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「クククククー」

少女の皮の中から男が姿を現すー


「ーーさぁて…この女の皮はここで捨ててー…」

男は笑みを浮かべながら、優美香の皮を手にすると、

「優美香ちゃんになって、たっぷり楽しむとするかー」

と、不気味な笑みを浮かべたー。


SNSで知り合った男に皮にされた優美香の運命はー…?


(第9週)


★前回はこちら↓★

<皮>SNSで知り合った男に皮にされるまで⑧~追跡~

「ーーーチッ」 優美香はバイクに乗りながら、後方から追跡してくる車を見つめるー 「ーーせっかく”お気に入り”のJKを手に入れたんだー  邪魔はさせねぇ」 優美香はアクセルを踏んで、さらにスピードを上げるー。 「ーークククククッ…  バイクなんて運転したことない女で、爆走するのも  たまんねぇぜー」 優美香は笑...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーーーこれでよし、っとー」

優美香の皮を身に着けて優美香になった

安藤亮一は笑みを浮かべるー。


もちろん、亮一の皮に笑みを浮かべるのは、

優美香の顔だー。


人に皮にされて、乗っ取られているのに、

ニヤニヤと笑わされている優美香ー。


優美香は、たった今、脱ぎ捨てたばかりの

紗枝の皮を見下すようにして見つめると、

それを踏みにじったー。


「ーー”わたし”より可愛くない癖にー」

冷たい口調でそう呟くと、

優美香は紗枝の皮に唾を吐き捨てたー。


”こんな女の皮はもう必要ないー”

そう思いながら、紗枝の皮を乱暴に掴むと、

そのまま廃墟地帯の一角へと向かうー。


”俺の周りをコソコソ嗅ぎまわっていた刑事は始末したー”

優美香は邪悪な笑みを浮かべながら

先ほど始末した刑事、目黒警視正と笹井刑事のことを思い出すー


”人を皮にする注射器”

その存在を明るみに出したくない警察はー

恐らく、警察内部でも”ほとんどの人間”に

”皮”関連の情報を共有していないー。


目黒警視正らを始末した今ー


「ーー優美香は俺のものだー」

優美香の声でそう呟きながら、ペロリと唇を舐めるー。


アジトにしている廃墟地帯の一角にある部屋に入る優美香ー


そこには、廃墟ながら、カーペットが敷かれー、

テレビやワイングラスなども並ぶ、

秘密の生活スペースが、亮一の手によって作り上げられていたー


「ーーークククー」

冷蔵庫からワインを取り出す優美香ー


優美香はワイングラスにワインを注ぐと、

テレビの前に置いてあったゲーム機を起動するー。


「ーーまさか、俺が優美香ちゃんとしてプレイするなんてなー」

コントローラーを握る綺麗な手をペロリと舐めると、

優美香は、優美香自身が乗っ取られる前にはまっていたパズルゲーム…


優美香が、”ririko”を皮にしていたこの男ー、亮一と知り合ってしまった

きっかけを作ったパズルゲームをプレイし始めるー。


”エンジョイゲーマーおばさん”の名前が目に入り、

「ククーこのババア、今日もゲームしてやがるー」と、

小声で優美香は呟くー


足を組んで、ワインを口にしながら微笑む優美香ー


”タクヤ”の名前も目に入り、優美香は笑みを浮かべるー。


「ーこの女に絡んでたチャラ男かー…

 ……誘惑して揶揄ってやるのも面白そうだなー」

優美香はそう呟くと、再びワイングラスを手にするー。


「ーーっと、この女、確かJKだったなー」

ワイングラスを手にしたままそう呟く優美香ー


しかしー

今の優美香にそんなことは関係なかったー


「ーーふふっ…わたしは悪い女になるんだもん♡」

笑みを浮かべながらワインを口にする優美香ー。


少し酔ったのか、顔を赤くしながら

パズルゲームを数試合、プレイし終えると、

「さて、とー」と、優美香の友人・紗枝の皮の前に近付いていくー。


「ーーーお別れだー」

紗枝の皮をマッチで燃やそうとする優美香ー。


「ーーーーーー親友のわたしが、あんたを完全に殺してあげるー」

優美香はそう呟くと、紗枝の皮に火をつけようとしたー。


「ーーー!」

その時だったー。


優美香のいる部屋の扉が開きー

そこから、先ほど廃墟内の別の部屋に閉じ込めて焼き殺したはずの

笹井刑事が銃を構えて突入してきたー


「ーーなっ!?」

優美香が狼狽えながら身構えるー


「動くな!」

笹井刑事の言葉に、優美香は歯ぎしりをしながら両手を上げるー。


「ーーーーな…なんで…」

優美香は髪を揺らしながら、険しい表情を浮かべるとー

「お前は、さっき殺したはずー」

と、言葉を続けたー。


「ーーー残念でしたねー」

笹井刑事の背後から別の声がするー。


その声の主はー、

笹井刑事と共に死んだはずの目黒警視正だったー。


「ーあなたがこの廃墟内でどこを拠点にしているのかを

 突き止めるため、あえてあなたの罠にはまったまでですー」


目黒警視正の言葉に、優美香は両手を上げながら

笑みを浮かべるー


「ーーいいのか?この女は普通の女子高生だぞ?

