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妹の萌々美が行方不明になってしまったー。


兄の喜多雄は必死に萌々美の行方を捜すも、

発見できないまま、時は流れていくー。


しかしー

喜多雄は気づいていないー。

萌々美の捜索にも力を貸してくれている隣人・汐織の家にー

萌々美は”コレクション”されていることにー


いやー

本当の隣人は”汐織”などではなく、

人間を皮にしてコレクションしている危険な男であることにー。


★前回はこちら↓★

<皮>人間コレクター②~収集~

アパートで暮らす男子大学生の喜多雄には、 菜穂という可愛らしい隣人がいたー。 だが、喜多雄の隣人は”なぜか”数か月で必ず引っ越してしまい、 決まって、”美人女性”が入居するのだー。 ある日ー 菜穂も”いつも通り”引っ越していきー、 代わりに汐織という女性が引っ越してきたー。 だがー 喜多雄は知らないー。 ”隣人”...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーお兄ちゃんも、気づいてないだろうなぁ~」

喜多雄の妹・萌々美が、スクール水着姿で笑みを浮かべるー。


「ーはぁ~~~…スク水のこういう感触…いいよねぇ…」

萌々美がうっとりとしながら、自分の脚の付け根のあたりを

触りながら、ニヤニヤと浮かべるー。


喜多雄が、アパートの自分の部屋に入っていく音が聞こえるー。


「ーーおにーちゃん…!わたしは隣の部屋でスク水着て、

 ひとりでオナってるの!うふふふふふふふ♡」


喜多雄の部屋の方向を向きながら、静かに囁く萌々美ー。


「ーーそれにしてもー」

萌々美は急に真顔になって呟くー。


”人間というものは、一人ひとりあらゆる感覚が違うー”


歩くだけで、色々と感じ方も違うしー

当然、声や容姿も違うー。

味覚も、寒さ暑さの感じ方も、運動した時の疲れ方も、

必要な睡眠時間もー

肌触りも、エッチの感じ方もー

何もかもが違うー。


例えば、この萌々美の身体は、想像以上にエロいー。

エッチの時も、喘ぎ声が止まらなくなるぐらいだー。

ついつい、大声で喘いでしまうー。


だが、今の”メインの皮”にしている汐織の場合は、

身体つきは最高だが、身体の感度はそこまでではないー。

萌々美の身体でヤレば、喘ぎ声が止まらなくなって

ゾクゾクが溢れ出しそうなことをしても、

汐織の身体の場合だと、どこか、冷めた感じで自分を客観視しているー

そんな感じになってしまうー。


味覚もそう。

萌々美でバナナを食べるとうまいが、菜穂でバナナを食べると、まずいと感じるー


「ーーこれだからー」

萌々美は笑みを浮かべるー


「これだから、”人間コレクション”はやめられないー」

萌々美の静かな囁きー。


まさか、隣の部屋で萌々美がそんなことを呟いている、などとはー

喜多雄は夢にも思わなかったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


”萌々美のことは、心配だけどー…

 警察も探してくれているから、

 喜多雄は、自分の大学の方に、専念しなさいー”


実家の母親と電話で会話をする喜多雄ー。


「ーーーでも…」

萌々美が”失踪”してから、既に半月が経過したー。


母の言うことは、確かに理には適っているー。


しかしー

それでも、大事なたった一人の妹を、このまま諦めるなんてー


「ーー俺ーーー…やっぱり、警察だけには任せておけないー」

喜多雄はそう呟くー。


「ーー必ずー。必ず、萌々美の身に何が起こったのかー

 絶対に突き止めて、もしも、事件に巻き込まれたならー

 俺は犯人を絶対に許さないー」


喜多雄は、隣人の汐織の部屋に、”皮にされた萌々美”がいるとは

知らずにそう呟くー。


”ーー喜多雄ー…

 あんまり、無理しちゃだめよ?”


母親の言葉に「わかってるよ、母さんー」と、ため息をつきながら

喜多雄は電話を終了したー。


「ーーー……」

警察の捜査がどのぐらい進んでいるのかは分からないー。

だが、そちらの方面は両親に任せ、

喜多雄は喜多雄で、周辺住民への聞き込みや、独自の調査を続けているー。


「ーーー……萌々美ー…」

喜多雄は歯ぎしりをしながら、

”抜き打ち調査~!”と、一人暮らしの喜多雄の部屋にやってくる、

ある意味鬱陶しい萌々美のことを思い出すー。


”鬱陶しい妹”って思うこともあったけれどー


「ーやっぱ、急にいなくなっちゃうと…寂しいよー」

喜多雄は、そう呟きながら、机の上に飾ってある家族写真を見つめたー。



”ーーーーーーーー”

隣人の紳士風の男が笑みを浮かべるー。

誰の皮も身に着けていない状態の男が、壁の側から離れるとー

「意外と、しつこいやつだなー」と、呟いたー。


”汐織”

”菜穂”

