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社会人となり、実家を出た兄・仁志ー。

そんな仁志の家には、現在高校生の妹・朋美が2か月ほど前から

やってきて、一緒に暮らしていたー。


兄のことが大好きな朋美と、

何だかんだで朋美を大切にしている仁志ー。


しかしー

そんな仁志は、女子大生の杏梨から、ストーカー行為を受けていたー。


次第にその行動はエスカレートしていき、

”朋美”のことまで口にし始めた杏梨を、なんとか追い払おうとする仁志ー。

だが、二人は斜面を転落してしまい、そのまま身体が入れ替わってしまうー。


★前回はこちら↓★

<入れ替わり>お兄ちゃんもうやめて①~兄妹の絆~

高校生の野坂 朋美(のさか ともみ)は 2か月ほど前から実家を離れて、兄・仁志(ひとし)の家に やってきていたー。 仁志は、大学を卒業した昨年、実家を出て 少し離れた場所で一人暮らしをしていて、 その家に、朋美は2か月ほど前からやってきて、 兄と二人で一緒に暮らしているー。 ちょうど、高校に通うには実家よ...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


仁志になった杏梨は仁志のスマホを手にしながら

笑みを浮かべるー。


杏梨は、仁志のことを執拗に調べていたー。

その結果ースマホの暗証番号すらも突破し、

仁志のスマホを除くー。


「ーーー……」

不機嫌そうな表情で仁志のスマホのデータを確認する

仁志(杏梨)ー


「ーー……妹…妹、妹、妹、妹ー」

妹のことばかりー、

というわけではないー。


だが、仁志には現在彼女がいないため、

”異性”で親し気にメッセージのやり取りをしているのは、

妹の朋美だけだったー。


「ーー妹…妹…妹…妹」

ミシッとスマホを握りしめる仁志(杏梨)ー。


杏梨にとっても”今の状況”は誤算だったー。

まさか、他人と身体が入れ替わってしまうーなどとは

夢にも思わなかったのだー。


だがー、杏梨になった仁志より先に目を覚ました

彼女は、すぐに仁志の家にやってきたー。


”この身体なら”

合法的に大好きな彼の全てを知ることができるからだー。


「ーーーーーふふふふふふ」

仁志(杏梨)は、ニヤニヤと笑いながら”あること”を

すると、涙目で料理を片付けていた朋美の方に近付いたー。


「ーそういえばさ、ーー…お前にも俺の彼女、見せてやるよー」

仁志のフリをして、朋美に声を掛けるー。


まだ目に涙を浮かべたままの朋美が、仁志(杏梨)のほうを見るー


「ほら、この子ー…藤村 杏梨って言うんだけどー」


当然ー

仁志のスマホに杏梨の写真など入っていなかったー。


だがー

仁志の身体で、杏梨はたった今、勝手に

自分自身のSNSに載せていた自分の写真を仁志のスマホに入れて、

保存したのだー。


”はぁぁぁ…野坂さんのスマホにわたしの写真が入ってるってだけでー”


仁志(朋美)は笑みを浮かべながら

朋美のほうを見つめるー。


”興奮しちゃうーーー…”


”仁志のスマホに自分の写真が入っているー”

そう考えただけで、杏梨はたまらなく興奮したー。


「ーーーすっげぇ可愛いだろー?」

仁志(杏梨)が言うと、朋美は涙目で「う…うんー」と頷くー。


本心からか、それともお世辞かは分からないー。


「ーーお前みたいなクソ生意気な妹と違ってさー、

 わたs…いや、杏梨ちゃんは、すっごいいい子だからー」


一瞬、”わたし”と言いかけたが、すぐに自分が仁志の身体で

あることを思い出しー、仁志の口で”杏梨ちゃん”と言ってみたー。


”あんり…ちゃん♡”

仁志の身体になっている杏梨は、心の中で激しくゾクゾクしたー。


”仁志に杏梨ちゃんと呼ばれているー”

そんな、夢のようなこの状況にー。


もちろん、自分が仁志の身体で勝手に言っているだけだがー、

それでも”仁志の口からその言葉が出ている”ことには違いないのだー。


「ーーー……わたし……お兄ちゃんのこと…

 いつも、困らせてたのかなー…」

朋美が再び目からポタポタと涙をこぼすー。


「ーははは!今更気づいたのかよ!

