＜入れ替わり＞崩壊都市⑨～2度目の夜～ (Pixiv Fanbox)

作品の性質上、地震災害の描写などが存在します。

苦手な方は、ご注意ください！

作中で発生する地震災害、場所、物語は全てフィクションデス！

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”やっぱー、電気使えないのと、水が出ないのが

　一番きついねー、うん”

被災地の中年男性へのインタビュー映像が

テレビで報じられているー

2日目18:00-

被災地である蒼月市は、”2度目の夜”を迎えていたー。

「え～インタビューにもありました通り

　現在でも被災地では、停電・断水が続いており、

　ライフラインの復旧が急がれていますがー

　依然として、復旧の目途は立っておらずー」

過酷な状況を伝えるニュース番組ー。

”ライフライン”

当たり前のように使えていたそれが、使えなくなるー。

そんな事態に直面した時、

人間は”当たり前”が、”当たり前”などではなかったことを、知るー。

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主な登場人物

月森　彩香（つきもり　あやか）

高校3年生。修学旅行中に地震に巻き込まれる。俊樹と入れ替わっている。

日向　俊樹（ひゅうが　としき）　

彩香を助けた謎の男。彩香と入れ替わっている。

的場　聡（まとば　さとし）　

高校3年生。彩香の彼氏。彩香たちと再会を果たす。しかし…？

相馬　晴美（そうま　はるみ）

高校3年生。生徒会長。誰にでも優しい。蒼月小学校に避難中。

木下　響子（きのした　きょうこ）

高校3年生。彩香の親友。地震発生後は消息不明。

早乙女　美穂（さおとめ　みほ）

高校3年生。大人しいタイプの子。蒼月小学校に避難中。

赤岩　紀夫（あかいわ　のりお）

俊樹を追うサングラスにスキンヘッドの危険な風貌の男。

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★あらすじ

蒼月市北部を震源とする地震から一夜明けた2日目。

俊樹の身体になってしまった彩香は、

彩香の身体になってしまった俊樹から

”過去”を聞かされるー。

俊樹は、以前の震災で家族を失い、

途方に暮れていたところを、製薬会社を経営していた

宮尾会長という人物に助けられたのだと言うー。

自分を我が子のように育ててくれた宮尾会長に

恩を返すため、俊樹もその会社で研究を続けていたものの、

宮尾会長が高齢で病床に伏し、代わりに実権を握った

神代主任らにより、会社は怪しげな薬品を作るように

なり始めたー。

それを見かねた俊樹が、会社から研究中の新薬を持ち出して逃走、

逃走の最中に地震に遭遇して、彩香と入れ替わってしまったのだと

俊樹は説明したー。

過去を聞かされた彩香は、俊樹のことを受け入れー、

過酷な状況を生き延びることを、改めて決意するのだったー…。

★前回はこちら↓★

＜入れ替わり＞崩壊都市⑧～正体～

作品の性質上、地震災害の描写などが存在します。 苦手な方は、ご注意ください！ 作中で発生する地震災害、場所、物語は全てフィクションデス！ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「各地の被害状況ですー」 地震発生の翌日ー テレビでは蒼月市北部を震源とする地震の情報が 引き続き伝えられているー。 ニュースキ...

