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自分に自信のない少女・美姫はー、

学校の先生から、授業中にスマホを鳴らした犯人と

決めつけられそうになってしまった際にも、

反論できなくなってしまうほどに、奥手な子だったー。


「もっと自信を持ったほうがいいよー」

幼馴染の和佳奈からも、いつもそんな風に言われていた美姫ー。


しかし、ある日、美姫はー

”自分大好き”なナルシスト男・輝久に憑依されてしまい、

”自分大好き女”に豹変してしまうー…。


★前回はこちら↓★

<憑依>可愛すぎるわたし①~自信のない少女~

C組の教室では、国語の授業が行われていたー。 4時間目ー、 と、いうこともあり、生徒たちはそろそろお腹を 空かせている時間帯だー。 そんな中ー、 一人の女子生徒が、授業中にも関わらず、 スマホの着信音を鳴らしてしまうー。 その音に、慌てて、一人の女子生徒が スマホの音を止めて、スマホを隠し、 何事もなかった...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


憑依された美姫は、学校に行く準備を終えると静かに微笑んだー


特に何もしていない黒髪だった美姫は、

髪を明るく染めて、髪型もいつもとは違い、可愛らしい髪型に

自分でアレンジしていたー。


唇もピンク色に染まっているー。

いつもかけている地味な雰囲気の眼鏡も、今日の美姫は

かけていなかったー。


”同じ人間”のはずなのに、まるで別人ー

鏡の前で、自信に満ち溢れた笑みを浮かべるとー


「ーー可愛すぎじゃんー俺…いや、わたしー」

と、呟きながらクスッと、微笑むー。


そんな美姫の姿を見て

両親は、唖然としているー


「ーどうしたの?そんなに見つめてー」

微笑む美姫ー。


「ーーあ、、い、、いやー、そのー」

戸惑う父親ー。


両親の反応はー

当然の反応と言えば当然の反応だー。


”今まで一度もおしゃれをしたこともないような

 自分の娘が、急におしゃれをして、

 まるで別人のような雰囲気で目の前に立っているー”


その状況に、驚かないはずがなかったー。


美姫が、普段からおしゃれ好きの女子高生であれば話は別だがー

いつも、自分に自信を持てず、ネガティブなオーラを

振りまいていた美姫が、いきなりこうなればー

驚かざるを得ないー。


「ーーーど、、どうしたの…急に…?」

父親に続き、母親も戸惑いの言葉をようやく口から振り絞るー。


美姫は、そんな母親のほうを見て、にっこりと微笑むー


「どうしたのって?ー

 わたしだって、おしゃれしたい年頃でしょ?」


美姫の言葉に、

母親は「美姫の口から…そんな言葉を聞くなんてー」と

少し苦笑いするー。


「ーーそ、それにしてもー

 美姫がそんなに可愛かったなんてー」


二人の娘を溺愛している父親がそう言うと、

美姫はとても嬉しそうに

「ふふふ…ありがと」と、微笑むー。


美姫に憑依した輝久は、美姫の身体をニヤニヤさせながら

内心でもとてもご機嫌になっていたー


”へへへ…もっと褒めろー…ゾクゾクするぜー”


ナルシストの輝久は、自分が褒められることが

何よりも好きだったー。


美姫に憑依する前からずっと、そう生きてきたー。


”イケメン”

”かっこいい”

”憧れる”


