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「ーーわたしを女だと思って、甘く見たでしょ?」

優美香が男に刃物を突き付けて笑みを浮かべているー。


髪型も、メイクも、服装もー

遠目から見れば、優美香だと分からないー。


夜の街を派手な格好で歩いていた優美香は、

最近、このあたりに出没していた不審者の男に

ターゲットにされてしまったー。


だが、男の不運はー

”狙った少女は、普通の少女ではなかった”

ということだったー。


「ーーーこの世にはさー」

優美香が笑みを浮かべながらパックリと真っ二つに割れるー


「ーお前の知らない”恐怖”もあるんだよー」


不審者の男は、”皮”にされた優美香が真っ二つに割れて

中から男が出てきたことに、悲鳴を上げたー


「ーー身体は女でも”中身”も女とは、限らないんだぜ?」



これはー

”とある女子高生”が

SNSで知り合った男に皮にされるまでの物語ー


(第4週)


★前回はこちら↓★

<皮>SNSで知り合った男に皮にされるまで③~不穏~

「どうだー?」 隣に置いた姿見に映る”自分”に向かって笑みを浮かべる優美香ー その視線の先には、テレビー。 テレビには、”自分が失踪したニュース”が連日放送されているー。 「ーー自分が行方不明になったニュースを見ながら  こうして興奮してる気分はー…?」 優美香がクスッと笑うー。 皮にされて支配されてしまっ...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


2月6日


優美香が最近はまっているパズルゲームで知り合った

”タクヤ”

”ririko”

”エンジョイゲーマーおばさん”の三人ー。


そのうちの一人、”タクヤ”が優美香に対して

妙に距離感を詰め始めたため、優美香は”タクヤ”と距離を置いたー。


しかし、”タクヤ”は優美香にブロックされた数日後に

”タクヤ2”というアカウントを作って、

優美香を再び監視し始めたのだー。


”タクヤ2”もブロックした優美香ー


”そういう人…いるもんね…”

同い年の”ririko”にそのことを相談すると、

ririkoも戸惑った様子でそんな風に呟いたー。


だいぶ精神的に参ってしまった優美香ー

ririkoと対戦を楽しみながらも、その振る舞いは

どこか暗いままだったー。



2月7日


「ririkoちゃんって本当にいい子だよね~!」

クラスメイトの紗枝が笑うー。


どうやら紗枝も、優美香を通じてririkoと知り合ってからは

ririkoと一緒に定期的に対戦しているらしいー。


「あ、そういえば、ririkoちゃん、隣の市の高校に通ってるらしいよ~!」

紗枝が笑うー


「えっ!?そうなの!?近っ!