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2日目19:00-

「ーーーーーーー」

神代主任は、モニターを見つめながら鋭い目つきで呟くー

「ーー入れ替わりー…」

赤岩から受けた報告ー。

社員であった”日向俊樹”が、女子高生と入れ替わった、という報告ー

”秘密に開発していた禁断の新薬”ー

それが、いよいよ完成し、これから量産して、海外マフィアに

売りさばこうと考えていた神代主任にとってー

”俊樹の裏切り”は誤算だったー。

俊樹が、開発最終段階の試薬を持ち出して、逃亡したのだー。

しかも、タイミング悪く、”蒼月市北部の地震”の発生ー。

「ーー…世の中は思い通りにはいかないものですねー」

神代主任はそう呟くと、表情をさらに険しくするー。

俊樹が持ち出した薬以外にも、当然”サンプル”はあるー。

だが、俊樹が警察に持ち込んだりしてしまえば、

神代主任は、終わりだー。

だからこそ、追手として”赤岩”と”坂東（ばんどう）”を差し向けたのだー。

「ーー”あの薬”の力を知った人間はー

　全員、消してしまわねぇと、いけませんねー」

神代主任は静かに怒りを露わにして、そう呟いたー。

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2日目 20:00ー

彩香（俊樹）と俊樹（彩香）は蒼月駅周辺を探し回りー、

暗くなってきたタイミングで、避難所となっている

市民会館を訪れたー。

そこにも、たくさんの人々が避難をしているー。

「ーー結局、響子は見つからなかったなぁ…」

俊樹（彩香）が呟くー。

そこそこの数のクラスメイトや同級生、先生の無事を

確認することができたが、

まだ、親友である響子の安否は確認できていないー。

誰も、震災発生後に響子と会っていないことにー

俊樹（彩香）は不安を募らせるー。

「ー焦りは禁物だー。

　それに、この避難所にその子が避難している可能性だってあるだろ？」

彩香（俊樹）が、髪を押さえながら言うと、

「うん…」と、俊樹（彩香）は頷いたー。

”さすがに赤岩も、大勢の人間がいる中で何かを仕掛けてくる可能性は低いー”

彩香（俊樹）は鋭い目つきで周囲を警戒しながら、

この避難所に赤岩や神代主任の気配がないかを確認するー

「ーわ、わたし、そんな怖い顔できたんだー」

俊樹（彩香）が、少し驚いた様子で言うとー

「ーそ、そんなに怖い顔してたか？俺」と、

彩香（俊樹）は苦笑いしたー。

昨日ー

一晩を過ごした蒼月第3小学校の避難所に比べると、

比較的落ち着いた印象を受けるこの避難所ー。

居合わせている人たちがそういう人たちなのかー、

地震から時間が経過して、混乱の中でもわずかに落ちつきを取り戻したのか、

それとも、彩香（俊樹）自身がそう感じるのかー。

「ーーひぅっ！？」

突然、彩香（俊樹）は背後から自分の胸を触られて、

驚くと同時に、変な声が出てしまうー。

俊樹（彩香）が「あっ！」と叫ぶと同時に、

彩香（俊樹）は咄嗟に相手の腕を掴んで、

乱暴に取り押さえるー。

しかしー

「ーーいたたたたたたたたたっ！？！？！？」

彩香（俊樹）の胸を背後から触ってきたのはー

彩香と同じ制服を着た三つ編みに眼鏡の少女だったー。

「ーー！？」

「ーーあ！あ！」

俊樹（彩香）はジェスチャーで”その子を離して”と、訴えるー。

「ーーーいたたたたたたた～～！いたいよ～！」

三つ編みの子が叫ぶー。

「ーーご、ごめっ…？」

彩香（俊樹）は戸惑いながらそう呟くと、

俊樹（彩香）が慌てて駆け寄ってきてー

「クラスメイトの浜中　百合（はまなか　ゆり）さんー」

と、呟くー

「ーーえっと…女の子なんだけどーその…エッチでー」

俊樹（彩香）が言うと、

彩香（俊樹）は「そ、そんな子いるのか！？」と小声で言い返すー。

「ーーう、うんーあの～…

　う～んと、浜中さんが胸を触ってくるのは、挨拶みたいなものでー」

俊樹（彩香）が目をそらしながら言うと、

彩香（俊樹）は「そ、そんな女子いるの！？今の女子すげぇな…」と、

困惑の表情を浮かべるー。

「ーちょっと～！何、コソコソ話してるの？

　っていうか、その人誰ー？」

女子好きの女子でちょっとHなクラスメイト・百合が言うと、

「ーーあ、、え～えっと、急だったからついー」と、

乱暴に腕を掴んだことを謝罪してから

”俊樹”のことを、地震発生時に助けてくれた恩人だと説明したー。

「ーーーぶ、無事でよかったー」

彩香（俊樹）が、彩香のフリをしながら言うと、

俊樹（彩香）が”他の人もいるか聞いてみて”と、小声で呟くー。

「ーーあ、え～っと、浜中さん、他の子はー？」

彩香（俊樹）が言うと、百合は、「あ、うん！あっちにみんないるよ！」と、

笑みを浮かべるー。

”みんな、いる”

