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「どうだー?」

隣に置いた姿見に映る”自分”に向かって笑みを浮かべる優美香ー


その視線の先には、テレビー。

テレビには、”自分が失踪したニュース”が連日放送されているー。


「ーー自分が行方不明になったニュースを見ながら

 こうして興奮してる気分はー…?」

優美香がクスッと笑うー。


皮にされて支配されてしまった優美香は今、

”自分自身が行方不明になってしまったニュース”を見て

ゾクゾクしていたー。


ここに”わたし”はいるのにー

その”わたし”は、今の現状を喜んでゾクゾクしているー


”そう、させている”

ことに、男は強い快感を感じながら、邪悪な笑みを浮かべるー。


”優美香ー…お願いだから戻ってきてー…

 言いたいことは、それだけですー”


母親が顔を隠した状態でニュースに出演しているー


それを見て、優美香は笑みを浮かべるー。


「ーーい・や・だ♡」

そう、呟きながらー。


これはー

”とある女子高生”が

SNSで知り合った男に皮にされるまでの物語ー


(第3週)


★前回はこちら↓★

<皮>SNSで知り合った男に皮にされるまで②~距離感~

「ーーーーークククー似合ってるぜ」 帰宅した優美香は、笑みを浮かべるー ラバースーツにサングラス姿で夜の街を歩いていて優美香は 帰宅すると、その姿が写る鏡を見つめながらそう呟いたー 「ーーまさか、自分がこんな格好させられるなんて、  夢にも思わなかっただろうなー」 笑みを浮かべながら優美香は、”女子高生...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


1月30日


”エンジョイゲーマーおばさん”と

”ririko”からの助言を受けた優美香は、

”タクヤ”と距離を取ることを決意したー。


優美香が最近ハマっているパズルゲームを

きっかけにネット上で知り合った人たちー。


その中でも”タクヤ”、”ririko”、”エンジョイゲーマーおばさん”とは

特によく話すことが多かったものの、

”タクヤ”は、どんどん距離感を詰めてきて、

優美香はその態度に違和感を感じていたー。


そして、エンジョイゲーマーおばさんらに相談したところ

”もし不安なら、早いうちに距離を取ったほうがいい”と

助言を受け、優美香はそうしたのだー。


”ごめん、なんか怒らせちゃったかな?”

”タクヤ”は、そんな優美香の態度に気付き、

そうメッセージを送ってきたー。


優美香は”いえ、少しゲームやる時間がなくなっちゃってー”と、

無難な受け答えをしつつ、”タクヤ”からのフェードアウトを

試みるー。


直接会ったわけでもないしー

個人情報を知られているわけでもないー。

きっと、大丈夫ー。

そう、思いながらー。



1月31日


放課後に紗枝と、先日オープンしたばかりの

スイーツ店を訪れた優美香ー。


「ーすごい~!食べたいものが多すぎて迷う~!」

優美香が笑いながらお店のメニューを見つめるー


友人の紗枝も目を輝かせながら、

店のスイーツを見つめているー。


二人は迷った挙句、ようやく食べるものを選ぶと

「ここ美味しいね~!」などと話ながら、

スイーツを堪能するー。


「ーー優美香って、親とも仲良くてほんと、いいよね~」

紗枝がふと、そんなことを口にしたー。


「え~?そうかなぁ~」

優美香が笑うー。


「ーそうだよ~!だって、優美香”家出”とか考えたことないでしょ?」

紗枝の言葉に、

優美香は「紗枝はあるの~?」と、不思議そうに問い返すー。


「ーーわたしの家は両親が不仲だから、

 何度も家出したいと思ったもん!

 喧嘩もよくしてるし!」


紗枝が言うと、優美香は「そっか~」と、呟くー


「あ、ごめんね!変な話して!

 両親と仲良しなことはいいことだから、優美香はそのままで、ね!」


「ーーうん!」

優美香は微笑みながら返事をするー。


そんな優美香が、”家出”をすることになるとはー

紗枝も、そして”優美香本人”すらも思っていなかったー。



2月1日


”タクヤ”が、優美香にメッセージを送ってきたー


”また、対戦できるかなー?”

というメッセージ。


あまり”急激に距離を取りすぎる”のも良くないと判断した

優美香は対戦に応じるー。


だが、”タクヤ”は、対戦中に

再び”対戦会”に誘ってきたー


優美香は”リアルで会うのは親に止められているのでー”と

断りを入れるー。


”タクヤ”は「そっか」と言うと、それ以上は

優美香を誘ってくることはなかったものの、

優美香の中ではさらに不信感が強まっていくー…。



2月2日


”エンジョイゲーマーおばさん”といつものゲームで対戦した優美香ー。


”タクヤ”とのその後はどう?と、エンジョイゲーマーおばさんから

聞かれた優美香は現状を相談するー。


”そ。そういう男はネット上にいくらでもいるから、

 気を付けた方がいいわねー。

 ま、わたしみたいなおばさんはもう誰にも相手にされないけど!

