＜皮＞SNSで知り合った男に皮にされるまで⑤～陰険～ (Pixiv Fanbox)

「ーーーあれ…？もしかして優美香ー…？」

乗っ取られた優美香は、今日も夜の街で欲望の限りを尽くしー、

街を歩いていたー。

そんな中、背後から声を掛けられて、優美香は立ち止まるー。

「ーーーーー誰？」

優美香が振り返るー。

”へぇー…こんなに”俺好み”に何もかも変えたこの女の姿を見て、

　優美香って分かるやつがいるとはなー”

優美香はそう思いながら、相手の姿を見るー。

”あぁー…お前かー”

優美香は笑みを浮かべるー。

「ーーー優美香…だよね…？」

もう一度確認するように呟く相手ー。

「ーそうだと言ったらー？」

男に皮にされて乗っ取られてしまい、

そのまま悪用され続けている優美香ー

優美香は、冷たい声でそう呟くと、

戸惑う相手のほうを見て、邪悪な笑みを今一度浮かべたー。

これはー

”とある女子高生”が

SNSで知り合った男に皮にされるまでの物語ー

（第5週）

★前回はこちら↓★

＜皮＞SNSで知り合った男に皮にされるまで④～視線～

「ーーわたしを女だと思って、甘く見たでしょ？」 優美香が男に刃物を突き付けて笑みを浮かべているー。 髪型も、メイクも、服装もー 遠目から見れば、優美香だと分からないー。 夜の街を派手な格好で歩いていた優美香は、 最近、このあたりに出没していた不審者の男に ターゲットにされてしまったー。 だが、男の不運は...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

2月13日

「ーーーう～ん…ダメだ…難しすぎるよ…」

優美香は一人、呟きながら、

”得体の知れない何か”を見つめていたー。

「～～～～～～～」

首を傾げながらその得体の知れない何かを見つめると、

優美香は苦笑いしながら、スマホを手に、

自分が生み出した得体の知れない何かを見つめるー。

「ーーーーわたしには…無理～～」

優美香はそう言いながら、親友の紗枝に

写真をつきのメッセージを送ったー。

そこにはー

”作るのに失敗したチョコレート”の写真ー

得体の知れない何か、は

明日のバレンタインデーのために、と作っていたチョコレートだったー。

彼氏は今のところいないし、

特別好き！って人もいない優美香は、

同性の友達たちに手作りチョコをプレゼントしようと奮闘

したもののー

出来上がったのは、悲惨なチョコレートだったー。

「ーーーわたしに料理とか、お菓子作りは無理！うん！」

優美香は一人納得すると、チョコづくりを諦めて、

後片付けを始めるのだったー。

2月14日

「ーーーー…なにこれ」

紗枝が表情を歪めるー。

「ーーーー…バレンタインチョコ」

優美香が苦笑いしながら言うと、

「ーーーーひぇっ！」と、

紗枝は戸惑いの声を上げたー。

「ーーそ、それ、宮渕さんのチョコー？」

他の友達も苦笑いしながら近寄ってくるー

「ーーう、うんー優美香スペシャルー…」

優美香が苦笑いしながら言うと、

「優美香は無理しないほうがいいって！

　買ったほうがいいよ！チョコ！」と、

紗枝は戸惑いながらそう呟いたー。

「うん…来年からはーそうするねー」

笑いながらそう答える優美香ー

優美香は、料理全般が大の苦手で、

お菓子作りも例外ではなかったー。

優美香のことを知る友達はみんな、

バレンタインデーが近づくと、

”今年は優美香がどんなチョコを作ってくるのか”と、

戦々恐々としているー。

そんな状況だったー。

2月15日

「ーーここ2日間は、対戦してなかったけどー」

そう呟きながら、優美香は、

久しぶりにいつもプレイしているパズルゲームの対戦を始めるー。

今日は”エンジョイゲーマーおばさん”との対決ー。

いつものように、エンジョイゲーマーおばさんの愚痴を聞きながら、

優美香も、日常生活の愚痴をエンジョイゲーマーおばさんに話すー。

”そういえば最近、例の男のプレイヤー…　

　なんだっけ？タクヤだっけ？のことはもう大丈夫なの？”

エンジョイゲーマーおばさんの言葉に、

優美香は「あ、はい。ご心配おかけしましたー」

と、申し訳なさそうに言い放つー。

”タクヤ2"をブロックして以降ー

もう諦めたのか、タクヤは何もしてこなくなったー。

ひとまず、問題は解決ー、

そんな風に優美香は考えていたー。

2月16日

「ーーーーー！」

優美香が表情を歪めるー

”ゆみって女には気をつけろ”

