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予期せぬ出来事で、仁志の身体を手に入れた

ストーカー女の杏梨は、仁志の身体で、仁志の妹・朋美に

攻撃的な言葉を投げつけるー。


仁志として、妹の朋美を追い詰めていくことで、

仁志と朋美の絆を引き裂き、仁志を自分のものにしようと考えていたのだー。


一方、杏梨の身体で目を覚ました仁志は、

杏梨が、仁志の身体で朋美を泣かせていることを電話越しに知り、激怒ー。

杏梨の身体のまま、仁志の家へと向かうー…。


★前回はこちら★↓

<入れ替わり>お兄ちゃんもうやめて②~怒り~

社会人となり、実家を出た兄・仁志ー。 そんな仁志の家には、現在高校生の妹・朋美が2か月ほど前から やってきて、一緒に暮らしていたー。 兄のことが大好きな朋美と、 何だかんだで朋美を大切にしている仁志ー。 しかしー そんな仁志は、女子大生の杏梨から、ストーカー行為を受けていたー。 次第にその行動はエスカレ...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


♪~~!

♪!♪~~!♪!


杏梨(仁志)は、自分の家に帰宅し、

インターホンを連打したー。


”自分の家なのに、自由に入ることもできないー”

そんな状況に歯がゆさを感じていると、

ガチャ、と音がしてー

中から仁志(杏梨)が出てきたー。


「ーお前…!朋美を泣かせてー…!なんのつもりだ!」

杏梨(仁志)が怒りに任せて、仁志(杏梨)の腕を掴むー。


「ーーーふふ、野坂さんーそんなに怒らないでー

 さっきのは、ほんの冗談ですってー」

仁志(杏梨)は部屋の中をチラチラ確認しながら、

「ーー外で話をしましょうか?」と、笑みを浮かべるー。


「ーふざけるな。ここで話せー」

杏梨(仁志)が言うー。


「ーー朋美に会わせろ!」

とー。


「ーーーそんなことしたら、”不法侵入”で、

 野坂さんを通報することもできますよ?」

仁志(杏梨)の言葉に、杏梨(仁志)は”自分の顔”を

睨みながらー「ここは俺の家だ」と鋭い口調で言い返すー


「ーーーでも、他の人は、そうは思わないー」

仁志(杏梨)は淡々とそう呟いたー。


「ーーーっっ…」

言い返せず、表情を歪める杏梨(仁志)ー


ここは”仁志の家”だー

それに間違いはないー。


だが、そうは言ってもー

現在の状況ー。

このストーカー女の言う通り、

今の状況では、”自分の家に帰っただけなのに”

不法侵入扱いにされてしまうー。

何故なら、今、仁志はストーカー女・杏梨の身体なのだからー。


「ーーーだから…」

そう呟くと、仁志(杏梨)が、杏梨(仁志)に捕まれていた腕を

振りほどいて、逆に、杏梨(仁志)の腕を力強く掴んだー。


「ーーーあっちで、話しましょ?」

仁志(杏梨)の脅すような口調ー。


”入れ替わった二人”の会話を、仁志の妹・朋美に聞かれることを

仁志になった杏梨は嫌っているようだー。


妹・朋美を傷つけるにはー

あくまでも”中身の違うお兄ちゃん”じゃなくて、

”お兄ちゃん”として、でなくてはいけないー、ということだろうかー。


「ーーーー分かった」

歯ぎしりをしながら、そう呟くー。


杏梨(仁志)は、腕を逆に掴まれたことで、

”男女の腕力の差”を感じさせられてしまうー。


「ーーーー」

アパートから少し距離を取った場所で、仁志(杏梨)が立ち止まると、

杏梨(仁志)は叫んだー。


「朋美に、何をしたー!」

とー。


「ーなにって?”お兄ちゃんに迷惑をかけるな”って

 注意しただけですよー」

仁志(杏梨)は笑うー。


「実家から離れて、一人暮らしをしている野坂さんみたいな

 男の人に、いつまでもよりつくウジ虫みたいな妹を

 わたしが代わりに追い払ってあげようとしているだけですよー


 野坂さんだって、本当は妹に付き纏われて

 迷惑してるんでしょー?


