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ストーカー女の杏梨に対して”提案”を突き付ける仁志ー。


だが、仁志と入れ替わった杏梨に、譲歩するつもりなど

毛頭なくー

”婚姻届の提出”を迫られた状況は変わらなかったー。


”お前がそのつもりならー”

杏梨(仁志)は決意するー。


妹を守るための、最終手段を使うことをー。


未記入の婚姻届を、仁志(杏梨)に叩きつけて、

杏梨(仁志)は叫ぶー


”お前となんて、絶対に結婚しないー”

とー…!


★前回はこちら★↓

<入れ替わり>お兄ちゃんもうやめて④~婚姻届~

”偶然だったー” ストーカー行為をしていた女・杏梨は、偶然、相手の男・仁志と 転落した際に入れ替わってしまったー。 しかし、仁志との入れ替わりは、ストーカー女・杏梨にとって 好都合だったー。 仁志として自宅に帰宅し、仁志の妹・朋美に辛辣な言葉を吐き捨て、 朋美を人質同然の状態にして、 杏梨になった仁志に対...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーー俺は、絶対に朋美を助けるー!

 お前の好きになんて、絶対に、させないー!」


その言葉と共に、杏梨(仁志)が婚姻届の用紙を、

仁志(杏梨)に向かって投げつけたー。


カラオケルームに流れている音楽がー

仁志(杏梨)の今の心境を現すかのように、

ちょうど激しい曲調になっていくー。


「ーーーふふっ」

仁志(杏梨)は突然笑みを浮かべたー。


「ーー何がおかしいー…?」

杏梨(仁志)は怒りの形相で仁志(杏梨)を見つめるー。


「ー俺は何があっても、お前となんて絶対に結婚しないー!

 そして、朋美にも、絶対に手出しさせないー!」


杏梨の喉が壊れてしまいそうなぐらいに、

杏梨の身体で大声を出す杏梨(仁志)ー


仁志(杏梨)は「ーーわたしってば、こわっ…」と、

少しだけ笑いながら言うと、

「ー今にも、人を殺しそうな目、してますけど~?」と、

言葉を付け加えたー。


「ーーーいいですか?」

仁志(杏梨)は表情に浮かべていた笑顔を消すと、

言葉を続けたー。


「ーー仁志は、わたしと結婚するしかないのー。

 今の状況、理解できてる?


 妹は、わたしの手の内ー、

 仁志の身体も、わたしのものー。

 

 わたしの気分一つで、妹を滅茶苦茶にすることだってできるし、

 この身体で、大事な大事な妹とヤッちゃうことだってできるのー。


 わたしのことを”お兄ちゃん”だと思ってる妹にー

 わたしがそんなことをしたらー

 どうなるか…わ・か・る・よ・ね…!!!!」


机をバンバン叩きながらそう叫ぶ仁志(杏梨)ー


なんとか冷静さを保ってはいるものの、

相当頭に来ているのだろうー、ということは

安易に伝わってくるー。


「ーーー何を言っても無駄だー!

 俺はお前となんか、絶対に結婚しない!

 このイカレストーカー女が!」


怒りの形相で叫ぶ杏梨(仁志)ー


「ーーーは~~~~~………」

仁志(杏梨)は、そう呟くと、

手で口元を押さえながら

「ー参ったなぁ…」と言うと、何かをブツブツ呟き始めるー。


「ーーいい加減、わたしもキレちゃうなぁ……あぁぁ…」

イライラした様子で貧乏ゆすりを繰り返す仁志(杏梨)ー


「こんなに、あなたのこと好きなのに!

 どうしてこの思いが届かないの!?

 そもそも、あんたが大人しくわたしの愛を受け止めてれば

 こんなことにはならなかった!


 こうなったのも、全部あんたのせい!」


仁志(杏梨)が叫ぶー。


杏梨(仁志)は”俺がこんな風に怒ることができるなんてー”と

”怒り狂っている自分の姿”を見つめながら、

”でもー”と、心の中で思うー


”今の俺は、本当にそのぐらい、怒ってるかもしれないな”とー。


「ーーわたしが好きって言ってんだから、最初から

 素直に「はい」って言えばいいんだよ!」

仁志(杏梨)は、完全に怒り狂っていたー。


カラオケルームに、可愛らしいアイドルの歌声が響き渡るー


「ーうっさい!黙ってろ!」

仁志(杏梨)が、カラオケのバックミュージックに一人でキレて、

近くにあったリモコンをモニターの方に向かって放り投げるー。


「ーーーいいか?もう一度だけ言うぞー。

 俺は、お前となんて、絶対に絶対に絶対に、結婚しない!」

杏梨(仁志)が今一度”決意”を口にしたー。


「ーーーあんた、自分の立場分かってないでしょ?