その言葉に、俊樹（彩香）は、百合が指さしたほうに走り出すー。

「ーーあ！おい！」

彩香（俊樹）は思わず叫んでしまうー。

”彩香が、また、身体が入れ替わっている今の状況”を

忘れているのではないかー、と。

「ーーえ…？ちょっとー　何あの人ー？」

百合から見れば俊樹は見知らぬ男ー

苦笑いしながらそう言うと、彩香（俊樹）は

「ーあ、あははー…正義感にあふれる人でー」と、

適当にごまかすー。

そしてー

自分も俊樹（彩香）の後を追おうとするー。

しかしー

「ーーーも～～！さっきは痛かったよ～！

　お詫びのもみもみさせて！」

百合が、彩香（俊樹）の胸を触り出すー。

「ちょっ！？えっ！？ひゃっ♡　やめっ…！」

彩香（俊樹）は、

”女として胸を揉まれる”という感覚を始めて味わいー、

困惑しながら、思わず変な声を出してしまったー

「ーーーーー」

俊樹（彩香）は、百合の指さした方向ー

市民会館の一角で”避難”していた同級生たちの姿を見つけるー。

別のクラスの担任の五十嵐（いがらし）先生と半沢（はんざわ）先生ー

（笹原くんー、大久保さんー、山岸くんー、孝道くんー、能登さんー）

大勢の生徒の無事を確認出来たー。

けれどー

”ウチー、大学も彩香と一緒がええなぁ…ってー”