 もっと遠くに住んでるイメージだった!」

優美香が言うと、紗枝は「わたしも!」と笑ってから、

「色々聞いちゃった!本名とかも!」と続けたー。


「ー紗枝ちゃんはぐいぐい行きすぎだよ~」

優美香が苦笑いするー。


”グイグイと距離感を詰める紗枝”のことを見て

少しだけ”タクヤ”のことを思い出す優美香ー


「ーー大丈夫?」

優美香の表情が暗いことに気付いた紗枝が心配そうに言うと、

優美香は「あ、うんー…大丈夫!」と笑みを浮かべるー。


「今度の休みにririkoちゃんと実際に会うことにしたんだけど、

 優美香も一緒にどう?」

紗枝からのそんな言葉に、優美香は「どうしよっかな~」と

少しだけ戸惑ったような表情を浮かべたー



2月8日


”エンジョイゲーマーおばさん”の愚痴を聞きながら

パズルゲームの対戦をする優美香ー。


”タクヤ”のことも親身になって聞いてくれた

エンジョイゲーマーおばさんに対して

「ありがとうございますー」と呟く優美香ー。


「ーわたしのお母さんは、ネットとかこういうのに疎いので…

 なかなか相談できなくてー」

優美香が言うと、

”わたしだって、数年前までは全然だったのよ~”と、

エンジョイゲーマーおばさんは笑うー。


気さくな感じの近所のおばさんー。

そんな雰囲気で、エンジョイゲーマーおばさんは

とても話しやすいー。


エンジョイゲーマーおばさんと対戦しながら

色々な話を聞いてもらった優美香は、

少し気持ちが楽になった気がしてー

安堵の表情を浮かべたー。



2月9日


”タクヤ2”のアカウントをブロックして以来ー、

”タクヤ”やその友人を名乗る”レオン”に動きはないー。


優美香のツイッターに”新しいフォロワー”は

何人か増えているが、それらしきアカウントも見当たらないー。


「ーーふ~~~」

今度の三連休ー、紗枝はririkoと会うのだと言うー。


”優美香もどう?”と誘われていたため、

この数日間迷っていたものの、”紗枝が一緒なら”と、

優美香も一緒にririkoと会うことを決めるー。


倉科 梨々子(くらしな りりこ)ー。

それが、”ririko”の本名だと、紗枝が教えてくれたー。


「ーちょ!?ririkoちゃんに許可なく勝手に教えちゃっていいのー!?」

優美香が思わず叫ぶと、

紗枝は「あーー…どうだろー?いいんじゃないー」と、

苦笑いするー


「やっぱ紗枝ちゃんは適当すぎ!!!」

優美香が紗枝の肩をぺしぺしと叩くー。


「っていうか、ririkoって、本名だったんだねー」

優美香が言うと、

紗枝は「まぁ、優美香だって”ゆみ”でプレイしてるでしょ」と

笑いながら言うー


「ーーまぁ…確かにー」

一文字減らしているとは言え、優美香も本名を元にした

名前でプレイしているー。


「ーわたしはー全然違う名前だけど」

紗枝が笑いながら言うー。


そんな言葉に、優美香は

「”現代のモーツァルト”って、何を思って

 そんな名前をつけたの?」と笑うー


「ーーん~~~~…

 名前迷ってた時にたまたま音楽の教科書のモーツァルトの

 写真が目に入ってー」


と、紗枝は苦笑いしながら呟いたー。



2月10日


”なぁ、ゆみちゃんとは最近連絡つかないのかよ”


”タクヤ”は、自宅で友人の”レオン”とやり取りをしていたー。


「ーーあぁ、ブロックされちゃってるしな」

リアルの友人でもあるレオンと電話でやり取りをしている

”タクヤ”


”マジかよ!ってよく見たら俺もブロックされてるわ!”

レオンが笑いながら言うと、

タクヤは少しため息をつきながら呟いたー。


「ーーまぁ……向こうがその気なら、

 俺にも考えがあるけどなー」

”タクヤ”が言うー。


”おいおい、お前、何をするつもりだよー?”

レオンの言葉に、

”タクヤ”は静かに笑みを浮かべたー。



2月11日


「初めまして!梨々子ですー」

"ririko”と待ち合わせしていたカフェで、

優美香と紗枝は、”生のririko”と初めて対面したー。


梨々子は”倉科 梨々子”と書かれた

高校の生徒手帳を見せるー。


「ーー梨々子ちゃんってば、警察官みたい!」

笑う紗枝ー。

警察官が警察手帳を見せる仕草になんとなく

似ている気がしたからだー。


梨々子は「逮捕しちゃうぞ!」などと、冗談を言いながら

座席に座ると、優美香とも自己紹介をするー。


「ーわ~…優美香ちゃんって言うんですね~!」

梨々子が微笑むー。


「ーーあ、でも、ゆみちゃんのままでも全然大丈夫だからー」

優美香が言うと、凛々子は「でもせっかくだから優美香ちゃんで!」と笑うー。


優美香と紗枝の二人と、学年も同じだった梨々子とは、

話がとても弾むー。

最初はパズルゲームの話をしていたものの、いつしか

女子高生らしい雑談に変わっていきー、

同じ高校の友達かのように、雑談が弾むー。


「ーー紗枝ちゃん、コーラ飲みすぎじゃない?」

梨々子が笑いながら言うと、

紗枝は「梨々子ちゃんこそ、コーヒー飲みすぎじゃない?」と笑うー。


優美香はそんな会話を聞きながら

「コーヒーなんてなんだか大人っぽいなぁ~」と、笑いながら

ぶどうジュースを口にするー。


三人の初対面は、大盛り上がりのまま、時間はあっという間に過ぎていき、

優美香と紗枝にとって、忘れられない1日となったー。



2月12日


土曜日ー


優美香はその日から”視線”を感じるようになったー

粘りつくような、不気味な”視線”をー。


「ーーーー!」

部屋の窓から外をふと見ると、

人影が電柱の影に隠れた気がしたー


”不安ー”

得体の知れない不安が、優美香の中で広がり始めていたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


”現在”ー。


「ーーー例の”行方不明”の件のほうはどうしますかー?」

若い刑事が責任者の男に向かってそう言い放つー。


「ーーそちらは私の読みが合っていればー

 宮渕優美香を捕まえれば解決するはずですー」

責任者の男は淡々と呟くー。


彼らは”宮渕優美香”失踪の件のほかにー

”もう1件”の失踪についても調査しているー。


関連が深い案件だからだー。


「ーーまぁ、焦らずとも、

 宮渕優美香の”中の男”に聞けば分かることですよー」


責任者の男は静かにそう呟き、そして、笑みを浮かべたー。


⑤へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


誰がどうなるのか、

色々想像しながら、また次回を楽しみにしていてくださいネ~!


今日もありがとうございました~!


※毎週土曜日の更新(コンパクト枠)とは?

(いつもと同じ説明デス↓ 既に知ってる方は読まなくて大丈夫デス!!)

毎週土曜日(以前は火曜日でした!)は、

私が仕事の都合で書く時間を確保できないので、

本来更新は難しいのですが

少しでも皆様にご恩返しということで、他の6日間で毎日

少しずつ執筆して、土曜日にも、作品をお届けしています!

そのため、いつもより少し文章量が少ないため

毎週土曜日の作品は、100円プランでも読めるようにしてあります!

(※土曜日枠のお話は必ず完結まで100円プランで読めるようにします!

  途中から上がったりはしませんので、安心してください)

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