＜皮＞SNSで知り合った男に皮にされるまで⑧～追跡～ (Pixiv Fanbox)

「ーーーチッ」

優美香はバイクに乗りながら、後方から追跡してくる車を見つめるー

「ーーせっかく”お気に入り”のJKを手に入れたんだー

　邪魔はさせねぇ」

優美香はアクセルを踏んで、さらにスピードを上げるー。

「ーークククククッ…

　バイクなんて運転したことない女で、爆走するのも

　たまんねぇぜー」

優美香は笑うー。

自分の意思とは全く関係なくー

その身体は興奮しー、

そしてー、

笑みを浮かべているー。

これはー

とある女子高生の悲劇の結末ー。

SNSで知り合った男に、皮にされてしまった少女の運命はー…？

（第8週）

★前回はこちら↓★

＜皮＞SNSで知り合った男に皮にされるまで⑦～スキン～

「ーーー警察が俺のこと、コソコソ探ってるみたいだなー」 サングラスをかけた優美香が笑みを浮かべるー。 優美香は現在、優美香を乗っ取っている男の”仲間”が用意した 隠れ家で暮らしているー。 「ーーまぁ、JKを乗っ取ると、こういうのが面倒くせぇよな」 優美香は髪を掻きむしりながら笑うー。 乗っ取る相手が、女子...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーー逃がさないようにしてくださいー」

”皮”の事件を追う目黒警視正は部下の刑事にそう指示をするー。

部下の刑事は「は、はいっー」と言いながら速度を上げるー。

「ーーーー」

みるみるうちに優美香のバイクに車が追い付いていくー。

「ーー止まりなさいー」

目黒警視正が窓を開けて、バイクで疾走している優美香に声を掛けるー。

「ーーどうしてですかぁ？わたしは、

　怪しい車がついてきてるから、逃げていただけなんですけどぉ～～？」

優美香は、笑みを浮かべながら言うー。

目黒警視正たちの”覆面パトカー”がついてきているから

”不審者を振り切るために”速度を上げた、と、そう主張をするー。

「ーー女のバイクを追い回すなんてー…

　不審者だと思われて、当然だと思いますけどぉ～？」

優美香はクスクス笑いながらそう呟くー。

「ーーーーー」

目黒警視正は、微笑みながら優美香のほうを見つめるー。

「ーー女子高生のフリをして、楽しいですかー？」

目黒警視正は、穏やかな口調でそう語り掛けたー。

「ーーーえ～？なんのことですかぁ？」

優美香はバイクを走らせながら笑うー。

「ー見え透いた芝居はおやめなさいー」

目黒警視正の表情から笑みが消えるー。

そして、鋭い口調で告げたー。

「ー私は、宮渕優美香の中にいるあなたに言っているのですよー？

　ー安藤　亮一（あんどう　りょういち）ー。」

その言葉に、優美香を乗っ取っている男、安藤亮一は、

優美香の顔で表情を歪めたー。

「ーーー…チッー…うるせぇ！俺は宮渕優美香だ！」

本性を現した優美香は、そのままさらにバイクのスピードを上げるー。

「ーーー追ってくださいー」

目黒警視正の指示に、部下の刑事が「はいっ！」と返事をし、

優美香のバイクを追うー。

「ーーーチッ…どうして気づかれたんだー？」

優美香は舌打ちをするー。

優美香の前はririkoー

その前にも、亮一は別の女を皮にしていたー

”いつ、気づかれたんだー？”

そんな風に思いながらも”いや、そんなことはどうでもいい”と、

笑みを浮かべるー。

”人が皮にされて乗っ取られる”

そんなことは、警察も表沙汰にしたくないはずだー。

現に、今まで”失踪”扱いになっているririkoや、その前に

乗っ取っていた女も世間では”消息不明”のままになっているー

”警察は既に皮のことを突き止めている”

それなのにー、ニュースでは報道されていない。

それはつまり、

警察が”皮”の件を表沙汰にしたくない、ということを意味するー

”ってことはー…警察内部でも俺のしてることを知ってる人間は

　ごく一部のはずだー”

亮一は心の中でそう考えるー。

そして、その読みは正しかったー。

目黒警視正率いる特殊チームの数名と、上層部のごく一部の人間しか

”皮”のことは知らないー。

「ーーーーぶっ殺してやるー」

優美香は物騒な言葉を口にすると、亮一が”次の隠れ家”に

しようとしていた廃墟地帯に、バイクのまま突入していくー

”この女の友人の皮も持ってるからなー”

先ほど皮にした優美香の親友・紗枝のことを思い浮かべながら、

乗っ取られた優美香は笑みを浮かべたー。

”クククー

　ここがお前らの墓場だぜー。刑事共ー”

