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2か月前ー

ビルから転落した犯人・五十嵐は生きていたー。


まるでゲーム感覚で人の命を奪い、遺体に”何人目の犠牲者か”を刻む

狂気の男ー。


彼は、自分を追い詰めた刑事・謙介に復讐するべく、

謙介の娘である菜々香を皮にして、乗っ取ってしまうー。


菜々香となった五十嵐は、菜々香の身体で殺人を続行ー。

5、6,7番目の被害者が生まれてしまうー。


そして、その魔の手は、謙介の部下である川上刑事にも迫っていたー


★前回はこちら★↓

<皮>俺はここにいる②~娘の暗躍~

4人の命を奪った凶悪犯・五十嵐栄吾ー。 彼を追い詰めた警察官の謙介は、 ギリギリまで五十嵐を追い詰めながらも、交戦の末に 五十嵐は転落、そのまま消息不明になってしまうー。 それから2か月以上が経過したある日ー、 五十嵐と同じ手口の殺人事件が発生ー ”5人目の被害者”が出てしまったー。 ”ビルから転落したはずの...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


拘束された川上刑事は、信じられない光景を目にしていたー。


川上刑事を襲い、拘束したのはー

先輩刑事である謙介の娘・菜々香だったからだー。


「ーーど…どういう…ことなんだー…?」

川上刑事が必死に言葉を振り絞るー。


全身黒っぽい姿の菜々香が、

黒いスカートをふわふわとさせながら近づいてくるー。


「ーー言ったでしょ?

 警察官の娘が、殺人鬼ーって」

菜々香はクスッと笑うー。


菜々香を皮にして乗っ取った五十嵐は”あえて”

”菜々香のフリ”を続けるー。


「ーーき…き…君が、ここ最近の殺人事件を起こしてたっていうのかー?」

川上刑事はたまらず叫ぶー。


五十嵐栄吾は、2か月前に謙介に追い詰められてビルから転落ー。

それ以降は消息を絶っていて、五十嵐による殺人も止まっていたが、

ここ数日、再び”五十嵐による犯行と同じ手口”の殺人事件が

連日起きていたー。


”5”

”6”

”7”

犠牲者に数字を刻む手口も同じー。


共に捜査を続けていた先輩刑事の謙介は、

”五十嵐が生きていて再び犯行を再開した”か、

”五十嵐の模倣犯が現れた”か、

そのどちらかだと言っていたー。


「ーーふふふ そうー。驚いたでしょ?

 わたしが、このナイフでー三人殺したのー」


ニヤニヤと笑みを浮かべる菜々香ー。


「う…嘘だー…き、君が、そんなことするはずがー」

川上刑事は信じられないという様子で震えるー。


「ーす・る・ん・だ・よ」

菜々香はそう言うと、スカートを突然めくりあげて、

太ももに巻き付けたポーチから、スローイングナイフを取り出して

ぺろりとそれを舐めたー。


「ーわたしが、五十嵐栄吾の”模倣犯”ー」

菜々香は、クスッと笑うー。


「ーーい、五十嵐栄吾に…脅されているのかー

 だ、だったら、俺とお父さんで必ず君を助けるーだからー」


川上刑事はなおも信じられない、という様子で声を上げるー。


「ーーあはははははっ!そんなわけないでしょー?

 わたしが3人を殺したのー。

 そして、あんたが8人目の犠牲者ー。」


菜々香の冷たい声に、川上刑事は震えながら菜々香のほうを見るー


菜々香の目はー

紛れもない”殺人鬼”の目だったー。


「ーーき…きみはー…本当にー…

 お、お父さんが、、悲しむぞ…!なんでこんなことー!」

悔しそうに叫ぶ川上刑事ー

プライベートでも付き合いのある先輩刑事・謙介ー。

謙介が一人娘の菜々香を可愛がっていることは、川上刑事もよく知っているー


だからーーー


「ーーいいじゃんーー!」

菜々香は狂気的な笑みを浮かべながら、川上刑事の方に向かって

スローイングナイフを投げつけるー。


それが腹部に命中して、うめき声をあげる川上刑事ー


「いいじゃんいいじゃんいいじゃんいいじゃんいいじゃんいいじゃん!!」

そう叫びながら川上刑事に近付いてくる菜々香ー


「ーお父さんが、警察官だとさ、マジでウザいんだよね!

 色々な事件の話とか、正義ぶった話とか聞かされてさぁ!

 だから、わたしがぶっ壊してやるの!

 ふふふふふ…!お父さんから五十嵐って人の事件を聞いたとき、

 わたし、すっごい興奮したの!

 だから、こうやって真似してるの!!