「ーーー響子ー」

俊樹（彩香）は思わず、不安になって親友の響子の名前を呟くー。

「ーーーーー…大丈夫か？」

百合からようやく解放された彩香（俊樹）が壁際で

悲しそうにしている俊樹（彩香）を見て、

”ここにも親友の子はいなかったのか”と、心の中で悟ると、

「俺の顔でそんな泣きそうな顔、するなよー」と、言いながら

優しく俊樹（彩香）を慰めたー。

「ーーうん…」

俊樹（彩香）はそう呟くと、

彩香（俊樹）は頷いてから「ーみんな！」と、

彩香の同級生たちがいる場所に顔を出したー。

「月森さんー！」

眼鏡をかけた理科の教師・五十嵐が、安堵の表情を浮かべるー。

他の生徒たちも、彩香（俊樹）を見て

みんなそれぞれの表情を浮かべるー。

”中身が入れ替わっていること”を悟られないように、適当に

会話を合わせながら、タイミングを見て、”そういえばー”と、

彩香（俊樹）は口を開くー。

「ー響子…見なかったー？」

とー。

彩香のためにー、

彩香の親友、木下響子を見かけなかったかどうか、確認するー

「響子ってー…いつも月森さんと一緒にいる

　関西弁の木下さんのことだよなー？」

特徴がなさそうな男子生徒・山岸　和雄（やまぎし　かずお）が言うと、

「ーーわたしは、見てませんけどー」と、

いかにも品の良さそうなお嬢様、という感じの

大久保　麻理恵（おおくぼ　まりえ）が返事をするー。

「ーーあ！！お、俺！みたかも！」

いかにもいい加減そうな孝道　平助（たかみち　へいすけ）が叫ぶー

「ーど、どこ！どこで！」

その話を聞いていた俊樹（彩香）がたまらず叫ぶとー

彩香（俊樹）は「おいっ！」と、小声で”入れ替わっていること”を

遠回しに伝えると、

彩香の代わりに呟くー。

「どこで、見たのー？」

とー。

その言葉に、平助は「たしか…蒼月神社で見かけた気がするー」と、呟くー。

「ーーそっかー…ありがとうー」

彩香（俊樹）はそう言うと、俊樹（彩香）のほうを見て頷くー。

「ーーーわたし、あっちで休んでるねー」

そう、同級生たちに伝えるー。

”彩香のフリ”をずっとし続けるのは苦しいし、

ここにいる生徒や先生たちと、普段彩香がどう接しているのかも

分からないー。

それにー

”万が一”赤岩たちが来た時に巻き込んでしまうー。

市民会館の端の方に行くと、

彩香（俊樹）は「ー君の親友…さっきの男子が神社で見たってー」と呟くー。

「ーーうん…でも、孝道くんの言葉だから、本当かどうかー」

俊樹（彩香）が言うと、

「ーー嘘つきってことかー？」と、彩香（俊樹）は苦笑いするー。

「ーーう～ん…そういうわけじゃなくて…

　悪気はないんだけど、結構いい加減で、思い込みが激しいからー」

俊樹（彩香）は、そう呟いてから「でもー」と、付け加えるー。

”今は、それしか手がかりがないー”

「ーーわかったー。行ってみよう」

彩香（俊樹）が頷くー

「ただーーー

　まだ余震も続いているし、明るくなってからな。」

と、付け加えると、

俊樹（彩香）も「うんー」と頷いたー。

以前として、断水が続き、トイレ事情は苦しいー。

二人は、入れ替わっていて

”慣れない身体”

