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仲間を逃がすため、敵を光の魔法で食い止め、

消息不明になってしまったエミリア。


それでも、勇者の子孫であるランヴァルド率いる一行は

魔物の王、魔帝ガロスを倒すべく、魔物の本拠地を目指していたー。


しかし、その最中、予期せぬ形でエミリアと再会することになるー。


再会したエミリアは、三大魔将軍の一人、アルテイストに洗脳され、

闇の魔術師となって、ランヴァルドの前に立ちはだかったのだったー…。


☆前回はこちら↓☆

<MC>消息不明のキャラって大抵生きてるよね?②~再会~

勇者の子孫であるランヴァルドは、 仲間と共に、魔帝ガロスの本拠地を目指していたー。 しかし、その最中、三大将軍の一人、魔将軍ファントムの罠により、 仲間のエミリアが消息不明になってしまうー。 それでもランヴァルドは”消息不明のキャラは大体生きている”と、 エミリアの無事を信じ、先に進み始めるー。 だが、...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーエミリアー」

闇に堕ちたことを示すかのような、黒と紫を貴重とした服ー。

禍々しい錫杖ー。


それを見て、ランヴァルドは表情を歪めるー。


「ーーククク…わたしは最初からず~っと、

 あんたたちの”仲間のふり”をしていただけー。」

エミリアが言うー。


「ーー違う…!」

ランヴァルドがエミリアのほうを見つめながら叫ぶー。


「違う!君はそんなことをする人間じゃないー!

 君は…君は、あいつらに操られているんだ!

 目を覚ますんだ!エミリア!」

ランヴァルドが叫ぶー。


「ーーふっ…あはっ!あはははははっ!

 ランヴァルドー

 ”おめでたい”頭ね?」

挑発的に微笑むエミリアー。


「ーーこれが、本当のわたしー。

 わたしは、ガロス様のためなら、

 平気で人を騙して、裏切る女なの。

 わ・か・る?」


エミリアの言葉に、マーヤが「ーーあんた!ふざけんなよ!」と

叫びながら突進するー


「ー待て!マーヤ!」

ランヴァルドが叫ぶー。


だがー

エミリアの”ランヴァルドに対する想い”を知っている

マーヤには、今のエミリアの現状が我慢ならなかったー。


「ーあんた…!戦いを終わらせて、気持ちを伝えるんじゃなかったの!?」

マーヤがエミリアを攻撃しながら叫ぶー。


エミリアは錫杖と、闇の魔力で生み出した防御壁で

マーヤの攻撃を弾きながら笑うー。


「ーーだ・か・らァ

 それも、ガロス様に逆らうあんたたちを騙すためってーー

 言ってるでしょ~???」

エミリアが、マーヤの攻撃を突き返しー、

マーヤに錫杖を突き付けるー。


倒れ込んだマーヤを冷たい目で見下すエミリアー。


「ーーわたしは魔物に忠誠を誓った女ー。

 光の末裔でありながら、闇に身を売った女なのー。」


エミリアはそれだけ言うと、笑みを浮かべて

容赦なくマーヤを切り裂こうとしたー。


「ーーいい加減にしろ!」

そんなエミリアに、エディが突進するー。


突き飛ばされて倒されたエディがエミリアに向かって叫ぶー


「目ェ覚ませよ!何やってんだよ!

 あんなやつにーー魔物なんかに操られるほど、

 エミリアは、弱くねぇだろ!」

エディが斧を手に叫ぶと、

エミリアはクスッと笑ったー。


「ーーーふふふ…仲間を裏切ったわたしが憎い?

 憎いでしょ?」

エミリアの笑みはー

”悪意”に満ち溢れているー。


今まで一緒に冒険してきて、一度も見たことのないような

悪意に満ちた笑みー。


「ーだったら、その斧でわたしを引き裂けばー?

