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憑依されてしまった美姫は、

すっかり”自信満々な自分大好き女子高生”に変貌していたー。


周囲の男子たちが、その変貌ぶりにドキドキする中、

美姫は、憑依される前の美姫に嫌がらせをしていた

田内先生に、反撃をしたー。


優越感に浸る中、美姫は結衣という女子生徒に呼び出されるー。


結衣も、”憑依ブローカー”である校長先生に紹介されて

”今の美姫”のように、憑依されている存在なのだと言うー。


そんな中、ブローカーである校長先生の元には、警察官が訪れていたー…


☆前回はこちら↓☆

<憑依>可愛すぎるわたし③~反撃~

ナルシスト男・輝久に憑依されてしまった美姫は、 ”自分大好き”で、自信満々な女子高生に豹変したー。 周囲が戸惑う中、美姫に憑依した輝久は、 美姫としての高校生活初日を堪能するー。 そんな中、憑依される前の美姫に絡んだ国語教師・ 田内先生の授業が始まるのだったー。 ☆前回はこちら↓☆ ・・・・・・・・・・・・...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーー憑依ってーーどういうこと…?」

美姫の親友・和佳奈は

美姫と、クラスメイトの結衣が話をしている空き教室の前を

偶然通りかかり、その話を聞いてしまったー。


「ーーーあなたー…雪野 美姫じゃないわねー?」

結衣の言葉ー


「ーーーじゃあ、この高校には、他にも憑依されている子が

 いるってことかー?」

そして、美姫も言葉ー


「ーーい…いったい…」

和佳奈は、空き教室の中から姿を見られないように、隠れつつ、

表情を曇らせるー。


最近、美姫の様子は明らかにおかしいー。


あんなに自分に自信がなくて、オドオドしていた美姫がー

今では、まるで”自分に酔っている”かのような、

そんな素振りを見せているー。


容姿まで、まるで別人のようになってしまってー

”確かに美姫”ではあるものの、”同じ人物とは思えない”

豹変ぶりに、和佳奈も困惑しているのは、確かだったー。


空き教室の中で会話は続くー。


「ーーーそれで、俺に正体を明かしたのは、どうして?」

美姫が笑いながら言うと、結衣は「忠告よ」と、微笑むー。


「忠告?」

美姫が少しだけ警戒したような様子で、結衣を見つめると、

結衣は「ー今のあなたー、”まるで別人”よー」と、美姫を指さすー。


「ーー雪野さんが、いきなりそんなに自信に満ち溢れた表情をして、

 そんなおしゃれになるわけ、ないでしょ?

 絶対、クラスの中に、あなたのこと、変に思ってる子、

 いると思うんだけどー」


結衣の言葉に、美姫は明るい色に染めた髪を少し触りながらー


「まぁ…それもそうかもなー…」

と、結衣の言葉にも一理あると頷くー。


「でも、”憑依”なんて、普通、この世に存在するなんて思わないだろ?」

美姫が言うと、結衣は「ーー分かってる」と、言いつつも、

「ーーあまり、”やりすぎないように”注意した方がいいわよ」と、

美姫に釘を刺すー。


聞けば、結衣に憑依している人物は、

”表向きはあまり目立たないように”していて、

結衣の記憶を引き出しながら、学校では”変わりすぎないように”