 ふふふふふ、あぁぁ♡ 最高!ほら、泣けよ!喚けよ!」


菜々香の言葉に、川上刑事は悲鳴を上げるー。


菜々香の身体が最高にゾクゾクするのを五十嵐は感じるー。


”マジでやべぇー…この女の身体、滅茶苦茶興奮してるぜぇ”


自分で興奮させているのだが、

”乗っ取られているはずの被害者”である菜々香が、

興奮しているーいや、”させられている”と考えるだけで、

五十嵐は最高に興奮したー


”父がウザい”なんて思っていないし、

”事件のこと”なんて父には聞かされていないし、

”模倣犯に自らの意思でなっているわけでも”ないー。


けれどー

菜々香の口にそう言わせることでー

菜々香の尊厳をゴミのように踏みにじっていることにー

五十嵐はさらに興奮したー。


そしてーーーー


苦しそうに息をしている川上刑事の拘束をほどくと、

菜々香は笑いながら「ふふふ…解放してあげる!」と、笑みを浮かべるー。


「ーーはぁ…はぁ…」

川上刑事を椅子に拘束していた縄をほどくと、そのまま椅子ごと

蹴り飛ばす菜々香ー


自分の髪を乱暴にかき上げると

「ー10秒以内だけ待ってあげる!」と、笑いながら叫ぶー。


「ーーーーく…うぅ…」

血を流しながら床を這いずる川上刑事ー


「9~~~~!8~~~~!」

笑いながら菜々香がカウントをしているー。


”あァーこれで、このままこいつが死ねばー

 こいつにとっては”崎村 菜々香”は憎むべき模倣犯だー”


菜々香はゾクゾクしながらカウントを続けるー。


”ひひひ…最高だよー。

 この刑事は、この女を殺人鬼だと思って恨んだまま、死ぬんだー”


「ーー4~~~!3~~~~!」

菜々香がきゃははははは!と笑いながらカウントを続けるー。


”死んだらー、人間それまでだもんなー?

 もしも、この女が正気に戻ることがあってもー

 川上刑事は、ずっとこの女を怨んだままー…”


”菜々香を殺人鬼だと思ったまま、死ぬー”

そんな状況を作っていることに、菜々香を皮にして

乗っ取っている五十嵐は、ゾクゾクしながら身体を震わせるー。


「0~~~!ざ~んねん~!」

菜々香が這いずっている川上刑事の手をブーツで踏みつぶすと、

笑いながら、ぐりぐりと手を踏みにじるー。


「ーーや…やめてくれー…やめてくれー」

ついに川上刑事が命乞いを始めたー


「ーーー…くくくー」

川上刑事の前でしゃがみこむと、菜々香は

髪をどかしながら真顔で言い放つー


「泣けー」

とー。


川上刑事は悲鳴に似た声を苦しそうに上げるー。


「大の大人がわたしみたいな女子高生に泣かされてるとかー

 ほんと、笑えるよねー

 

 ほら、泣けよー

 わたしに命乞いしろよ」


菜々香が冷たい口調で言うとー


「ーーお、、俺にはー家族がいるんだー…

 まだ、死ねないんだー」

と、川上刑事が泣きながら命乞いをするー


「ーーー菜々香女王様ー…でしょ?

 ほら、お願いしてご覧?」


高飛車な口調で菜々香が言うと、

川上刑事は歯ぎしりをしながら叫ぶー


”もう、助けてもらえない”

そう、悟ったのだー。


刑事としての最後のプライドで、川上刑事は

菜々香のほうをキッと睨みつけたー。


「ーーー君はーー悪魔だ!人殺しー!

 君の…君のお父さんはー必ず君を捕まえるぞー!

 絶対にーーー…絶対に!罪を償うことになるんだー!」


川上刑事が、菜々香に憎しみをぶつけたー


「ーーーあぁ…♡」

菜々香はうっとりとした表情を浮かべたー


”俺のせいで、崎村菜々香が憎まれてるー”


「ーーたまんねぇ♡」

そう呟くと、菜々香は川上刑事にナイフを投げつけたー。


「ーーくくくくく…

 これは”俺の新たなゲーム”だー」


動かなくなった川上刑事の手の平に”8”と刻む菜々香ー。


「ー警察官の娘をどこまで極悪な女に変身させられるかー…

 そして、”お父さん”がいつ俺に気付くかー」


菜々香はそう呟くと、笑いながら、その場を後にしたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーただいま~!」

菜々香が何食わぬ顔で帰宅するー


「お、お帰り!最近、忙しいんだな?」

謙介が言うと、菜々香は「うん!学校もバイトも頑張らないとね!」と

微笑むー。


謙介は「はは、えらいなー菜々香はー」

と、笑みを浮かべるー。


”たった今、この綺麗な手で、お前の部下を殺してきたよー”


菜々香はそう思いながら、自分の部屋へと向かったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーーー川上ーーー!!!!」


翌朝ー

”8”と刻まれた部下の川上刑事の遺体を発見した謙介は

言葉を失っていたー。


「ーーなんで…くそっ…!」

川上刑事の遺体の前で悔しそうに首を振る謙介ー。


「ーーーーーーー」

誰がこんなことをしているのかー。


”俺は、ここにいるー”

