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年下のいけすかない上司・芹沢部長に、

”コストカット”と称して、強引にリストラまがいのことを

されてしまった中年男性会社員の義弥ー。


退職後に、憑依能力を手に入れた義弥は、

怒りに燃え、自分の同僚たちに次々と憑依ー、

乗っ取った同僚たちの身体で退職届を叩きつけ、

芹沢部長を困惑させていくー。


順調に減っていく芹沢部長の部下たちー。

”憑依して、勝手に退職願を提出する行為”の

その先に、待っている運命は…?


☆前回はこちら↓☆

<憑依>退職男①~リストラされた男~

「ーーーこれは?」 中年の男性社員・三沢 義弥(みさわ よしや)は、 表情を歪めたー。 「ーー見ての通りです。説明はいらないと思いますが?」 年下の上司・芹沢 景治(せりざわ かげはる)が、 淡々と呟くー。 義弥は、俗に言う”窓際族”の男で、 出世コースからは外れて、欲もなく、ただ無難に仕事をこなしていた...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーー何だってー?」

芹沢部長の瞳には、明らかに”焦り”の色が浮かんでいるー。


それも、そのはずー。

既に8人が部署を去りー、

今日もまた、”ひとり”義弥によって憑依された

若手男性社員が、自ら退職願を叩きつけたのだー。


「ーーー部長のコストカットに協力しようと思いましてー

男性社員が笑みを浮かべるー。


もちろん、本人の意思ではないー。

この男性社員も、今までに退職した8人も、この若手男性社員も

義弥によって憑依されて、毎日一人ずつ、退職願を

提出させられているのだー


「ーーわ、私は君のことをコストだなんて思っていない!」

芹沢部長は冷静さを失っていたー。


この男性社員で9人目ー。

既に、部署の仕事は滞り初めており、

上層部に知られるのは時間の問題だー。


「ーー私は…私は君を、優秀な男だと思っていたのにー!」

芹沢部長が、憔悴した様子でそう呟くと、

「ーーねぇ…福田(ふくだ)くんー。どうして急にー」と、

30代前半の2児の母親・久美が声を掛けていたー。


芹沢部長と浮気中という噂もあり、

芹沢部長と一緒になって嫌味を義弥に言ってきていた

”嫌な”女だー


”ーお前は、最後の方のメインディッシュだからなー”

福田と呼ばれた若手男性社員に憑依していた義弥は、

そう心の中で呟くと、ニヤリと笑みを浮かべてから、

久美のほうを見つめたー。


「そうだー予言してあげますよ」

そう呟くー


「えーー…?」

久美が戸惑いの表情を浮かべるー。


「ーあなたも、じきに退職願を出すと思いますよー。

 それも、自分の意思で、ね」


福田と呼ばれた男性社員は笑みを浮かべるー


「ーな、何を言ってるのー?

 わたしは、退職するつもりなんて、全くないからー」

久美が困惑の表情を浮かべながら言うー。


「ーーいいえ、退職しますよー。

 ”母親”であることよりも、”仕事”よりもー

 ”女”であることを選んで、ね。」


福田はそれだけ言うと、笑いながらオフィスから

立ち去っていくー。


残る社員は、既に10人を切っているー。


残された芹沢部長は「ーーあぁぁ…くそっ!」と

憔悴しきった様子で頭を抱えるー。


「ーー芹沢くんー

 いえ、部長ー…」

芹沢部長と浮気している噂のある久美が、心配そうに

芹沢部長の側に寄り添うー。


1年前に入社した女性社員の紗江も、不安そうにその様子を見つめていたー


・・・・・・・・・・・・・・・・・


翌日ー


「ー芹沢ー。俺を馬鹿にしたことを絶対に公開させてやるぞー」


そう言いながら、義弥は自分の部屋の壁につけた

”ダーツの的”に向かって、ダーツに使う小型の矢のような形状をしたものを

手に持ち、笑みを浮かべていたー。


憑依薬を飲んでから、義弥はいつでも好きな時に

霊体になることができるようになったー。


誰であろうと、肉体を完全に乗っ取ることができてー

そしてー

義弥がその気になれば、乗っ取った人間の思考まで

捻じ曲げてしまうことができるー。


最高の力だー。


「芹沢を地獄に落としたらー

 若い女にでも憑依して、人生やり直すか!へへっ!」


ダーツの矢を、的に向けるー。


的には、

残り7人になった、芹沢部長の部署に所属する

人間の名前が書かれていたー


「さぁ~今日、退職願を提出しちゃうのは、誰かなぁ~」

笑みを浮かべる義弥ー


「ー中年のおっさんを舐めんじゃねぇぞ!芹沢ァ!」

そう叫ぶと、ダーツの的に向かって、義弥はダーツの矢を

投げつけたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーねぇ、先輩ー」


3日後ー


昨日は、男性社員の速水(はやみ)が退職ー

一昨日は、影の薄い女性社員の薄原(うすはら)が退職ー。


残りの社員は、5人にまで減っていたー。


そんな中ー


「ーー先輩って、部長と浮気してるんですよねぇ~?」

1年前に入社した新人の紗江が、昼休み中に

2児の母親、久美を呼び出したのだー。


”今日は、誰も退職願を出さなかったー”