 わたしだったら、野坂さんを、あなたを満足させてあげられるー」


その言葉に、杏梨(仁志)は怒りの形相で、

仁志(杏梨)を睨みつけたー。


「ーーウジ虫は、お前だー。このストーカー女!」


女性がこんな恐ろしい声を出せるのかー、と思ってしまうぐらいに

恐ろしい声が出たー。

それほどまでに、杏梨(仁志)は怒りを覚えていたー。


「ーーわぁ…わたしってば、怖いー」

仁志(杏梨)は、仁志の身体でふざけたポーズをとると、

「ーーそういうところも、ゾクゾクしちゃうー」と、続けたー


”完全にイカれてるー”

杏梨(仁志)は改めてそう思いながら

「ーとにかく、これ以上ー、朋美に手出しはさせないー」

と、アパートの自分の部屋の方に向かっていこうとするー。


「さっきも言いましたけどー」

仁志(杏梨)の言葉に、立ち止まる杏梨(仁志)ー。


「”俺”の家に一歩でも入ったら”通報”するぜ?」

”仁志の口調”を真似ながら、仁志(杏梨)が言うー。


「ーーーーー”俺”がその気になれば、

 この手で妹を殺すことだってできるんだー。

 分かるかー?」


仁志(杏梨)の言葉に、杏梨(仁志)はゾワッとした恐怖心すら覚えたー


「ーーふ、ふざけるな!お前ー!そんなことー!」

大声で怒鳴りつける杏梨(仁志)ー


「ーーふふ、冗談ですよー。

 でもねー…”その気になれば何でもできる”ってこと、

 忘れちゃだめですよー?」

仁志(杏梨)は脅すような口調でそう呟くー


杏梨(仁志)は「お前かー…?」と、呟くー。


「ーえ?」

仁志(杏梨)が一瞬、きょとんとした表情を浮かべると、

杏梨(仁志)は「こんな風に身体が入れ替わったのも、お前の仕業かー?」と、

怒りの形相で問いただしたー。


「ーーーーーーふふ…そうですよー」

仁志(杏梨)は笑うー。


そして、告げたー。


「ー3日間だけ待ちますー

 ”わたしたちの婚姻届”を書いて、持ってきてくださいー。


 そうしたらー、

 妹さんには手出ししないとお約束しますし、

 身体も元通りにしますー」


悪魔のような囁きー


「ーふ…ふざけんな!誰がお前となんてー」

杏梨(仁志)が叫ぶー。


それでも、仁志(杏梨)は余裕の笑みを崩さなかったー。


「ーー野坂さんー

 野坂さんは”妹”だけではなく

 ”自分自身”も人質に取られていることを忘れないでくださいねー。


 さっきも言いましたけどー」


そこまで言うと、仁志(杏梨)は笑みを浮かべたー


「ーわたしがその気になれば、野坂さんを犯罪者にすることだって

 できるんですよー?」


「ーそんな風に脅してー

 俺が婚姻届を書いてーーー

 幸せな生活ができるとでも、お前は思ってるのか!」

杏梨(仁志)が叫ぶと、仁志(杏梨)は「ーーはい」と即答したー


「ーわたしなら、野坂さんと幸せな家庭を作ることができますからー。

 絶対にー」


”この女ー

 どこからそんな自信がー”


杏梨(仁志)は、ストーカー女・杏梨の思い込みの激しさに

改めて恐怖を覚えるー。


仁志(杏梨)はクスッと笑ってからー

「わたしの家ー、好きに使っていいですからー…

 3日間よ~く考えて下さいねー。

 婚姻届ー待ってますよー」と、言いながらアパートの方に

向かっていくー


「おい!待て!」

杏梨(仁志)は叫んだー。


しかし、仁志(杏梨)は

そのまま部屋の中に入って行ってしまったー。


鍵が閉まる音がするー。


「ふざけるな!おいっ!」

杏梨(仁志)は怒り狂って玄関を叩くー。


だが、仁志(杏梨)は出て来ないー。


「ーーーお、お兄ちゃんー…誰…?」

家の中にいた妹の朋美が不安そうに呟くー


「ーうっせぇなブスー。話しかけんな」

仁志(杏梨)が、冷たい目を妹の朋美に向けるー。


朋美は目を潤ませながら、

すっかり落ち込んだ様子で涙をこぼし始めるー。


”ーー…”