 わたしを八つ裂きにすればー?」

笑うエミリアー


そんな光景を渓谷の上部から魔将軍・アルテイストは見つめていたー。


「クククー

 そうだーいいぞー。”己の武器”を最大限に利用しろー」


邪悪な笑みを浮かべるアルテイストー。


「ーーお前は、我らがしもべであると同時に、”人質”でもあるのだー

 勇者ランヴァルドと、その仲間たちはー

 ”操られたお前”にトドメを刺すことなんて、できないー」


そう呟いていると、

遅れて到着した三大魔将軍のひとり、ファントムが

「状況は?」と、アルテイストに声を掛けるー


「ーークク…見るがいいー。

 私の最高傑作をー」

アルテイストが、”自身が洗脳した”エミリアを崖の上から見つめながら

愉快そうに微笑むー。


「ーーーーーーー」

魔将軍ファントムはランヴァルドと洗脳されたエミリアの様子を

見つめながら静かに呟くー


「ーー相性最悪のメインディッシュー。

 貴様がどのように調理するのかー

 あるいは、ここまでの男かー見せてもらうぞー」

魔将軍ファントムの鋭いまなざしが、ランヴァルドの方に

浴びせられるー。


「ーーあはははっ!無様なものね?」

エミリアが、倒れたエディ、セシリオ、マーヤの三人をあざ笑うー。


「ーーわたしに満足に攻撃することもできないなんてー…

 馬鹿馬鹿しくて、ほんと、笑っちゃうー」

エミリアは、愉快そうに笑うー。


「くっ…そっー」

エディが斧を手に、立ち上がろうとするー

そんなエディに、エミリアは蹴りを食らわせると、

「ーあんたみたいな野蛮な男の”仲間”のフリしてるのー

 ほんっとうに、苦痛だったんだけどー?」

と、挑発的に呟くー


「野蛮の男にー

 天才気取りの面倒臭い男ー

 それに、女同士の友情感じちゃってるバカな女ー」


エミリアは、まるで演説するかのように、

エディ、セシリオ、マーヤに対して辛辣な言葉を投げつけるー。


「ーーあんた…それが…本心なのー?」

くノ一のマーヤは、心が折れそうになりながら呟くー


”エミリアがこんなこと言うはずがないー”

そうは、思っていても、”言葉の暴力”は、

確実にエディたちの心を打ち砕こうとしていたー。


「ー最初から言ってるでしょー?

 わたしはガロス様のしもべー。

 そして、魔将軍ファントム様にお仕えしているってー」


エミリアがニヤリと笑うー。


”両親の仇”のはずの魔将軍ファントムに仕えることに喜びを

感じているエミリアー。

魔将軍アルテイストの”悪趣味な洗脳術”に完全に

支配されたエミリアは、

今や、ランヴァルドを両親の仇と憎み、

ファントムを自分の主だと、完全に刷り込まれてしまっていたー。


「ーーーみんなは下がれー」

ランヴァルドはそれだけ言うと、エミリアのほうを見つめたー。


「ーエミリア…君は仲間を裏切るような人じゃないー。

 今の君はー、あいつらにー…

 あいつらに心を支配されて、操られているんだー」


ランヴァルドが冷静に、そう言いながらエミリアに近付いていくー。


「ーあはははっ!まだそんなこと言ってるの?

 わたしは本心で、あんたたちを血祭りにしたいのー!

 仲間として行動していたのも、

 あんたたちの行動を監視するためー。

 これが、わたしの本心なのよ!」


エミリアの言葉に、ランヴァルドは「違う!」と叫ぶー。


「ーー君はーー俺たちを裏切ったりしないー絶対にー。

 どんなことを言われてもー

 どんなことをされてもー

 俺は、君を信じるー!」


ランヴァルドがそう叫ぶと、エミリアは「ーーは?」と

不愉快そうに表情を歪めたー。


「ー勇者様ごっこもいい加減にすることね」

エミリアの表情から笑顔が消えて、ランヴァルドを

憎しみの目で睨みつけるー。


「ーエミリア…俺が憎いのか?」

ランヴァルドが問うー。


「ーえぇ…八つ裂きにしたいぐらいにー、ね」

エミリアが呟くー。

”あんたは両親の仇”だとー。


「ーーー」

ランヴァルドはその言葉を聞くと、

エディたちのほうを見て、

「ー今から俺がすることにー手出しをせず、

 見ていてもらえるか?」

と、言葉を掛けるー。


「ーな、何をするつもりですかー?」

セシリオが言うと、

ランヴァルドは「ーーエミリアに俺の気持ちを届ける方法ー」と、

呟いてから、

「俺には、このぐらいしか、思いつかないからさー」

と、”ひとりの青年らしい”困ったような笑みを浮かべてー

そのまま武器を床に置いたー。


「ーランヴァルド!?」

エディが驚くー。


「ーーエミリア…。俺が憎いなら、好きなだけ俺を殴れー

 俺を攻撃しろー。

 それで、君の気が済むならー…俺はー」

ランヴァルドがそこまで言うと、エミリアは邪悪な笑みを浮かべたー


「ーバカな、男ー」

エミリアは錫杖で、ランヴァルドの顔面をいきなり殴りつけるー。


「ーーー敵であるわたしを前に、そんなこと言ってるなんてー

 アンタは正真正銘のバカね…!

 クククー 望み通り、気が済むまでー痛めつけてやる!」


エミリアはそう言うと、錫杖で何度も何度も何度も

ランヴァルドを殴りつけるー

倒れ込んだランヴァルドを踏みつけて、悪の女王のごとく

ランヴァルドを冷たい目で見下しながら、あざ笑うー。


「ーーーーーエミリアー」

ランヴァルドが苦しそうに呟くと、エミリアはランヴァルドを

足で踏みつけて、傷口を踏みにじるー。


悲鳴を上げるランヴァルドー


「ーーーーっ!」

見かねたエディがエミリアの方に向かおうとするー


しかしー

「来るな!!!」と、ランヴァルドは叫ぶー。


「ーーで、、でも!」

エディの言葉に、ランヴァルドは「ーーエミリアも必死に戦っているんだー」と

苦しそうに呟くー。


「ーーあいつらの卑劣な洗脳と、必死にー」

そこまで言うと、エミリアのほうを再び見つめるー。


「ーー…わたしは正気だってー…」

歯ぎしりをするエミリアー


「ー言ってんだろうが!」

エミリアが錫杖でランヴァルドの顔面を殴りつけると、

そのまま何度も何度も、ランヴァルドを罵りながら

ランヴァルドを殴り続けるー


「ーわたしの大切な家族を奪っておきながら、

 信じるー?