ー色々な”隣人”として、今まで喜多雄と接してきたが、

優しそうだが、弱っちそうな男子大学生ー

…と、紳士風の男は思っていたー。


妹の萌々美に関しても、すぐに諦めるかと思ったのだが

思ったよりもしぶとくー

消息を絶った萌々美のことを探し続けているー。


「ーーこの調子だとーー

 放っておいてもーーーーー」


紳士風の男は、物干しざおに吊るしている萌々美の皮を見つめるー


「ーー私の部屋にたどり着く可能性もあるなー…」

紳士風の男は、そう呟きながら笑うー。


だがー

彼は余裕の表情だったー。


”その時は、コレクションをひとつ、増やせばいいだけなのだからー”


とー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーはぁ…」

萌々美の手がかりを見つけることができず、ため息をつく喜多雄ー。


「ーー大丈夫ですか?元気出して下さいー」

隣人の汐織が微笑むー。

眼鏡をかけたスタイルの良い穏やか女性ー。


引っ越してきたばかりなのに、こんなことに巻き込んで

申し訳ない、と思いつつも、

彼女欲しいな~などと思っていた喜多雄は、こうして

汐織と接近できたことに関しては、内心で喜びも感じていたー。


ミニスカート姿に黒タイツの汐織が、

大人しそうなのに、結構おしゃれだなー、などと

喜多雄は、汐織に印象を抱いているー。


「ーーでも、心配ですよねー…」と呟くー。


「ーーーはいー」


喜多雄はそう返事をしながら、

”そういえば、隣に引っ越してくる女の人ー

 いつも、服装の好みも似てるようなー”

などと、心の中で考えるー。


汐織が引っ越してきてから、もうすぐ1か月が経過するがー

今でも”前の隣人”である菜穂と話をしているような

”錯覚”になるー。


いや、その前もそうだったかもしれないー。


不思議なことに、菜穂の前に住んでいた里香も同じような

雰囲気だった気がするー。


「ーーじゃあ、わたしはこれでー」


土曜日の半日を使って、手伝ってくれた汐織が、

そう微笑みながら、立ち去っていくー。


”ーー楽しいよ”

汐織は、喜多雄に背を向けながら、笑みを浮かべるー。


”玩具”を集めるのはー。


汐織をはじめ、多数の人間を皮にして集めている男はー

”人間コレクション”に、ある楽しみも見出していたー


それはー

”色々な人間関係”を楽しめることー。


汐織の皮を着れば、汐織として人間関係を楽しめるし、

菜穂の皮を着れば、菜穂として人間関係を楽しめるー。

妹・萌々美の皮を着れば、萌々美としての人間関係も楽しめるのだー。


”楽しいか、否か”

それが、紳士風の男の行動基準ー。


こうして、汐織として喜多雄を手伝っているのには、目的などないー


ただ”楽しい”から手伝っているのだー。


そもそも、萌々美は”汐織の部屋”にいるー。

”皮”となってー。


どんなに喜多雄が探そうと、見つかることはないし、

汐織が手伝っても、本当は”何も意味などない”のだー。


「ーーお姉ちゃんー!」


「ーーー!」

汐織が振り返るー。


自分の部屋に入ろうとしていた喜多雄も立ち止まって驚くー。


「ーーーお姉ちゃん…どこ行ってたのよー…

 やっと、みつけたー」

汐織に抱き着く女ー。

高校生ぐらいだろうかー。


隣人・汐織の少し年下に見えるー。


「ーーーあ…」

汐織はそう呟きながら、その子の頭を撫でるー。


「ーーあ、、あの…」

喜多雄が戸惑いながら、汐織に聞くと、

汐織は微笑みながらー

「ーーーーーわたしの、妹みたいですー」と、笑みを浮かべたー。


”妹みたい?”

その言葉が妙に引っかかったが、

喜多雄はそれ以上は聞けなかったー


「お姉ちゃん…急にいなくなっちゃうから…!心配したんだよ!

 引っ越し先ぐらい教えてよ」


汐織に飛びついた少女はそう言うと、「ごめんねぇ~」と、

汐織はその子の頭を優しく撫でて、

「ーあ、家の中で話そっか」と、静かに微笑んだー。


喜多雄に頭を下げて、家の中に入っていく汐織ー。


喜多雄は、不思議そうにしながらも、自分の部屋に入るのだったー。



しばらくするとー

”たすけて”と、微かに隣の部屋から声が聞こえた気がしたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・


翌日ー


「ーーえ」


汐織は、引っ越していたー。

あまりにも、急な引っ越しー。


「ーーあ、、あの、大家さんー」

アパートのすぐ近くに住んでいる

このアパートの大家さんを訪ねる喜多雄ー。


「ーーあらぁ、どうしたの?」

人の良さそうな一人暮らしのおばさんー、という

印象の大家さんが出てきて、喜多雄のほうを見つめるー。


「ーあ、いえ、隣の部屋の高野汐織さんはー

 どうされたんですか?」


喜多雄の言葉に、大家さんは「あ~高野さんはねぇ、

昨日、妹さんと一緒に急遽、実家に帰ることになったみたいなのよぉ~」と、

苦笑いしながら言うー。


「そ、そうなんですかー」

喜多雄は、汐織の住んでいた部屋のほうを見つめるー。


”なんだか、おかしいーーー”