 俺を撃てば、この女も死ぬー」


優美香がニヤリと笑いながら言うー。


「人の身体を乗っ取るって便利だよなぁ…

 意のままにできるだけじゃなくて、こうして人質にすることもできる」


優美香はそう言いながら、ゆっくりと部屋の外に向かって

移動し始めるー。


「ーーーわたし、人質になっちゃった♡ うふっ♡」

挑発的な言葉を口にしながらー

優美香が部屋の出口の前までたどり着くと、

目黒警視正が銃を優美香に向けたー


「ーーーおいおい、まさか俺を撃つ気じゃー」


その言葉と同時にー

目黒警視正は、銃を発砲したー


「ーーーあーーー…??」

優美香が驚いた表情を浮かべながら、その場に倒れ込むー。


「ーーーえぇーもちろん撃ちますよ」

目黒警視正は冷静にそう呟きながら

倒れ込んだ優美香の方に、部下の笹井刑事と共に近付いたー。


「ーただし、麻酔銃ですが」

目黒警視正は穏やかな表情で眠っている優美香を見つめながら

「ーーそこの皮にされた子と、この子を回収しましょう」と、

部下の笹井刑事に指示を下したー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーーーーーー!」

優美香が目を覚ますー。


そこはー

病院だったー


何かー

恐ろしいものを見た気がするー


「ーーーあれ…わたしー…?」

優美香が戸惑いながら周囲を見渡すとー

隣のベッドには、親友の紗枝の姿もあったー。


「ーーーーー…」

優美香がこうなる前のことを思い出そうとするー。


「ーーーー………わたしー…ririkoちゃんと会ってー

 それからー」


”皮”ー

そんな、悪魔のような光景を思い出すー。


「ーーーう…」

隣で眠っていた紗枝も目を覚ますー。


「ーー紗枝…!」


「ーー優美香…!」


再会を喜びあう二人ー。


そこにー

目黒警視正が入ってきたー。


「ーーお目覚めですかー。

 ご無事で何よりですー」


警察手帳を示しながら目黒警視正が言うと

優美香と紗枝が頭を下げたー。


紗枝が「わたしたち…いったいー」と、戸惑いながら言うと、

「ーあなたたち二人は、女子高生を拉致していた安藤亮一という男に

 監禁されていました」と、淡々と告げたー


「ー先日、我々がその安藤亮一のアジトを突き止め、

 あなたたちを無事に救出することが出来ましたー」


目黒警視正の言葉に、

優美香は「わたし…人に身体をー…」と、困惑した表情で、

うっすらと覚えている”皮”のことを口にするー


「ーーそれは、安藤の持っていた幻覚作用のある薬によるものですー

 きっと、眠らされている間に、悪い夢を見たのでしょうー」


目黒警視正は、そう告げたー。


優美香と紗枝は、困惑した表情を浮かべながらも、


「ー既にご両親にも連絡してありますー

 健康状態にも問題はありませんー。

 あと数日すれば、退院して、元の生活に戻れますよ」


と、いう目黒警視正の言葉に嬉しそうな表情を浮かべたー。


「ーーーーとにかく、無事でよかったー」

目黒警視正はそれだけ言うと、

「ーでは私はこれで失礼します」と、そのまま立ち去って行ったー。


優美香と紗枝は、安堵の表情を浮かべると

「優美香…本当に…無事でよかったー」と、目に涙を浮かべながら

紗枝が呟くー


優美香は、”ハッキリと覚えていない”ことは色々あるけれどー

紗枝がきっと、自分を助けようと色々心配してくれたのだと、

そう思いながら

「ー紗枝…ありがとうー…心配かけてごめんねー」と、

静かに紗枝を抱きしめたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


”例の二人はー?”


「ー心配には及びませんー

 ”皮”に関することが、外に漏れることはないでしょうー」


”安藤亮一は?”


「ー表向きは拉致監禁事件の容疑者として、逮捕しましたー

 数週間後に”心臓発作”で処理しますー」


”わかったー。

 内々での処理、ご苦労だったー”


「ーーいえー」

目黒警視正は、”報告”を終えると静かに頭を下げてから

その場を後にしたー。


”人を皮にして乗っ取るー”


そんな、決して表にはできない事件に巻き込まれた

女子高生二人は、

こうして無事に、元の日常へと、戻っていくのだったー。


退院した優美香は、元通りの生活に戻り、

また、いつものパズルゲームを遊びながら、

紗枝と共に平穏な日々を送っているのだというー。



おわり


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


最終回でした~!☆

無事にハッピーエンド、ですネ~!


ちょっとだけ、過去作品との連動要素も

盛り込んでみました~!

知らなくても全然大丈夫な範囲内ですが

知っている人は気づいたかも…しれませんネ~!


お読みくださりありがとうございました!


来週から土曜日枠は「変身モノ」をお送りします~!


※毎週土曜日の更新(コンパクト枠)とは?

(いつもと同じ説明デス↓ 既に知ってる方は読まなくて大丈夫デス!!)

毎週土曜日(以前は火曜日でした!)は、

私が仕事の都合で書く時間を確保できないので、

本来更新は難しいのですが

少しでも皆様にご恩返しということで、他の6日間で毎日

少しずつ執筆して、土曜日にも、作品をお届けしています!

そのため、いつもより少し文章量が少ないため

毎週土曜日の作品は、100円プランでも読めるようにしてあります!

(※土曜日枠のお話は必ず完結まで100円プランで読めるようにします!

  途中から上がったりはしませんので、安心してください)

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