そう書かれたメモが7番目の犠牲者の時に置かれていたー。


だがー、

それでも五十嵐栄吾本人の仕業とは限らないー。


「ーーー…崎村さんー」

共に現場に来ていた刑事が、川上刑事の遺体の近くにある

血のあとを指さすー。


「ーーこれ…何でしょうー?ちょっと不自然に見えませんか?」


川上刑事が力尽きていた場所のすぐ横に

”少し不自然な形”の血痕が残っているー


よく見ると、カタカナの”ナ”のようにも見えなくはないが、

途中で途切れていて、川上刑事はそのすぐ横で

動かなくなっていたー。


昨夜ー

菜々香が立ち去ったあとに、瀕死の川上刑事が

”なんとかして、あの女が犯人だと知らせないとー”と思い、

必死に残した文字ー。


結果ー、最後まで名前を書くことはできなかったが、

”ナ”という文字だけを残したー。


カタカナだったのはー

”間もなく自分は死ぬ”と悟った川上刑事なりの最後の判断ー


ひらがなや漢字で書くよりもー

カタカナで”ナナカ”と書くのが一番時間がかからないー。

そう判断したためだったー。


結局、川上刑事はナを書き終える前に絶命してしまい、

そのメッセージを伝えることはできなかったー。


しかしー

それでもー

謙介に”何かを伝えようとしていた”ということだけでも伝わった以上ー

川上刑事の最後の判断は、間違ってなかったのかもしれないー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーあ、もしもし~?うん、うんー。

 大丈夫。もうすぐに帰るから~

 うん!え、ティッシュがなくなりそう?

 あ、じゃあわたし帰りに買って行ってあげる!うん!」


菜々香は母親の琴子と笑いながら通話を続けているー。


だがーそんな菜々香は、ブーツで男の頭を踏みにじっていたー


”9人目”のターゲットだー。


「ーーーぁ、、、ぅ」

声が漏れないように、頭を足で踏みつけて、顔を地面に押し付ける菜々香ー


「ーーうん~!最近、バイトも人手不足みたいだし~

 うん!でも大丈夫!

 あ、あとは帰ったらね!

 ティッシュはいつものでいい?」


菜々香はそんな風に言いながら「うん!わかった!ばいばい!」と

可愛らしく微笑むと、そのままスマホでの会話を終えたー。


「ーーーーふふふふ

 まさか、電話してる娘が、人殺ししてる最中なんて、

 思わないだろうなぁ」


菜々香がそう呟くと、踏まれていた男が、悲鳴を上げながら

菜々香に抵抗してきたー。


急な反撃に、菜々香が転倒するー。


「俺は…俺は死にたくない!」

菜々香が先ほど投げたスローイングナイフを手に、

パニックになって菜々香に突進してくる男ー。

男とつかみ合いになった菜々香は

「ーー無駄な抵抗すんじゃねぇよ!」と怒りの形相で叫ぶと、

男の急所を蹴り飛ばすー。


「ーーっ」

菜々香は自分の手に傷がついたことを確認すると、

イライラした様子で髪を触りながら、菜々香は

男を何度も何度も蹴りつけるー。


「ーーやってくれるじゃん!

 おっさんの分際でよ!ふざけやがって!」

菜々香は、我を忘れて何度も何度も男を蹴り続けるー


激しい口調で罵り続ける菜々香ー。


元々、五十嵐栄吾は”自分の思い通りにならない”と

キレる凶暴性も持つ危険人物ー


やがてー

男が息絶えたのを確認すると、菜々香は荒い息をしながら

「ふ~~~…久々にキレちゃったー」と、笑みを浮かべながら

男の遺体に”9”と刻むと、そのまま立ち去って行ったー


・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーー女の怒鳴り声が聞こえたとのことですー」


翌朝ー

”9”と刻まれた遺体を前に、そう報告を受ける謙介ー


「女ー?」

表情を歪めるー。


”五十嵐栄吾”と同じ手口で殺人を繰り返している人物は、

やはり五十嵐栄吾本人ではなく、模倣犯なのかー。


そんな風に思いながら、謙介は「とにかく、殺人鬼を捕まえるぞ」と、

今まで以上に捜査に全力を尽くすのだったー。



「ーーーー」

ペロリー

自分の手の怪我を舐めた菜々香はー

笑みを浮かべるー


「ー俺はここにいるー

 見つけて見ろよー”お父さんー”」


菜々香はそう呟くと、クスッと笑ったー


”別にバレてもいいー”


いやー

むしろ”バレるのを待っているー”


「ーーーお父さんが、どんな風に絶望してくれるか、

 楽しみだなぁ♡

 だってー

 自分の娘が”殺人鬼”なっちゃってるんだもんー


 きっとー

 すっごい絶望を見せてくれるよねー」


菜々香は一人、そう呟くと、

興奮した様子で、ふふっ♡と、笑みを浮かべたー


④へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


娘の犯行に気付くまで、あと少し…!?

続きはまた次回デス~!


今日もありがとうございました~!☆

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