しているのだというー。


「ははは…ってことは、家では?」

美姫がニヤニヤしながら言うと、結衣は、

「ーー家ではー…まぁ…その、ヤリたい放題っていうかー?」と

少し恥ずかしそうに目を逸らしたー。


「ーーまぁ、忠告ありがとうー。

 でも、俺、”ブローカー”と知り合いでさー…

 ほら、たまたま俺、あの校長と同級生だったから、

 いざとなったら守ってもらえるしー」


美姫はそれだけ言うと、空き教室の外に向かうー。


そしてー


「そうだー…今度、”二人で”お楽しみしない?」

と、美姫の口調に戻して微笑むー


結衣が「お楽しみ?」と首を傾げると、

美姫は「ーーほら、わたしたち”女の子同士”なんだしー…」と、

ニヤニヤしながら”女同士のエッチ”の提案をするー


結衣は「ーー楽しそうねー」と、クスッと笑うと、

「ーイエスってことね」と、美姫は微笑んで、そのまま

空き教室の外に出たー。


「ーーーーー」

咄嗟に物陰に隠れていた和佳奈は、冷や汗をかきながら、

「ーー美姫…」と、”まるで別人状態”の美姫の後ろ姿を見つめながらー

困惑の表情を浮かべたー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


帰宅した美姫は、鏡を見つめると、

自分の唇に指をあてながら、笑みを浮かべるー


「あ~ほんと、わたしってかわいいー…」

普段、すっぴん状態だった美姫ー。

メイクをすると、美姫はまるで別人のように可愛くなるー


いやー

そもそも、すっぴんの状態から、美姫は可愛い雰囲気だったー。


それをー

ネガティブな性格とオーラ…、

髪や眼鏡ー

あらゆるものが、美姫の元々の素質を消していたー…


とー、輝久は考えていたー。


「ーー”元々の”わたしは、宝の持ち腐れだったって、ことよー」

美姫はクスッと笑うー。


「今のわたし、最高に可愛いでしょー?」

過去の自分に言い聞かせるような、そんな口調ー


もちろん、乗っ取られてしまった美姫本人からの返事はないー。


けれどー

そうして問いかけることで、美姫は、ゾクゾクと興奮していたー。


まるでー

”自分の可愛さ”を生かせなかった過去の自分と決別するかのような、

そんな言葉を、自分の口から吐き出しながらー

美姫は自分で興奮していたー


「ーーーふふふ」

甘い声を出しながら、一人、ポーズを取ると

美姫は満足そうに、自分の指をペロリと舐めて見せたー。


・・・・・・・・・・・・・・・


翌日ー


学校に登校すると、警察官が正門前を

ウロウロしながら登校してくる生徒を一人ひとり確認していることに

美姫は気づいたー


”なんだ、あいつらー?”

自信に満ち溢れた表情を少し曇らせた美姫ー。


”憑依なんてことが、知られるはずがない”


そう思いつつも、なんとなく嫌な予感を感じた美姫は、

正門からではなく、裏門の方に向かい、裏門を飛び越えるー。


美姫とは思えないような身軽さで、裏門をよじ登り、飛び越える美姫ー


スカートと髪をふわっと揺らしながら敷地内に着地した

美姫は、そのまま学校の校舎内へと向かうー。


その最中に正門のほうを見つめるとー

正門前で、一人の女子生徒が、警察官らに「少しお話を」と

言われているのが見えたー。


確か、A組の毛利(もうり)とかいう女子生徒だっただろうかー。


「ーーーふん」

美姫は鼻でその様子を笑うー。


「ーーわたしは可愛いだけじゃなくて、天才だから、ねー」

クスッと笑うと、そのまま美姫は、昇降口から校舎内へと

入って行ったー。



「ーーー…少しお話をー」

警察官が何をしているのか、悟ることができないまま、

昨日、美姫と会話を交わした女子生徒・結衣は、

”探知”されてしまっていたー。


「ーーど…どういうことですか?」

結衣が、連れていかれた学校横の警察が用意したテントで

警察官に尋ねると、

警察官は、特殊な装置を結衣に見せたー。


”憑依された人間”を探知する装置をー。

この装置を使えばー

”憑依された人間”には、わずかな揺らぎが波形として

表示されるのだというー。


”他人の身体を乗っ取った人間”は、少なからず

そのことを、常に潜在意識の中で考えているー。

それを、探知する仕組みなのだとー。


それを聞いて、結衣は観念して首を振ったー


「ーーーーーくそっ」

舌打ちする結衣ー。


他にも数名の女子生徒が”確保”されていたー。


しかしー

その中に美姫の姿は見当たらないー


結衣は、美姫のことを考えながらー

”うまく逃げ切れよー”と、心の中で呟いたー


・・・・・・・・・・・・・・・・・


教室にやってきた美姫ー。


教室の中では”警察が何かを調べていたこと”の話題と、

”昨日、校長先生が逮捕された”話題で持ちきりになっていたー。


昨日は、生徒たちに伏せられていたが、今朝、校長の逮捕が

ニュースで報じられたこともあり、そのことが

噂になっていたのだー


「ねぇ」

美姫が、男子生徒の一人に声を掛けると、

美姫のほうを見て、ドキッとした様子の男子生徒が、

校長の逮捕の件について、知ってる限りの情報を教えてくれたー。


「そうー。ありがとう」

美姫がにっこりと微笑むー。


別人のようになった美姫の笑顔に、

その男子生徒は顔を真っ赤にしているのを見つめながら、

美姫は”わたし、可愛いもんねー”と、笑みを浮かべるー。


校長が逮捕されたー

それに、何名かの女子生徒が確保されていたー。


あれはー

恐らく、”憑依された人間”を確保していたのだろうー。


結衣が登校していないのも、そういうことだと思うー。


美姫は少しだけ表情を曇らせるー。


”俺がこの女に憑依していることを知っているのはー

 ”美姫”が憑依されたことを知っているのはー”