 せっかく杏梨ちゃんと一緒に暮らそうと思ってたのにさ~!

 お前、ホント邪魔なんだよね」


仁志(杏梨)の悪魔のような言葉に、

朋美はその場で泣き崩れてしまうー。


仁志本人が見ていたら、今の仁志(杏梨)を迷わずグーで

殴り飛ばすぐらいに怒り狂っただろうー。


しかし、この場に仁志はいないー。

身体はいても、中身は仁志ではないー。


「ー俺は、杏梨ちゃんを愛してるんだー

 ふふっ… ふふふふふふふふ…♡」

仁志(杏梨)は自分でそう言って、最高に幸せな気分になって

一人、不気味な笑みを浮かべながら笑い始めたー。


そんな、”お兄ちゃん”の異様な様子にもー

”お兄ちゃん”からの辛辣な言葉に傷つき、泣き崩れている

朋美はー、気づくことはできなかったー。


・・・・・・・・・・・・・・・


「ーー!」

土のついた白いスカートを手ではたきながら、

表情を歪める杏梨(仁志)ー。


「ーーーお、お嬢さんー?

 こんなところでいったいー…」


人通りの少ない

木々が生い茂ったこの道でー

女子大生が道から外れた斜面で倒れていたー。


当然、普通の状況ではないー。


黄色いリボンにポニーテールの髪を揺らしながら

杏梨(仁志)は「あ…い、、いえ…」と、

”この状況”に戸惑いながらも、

”善意から倒れていた杏梨に声を掛けてくれた男”を

なんとかやり過ごそうとするー。


「ーー警察…呼びましょうかー?」

男が心配そうに言うー。


この状況ー

当然”誰かにやられた”と考えるのが妥当だろうし、

この通行人の判断は、間違っていないー。


けれどー

今の杏梨(仁志)からすれば、

”ありがたいけど、迷惑”そんな、状況だったー。


「ーーあ、、あの、ほんとに、大丈夫ですのでー

 俺…足を踏み外して躓いただけでー」

杏梨(仁志)がそこまで言ってー

”やべっ”と、心の中で戸惑うー


”俺”なんて言ったらさらに怪しまれるー。


心配して、男のほうを見たが、

「ーそ、そうですか。ならよかったー」と、男は無事、

納得してくれた様子だったー。


少し戸惑った様子にも見えたが、

”俺”が一人称の女子は、時々いるー。

それ以上は、詮索してこないだろうー。


足早に立ち去ろうと、慣れないブーツで

歩き出す杏梨(仁志)ー


「くそっ…どうなってるんだー」

杏梨(仁志)は、自分の手を見つめるー。


視界には、綺麗な手が映るー。


そしてー

杏梨の身体の胸も、視線を落とすだけで

すぐに視界に入るー。


「ーーく、、くそっー…」

杏梨(仁志)は、今の状況に毒づいたー。

こんな風に入れ替わってしまったことにも焦りを感じていたし、

何よりも”ストーカーと化したこの女子大生の身体”に

少しドキッとしてしまった自分が、腹立たしかったー。


「ーーふざけんな…こんな危ない女に誰がドキッとなんてするかー」

杏梨(仁志)はそう呟くと、

胸や髪、スカート、綺麗な肌ー

色々な要素を頭から全て振り払うと同時に、

表情を歪めたー。


「ーーー…朋美ー…」

心配そうに、妹の朋美の名を呟くー。


夜の街を走りながら、杏梨になった仁志が目指していたのはー、

当然、”自分の家”だー。


”俺の身体がないってことはー…”

杏梨(仁志)は険しい表情を浮かべるー。


自分がこのストーカー女の身体になっていてーー

”仁志の身体がない”ということはー…


”このストーカー女が、俺になっているー?”


「ーー朋美ちゃん、だったっけー?