 妹も、あんたの身体も、わたしの思いのままー!

 妹の心を壊すことだってできるし、

 あんたを犯罪者にすることだってできる!


 あんたに”いいえ”なんて返事はないの!


 いいから黙ってわたしと結婚しなよ!」


仁志(杏梨)の言葉に、

杏梨(仁志)は、服のボタンを外して、

胸を触ろうとするー。


「ーそんなことしても…意味ないから!」

仁志(杏梨)は笑うー。


「ーー……」

杏梨(仁志)は、今度はスカートをめくって、下着を触ろうとするー


「ーーいいよ。わたしの身体触ってくれるなら、

 わたし、嬉しいから!ほら、ヤリなよ!」

仁志(杏梨)にその手は通用しないー。


杏梨(仁志)はそれでも続けるー。


「ーお前の身体を滅茶苦茶に乱されてもいいのかー?」

そう言いながら、髪をぐしゃぐしゃにして、アソコを触ったり、

服を滅茶苦茶にしていく杏梨(仁志)ー


杏梨の身体が乱れていくー。

それでも、仁志(杏梨)は笑っているー。


「ーわたしにとっても嬉しいことだもん♡

 そんなことは、む・い・み!」


杏梨(仁志)はそう言うと、「ーーくそっ!」と、

仁志(杏梨)に飛び掛かった。


「ーこのイカレ女!ストーカー女!

 お前のような悪魔なんて、俺だけじゃないー!

 この先、誰とも結婚なんてできない!

 お前みたいな悪魔と、誰が結婚するものか!


 お前は生涯独身で永遠に過ごすんだ!

 どんな汚い手を使ったって、

 お前はずっとずっとずっと、ひとりなんだ!」


杏梨(仁志)が叫びながら、

仁志(杏梨)を取り押さえようとするー。


最後の手段は”実力行使”ー?


仁志(杏梨)は、罵倒されてついに”完全にキレた”ー。


「ーふっざけんじゃないわよ!」

仁志(杏梨)が、杏梨(仁志)を蹴り飛ばすー。


吹き飛ばされた杏梨(仁志)が悲鳴を上げるー。


「ー今はさぁ、わたしが男の身体なのー。

 ロクに鍛えたりしてない非力な身体で、

 わたしにかなうわけないでしょ!?」


そこまで言うと、

ヒステリックに何かを喚きながら、

杏梨(仁志)に殴る・蹴るの暴行を加えていくー。


「ーあんたの身体は人質ー!

 あんたの妹は人質ー!

 わたしは何をされても構わないー!

 ”力”があるのも、わたしの…こっちの身体!


 あんたには、

 婚姻届をわたしに渡して、わたしと結婚するしかないんだよ!!!


 大人しくー

 わたしと、結婚しろ!!!!!!!!!!」


仁志(杏梨)はそう叫びながらー

杏梨(仁志)の顔面を蹴りつけたー。


ボロボロになった杏梨(仁志)は、

荒い息をしながらー、


ーーー笑みを浮かべたー


「ーー言ったろー?