そんな、”自分に対するプラスの言葉”を周囲から言われると

彼はゾクゾクするほど、喜びを感じるのだー。


もちろんー

自分で自分が大好きな彼からすればー

”まぁ、当然だな”と、常に思っているものの、

他人から褒められることは、それでも心地の良いことだったー。


「ーーーちょっと、何よいきなりー

 あんた…いきなりおしゃれとかしちゃってキモイんだけど!」


姉の涼花が美姫に絡んでくるー。

美姫が”自信を無くした”のは、姉の涼花から

日常的に罵倒されてきたからだー。


身近な人間に毎日毎日毎日ー

マイナスなことを言われ続ければ、

よほど強い人間でもない限りー

簡単にマイナス思考に染まってしまうー。


だがー

”今の美姫”は、

もう、姉の涼花が知る美姫ではなかったー。


身体は美姫でも、中身は別人なのだからー。


「ーーお姉ちゃん、もしかしてかわいいわたしに嫉妬してるの?」

美姫の言葉に、涼花は「は?」と、不快そうな表情を浮かべるー。


いつもの反応と違うー。


いつもー

涼花が美姫に少し何か言うと、

美姫は反論せずに、黙り込んだり、謝ったりー

そういう反応しかできなかったー


だがー

今の美姫の反応はーー


可愛くなった”美姫”に挑発された涼花は、

思わぬ反撃に表情を歪めるー。


「ーーーふふ…お姉ちゃんの”鼻”、

 かわいいねー」


美姫はそれだけ言うと、

余裕の表情で「いってきま~~す♡」と、

姉の涼花のほうを、挑発的に見つめながら

そのまま学校の方に向かうー


「ーーーー……~~~…く…」

歯ぎしりをする姉の涼花ー


姉の涼花はー

自分の顔にー

特に、”鼻”に強いコンプレックスを持っていたー


そこを指摘された涼花は、

手を震わせながら、顔を真っ赤にしてー

屈辱を感じていたー


「ーーーははは…好きな子でもできたのか?」

父親が、玄関のほうを見つめながら笑うー。


「ーーさぁ?でも、まぁ…美姫、いつも暗かったしー

 いいんじゃないかしらー」


美姫と涼花が少し離れた場所で会話していたため、

会話をハッキリ聞き取れなかった二人は、

そんな風にのんきに呟いたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーふふ」

美姫は髪を揺らしながら、学校へと向かうー。


いつものような、自信のない表情ではなくー

自信に満ち溢れた表情を浮かべてー


「ーーずいぶん、あの姉ちゃんー

 この妹のことを、虐めてたみたいだなぁ」


美姫は自分の手を見つめながら呟くー。


輝久には、乗っ取った美姫の”脳”から、

美姫の記憶を読み取ることができたー。


人間の記憶は、脳に保存されているー

故に、美姫の身体を乗っ取ればー

美姫の脳から記憶を引き出すことも、できるー


”俺の記憶がちゃんとあるのは不思議っちゃ不思議だけどー

 まぁ、憑依なんてできる時点で不思議だからなー。

 ま、こうして俺とこの女の記憶ー

 両方あるってのは便利だし、問題はねぇ”


学校に到着した美姫はクスッと笑うー。


「ーー美しい姫ー

 まさに今のわたしにふさわしいんじゃない?」


そう笑いながら、正門をくぐるとーーー

”あれ?誰?”と、ひそひそ話をしている女子の声を

聞きながらー


”わたし、綺麗すぎてびっくりしちゃうでしょ?”と

心の中で囁いたー。


教室に到着した美姫ー。

美姫が、教室に入るや否や、一部の生徒がどよめいたー。


髪の色もー

髪型もー

メイクもー

唇もー

表情もー

オーラもー

スカートの長さもー

眼鏡の有無もー


”何もかもが違う”美姫を見て

何人かのクラスメイトが

「え!?転入生?誰?」と、どよめき始めたのだー。


美姫は、そんな男子生徒たちのほうを見て、

にこっ、と微笑むとー

男子の一部が顔を赤らめたのを見てー

”わたし、可愛いもんね”と、優越感に浸るー。


そしてー

美姫の座席に堂々と座るとー


「え!?あれもしかして雪野さんー?」

と、戸惑いの声を男子たちがあげたー


”そうーわたしは雪野 美姫ー

 …まぁ、”中身”は違うけどー”


美姫がどよめく一部のクラスメイトのざわめきに

ゾクゾクしながら、カバンから荷物を取り出しているとー

背後から、幼馴染の和佳奈が声を掛けてきたー


「ーーみ、美姫だよねー?」

”もっと自信を持たなくちゃ”

そんな風に美姫にいつも言っていた幼馴染の和佳奈でさえ

美姫のあまりの変貌ぶりに、戸惑っている様子だったー。


”この子が和佳奈ちゃんだったなーへへへ”

美姫の記憶を探りながら、

そう確認した輝久は「ふふふ…おはよ」と、可愛らしく微笑むー。


「ど、ど、どうしちゃったの急に!?