 今度、ご挨拶しちゃおっかなぁ~」


少し前に、杏梨に言われた言葉を思い出すー。


「ーー朋美ー」

必死に走る杏梨(仁志)ー


だがー


「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」

息切れしてしまいー、

その場で立ち止まってしまうー。


杏梨(仁志)の口から、荒い息が漏れるー。

その息に少しだけドキッとしてしまったことにも

悔しさを感じながらー

「ふざけんな…」と呟くー。


”仁志の身体”と同じ勢いで全力疾走したため、

”華奢な女子大生”である、杏梨の身体が悲鳴を上げているのだー。


「ーーーはぁ…はぁ…はぁ…

 あぁ…もう…髪も邪魔だしー」

杏梨(仁志)はそう呟きながら、杏梨のカバンから

スマホを手にするー。


”転落した場所”に、鞄も一緒に置いたままになっていたため、

それも回収してきたのだー。


元に戻ったあと、何か言われると面倒だし、

何か手がかりも見つかるかもしれないー。


そう、思いながらー。


「ーーーーー!!!!」

しかし、杏梨(仁志)は思わず「なんだこれは!?」と

声を上げたー。


杏梨のスマホのホーム画面ー。

そこにはー

杏梨と、仁志がキスをする”ような”写真が

背景に設定されていたー。


杏梨が正面を向いた仁志にキスをしているー。


当然ー

そんなことはされていないー。


杏梨自身が、自分が何もない空間に向かってキスしている写真を撮り、

盗撮した仁志の写真と合成したのだろうー。


「ーーーうっ…」

思わず”生理的に無理”だと、杏梨(仁志)は吐き気すら覚えてしまうー。


だがー

そんなことをしている場合じゃないー

こんなやばい女に、朋美がー、朋美が何かされたらー。


「ーーー!」

杏梨のスマホは、指紋認証だったー。

すぐにスマホのロックを解除した杏梨(仁志)は、

慌てて妹の朋美に電話を掛けようとするー。


「ーーーーー」

けれどー、朋美のスマホに電話をかけても返事がないー。


「ーーーっ」

杏梨(仁志)は表情を歪めるー。


朋美の身に何かが起きたー…

と、いうことではないとは思うー。


単純に朋美は”知らない番号からの電話には出ない”ことを

思い出して、表情を曇らせるー。


「ーーーくそっ!だったらー」

杏梨(仁志)は険しい表情で、スマホを手にするー。


”自分自身のスマホ”に、電話を掛けるー。

固定電話がない仁志の家に電話を掛けるにはー

それしかないー。


杏梨になった仁志が考えている

”最悪の状態”ー


それはー、

”仁志になった杏梨”が、仁志のフリをして帰宅しー、

妹の朋美に何か手を出していないかー


そんな、最悪の予感が頭をよぎるー。


”杞憂であってくれー”

杏梨(仁志)は、再び全力疾走しながら電話を掛けるー。


”仁志の中に杏梨がいるとは限らない”

”仁志になった杏梨が家に帰宅しているとは限らないー”

”朋美に、手を出しているとは限らないー”


”もしもしー?”


電話の向こうから、仁志の声がー

”自分自身”の声がしたー


「ーーお前……!やっぱ俺の身体でー」

杏梨(仁志)は怒りの形相で叫ぶー。


”ーーーあぁ、野坂さん!目が覚めたんですねー”

仁志の声ー

”自分の声を電話越しに聞く”という奇妙な体験をしながら、

その口調から、仁志の身体の中に、杏梨がいることを確信した

杏梨(仁志)ー


最悪の想定の第1段階をクリアしてしまったー。


「ーー…今、どこにいるー!?

 入れ替わったままなんて、俺も、藤村さんも困るはずー

 合流して、さっさとー」


”今、わたし、野坂さんの家にいるんですよー?”