 俺は、お前となんて絶対に結婚しないー…

 朋美に、絶対に手出しもさせないってー」


そう呟くとー

杏梨(仁志)は、深く深呼吸をしてー

”覚悟”を決めたー。


暴行を受けてボロボロになった状態ー、

さらには服を乱した状態でーーー…


杏梨(仁志)は、

個室の外へと飛び出したー


「ーーきゃああああああああああああああっ!」

杏梨(仁志)が大声で叫ぶー。


「ーー!?」

個室内に残っていた仁志(杏梨)が表情を歪めるー。


「ーたすけて…!たすけてっ!」

杏梨の身体で、仁志は、”泣きながら”外に助けを求めたー


すぐに、店員や、他の客が駆け付けるー。


”杏梨の身体”は、

顔に打撲が出来ていてー、手や唇から出血ー

暴行されたのが明らかでー

さらには、髪は乱れー、服ははだけー、

”性的な”暴行を個室で受けたー…


そんな姿にしか、見えなかったー


「ーなっ…!?」

後から個室の外に出る仁志(杏梨)ー


だがー

既に、店員や、他の利用客が、大騒ぎをしていたー。


仁志(杏梨)のことをー、

”個室で女性に暴力を振るった男”としてー

見つめているー。


「ーっ…くそっ…あんた…!わたしをはめてーー」

仁志(杏梨)が叫ぶー。


杏梨(仁志)が、仁志(杏梨)のほうを見つめ返すー。


杏梨(仁志)はー

”譲歩”による提案を断られてからー


”わざと”杏梨の身体でエッチなことをするフリをしながら

服を乱してー

”わざと”杏梨の身体が怪我をするようにーー

”挑発”を続けて暴力を”あえて”受けたのだー


そうすればー

こうなると、信じてー。


「でもねー…”その気になれば何でもできる”ってこと、

 忘れちゃだめですよー?」

以前ー

仁志になった杏梨からそう言われたー


「ーーー俺だってー」

杏梨(仁志)は、仁志(杏梨)を睨みつけながら

顔面から流血した状態で呟くー


「ーー俺のほうだって、その気になれば何でもできるーー」

杏梨(仁志)が言うと、仁志(杏梨)が悔しそうに歯ぎしりをするー。


「ーこれで朋美を守れるなら、

 俺は”元に戻れなくても”構わないー。


 ”俺の身体が、犯罪者扱い”されても構わないー


 俺はーーー

 命を懸けてでも、どんな手を使ってでも、朋美を守るー!」


杏梨(仁志)が、強い口調でそう呟くと、

仁志(杏梨)は、鬼のような形相で、杏梨(仁志)を睨み返したー


直後ー

店員の通報を受けた警察官が駆け付けー、

杏梨(仁志)は”泣く演技”をしながら、警察官たちに助けを求めー

仁志(杏梨)はその場で取り押さえられたー


「ーーーー違う!!違う!!あいつが!あいつが、

 婚姻届を出さないから!」

仁志(杏梨)は醜態を晒しながら叫ぶー


「ーーーー…くっ…う…うあああああああああああああああ!!!!」

仁志(杏梨)はそう叫ぶとー、

警察官を振り払って、杏梨(仁志)の方に走ってくるー。


すぐに取り押さえられる仁志(杏梨)ー


それでも、仁志(杏梨)は叫ぶー


「ーー妹を守るー!?笑わせないで!!!

 これで、お前は…!お前の身体は犯罪者よ!!

 あの妹は、犯罪者の妹になるの!!!


 今の世の中ー

 犯罪者の身内は、徹底的に世間から叩かれるの!!

 お前の妹なんか、メンタルやられて、ボッロボロの

 ゴミクズになるの!

 ふふふ…あははっ!あははははははははははっ!」


狂ったように笑う仁志(杏梨)ー


杏梨(仁志)は

言葉にはせず、心の中で呟いたー


”それでも俺はー、朋美を守ってみせるー。”

と、強い決意をー。


「ーーーーあははっ!あはははははっ!

 あははははっ!あはははははははははははははっ!

 絶対…!絶対結婚してやるから!!!覚えてろ!あはははははっ!」

仁志(杏梨)は、そう笑いながら、パトカーの中に押し込まれたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーーー…」


 ”俺は、いつでも朋美の味方だからー。

 必ず、迎えに行くからー。

 何があっても、そこで待っててくれー”


実家の父を介して、妹の朋美に伝えられた言葉ー。

その言葉を胸に、朋美は只々、兄・仁志の帰りを待っていたー。


兄の仁志は、ここ最近、まるで別人のように、

朋美にきつく当たってきたー。

朋美の心は、折れる寸前だったー


”わたし、お兄ちゃんに嫌われちゃったのかなー?”と

何度も何度も自問自答を繰り返したー。


けれどー

”いつでも朋美の味方ー”

そう、お兄ちゃんが言っていたのであればー


「ーーーーーー」

何が起きているのかは分からないけれどー

朋美はただひたすらに、兄の帰りを信じたーー


♪~~~


その時だったー。

インターホンが鳴るー。


「ーーはい」

朋美が応答すると、そこには、見知らぬ女性がいたー。


いやー…

「ーーお兄ちゃんの…彼女さんー?」


仁志の身体になった杏梨が、

”俺の彼女”として、スマホでその写真を朋美に見せていたため、

朋美にも見覚えがあったー。


そんな朋美の言葉に、

やってきた杏梨(仁志)は、呟いたー。


”ーー朋美ー…

 お兄ちゃんだって、言ったら信じてくれるかー?”