 別人みたい…


 って、いうか、美姫、やっぱ可愛すぎ!」


和佳奈がそう言うと、

美姫は「和佳奈が自信を持てって言ってくれたからー

その通りにしてみたの。どう?」と、自信に満ち溢れた表情を浮かべるー。


「ーーーす、、すごいー」

和佳奈は別人のようになった美姫を見つめながらー

「ーーーかわいい…」と、ただただ、衝撃を受けている様子だったー。


「ーーーやっぱり美姫、本気を出したらこんなに可愛いんだから

 もっと早く本気を出せばよかったのに~!」


和佳奈の言葉に、美姫は「そうだよね。わたしもそう思うー」と、

クスッと、微笑んだー


”こんなかわいい顔なのにー

 今まで”それを生かせていなかった”みたいだもんなー

 勿体ない勿体ないー。

 宝の持ち腐れってやつだぜ。


 でも安心しろよー

 これからは俺が”この身体”を有効活用してやるからなー。”


しばらく、教室の一部はどよめきが続いていたが、

やがて先生がやってきて、教室は静かになったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・


2時間目が終わり、休み時間に入ると、

美姫はトイレの鏡で自分の姿を見つめていたー


「ーーはぁ~~…可愛い…わたし…すっごく可愛いー」

自分の顔を指でなぞるようにして触りながらー

最後にはその指を口の中に入れてペロリと舐めるー


「ーーわたしは可愛い…わたしはかわいい…♡

 んっ…ふふふ…

 さすがに学校で興奮してきちゃうのはまずいよね♡ ふふふ」


美姫の口調を真似ながら、ナルシスト男の輝久は、

”新しい自分の身体”を既に大好きになっていたー。


「ーーはぁぁ~…この女もすっかりナルシストだぜ」

美姫はそう呟きながら、トイレから外に出るー。


”次の授業はー例の”田内先生”だったなー”

美姫の記憶から、次の授業は先日、

美姫に”スマホを鳴らしたな?”と冤罪をかけた

女子嫌いの先生・田内先生による授業であることを確認する輝久ー。


”あの先生にもー

 あたらしいわたしを見せつけてやるかー”


そんなことを思っていると、廊下の反対側から

偶然、校長先生が歩いてきたー。


”闇ブローカー”として、美姫を紹介した校長先生ー。

美姫の姿を見て「あっー」と、声を上げるー


「どうかしたんですか?校長先生ー」

美姫はクスッと笑うー。


「ーーー…お前…だよな?」

美姫に憑依している輝久と偶然同級生の間柄だった校長は言うー。


「ーーーーお前みたいなやつが校長とか、ガキたちも災難だなー」

美姫が小声で校長先生に向かって囁くー


輝久が先日、校長に言ったセリフだー。


そのセリフに、美姫への憑依が成功したと確信した校長はー

「ーーまるで別人じゃないか」と、エッチな視線を美姫に送るー


「はは、学校でヤルのは流石にまずいだろ?

 今度、遊んでやるよ」

美姫はそれだけ言うと、そのまま立ち去っていくー


そんな”自信のなかった子が、自信に満ち溢れている”ギャップを見てー

校長先生は、美姫の後ろ姿を見つめながらー

激しく興奮するのだったー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


3時間目の授業が始まるー


「ーーー美姫…大丈夫?」

幼馴染の和佳奈は心配そうに呟くー


先日、”田内先生”から冤罪の容疑をかけられたことで、

美姫が気にしているのではないか、とそう思ったからだー。


だがー

美姫は「大丈夫」と、静かに笑みを浮かべるー。


「ーーーーそうー」

和佳奈はそれだけ言うと、少しだけ不安そうな表情を浮かべたー


”今までの美姫”であれば、絶対に気にしているはずなのだー

しかし、今日の美姫はー


”美姫ー…なんか本当に、別人みたいー…”

和佳奈は、そんな不安を心の中で抱き始めていたー。


少し遅れて田内先生が入ってくるー。

田内先生は今日もいつも通り、女子のほうをイヤそうに見つめると、

「ーーじゃあ、今日の国語を始めるぞ」とだけ呟いたー。


「ーーーーー」

美姫は、冷たい視線を、黒板に文字を書き始めた田内先生の方に

投げかけるー。


「ーーー(さァ、先生、いつでもわたしに注意するといいぜー)」

美姫に憑依している輝久は、そう思いながらー

”余裕の笑み”を浮かべるのだったー


③へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


自分大好き少女になってしまった美姫…!

本人が助かる道はあるのでしょうか~?


続きはまた次回デス~!

今日もありがとうございました~!

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