クスッと笑う仁志(杏梨)ー


「ーーな…に…?」

杏梨(仁志)は走りながら、唖然としたー


「ーお、、お前、人の身体で、いったいー何を…」


その時だったー。

電話の向こうから”女の泣き声”が聞こえてきたー


その泣き声を聞いた瞬間ー

杏梨(仁志)は理性を失って叫んだー


「ーーテメェこの野郎!朋美に少しでも手を出したらタダじゃおかねぇぞ!」

杏梨の声で鬼のような怒声をあげるー。


周囲の通行人が、”あまりにも凶暴な女子大生”にビクッとするー。


”わたしがー”

スマホの向こうから仁志になった杏梨の冷たい声が聞こえるー


”いえー、「俺」が自分の妹をどうしようとー

 俺の勝手だろー?”


仁志(杏梨)の冷たい声がスマホの向こうから聞こえて、

杏梨(仁志)は自分が女子大生の身体であることも忘れて、怒り狂うー。


”部外者に俺たち兄妹のことに指図する資格は、ないんじゃないかなぁ~?”

仁志の口調を真似て挑発してくる仁志(杏梨)ー


「ーふざけるな…!朋美を泣かせてー…いったい何をした!おいっ!」

杏梨(仁志)がなおも叫ぶー。


”女子でもこんな怒鳴り声が出せるのか”と思ってしまうぐらいに

怒り狂った様子の杏梨(仁志)ー


周囲の通行人たちは”やばいもの”を見る目で、杏梨(仁志)を

避けているー。


”ーーまぁ、”彼氏の妹”になら、口出ししてもいいのかも…ね?”

仁志(杏梨)が挑発的に続けるー。


「ーー何がいいたいー?」

杏梨(仁志)は再び息切れしながら、立ち止まってそう呟くー。


”俺と付き合えばー俺の妹に口出しできるってことだよー”

仁志(杏梨)の言葉にー

「ーーふざけるな…お前みたいなストーカー女と、誰がー!

 今からそっちに行くから、覚悟しろ!」と、杏梨(仁志)が言い返すー。


仁志(杏梨)はー、

入れ替わった状態でもなお、恋人関係になることを要求してきたー。


当然、そんな要求を受け入れるつもりはないー。


”ふぅんー”

仁志(杏梨)は、仁志のフリをするのをやめて呟くー


そしてー

仁志(杏梨)は少しだけ笑うと、”わざと”声を上げたー

電話の向こうの、杏梨になった仁志にも聞こえるようにー


”おい!朋美!いつまでも泣いてるんじゃね~よ!

 お前はホント、ゴミみたいな妹だな!”


仁志(杏梨)の声と、朋美の悲しそうに泣く声が電話の

向こうから聞こえるー


「ーうあああああああああああああああ!!!」

杏梨(仁志)は怒り狂ってスマホを握りしめると、

そのまま自分の家に向かって走るー


朋美は”入れ替わり”を知らないー

朋美からすれば”大好きなお兄ちゃん”に酷いことを

言われ続けている状況ー


「ーー絶対…絶対許さないー」

杏梨(仁志)は、既に通話の切れたスマホを握りしめながら、

自宅に向かって走るー。


「ーーへへへ どうしたんだいー姉ちゃんー」


そんな時だったー。

柄の悪そうな男が、杏梨(仁志)の姿を見て絡んでくるー。


「ーーうるせぇ!黙ってろ!!!!!!!!!!」


それどころではなかったー

杏梨(仁志)は、鬼のような形相で、男を睨みつけると、

男は、あまりの恐怖に尻餅をついて、その場に座り込んだー


男を無視して走る杏梨(仁志)ー。


「待ってろ朋美ー

 こんなイカれた女の好きにはさせないー」


杏梨(仁志)は、只々朋美の無事を祈りながら

家に向かって走り続けたー。


③へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


妹のピンチ…!

果たして間に合うのでしょうか~?


続きはまた次回デス~!

今日もありがとうございました~!

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Comments

飛龍

朋美ちゃんが可哀想すぎる~ でも兄としての立場までストーカー女に握られて好き放題去れてしまうの興奮してしまう 果たして助けられるのか、次回も楽しみです~!

無名

ありがとうございます~! 今のところ、ストーカー女の有利な状況が 続いていますネ~!☆ 続きもぜひ楽しんでください~!☆