そう、安心しきった様子の芹沢部長を午前中に見てー

”今日は紗枝に憑依している義弥”は、心の中で笑っていたー。


「”今日の俺は、この女に憑依してるんだぜ”」

とー。


「ーーーな、、な、何を言いだすのー?急に!」

久美が驚いた表情で叫ぶー。


30代前半の女性社員・久美は、2児の母親でありながら

芹沢部長と”浮気”をしているー


とー、いう噂があるー。

義弥も確証があるわけではなかったがー

久美に可愛がられていた紗枝を乗っ取って、

こうして”脅迫”まがいのことをしていたのだー。


「ーーー旦那さんに言っちゃおっかなぁ~」

紗江が悪女の笑みを浮かべるー。


「ーな、、な…な、、さ、、紗枝ちゃん!?

 そ、そういう悪ふざけ、笑えないわよ!」

久美が少しだけ声を荒げるー


反応からすると、図星に見えるー。


「ーーーそれとも、わたしが先輩の旦那さんー

 奪っちゃおっかな?

 ほら、わたしのほうが、若くてきれいで、可愛いし?」


紗江にとんでもない行動をさせていることに、

義弥は興奮しながら、

さらに紗江に挑発行為を繰り返させるー


”この女も、俺のこと陰口叩いてたんだもんなー

 ほら、自分の闇を存分に吐き出せよ”


義弥は、乗っ取っている紗江に向かって、

そう語り掛けながら、紗江の身体で続けるー。


「ーー30代のババアより、20代のわたしのほうが、魅力的だし?」

紗江が、馬鹿にしたように笑うと、

久美は「いい加減にしなさい!」と、鬼のような形相で机を叩いたー


「ーーじゃあさ…」

紗江は、急に久美の胸倉を掴むー。


「ーー黙っててやるから、わたしとエッチしようよー先輩」

紗江とは思えないような獣のような表情に、

久美は「ど、、ど、どうしちゃったのー?」と、戸惑いの声を上げるー。


「どうもしねぇよ。ほら、わたしと女同士のエッチ

 するのか、しねぇのか?どっちなんだ?」


紗江の声で、脅すような低い声を出すー


”やべぇなこれー

 俺がこんなこと言われたら興奮しちまいそうだぜ”


義弥はそんなことを考えながらー

久美のほうを、紗江の身体で見つめるー


「へへへへ…そうだよ。素直になれよー

 わたしと、やろうぜ?人妻さんよぉ」


完全に乗っ取られてしまっている紗江は、

そう言いながら、震える久美のほうを見つめたー。



そしてー

久美に散々乱暴を働いたあとに、紗江は

乱れたスーツ姿のまま、休憩室からオフィスに戻りー

退職願を叩きつけたー


「ーーな、なんだ…その格好ー?」

乱れたOL姿になった紗江を見て、唖然とする芹沢部長ー。


紗江は「ーーわたし~AV女優に転職しま~す!」と、

笑いながら立ち去っていくー。


「ーちょ!?え!?な、、何だって!?おい!」

焦る芹沢部長ー。


義弥は、紗江の身体で笑みを浮かべるー


”君がAVデビューしたら見てやるから、頑張れよー”