優美香は小声でそう呟くと、ピキッと後頭部に亀裂が入りー

その場に”脱ぎ捨て”られたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーー」

優美香が乗り捨てたバイクを廃墟地帯で見つけた

目黒警視正は、部下の刑事と共に、周囲を警戒しながら奥に進むー。

「ーー笹井（ささい）くんー」

目黒警視正が、部下の刑事の名前を呼ぶと、

名前を呼ばれた笹井が振り返るー。

「ーーーー」

しっ、と、音を立てないように目黒警視正が合図をするとー

廃墟の一角から、足音が聞こえてきたー

「ーーー！」

目黒警視正と笹井が銃を構えるー。

その先にはー

優美香の親友・紗枝の姿があったー

「ーーこの子ー…

　先日から行方不明になっている宮渕優美香の親友ですー」

笹井がそう言うと、目黒警視正は頷くー

「た…助けて下さいー…」

紗枝がはぁ、はぁ、と息をしながら呟くー。

「ーーー状況を、説明してくださいー」

目黒警視正が言うと、

紗枝は困惑した表情を浮かべながら、

”優美香に捕まっていた”と、説明したー。

「ーーずっと行方不明だった優美香を見つけてー

　声を掛けたら、急に襲われてー

　今までずっと、この先の建物にー」

紗枝がそう言うと、目黒警視正は「そこに、宮渕優美香がいるのですか？」と

紗枝に問いかけるー

紗枝は「はいー」と、不安そうに頷くー

紗枝が指さした建物を確認する目黒警視正ー

4階建てほどの高さの建物だー。

「ーこっちですー」

紗枝が、目黒警視正たちを案内し始めるー

目黒警視正は、部下の笹井のほうを見て頷くと、

そのまま紗枝のあとについていくー

前を歩く紗枝は、不気味な笑みを浮かべたー

「ーークククー

　この女も皮にしておいて、ちょうど良かったぜー」

紗枝とは思えないような低い声で呟くー

「ーーお前ら二人…

　この女子高生たちを使ってー

　あの世に送ってやるー」

廃墟の4階部分に到着した紗枝は、

「この奥の部屋にー…優美香がいますー」と、

不安そうな表情を浮かべるー。

「ーーー…あなたが逃げ出したことで、

　その子が移動している可能性は？」

目黒警視正が言うと、紗枝は「わかりませんー」と

首を横に振ってからー

「でも、優美香はほとんどずっと、この部屋にいたのでー」と、

言葉を付け加えるー。

「ーー分かりましたー」

目黒警視正は笹井刑事に合図を送ると、そのまま扉の前で

銃を準備して、何かの合図を、笹井刑事と共に交わすー。

突入後の作戦か何かを伝えているようだー

紗枝はニヤリと笑みを浮かべるー。

「ーー気を付けて下さいー…

　優美香…おかしくなっちゃってるのでー…」

紗枝が不安そうに言うと、目黒警視正は「ご忠告、感謝しますー」と

静かに頷くとー

そのまま部屋の中に突入したー

「ーーーー！！！」

目黒警視正と笹井刑事が表情を歪めるー

部屋の中にはー

誰もいないー

そしてー

部屋の扉が外から閉まるー。

「ーーーあっははははははははははは！

　バカなやつらだぜ！」

部屋の外から紗枝の笑い声が響き渡るー

その直後ー

轟音が響き渡りー

部屋中が炎に包まれたー

「ーーわたしも、優美香と同じように

　皮にされて乗っ取られちゃってるの～♡

　あっははははははは！

　わざわざこんなところまでご苦労様～！

　さよなら刑事さん！

　うふっ♡」

紗枝は、女子高生っぽい口調で

目黒警視正たちをあざ笑うと、

扉を外から固定して、

燃え盛る炎を背に、その場を立ち去って行ったー

「ーークククククー

　さぁ～て…この女の皮はここで捨ててー」

紗枝の後頭部がぱっくりと割れて、中から安藤亮一が

姿を現すー。

「ー優美香ちゃんになってー…

　たっぷり楽しむとするか…ククク」

亮一はそう呟くと、脱いだ紗枝の皮を踏みつけて、

そのまま廃墟地帯を歩き出したー

⑨へ続く

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コメント

次回が最終回デス～！☆

今日もお読みくださりありがとうございました～！☆

次の土曜日枠（3/26～）は、他者変身モノがスタートします～！

※毎週土曜日の更新（コンパクト枠）とは？

（いつもと同じ説明デス↓　既に知ってる方は読まなくて大丈夫デス！！）

毎週土曜日（以前は火曜日でした！）は、

私が仕事の都合で書く時間を確保できないので、

本来更新は難しいのですが

少しでも皆様にご恩返しということで、他の6日間で毎日

少しずつ執筆して、土曜日にも、作品をお届けしています！

そのため、いつもより少し文章量が少ないため

毎週土曜日の作品は、100円プランでも読めるようにしてあります！

（※土曜日枠のお話は必ず完結まで100円プランで読めるようにします！

　　途中から上がったりはしませんので、安心してください）