 ふざけるな!!ふざけるなよ!」


その言葉にも、ランヴァルドは

否定もせずに「それで、君の気持ちが晴れるならー」と、

抵抗の様子も見せないー


「ー魔将軍ファントム様は、お前に家族を奪われて

 途方に暮れるわたしを救ってくれたの!

 お前のせいで、わたしは、わたしはー!」


エミリアの攻撃はやまないー


魔将軍アルテイストは笑みを浮かべながら

「やれ!もっとやれ!ひひひひひひひっ!」と叫ぶー。


一方の魔将軍ファントムは無言でその様子を見つめるー。


「ーーーー俺のせいで、君を苦しめてすまないー」

ボロボロになりながらも、ランヴァルドはそう呟くとー

エミリアのほうを見つめて、涙を流したー


「ーーーーだったら、さっさと死ねよ!!!」

エミリアは、錫杖に闇のオーラをまとわせると、

そのままランヴァルドにトドメを刺そうとしたー


それでもー

ランヴァルドは逃げようともせずー

真っすぐエミリアを見つめたー


「ーーーーーー!!!」

トドメを刺す直前ー

その思いが届いたのかー

エミリアが錫杖を落として、突然その場に膝をついたー


「うぅぅぅぅ…ぅ…あぁぁあああああああああっ!」

頭を抱えながら悲鳴を上げるエミリアー


「ーーーエミリア!?」

ランヴァルドが苦しそうにしながらエミリアのほうを見つめるー


「ーーうぅぅぅぅぅ……あ…ああぁァああ」

頭を抱えながらもがくエミリアー


魔将軍ファントムが、アルテイストのほうを横目で見つめると、

アルテイストは「ーー俺の傑作がー…!まだ不完全だったか!」と

不満そうに呟くー。


そしてーーー

筆からオーラを放ち、エミリアの身体を結界で包み込むとー

エミリアを側に引き寄せるー


「ーおい!テメェ!」

エディが叫ぶと、

崖の上からファントムとアルテイストが、ランヴァルドたちのほうを見つめるー。


「ー此度は我らの負けだー。引き下がるとしようー」

魔将軍ファントムはそう呟くと、

「ー我らが本拠ー、魔城ナイトメアで貴様らを待つー」

と、告げて怨念の壁に包まれて姿を消すー。


残った魔将軍アルテイストは、結界の中でうめき声を

あげているエミリアを指さしながら、

「ー次は”究極の最高傑作”を見せてやるー」と、

邪悪な笑みを浮かべてからー

姿を消したー


「ーー魔城ナイトメアー…」

苦しそうに呟くランヴァルドー。


仲間のエディ、セシリオ、マーヤのほうを見つめながらー

ランヴァルドは立ち上がったー。


「ーーエミリアー。必ず君を救い出すー」


その決意を胸に、

一行は魔物の本拠地ー

魔城ナイトメアを目指すのだったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーー余の城まで攻め込んでくるとはなー」

魔物の王・魔帝ガロスが呟くー。


「ーーご安心をー。

 奴らは必ず、我々魔将軍の手で葬り去りますー」

魔将軍ファントムが頭を下げるー。


”勇者の末裔よー

 この城が貴様たちの墓場だー”


「ーーー例の”作品”とやらの調整は済んだのであろうな?」

魔帝ガロスの言葉に、

魔将軍アルテイストは笑みを浮かべるー


「ひひひー。もちろんでございますー。

 あの娘は、”完全なる殺人狂”と化しましたー

 この前のようなことは、もう起きませんー」

魔将軍アルテイストは笑うー。


”殺人マシーンと化したあの女と勇者ー

 最高の芸術をー見せてもらうぞー ひひひー”


そんな二人の魔将軍の横に立つ、

魔将軍最後の一人、魔将軍ベンジャミンが立っているー


全身を禍々しい色の鎧で身を固めており、

顔も見えず、感情も一切読み取れないー。


ーーー!

魔帝ガロスが気配を感じ取ると

「来たぞー。人間共がー」と、呟くー


魔将軍ファントム

魔将軍アルテイスト

魔将軍ベンジャミンの三人はそれぞれの反応を見せた後にー

そのまま”人間たちの迎撃”に向かったー。



「ーーエミリアー待っていろー」

ランヴァルド、エディ、セシリオ、マーヤの四人は、

今、魔城ナイトメアに足を踏み入れるのだったー


④へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・


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魔帝の城での決戦…!

洗脳されてしまったヒロインの運命は…?


続きはまた次回デス~!

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