”途中で切断する悪質なプレイヤーだ”

”煽ってくるし、最低なガキだからな”

SNSに書き込まれた

そんな文章を見て、優美香は表情を歪めるー

”ゆみ”とは、優美香がオンラインゲームをプレイする際に

使っている名前だー。

そんな、ゆみに対する悪口が

同じゲームを遊ぶフォロワーたちの間で広がっていたのだー

「なにこれー…」

優美香は表情を曇らせたー。

すぐに、優美香は”タクヤ”のことを思い出し、

親友の紗枝に相談したー。

”あ～…面倒なのに絡まれたんだね…

　ブロックしたから逆上して、

　こいつの評判落としてやる～！って

　やつ、いるんだよね～…”

紗枝と電話で話しながら、優美香は、

「わたし…しばらくあのゲームやめようかなー」と

静かにそう呟いたー。

2月17日

「へへへ…せっかく優しくしてやったのに、

　ブロックとか、マジでありえねー！」

笑いながらSNSに、優美香の悪口を書き込むタクヤー

友人の”レオン”がその様子を見つめながら

「あんまやりすぎるなよ～！」と笑うー。

タクヤは「へへ、分かってるって！」と言いながらも、

優美香の悪口をSNS上に書き込んでいるー。

「ーー」

タクヤは、オンラインのゲームで”女性プレイヤー”を見つけると

積極的に仲良くして距離をつめては、

親しくなろうとしている男で、これまでにも何度も

他のプレイヤーとトラブルを起こしていたー。

「ーへへ、ちょっとうまいからって、調子に乗りやがってー」

そう呟きながら、”タクヤ”は書き込んだメッセージを

SNS上に投稿して、静かに笑みを浮かべたー。

2月18日

”優美香ちゃんー…大丈夫ー？”

優美香と同じ女子高生プレイヤーの”ririko”から

メッセージが届くー。

先日、ririkoこと”倉科　梨々子”とは、紗枝も一緒に直接会っていてー

それからも頻繁に連絡を取り合っているー。

そんな梨々子からの心配するメッセージに、

優美香は”うん…心配かけてごめんなさい”とメッセージを送るー。

”心配なんて…！謝ることじゃないよ…！

　あ、明日また会えたりする？

　”タクヤ”ってプレイヤーのことも力になれるかもしれないし！”

梨々子の言葉に、優美香は「本当にありがとうー」と、呟きながら

静かに頷くのだったー。

2月19日

「ーーーーーーーぁ…」

優美香の身体から力が抜けていくー。

まるでー

空気が抜けるかのようにー

優美香が、”皮”のようになって、その場に崩れ落ちるー。

「ーーへへへへー」

男が崩れ落ちた優美香を見つめるー

「ずっとずっと、お前が欲しかったんだぜー」

男はそう言うと、”皮になった優美香”を手にして、

静かに笑みを浮かべるー。

「ーー今日から、俺が”宮渕　優美香”だー」

そう呟くと、男は優美香の皮を着こんで、

不気味な笑みを浮かべたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

”現在”ー。

「宮渕　優美香に近しい人物が昨夜から失踪しているようですー」

若い警察官が責任者の刑事に報告すると、

責任者の刑事は「なるほどー…」と呟くー。

「ーー宮渕優美香と接触してしまったー…

　そういうことでしょうね」

責任者の男はそう呟くと、静かに笑みを浮かべるー。

「ーどうしますか？」

若い刑事の言葉に、責任者の男は淡々と答えたー。

「ー構いません。

　これで、　宮渕優美香もボロを出すかもしれませんー。

　周辺の監視を、引き続きお願いしますー」

捜査責任者の男は、そう呟くと、静かに

”人を皮にする注射器”の詳細が書かれた書類を見つめたー。

「ーー全てを闇に葬り、秩序を守るー…

　そのためなら、手段は選びませんー」

”人を皮にする注射器”

そのような危険な存在は、表に出してはならないー。

決してー。

⑥へ続く

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コメント

SNSで～の⑤でした！

もう連載を始めて1か月以上が経ちましたネ～！

なんだかあっという間でした～！☆

物語は終盤戦に突入するので、ぜひ今後もお楽しみくださいネ～！

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