普通に

大学生活を送っています~笑


お読みくださりありがとうございました~!

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