そう思いながらー

喜多雄は大学に向かうー。


今日は、大学のサークル活動の集まりで、帰りが深夜になるー。

一昨日、妹探しを手伝ってくれていた隣人・汐織にもそう伝えておいたー


だがー

サークルの中心人物が体調を崩したことで、集まりが中止になり、

喜多雄は、アパートの部屋に予定より早く帰宅したー。


「はぁ…」

ため息をつく喜多雄ー。


その時だったー。


隣の部屋から、物音が聞こえた気がして、

喜多雄は耳を澄ませたー


”あ、、、うん…♡ ぁ♡ この身体… さいこう…♡”


「ーーーえ…?」

喜多雄は戸惑うー。

汐織は引っ越したはずではないかー。


なのに、隣の部屋から変な声が聞こえているー。


女のー


そのーーーー

何か、、アレをしてる感じの声だー。


”ふぅん…♡ ぁ…♡ ふふっ…♡ ふふふ♡”


「ーーーー」

喜多雄は、”心霊現象か!?”などと不安に思いながらもー

ふと、あることに気づいたー


あれーーー?


この声ーーー


「ーーーも…萌々美ーー?」

喜多雄は、隣の”誰もいないはずの部屋”から聞こえている

女のエッチな声がー

萌々美の声のように聞こえて、戸惑うー。


妹の萌々美の声がする気がするー。


「ーーーい、、いやーーそんなはずー」

喜多雄はそう思いながらも、自分の部屋から出て、

”汐織が引っ越したことで空室になったはずの部屋”を

ノックするー。


「ーーーーー」

”沈黙”

中から返事はなかったー。


さっきまでしていたはずの喘ぎ声が聞こえなくなるー。


「へ、部屋の中に、だ、誰かいるんですかー?」

喜多雄が部屋の中に声を掛けるー。


だがー

部屋の中から返事はないー


今、確かに”萌々美の声”だった気がするー


いやー

萌々美が見つからないこの状況に焦ってー

そう思ってしまっただけの可能性もあるー。


けどー…


喜多雄は、”いや、今ならー”と、

アパートの隣にある、大家さんの家へと向かうー。


汐織が今朝、突然引っ越した現在、隣の部屋は

”空室”だー。

そこから声がしたのであれば、大家さんに

確認してもらうのがいいー。


♪~~~


だが、残念なことに大家さんは不在だったー


「ーーくそっ…!」

喜多雄がそう呟くー


”ーーーーーーーーーーーーーーーー”

喜多雄は、隣の部屋のカーテンが少しだけ開いてー

”乗っ取られた萌々美”が、部屋の中から喜多雄を見つめている

ことに気づかなかったー


”大学の集まりに行くんじゃなかったのかー?”

紳士風の男は、汐織の皮を着ているときに

”今日は夜遅い”と聞いていたため、何も考えずに

萌々美の身体でエッチを楽しんでいたー。


だがー

喜多雄が想定以上に早く帰ってきたためー

声を聞かれてしまったのだー


「ーーまぁ、いいー」

萌々美は静かにそう呟くと、

「お兄ちゃん、わたしのエッチな声、聞こえちゃったんだねー」

と、ニヤニヤしながら呟いたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


翌日ー


「ーーあ、はじめましてー。

 今日からこちらでお世話になります、

 香川 鈴(かがわ すず)と言いますー」


アニメ声っぽい可愛い女性が引っ越してきたー


「ーーあ、よろしくお願いしますー」

挨拶された喜多雄は、顔を赤らめながら頭を下げるー


ー里香

ー菜穂

ー汐織


不思議と、”同じような女性”ばかり引っ越してくるー


それに、

おとといの夜まで住んでいた汐織が引っ越してからー

次の住人が入居するまでが早すぎるー。


喜多雄が、不安そうな表情を浮かべていると、

鈴は「どうかしましたか?」と優しく微笑むー


「あ、いえ、すみませんー」

喜多雄は、慌てて頭を下げると、

”新しい隣人”の鈴は、「いえ」と、笑いながら自分の部屋の方に

向かっていくー


”行方不明のままの妹の萌々美”

”隣人の頻繁な入れ替わり”


あらゆることに不安を感じながら、喜多雄は

”とにかく、萌々美を早く見つけないとー”と、

焦りのような感情を抱くのだったー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーー君は、本当に面白いよー」

”新しい隣人”の鈴は、笑みを浮かべるー。


里香ー

菜穂ー

汐織ー

妹の萌々美ー


喜多雄と関係する女性たちの”皮”が干された

物干しざおを見つめるとー

「ーーでも、君にもそろそろ飽きてきたー」と、

鈴は不気味な笑みを浮かべたー。


”飽きた玩具を、壊す瞬間もまたーー面白い”


紳士風の男は、鈴の皮を脱ぐと、それを乱暴に

床の上に放り投げて、静かに、そう囁いたー。



④へ続く


・・・・・・・・・・・・・


コメント


物語は終盤へ…!

今のところ、ただ隣人に翻弄され続けてるだけですネ~笑


今日もお読みくださりありがとうございました~!

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