 ふふふふふ”


エンジョイゲーマーおばさんの言葉に、

優美香は”いつも本当にすみません”と、感謝の気持ちを伝えるー。


”いいのよー。ゆみちゃん、可愛いしー”

優美香がネットで名乗っている名前を呟くと、

エンジョイゲーマーおばさんは、穏やかな口調でそう呟いたー。



2月3日


今日は放課後、紗枝もやってきて、

紗枝と優美香の二人で、オンライン対戦を楽しんでいたー


”はじめまして!ririkoです!よろしくお願いしますー”

紗枝とは初対面の”ririko”が紗枝に対して挨拶をするー。


「ーーゆみから聞いてるよ~!よろしくね!」

ちゃんと”オンライン上での名前”で優美香を呼びながら紗枝はそう言うと、

「ririkoちゃんの声、可愛いね」と、ニヤニヤしながら

マイクの音声を切って隣にいる優美香に呟くー


その言葉に、苦笑いする優美香ー


”ririko”と対戦をしながら雑談で盛り上がる三人ー

同年代であることもあり、

ririkoはすぐに紗枝とも仲良くなったー。


優美香・紗枝・ririkoの楽しい時間は終わりー、

満足そうな表情で紗枝は優美香の家を後にしたー。



2月4日


”タクヤ”が、リアルの友人である”レオン”を交えて

再び対戦を申し込んできたー


だが、優美香は”用事がある”という理由で

対戦に断りを入れるー。


しかしー、今度は”レオン”の方がしつこく

対戦を申し込んでくるようになり、

ついに優美香は、”タクヤ”と”レオン”をブロックして

SNSでも、オンライン対戦でも繋がることが

できないようにするのだったー。


”そういう人もいるし、ririkoちゃんみたいな人もいるし、

 ネットは付き合う人を選ばないとね!”


紗枝とLINEでやり取りした優美香は、

紗枝からのLINEを見て”うん。そうだね”と、返信を送るー。


夜には”ririko”と再び対戦を楽しんだ優美香ー。


だがー

翌日、優美香は”恐怖”に直面することになるー。



2月5日


”どうして俺を避けるの?”

”なぁ、どうしてー”


タクヤからのメッセージー。


昨日、タクヤをブロックした優美香だったが

”タクヤ2”というアカウントを新たに作り、

再び優美香にコンタクトを取ってきたのだったー。


紗枝やririko、エンジョイゲーマーおばさんに相談する優美香ー。


三人とも、意見は同じー

”相手にしないほうがいい”

という意見だったー。


もちろん、優美香も同じー。

優美香は即座に”タクヤ2”をブロックすると、

そのままため息をついたー



「ーーーー!」

別の場所ー

”タクヤ2”はブロックされたのを確認すると

静かに笑みを浮かべたー。


「ーーお前を”乗っ取って”やるからなー」

”タクヤ2”はそう呟くと、優美香のアカウントを見つめながら

「ーーお前は俺の新しい”服”だー」

と、邪悪な言葉を呟いたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


”現在”ー。


「なるほどー」

捜査責任者の男が、笑みを浮かべるー。


優美香を乗っ取った人物のアカウントを解析し、

様々な情報を手に入れた捜査責任者の男は

それに目を通しながらー

さらに別の情報にも目を向けるー。


「ー人を皮にする注射器ー」

”男”は、それを使い、優美香を皮にしたー。


「ーーーー」

その”出所”に関する情報ー。


捜査責任者の男は静かに目を閉じると、

しばらくしてから目を開いて、

「”皮”の件は絶対に表に出してはいけませんー。

 明るみに出ないよう、闇に葬るのですー」

と、部下の男に伝えたー。


戸惑う部下の男を見つめながら、

その男は、モニターに表示された”優美香の現在地”を見つめるー。


「ーーあなたにー、逃げ場はありませんー」


男はそう呟くと、パソコンの画面を消してー

静かに立ち上がったー。


④へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


少しずつ迫る恐怖…!

彼女が皮にされてしまうその日は着々と

近付いています~☆


また、来週もお楽しみに~!


※毎週土曜日の更新(コンパクト枠)とは?

(いつもと同じ説明デス↓ 既に知ってる方は読まなくて大丈夫デス!!)

毎週土曜日(以前は火曜日でした!)は、

私が仕事の都合で書く時間を確保できないので、

本来更新は難しいのですが

少しでも皆様にご恩返しということで、他の6日間で毎日

少しずつ執筆して、土曜日にも、作品をお届けしています!

そのため、いつもより少し文章量が少ないため

毎週土曜日の作品は、100円プランでも読めるようにしてあります!

(※土曜日枠のお話は必ず完結まで100円プランで読めるようにします!

  途中から上がったりはしませんので、安心してください)

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