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もしも、ごく普通の男子高校生が

ある日、突然女体化してしまったらー?


これは、ある日の朝、突然女になってしまった

男子高校生が、困惑する日々を記した日記ー。


(第10週)


★前回はこちら★↓

<女体化>女体化した男子高校生の日記⑨1/2-1/8

もしも、ごく普通の男子高校生が ある日、突然女体化してしまったらー? これは、ある日の朝、突然女になってしまった 男子高校生が、困惑する日々を記した日記ー。 (第9週) ☆前回はこちら↓☆ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1月2日(日) それにしても新年を女で迎えることになるなんてなぁ…。 学校...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


あれから15年が経過したー。


今日も、私は研究施設に向かい

”女体化現象”の研究を続けているー。


女体化してから15年ちょっとー。


私は橋口正樹としてではなく、

女体化した高校時代から使っている

前田美咲という偽名を使って生きているー。


もちろん、研究施設の仲間たちは、

私が元々男だったと知っているー。


けれどー

周囲はもう、私のことを完全に”女性”として

見ているー


いえ、私自身もー。


15年も女として生きているとー

身体だけではなく、心も女性そのものになってきてしまうー。


次第に、私の中で

「男に戻りたい」という感覚は薄れていて、

正直なところ、今、そういう感情はもう、ほとんどないー。


女としての生活に慣れてしまったし、

今、仮に男に戻れば、

また、高校時代のあの時のようにー

性別の変化に戸惑い、苦しむことになるかもしれないー


私が女体化したのは、高校生の時ー。

そして、今年で女として生きる15年目ー。

もうすぐ、私は、女として生きた時間の方が長くなるー。


けれどー

それでも、私はこの”女体化現象”の研究をやめるつもりはないー。


高校時代ー

女体化して、父さんが見つけてくれた医療機関で

私は”元に戻れないこと”を覚悟すると、

女として生きることを受け入れて、そのまま高校生活を送ったー


妹の咲耶には本当に助けられたー。

女として生きるための色々なことを教わったし、

咲耶がいなかったら、もっと戸惑っていたかもしれないー。


そして、私はあの後、”同じような症状が世界各地で時々見つかるようになった”

という話を聞かされたー。


”女体化現象”

ある日、前触れもなく、突然、朝に目を覚ますと女になっているー。

そんな男性が、世界各地でぽつぽつと確認されるようになったのだー。


それを聞いた私は”ある決意”をしたー。

進路が決まった瞬間ー…

と、言えるのかもしれないー。


当時、大学生になっていた私は、高校時代に父が連れて行ってくれた

医療機関を訪れて、

”女体化現象の研究をしたい”と、頭を下げて頼みこんだー。


当然、所長は首を縦には振らなかったー。


けど、私は何度も何度も所長に頼み込んでー


そしてー

今、ここでこうして”女体化現象”の研究を続けているー。


大学卒業後、私はこの施設の研究員になりー

そして、今に至るー。


女体化現象の謎を解明し、

治療方法、あるいは予防方法を見つけてー

私は”私と同じように苦しむ人々”を救いたいー。


「ーーー美咲ー…無理してないか?」

同僚の研究員が私に声をかけてくるー。


「ーーーえぇ…大丈夫」

私はそう答えると、先日、まとめたばかりのデータの方に目をやるー。


「ーーーーー」

同僚の研究員が、私の見ているデータのほうに、一緒に

目を向けてくるー。


彼はー

”弟”が、10年前に私と同じように突然女体化してしまった過去を持っているー


彼の弟は、私とは違って女体化したことを喜び、

毎日エッチなことを繰り返して、とても楽しそうだったのだと言うー。


けれどー

”その先”も私とは違ったー


次第に、学校や日常生活を送る上での壁にぶち当たることに

なってー、

最後にはクラスメイトの友人から、乱暴されてしまって、

立ち直ることができずー

女体化してから半年で、精神的に病んでしまいー、

その後、自殺したと聞いているー。


”女になってみたい”と、考えている男の人も当然いるだろうー。


しかしー

現実は、厳しいー


”元男が、女に突然変わったらー”