仁志(杏梨)は笑みを浮かべるー


”本当は、入れ替わりのことなんて、知らないけどー”

そう思いながら、玄関のほうを見つめると、

”これで、わたし、野坂さんと結婚できるー”と、

一人嬉しそうに笑うー。


”入れ替わり”は、杏梨が仕組んだものではないー。

しかし、”お前が仕組んだのか?”と聞かれた際に、

杏梨は咄嗟に「そう」と答えたー。


仁志に”杏梨が入れ替わりを仕組んだ”と思わせておけば

色々と”交渉”もしやすくなるー。


「ーー元に戻れる方法があるか分からないけどー…

 まぁ…戻れなければ戻れないで、それでー」


杏梨にとっては、どちらでも良いー。

元に戻れれば、杏梨は仁志の妻になれるー。

元に戻れなくても、仁志の身体を手に入れて、

”元・わたし”になった仁志も手に入れることができるー


どっちにしてもーーー

杏梨の欲しいものは、手に入るー。


「おい!!おい!!!」

何度もインターホンを鳴らす杏梨(仁志)ー


仁志(杏梨)は笑みを浮かべながら

玄関の方に近付いていくとー

”これ以上騒いだら、妹さん、犯しちゃいますよ?”と、

悪魔のように囁くー。


”婚姻届を3日間以内に持ってくるー…

 それしか、野坂さんに選択肢はないのー。

 うふふふふふー”


その言葉にーーー…

玄関を叩くのをやめた杏梨(仁志)は歯ぎしりをしながら、

「朋美…必ず助けるからな!」と玄関の扉に向かって叫んだー。


朋美に、この言葉が届いているのか、分からないけれどー。

それでも、叫ばずにはいられなかったー。



「ーーーふふふ…素敵ー」

仁志(杏梨)は、玄関の外から聞こえるそんな声にも

ドキドキしながら頬を赤らめたー。


「ーーーーーあぁ…婚姻届、いつ持ってきてくれるかなぁ…

 明日かな、明後日かなー

 それとも…今日だったりしてー」

一人、嬉しそうに呟く仁志(杏梨)ー


”もしー”

もしも、婚姻届を出すことが拒まれたらー

”仁志の身体を、杏梨は持ち逃げするつもりでいたー。


「ーーなんで入れ替わったのか分からないけどー…

 これって…やっぱり、神様からの贈り物よねー…ふふふふ♡」

仁志の身体で、そんな言葉を口走り、奇妙な雰囲気を晒すと、

「ーーあ、やばっ…興奮してきちゃったー」と、

トイレに駆け込んでー

”男の人ってたしかー”と、思いながら、

一人、”仁志のこと”を考えながら、仁志(杏梨)はトイレで

抜いてしまったー。


”仁志が、仁志のことを妄想して抜くー”