”慣れない性別”でのトイレを余儀なくされていることもあり、

尚更、苦しいー。

「ーー断水だけでも、早く解消されるといいんだけどなー」

彩香（俊樹）はそう言うと、

「ー君と、身体が元に戻るだけでも、だいぶ楽だと思うけどー」

と、付け加えるー。

「ーーうんー…

　やっぱり、大変だもんね」

俊樹（彩香）が呟くー。

彩香は、”男性の身体”になって、初めて色々なことを知ったし、

色々な違和感も覚えたー。

”同じ人間”だけど、”色々な部分”が違うー。

手足の感覚も違うし、声も違うし、

身体の色々な部分が違うー。

トイレもそうだし、味覚も違うし、運動神経も違うし、

違うところを挙げればきりがないー。

人は、”自分の身体”しか普通は経験できないー。

だからー、入れ替わってみて、予想以上の”違い”に驚くー。

「ーーってか、そろそろ着替えもしたいよな…」

震災時には、”着替え”も困難になるー。

”着替えるモノ”自体の不足もそうだが、

不特定多数の人間がいるこういった避難所では

”着替え場所”の問題も生じるー。

「ーーーー…」

彩香（俊樹）は俊樹（彩香）のほうを見つめるー。

特にー、女性の場合、大勢が見ているかもしれない場所で

着替えるのはなかなか厳しいものがあるし、

着替えた下着をどこに置いておくかー、という問題も生じるー

衆目に晒したまま干すのも、なかなか難しいし、

気付いたときにはなくなっていることまで、あるー。

「ーーー今日はもう遅いからー

　そろそろ寝た方がいいかもなー」

そんな風に呟く彩香（俊樹）ー

俊樹（彩香）は「寝れるか分からないけど…」と呟くと同時にー

スマホから”音”が鳴り響いたー。

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蒼月第3小学校ー。

彩香たちが1日目の夜を過ごした避難所ではー

彩香のクラスメイトたちが、2日目の夜を過ごしていたー

「は～、もうマジむり…」

ギャルな理絵が不満そうに呟くー。

「ーー親もなかなか迎えに来れる状況じゃないしね…」

裕梨が、不安そうに呟くー。

交通が寸断されている状況で、修学旅行中だった子供たちを

迎えに来ることもままならないー。

蒼月市へのルートは複数あるが、そのいずれもが

何らかの原因で通行困難な状態になっていたのだー。

しかしー

良いニュースもあったー。

明日には、地震発生時に高速道路で起きた事故の現場が

ひとまず片付く見込みで、そこから蒼月市に入ることが

できるようになる予定だー。

そうなれば、親もー

「ーーあいつは役に立たないし！」

理絵が、大柄で目つきの悪い男子、通称・ビッグマウス守を指さすー。

守は「に、に、人間は自然の前では無力なんだよ！」と叫ぶー。

「ーあんたは、何の前でも無力でしょ！」と、理絵が叫び返すー。

「ひでぇ言われようだな」

ビッグマウス守がそう呟くと、

裕梨は少しだけ微笑むー

蒼月第3小学校には現在、

彩香のクラスメイトの裕梨と理絵、守、そして行動班が

一緒だった大人しいツインテールの女子・美穂が避難しているー。

他に数名、2日目の今日、合流して、今ではある程度の人数が

揃っていたー。

そんな時だったー

「きゃあああああああああああああっ！」

外から悲鳴が響き渡るー。

どよめく避難所ー

「な、な、な、なんだよ…！」

狼狽えて体育館の奥の方に、こっそりと下がっていくビッグマウス守ー。

裕梨と理絵は、そんな守とは対照的に、

体育館の外を見るー

するとそこには、

担任教師の黒井が、大人しい生徒・美穂を襲っている光景が

広がっていたー

「や、、やめて！」

美穂が騒ぐー。

黒井先生が、美穂のスカートの中を突然触った、と言うのだー。

黒井先生は周囲に人が集まってきたのを確認すると

「ー違うんですよ！この子、足を怪我したと言うので」と、誤魔化すー。

そして、美穂を睨みつけながら「なっ」と、”脅すような口調”で呟いたー。

だがー美穂は、泣きながら黒井先生を振り払うと、

そのまま蒼月第3小学校の外に向かって泣きながら走っていくー

”お兄…助けて…　誰か…助けてー”

美穂が校門から外に飛び出すー

「ーあ！早乙女さん！夜は危ないよ！」

裕梨が美穂に向かって叫ぶー。

それと同時にー

黒井先生が「誤解だ！待て！」と、叫びながら美穂の後を追うー。

裕梨は”黒井先生が盗撮してるって噂ー、本当だったのかも”と

思いながらさらにそのあとを追いかけようとするー。

その時ー

”音”が響き渡ったー

・・・・・・・・・・・

泣きながら瓦礫が積まれた広場で蹲る美穂ー。

「ーーーーなんだあの小娘ー？」

俊樹の行方を追うスキンヘッドにサングラスの男・赤岩が

偶然その姿を見つめるー。

泣きじゃくるツインテールの美少女ー…

赤岩の目には、美穂の姿がそんな風に映ったー。

”彩香”になった兄貴ー…俊樹のことを思い出す赤岩は

泣きじゃくる美穂の姿を見つめながら邪悪な笑みを浮かべるー

「ー”あの薬”で兄貴が女子高生と入れ替わったってことはーーー”」

美穂を見つめる赤岩の目に”狂気”が宿るー。

だがー

その直後ー、

ここでも”音”が響き渡ったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・

聞きたくなかった、音ー。

「ーー！？！？」

裕梨が表情を歪めるー

スマホから鳴り響くー

”地震”を知らせる音ー

それと同時に、激しい揺れがー

再び蒼月市を襲ったー

「ーーーー！！？！？！？！？」

校門から美穂を捕まえようと飛び出していた黒井先生が

表情を歪めると同時にー

元々傾いていた電柱が自分の方に向かって倒れてくるー。

「ーーー！」

蒼月市を再び、強い揺れが襲うー。

少しずつ、回数が減っていた余震ー

その希望を打ち砕くかのようにー

「ーー彩香！」

市民会館にいる彩香や俊樹たちにも、

その揺れは襲い掛かるー

彩香（俊樹）は俊樹（彩香）を庇うようにして、

抱き寄せるー

悲鳴と、轟音が轟く中ー

蒼月市は、再び悲劇に見舞われたー

⑩へ続く

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コメント

次回でもう第10話…！

重いテーマですが

創作は創作として、しっかり最後まで執筆しつつ、

私自身も、防災に対する再確認をしながら、

頑張っていきたいと思います～★！

少し前のお話でコンビニの描写がありましたが、

「本当に何もない」光景を実際に見た時、私もとってもびっくりしました…！

辛い（？）ラーメンだけちょっと置かれていた

カップラーメン売り場の光景が今でも私の中に焼き付いているのデス…。

お店に行けば何でもある…！って幸せなことだと実感する出来事でした…★

今日もお読みくださりありがとうございました～！