そこには、様々な問題が生じるー。


彼の弟の場合は、女体化をクラスメイトにも明かした上で、

過ごしていたことが仇になったのかもしれないー。

女子トイレにも、男子トイレにも入れず、揶揄われたり、

体育の着替えの際も、女子からは「きもい!エッチ!」と言われて、

男子からは「お前がここで着替えてるとちょっと、やりにくいんだけど」と

言われてー居場所を無くしてしまったー。


それも、彼の弟が自殺した要因の一つ、なのかもしれないー。


「ーー私は、恵まれていたのかもー」

私がそう呟くと、同僚の研究員は「ーーはは…まぁ…そうかもな」と

笑ったー。


私の場合ー

クラスメイトたちの大半に”女体化”のことを隠し、

父さんや校長先生の計らいで「別人」として、

学校に通うことができたし、

”この研究施設”と早い段階で出会うこともできたー。


家族や、周囲の理解がなければー

”望まぬ女体化”をある日いきなりしてしまった状態で、

生きていくのは、難しいのかもしれないー。


「ーーー急激に身体が女体化していく過程で、

 この現象が起きていることを見るとー

 これを抑えることができればー」


私は、今日も仲間の研究員たちと共に

難しい課題を一つ一つ、クリアしていくー


あれから15年ー

あまりにも長く時間がかかりすぎてしまったー。

女体化した当時、高校生だった私も、もう30代に突入したー。

確実に”女体化現象”の解明へと近づいていたー。



「ーーなぁ、美咲ー」

研究施設から出て、風で揺れる髪を抑えながら、

自動販売機で購入した飲み物を飲んでいた私に、

同僚の研究員が声をかけてきたー。


「ーーーもしー、

 もしもさ、この先、女体化現象を解明してー

 男に戻ることができるようになったら、

 美咲は、どうするんだー?」


その言葉に、私は表情を少しだけ曇らせるー。


先日ー

実家から父が発掘してくれた

高校時代の私の日記ー


そこには、当時の私の

”必ず俺は男に戻ってやる”という強い意思が

刻まれていたー


けれどー

今は、そういう気持ちは薄れてしまっているー


”男に戻りたい”という気持ちが

日に日に薄れている自分に、恐怖を感じた時期もあったー。


でも、今はー


「ーーーーあ、お母さん!お父さん!」


ーーー!


私は声のした方向を向くー。


「ーー美紀(みき)!」

私は、駆け寄ってきた小さな少女を抱きかかえるー。


私はー

たぶん、もう、男には戻らないー


研究の成果でー

仮に、男に戻れるようになったとしてもー


私は、もうーーー…


私はー

この同僚の研究員の男性と、数年前に結婚したー


そして、今は、子供もいるー。


まさかー

自分が出産なんてことをするとは思わなかったけれどー


今は、自然と、この人が好きと言えるし、

お母さんと呼ばれることにも、何の違和感もないー。


それにー

この子のためにもー

今、私が”お父さん”に戻っちゃうわけには、いかないー


「ーー美紀ー。もうちょっとで仕事、終わるからねー」


私はそう呟くと、

同僚の研究員ー 夫に向かってー


「ー私はーこれから先も、ずっと、この子のお母さんでいるからー」

と、呟くとー

「ーもちろん、ずっと、あなたの妻としてもー」

と、そう付け加えたー。


「そっかー」

”戻りたければ、戻ってもいいんだからな?”と、夫はそう言うと、

私は「うんー」と、静かに頷いたー。


私はもう、戻らないー。

でもー

辛い思いをする人たちのことを救うためー

私は、この研究をこれからもずっと、続けていくー。



”俺が妊娠とか出産とか、勘弁してくれよー!”


そんなー

高校時代の私の声が、聞こえた気がしたー



おわり


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


女体化した男子高校生の日記の最終回でした~!☆

いつの日か、女体化現象の謎が解明される日が来るかも、ですネ~!


ちなみに、来週からの土曜日枠はー

がスタートします~!☆

こちらもせひお楽しみくださいネ~!


最終回までお読みくださり、ありがとうございました!!


※毎週土曜日の更新(コンパクト枠)とは?

(いつもと同じ説明デス↓ 既に知ってる方は読まなくて大丈夫デス!!)

毎週土曜日(以前は火曜日でした!)は、

私が仕事の都合で書く時間を確保できないので、

本来更新は難しいのですが

少しでも皆様にご恩返しということで、他の6日間で毎日

少しずつ執筆して、土曜日にも、作品をお届けしています!

そのため、いつもより少し文章量が少ないため

毎週土曜日の作品は、100円プランでも読めるようにしてあります!

(※土曜日枠のお話は必ず完結まで100円プランで読めるようにします!

  途中から上がったりはしませんので、安心してください)

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