インターホン越しに、告げられた信じられない言葉ー。


「ーーーえ…」

朋美は混乱しながら、玄関モニターに映る

杏梨(仁志)の顔を見るー

杏梨(仁志)の顔は、ボロボロだー。

誰かに、殴られたかのようにー…


「ーーーーーはは…信じられるわけないよなー…」

杏梨(仁志)はそれだけ言うと、

「ーーでも」と、続けたー。


「ーーーー無事でよかったー。

 声が聞けてよかったー」


”インターホンを鳴らして、応答できるー”

と、いうことは、朋美は無事だということだー


「ーーーー朋美を守れてよかったー」

杏梨(仁志)はそう呟くと、そのまま少しだけ笑って、

立ち去って行こうとするー。


”自分の身体”に戻れなくてもー

”自分の身体”が犯罪者になってしまってもー


あの、イカれたストーカー女を、朋美から遠ざけることができるならー…

朋美を守ることができるならー


”俺は、迷わず自分の身体だって捨ててやるー”


杏梨(仁志)は、そう思いながら一人、

立ち去っていくー


だがーー


「ーーーお兄ちゃん!」

アパートの扉が開き、朋美の呼び止める声が聞こえたー。


立ち去ろうとしていた杏梨(仁志)は、立ち止まって

振り返るー。


「ーーー…本当に…お兄ちゃんなのー?」

朋美の言葉に、杏梨(仁志)は自虐的に笑いながらー

「ーー信じて、くれるのかー?」、と呟くー


朋美は目に涙を浮かべながら頷いたー。


「ーだって、そんなボロボロになりながらわたしを守ってくれるのー…

 お兄ちゃんぐらいしかいないしー」


その言葉に、

杏梨(仁志)は嬉しそうに笑うとー

急に恥ずかしくなってー


「ーー残念ー

 ーー今はもう、お兄ちゃんじゃなくて、お姉ちゃんになっちゃったなー」

と、照れくさそうに笑ったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・


半月後ー


「ーお姉ちゃん~!

 その座り方はだめ!外でやったら変に思われるよ!」

朋美が、杏梨(仁志)の座り方に文句を言うー。


「ーーい、家でぐらいいいじゃないかー」

杏梨(仁志)が笑いながら言うと、

朋美は「だめ!外でも癖がでるから!」と、苦言を口にするー


「はいはいー」

苦笑いしながら、杏梨(仁志)が座り方を直すー。


あのあとー

全ての事情を朋美に説明したー。

朋美は、驚きながらも、”身体は違っても、わたしにはお兄ちゃんはお兄ちゃんって

わかるから”と、それを受け入れてくれたー。


仁志(朋美)は逮捕されたー。

当分の間が出てくることができないー。


当然、”兄が逮捕された”という事実は朋美にもダメージを与えるー。

けれど、朋美は、”お兄ちゃんがそばにいてくれるから”と、

それに屈することなく、杏梨(仁志)も朋美を精一杯支えることにしたー。


杏梨になった仁志は、そのまま杏梨として大学に通いー、

”今、与えられた身体”で生きていくことを決意したー


そしてー


「ーーーーー」

杏梨(仁志)は、改めて決意するー。


この先もー

どんなことがあっても、朋美を守っていくとー。


仮にー

仁志(杏梨)が出所して、再び朋美に近付くことがあってもー


必ず、朋美を守るー、とー。


「ーーあ、こら~!また見えてる!」

朋美の言葉に、杏梨(仁志)は「いっ…!」と、焦りながら

足を直して、座り方を整えるー。


「も~~~お兄ちゃんってば、

 お姉ちゃんになったのに、まだお兄ちゃんが抜けてない~!」

朋美にそう指摘されると、

杏梨(仁志)は、恥ずかしそうに笑いながらー

「まるで、朋美のほうがお姉ちゃんみたいだなー」と、

朋美に向かって呟いたー。


”この笑顔を守ることができたー”


それだけでー

俺は十分幸せだー。

例え、自分の身体を失おうともー


これでいいー。



おわり


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


「お兄ちゃんもうやめて」の最終回でした~!


お兄ちゃんは身体を取り戻すことはできませんでしたが、

無事に妹を救い出すことができましたネ~!


まだまだ色々な苦難が待ち構えていそうですが、

このお兄ちゃんがいれば、

何とかなりそう…な、気がします~☆!


お読みくださりありがとうございました~!

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Comments

飛龍

まさか刺し殺すつもりなのか……!?と思ってましたが、まだいくらか平和に済んで良かった~! 元の自分を犯罪者にしてでも妹を守るという覚悟がいいね!

無名

最後までコメントありがとうございます~!☆ 結末は、 このお兄ちゃんの立場になりきって、 妹を守る方法を必死に考えた結果…生まれたものでした~笑 刺しちゃうと、お兄ちゃん自身も近くに いれなくなっちゃいますからネ~笑