という、異様な光景がそこに、広がってしまったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


杏梨(仁志)の持つ”杏梨のスマホ”に、

仁志(杏梨)から”わたしの家の住所はー”と、

住所がメッセージで送られてきたー


”婚約者を部屋に上げるなんてー…ドキドキしちゃう♡”という

メッセージに吐き気を覚えながら、

ひとまず杏梨(仁志)は、杏梨の部屋にやってきたー。


ピンク色のまるで”お姫様”のような部屋ー


壁中に仁志の写真が貼られていて、

”わたしの白馬の王子様♡”と書かれた

仁志の写真が机の上に置かれていたー


「ーー気持ち悪いんだよ!くそっ!なんなんだよ!」

杏梨(仁志)はそう叫びながら、その写真を怒りのあまり

ゴミ箱に放り投げるー。


「ーーーー!」

机の上にはーー

”仁志と杏梨”をモデルにしたと思われる

二人が抱き合ったミニチュアつきのオルゴールまで

置かれていたー


「ーーうっ… おぇっ…」

あまりの”気持ち悪さ”に、杏梨(仁志)は

本当に吐き出しそうになってしまいながらも

”早くー、朋美を助けないとー”と、

必死に朋美に連絡を入れるー。


だがー

朋美から返事はないー。


”朋美は知らない番号からの連絡”には出ないー。


「ーーー…くそっ……」

杏梨(仁志)は頭を抱えながら朋美の無事を祈るー。


”婚姻届を3日間以内に持ってくるー…

 それしか、野坂さんに選択肢はないのー。

 うふふふふふー”


「ーーーーーー」

頭を抱える杏梨(仁志)ー


”女子大生の身体”になっても、

何かお楽しみをする、とか、そういう気持ちには全くなれずー、

杏梨(仁志)はただひたすらに、考えるー


”この状況を打開する方法”をー。

何とかして、朋美を守る方法をー。


「ーーー!」

スマホが鳴り、画面を見ると、

”仁志(杏梨)からのメッセージが表示されたー。


”実は婚姻届、わたしの分はずっと前にもう書いてあるんですー”

そんなメッセージだったー。


言われた通り、机の引き出しを開けると、

そこには”入れ替わる前の杏梨”が、前に書いたと思われる

婚姻届が入っていたー。


あとは、仁志がそこに記入するだけー、という状態に

なった婚姻届がー。


”なるべく、早くしてくださいねー”

メッセージが追加で送られてくるー。


”妹さんを、いじめたくなっちゃうかも♡”

最後に、そんなメッセージが送られてきたー


”朋美に手を出すなって言ってんだろ!!!!!!!”

そんなメッセージを送りつけるとー、

仁志(杏梨)から、”既読”はついたものの、返事はなかったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・


翌日ー


杏梨(仁志)はなんとか、朋美と連絡をつけて、

現状を伝えようとするー。


朋美の高校はちょうど今日から連休に入ってしまいー、

朋美の外出のタイミングに声を掛けることも、できないー。


「ーー早くしないと、朋美がーー」

杏梨(仁志)の焦りの感情がさらに膨れ上がっていくー。


あのストーカー女を放っておけば、

朋美が何をされるか分からないー

今、この瞬間も、痛めつけられているかもしれないー。


なんとか、反撃しようと色々考えた結果ー

”早く元に戻さないと、俺だってお前の身体で好き放題するぞ!”と

メッセージを送るー。


だが、そんな悪あがきは無意味だったー。


”エッチなことするって意味ですかー?

 うれしいー♡

 わたしの身体でいっぱい気持ちよくなってくださいねー”


そんな返事が来て、余計に気持ち悪くなってしまう杏梨(仁志)ー


「ーーーーーー…朋美ー」

杏梨(仁志)は、しばらく考え込んでいたが、

やがてーーーー

”あること”を思いついたー。


婚姻届を手にする杏梨(仁志)ー。


”朋美がわるいやつに襲われたら、俺は命をかけて朋美を守ってやる!”


”わ~!お兄ちゃん、かっこいい~!”


子供の頃、そんなことを言っていたのを思い出す杏梨(仁志)ー


「ーーーーー…」

杏梨(仁志)は、しばらく婚姻届を見つめてからー


そうだー

”命を懸けてでもー”と、ある決意をして、ぎゅっと拳を握りしめたー。


④へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


次回は、妹を守るために決死の行動にー…!?

妹を救い、元に戻ることはできるのでしょうか~?


今日もお読みくださりありがとうございました~!

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Comments

飛龍

「ストーカー女から妹を守るために駆けつけたお兄ちゃん」が傍から見ると「ストーキング対象の家に押しかけたストーカー女」にしか見えないと本人に指摘されちゃうの、入れ替わりの妙味で好きですねぇ~ 仁志で抜く仁志とかも倒錯の極みで最高! ストーカー無双状態ですが、お兄ちゃんの逆襲はあるのか、次回も楽しみです~

無名

ありがとうございます~!☆ あっ…!な、結末を書く日が楽しみデス~笑