”校長”と”結衣”だけだー。

どっちかが、警察に喋った場合ー…


「ーーー…」

美姫は”おそらく、とぼけても、警察は何か、憑依されている人間を

見分ける方法を持っている”と、心の中で呟くー。


「(最悪の場合はー行方を晦ますかー?)」

美姫は歯ぎしりをするー。

普通に”女子高生”をしていたかったが、最悪の場合、

美姫の身体のまま姿を消す選択をしなくてはいけないかもしれないー。


そんなことを考えながらもー

警察たちが、4人の女子、そして1名の男子を確保して

帰って行ったと聞き、美姫は安心していたー。


しかしー


「ーーー……美姫ー」

昼休みー

親友の和佳奈から、美姫は呼び出されたー。


「ーーーどうしたの?」

待ち合わせ場所にやってきた美姫は微笑むー。


だがー

和佳奈の口から出てきたのは、予想外の言葉だったー。


「ーー美姫を返してー…」

和佳奈の言葉に、美姫は「え?」と表情を歪めるー。


「ーーー…昨日…聞いたの…」

和佳奈は言うー。


昨日ー

美姫と結衣が話しているのを、聞いてしまった、とー。


「ーーー……は、、はは、、あはははははははっ!

 やだ~和佳奈ってば!

 冗談に決まってるでしょ~!


 急に結衣ちゃんから、あんなこと言われたから

 話をあわせただけ!

 憑依なんて、現実にあるわけー」


美姫は、咄嗟に誤魔化そうとしてそう言い放ったー


けれどー

もう、手遅れだったー。


「ーーーー」

和佳奈が、美姫から目を逸らすー。


背後から、警察官が、空き教室に入ってくるー


「ーーー…は?」

美姫の表情から、笑顔が消えるー。


「ーーー失礼します」

警察官が、体温計のような形の装置を美姫に向けるとー

”憑依されていることを示す”赤い文字が表示されたー。


「ーーー…っ」

美姫が和佳奈のほうを睨むー。


そして、叫ぶー


「ーーあんた…!親友のわたしを売るの…!?

 あんたの言う通り、わたし、可愛くなったでしょ!?

 自分に自信を持ったでしょ!?」


美姫として、美姫の身体で叫ぶ輝久ー。


和佳奈は答えないー。


「ーーふ…ふざけやがって!

 お前だって、美姫に言ってただろ!?

 もっと自信を持てって!

 その通りの美姫になってるんだぞ!?

 何が不満なんだ!?

 警察なんかに言いやがって!」


美姫が怒りの形相で和佳奈の方に向かうー。

それを、警察官が取り押さえるー。


「ーーー詳しく話を聞かせてもらおうー」

その言葉に、美姫は「くそっ!離せ!」と、歯ぎしりをしながら叫ぶー


和佳奈は、そんな美姫に対して

目に涙を浮かべながら言い放ったー。


「ーー”親友のわたしを売る”ー?」

美姫の言った言葉を繰り返す和佳奈ー


「ーーーわたしの親友は美姫ー。

 あんたじゃないー!」

和佳奈の言葉に、美姫は表情を歪めてー

そのまま連行されていったー


和佳奈は、そんな美姫の姿を見つめながらー

美姫の無事をひとり、願うのだったー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


翌日ー


”憑依ブローカー”であった校長先生が

”憑依された人間を元に戻す方法”を自白したー。


特殊な薬剤で、憑依した側とされた側を分離させることができるー。


校長立ち合いのもと、

結衣がー、他の憑依された生徒が解放されていくー


そしてー

美姫もー


「ーーーあれ…わたし…?」

美姫は、自分の姿を鏡で見つめて、悲鳴を上げるー。


”可愛い”に溺れた自分の姿を見てー。


「ーーーーーん?」

校長は、ふと、”あること”に気付くー


”一人、足りない”

ことにー



”ーーそれはそうとー

 憑依したあとに、俺の記憶ー…

 消すことってできるか?”


”ーーー…まぁ、できないことはないがー

 何故だ?”


”ー自分が男だったってことも忘れて

 ふつうの女子高生になりたいのさー”


”ーーほぅ…面白い奴だなー”


そんな会話を、校長は思い出すー


あれは、確かー

美姫に憑依した輝久よりも、もっと前ー

半年ぐらい前だっただろうかー。


「(なるほどなー…

 自分が憑依している…という自覚も0だったから

 警察の装置にも引っかからなかったんだな)」


校長先生は、そう思いながらー

”唯一捕まらなかった”憑依被害者の女子生徒ー

和佳奈の姿を、頭の中で思い浮かべるのだったー。



おわり


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


「可愛すぎるわたし」の最終回でした~!☆

ちなみに、輝久ら、憑依していた人間は、分離させられたあとに

警察に逮捕されている設定デス~!☆


そのうち、美姫の”憑依事後の苦しみ”を描く後日談も…

書けるかもですネ~!

お姉さん(最終回は出番なしですケド)との確執も広がってそうデス~!

(※まだ未定デス 書くとは限りません)!


近日中に、憑依モノの新作「憑依されすぎお嬢様」もスタート予定なので

そちらもせひお楽しみくださいネ~!

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