紗江に憑依したまま、

”AVデビューが夢”と、頭の中に強引に刷り込んでー

そのまま、義弥は紗江の身体から抜け出したー。


・・・・・・・・・・・・・・・


ひとりー

また、ひとりと辞めていくー。


そしてー

ついに、芹沢部長と、2児の母親である久美しか、

このオフィスには、いなくなってしまったー


「ーー何が、起きてるんだーくそっ」

芹沢部長は、半泣き状態で、眼鏡をはずしたまま、

頭を抱えていたー


「ーー芹沢くんー」

年下の部長をくん付けで呼ぶ久美ー。


噂どおり、久美は”浮気”していたのだー。

もはや、この部署には二人しかいないー。

”芹沢部長”と呼ぶこともせずー

芹沢くんと呼んだ久美ー


「ーー久美さんー…私の側にいてくれるのはー久美さんだけだー」

芹沢部長は、涙ぐみながらそう呟くー


「ーー可哀そうな芹沢くんー」

久美は、そう呟きながら、芹沢部長の手を握りしめるー。


そこにーーー

拍手と共に男が入ってきたー


芹沢部長は表情を歪めるー。


「三沢ー」

オフィスに入ってきたのは、退職したはずの義弥だったからだー


「ーーあれぇ?誰もいませんね~?部長」

義弥がニヤニヤしながら言うー。


退職願を無理やり書かされた時の弱弱しい義弥はもういないー。


「ーーまさか、ここまでコストカットしちゃうなんてー

 ははは、笑えますね」


義弥が言うと、芹沢部長は怒りの形相で「君が仕組んだのかー?」と、呟くー。

芹沢部長の隣にいる久美も不安そうだー。


「ーーええ」


「ーー!?!?」

芹沢部長も、久美も表情を歪めるー。


あまりにもあっさりと義弥が”自分が仕組んだ”と認めたからだー。


「ーな、なんだってー?」

芹沢部長が表情を歪めるー。


「ーーそうそう、”退職”するって予言ー…

 あれ、今日、実現するんですよ」

義弥が久美のほうを見て言うー。


「ーーえ…」

久美が困惑の表情を浮かべるー。


「ーーいいえ、退職しますよー。

 ”母親”であることよりも、”仕事”よりもー

 ”女”であることを選んで、ね。」


「ーーって、福田に予言されたでしょう?」

義弥が言うと、久美が反論しようとしたー。


「ーー部長ー、今、見せてあげますよー

 ”退職者”が増えた理由をー」


義弥はそう言うとー

突然、煙のようになってー

そのまま、姿を消したー


「ーー!?」

芹沢部長も、久美も表情を歪めるー


そして、その直後ー

久美がビクンと、震えながら「ぁっ…」と、声をあげたー


「ー!?!?」

芹沢部長が唖然とすると、久美は「ふふふ…♡」と甘い声を

出しながら、突然、自分の机の方に歩いていくー


「く、久美さんー…?」

芹沢部長が、戸惑いながら声を掛けるとー

久美は、何かを自分の机で書きー、

それを芹沢部長の前に叩きつけたー


たった今、久美が書いた”退職願”だー。


「ーわたし、母親であることよりも~

 仕事よりも~~!

 あなたとの愛を選ぶの…♡」


久美はニヤニヤしながら言うー。


「ー芹沢くぅん!わたしを抱いて!」

義弥に憑依された久美は、義弥の意のままに

芹沢部長に抱き着こうとするー


「ーーや、、やめるんだ!やめろ!」

芹沢部長が叫ぶー


「三沢ァ!貴様か!貴様が、久美さんの中にー!?

 いやー他の社員たちも!?」

芹沢部長が大声で叫ぶー。


だがー

久美は、お構いなしに服を脱ぎ捨てて、

芹沢部長を押し倒すと、

甘い声で「わたし、もう我慢できないな♡」と、

自分のスマホを、近くのデスクに置いて、二人の様子が

映るようにして撮影し始めるー。


「ーーや、、やめろ!久美さんー!やめろ!」

裸になった久美に、オフィスで押し倒された芹沢部長ー


「ーコストカット、コストカット、うるさい部長ねー。

 こんな部署、消えてなくなってしまえばいいー」


義弥に乗っ取られた久美は、そう、怒りの形相で呟くと、

芹沢部長と、無理やりエッチなことをし始めたー。


そしてー

その最中にー

偶然、親会社である猿渡グループの本部長がオフィスを訪れーーー


乗っ取られたままの久美と、

芹沢部長は、そのまま”懲戒免職”ー

部署も封鎖となったのだったー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーははははははは!最高だったぜ芹沢!」


家でそう叫ぶ義弥ー。


復讐は終えたー。

今度はー


「俺の新しい身体を探すかー」


こんな”中年のおっさん”としての人生は、もう十分だー

若い女に憑依して”第2の人生をスタート”させてやるー


義弥は、そんな風に思っていたー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーご苦労だったね」

親会社・猿渡グループの専務、猿渡 源三が

誰かと電話で話しているー


”予想通り、あの男は、憑依薬を使い、

 芹沢の部署を崩壊に追いやりましたー”


「ーーこれで”無駄なコスト”は省けたー

 ついでに”憑依薬”の治験もできて

 一石二鳥だな!わはははははは!」


猿渡 源三が笑うー。


義弥の家に、突然届いた”憑依薬”は、

親会社の専務が、”不要な芹沢部長の部署”を

壊滅させるために、送ったものだったのだー。


義弥なら、憑依薬を使って、芹沢部長に復讐するだろうー、と

考えての行動だー。


皮肉にも、義弥を”コストカット”と称してクビにした芹沢部長も

親会社から”コストカット”されてしまったのだったー


”ところで、あのコスト沢はどうしますか?”

部下の男が電話越しに呟くー


「ーーあぁ、あいつはもう不要だー

 憑依薬をあまり悪用されて、騒ぎにでもなったら困るからなー。

 ”処理”して構わんー」


そう呟くと、猿渡 源三は受話器を置いて、静かに笑みを浮かべたー



おわり


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


退職男の完結編でした~!

復讐には成功しましたが、第2の人生を送るのは、

ちょっと無理かも…ですネ笑


お読みくださりありがとうございました~!

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