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子分の康司から、色々遊ばれながらも、

パスポートの手配を終えた、菜月美になった俊ー。

女子大生と入れ替わった俊は、女子大生としての立場の

悪用を考えつつも”万が一”に備えて国外逃亡の準備を済ませていたー。


一方、警察に逮捕されてしまった俊になった菜月美を

取り調べていた”自白天使”の異名を持つ刑事・杉浦は、

俊(菜月美)の反応から”本当に入れ替わっている可能性もある”として、

菜月美の家を訪れるのだったー。


★前回はこちら★↓

<入れ替わり>わたしの身体で国外逃亡しないで!③~取り調べ~

国外逃亡を画策していた指名手配中の男・俊は、 空港に向かう途中に女子大生の菜月美とぶつかり、入れ替わってしまったー 菜月美になった俊は、自分を慕う子分的存在の康司と合流し、 今後のことを話し合うも、康司は菜月美の身体に興味津々ー。 仕方なく、菜月美(俊)は、康司にタイツを舐めさせたりしつつ、 国外逃亡...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーなんの、ご用でしょうか?」

刑事が家にやってきたことに、動揺を悟られないよう、

静かにそう答える菜月美(俊)ー


”こいつ…俺とこの女が入れ替わったことを知ってやがるのかー?”

内心で舌打ちしながら菜月美(俊)は、

”いや…入れ替わりなど、そう簡単にサツが信じるはずがねぇ”と

心の中で考えるー。


”驚かせてすみません。

 少しだけ、お話を伺いたいのですが、良いでしょうかー?”


”自白天使”の異名を持つ刑事・杉浦は、そう言うと

インターホン越しに、見えるように警察手帳を示したー。


「ーーー」

菜月美(俊)は、目を見開いて、鬼のような形相で、

背後にいる子分の康司のほうを振り向いたー


「ーーあ、兄貴…!」

康司は窓から飛び降りることを提案するー。

窓から逃げて、そのまま空港に向かうー

それも、確かに一つの方法だー。


だがー


”やつらー、どこまで気づいているー?”

菜月美(俊)は、インターホンでどう応答するか迷いながら

指を咥えて、イライラした様子で爪をかじるー。


「ーー……」


可能性は、いくつかあるー。


”既に北森 菜月美という女子大生の中身が俊である”と

確証を持たれている可能性ー


”もしかしたら入れ替わっているかもしれない”ぐらいまでしか

分かっておらず、疑いを抱いているだけの可能性ー


単純に、”偶然”聞き込みに来ただけの可能性ー。


「ーーーーー」

菜月美(俊)は、指を舐めるようにしながら、

頭をフル回転させるー。


あまり長い間、沈黙していると怪しまれるー。


既に”入れ替わり”に確信を持たれていて、

それでこの杉浦という刑事がやってきているのであれば、

窓から逃亡しても、当然、他の刑事が待ち構えているだろうー。


「(入れ替わりなんて、そう簡単に確証を持てるはずねぇ)」

菜月美(俊)はそう考えると、

康司に手で、”押し入れの中に隠れてろ”と合図をすると、

そのままインターホンのスイッチを押して、応答したー。


「わかりました~!少しお待ちください~!」

菜月美(俊)は女子大生らしく応答すると、

チッ、と舌打ちしてから、壁をグーで殴りつけるー。


「ーー鬱陶しいサツどもめー」

菜月美(俊)の声で怒りに震えるー。


康司は「ひぇっ…姉御…!」と震えながら

押し入れの中に隠れるー。


菜月美(俊)は「ふ~~~~」と、深呼吸をすると、

にこっと、微笑んでから玄関の扉を開けたー。


「ーーーお待たせしました!お疲れ様です」

菜月美(俊)は愛想よくそう言うと、

”自白天使”こと杉浦刑事が、じっ、と菜月美(俊)のほうを見つめたー


白と黒の上下の服装に黒タイツー

”普通の女子大生”の範囲内の格好だー。

”変な格好をしてなくて、よかったぜ”

菜月美(俊)は、そう思いながらー

「ーーあの…何かあったのですか…?」と、

”不安がっている女子大生”を装いながら、呟くー


「ーーあぁ、いえ、

 先日逮捕した容疑者に関連する聞き込みを行ってましてー。

 

 この男、ご存じですか?」


杉浦刑事が、”浜崎 俊”の写真を見せるー。

菜月美の身体になった俊自身の写真だー。


「ーーー」

菜月美(俊)はドキッとしながらも、それを悟られないように

上目遣いで、杉浦刑事のほうをさりげなく確認するー


玄関を開けてから杉浦刑事の強い視線を感じるー

イヤらしい視線ではないー

刑事特有の”疑いの目”だー。


上半身から下半身までー

服装、髪の雰囲気、仕草ー

あらゆることを注視されているのを、感じるー。


”俺が、この女とぶつかったことは、既に聞き込みで確認済みかも

 しれないなー”


俊は、菜月美とぶつかったことで入れ替わったー


当然、目撃者はいるかもしれないし、

監視カメラに映像が残っている可能性もあるー


ここでー

”知らないです”と言えば、逆に疑われる可能性もあるしー、

”ぶつかった”と言ったところで、ボロが出るとは思えないー。


菜月美(俊)は、愛想よく、思い出したかのように答えるー。


「ーーあ!こ、この人、少し前に、わたしに急にぶつかってきた人ですー」

とー。


「ーーえぇ。それは確認済みですー」

杉浦刑事はそう答えたー


”あぶねぇ…”

とぼけていたら、疑いが膨らんだ可能性があるー。

やはり、素直に答えておいてよかったー。


「ーでも、そのあと、わたし、急いでたんで、

 どうなったかは分からないですー」


菜月美(俊)が淡々とそう答えるとー

「なるほどー」と、杉浦刑事は答えたー。


「ーーーー」

「ーーーー」


菜月美(俊)と杉浦刑事が目を合わせるー


「ーーー浜崎 俊ー」

杉浦刑事が、鋭い口調でそう言い放ったー


菜月美(俊)は、激しく動揺したー

だが、それを表に出さずに、首を少しだけかしげるー


「ーーこの男の名前ですー」

杉浦刑事が穏やかに微笑むー。


”こいつーー

 今、わざと俺の名前を呼んでから間を開けて

 俺の反応を見やがったー”


菜月美(俊)はそう思いながら

「ーーそうなんですねー…最近、ニュースで見た気がしますー」と答えるー。


”ーーーー”

杉浦刑事は”反応なし…か”と、心の中で呟くー。


あえて、”浜崎 俊”と、断定の口調で名前を呼んだが、

菜月美(俊)は、焦りの表情や動揺を見せなかったー。


だからこそ、すぐに続けて”この男の名前ですー”と、

写真を示しながら言葉を続けたー。


”ーーーーーやはり、入れ替わっていないのかー?”

杉浦刑事は、そう思いながら、

取調室の俊(菜月美)の姿や反応を思い出すー。


「ーーーーーー最近、大学を休まれていると聞きましたがー?」

杉浦刑事がそう言うと、

菜月美(俊)は「え、あぁ、はいーちょっと、おなかの調子がー」と、

おなかのあたりを触りながら言うー。


「一昨日まで、吐き気も凄くてー」

菜月美(俊)の言葉に、

杉浦刑事は「それは大変だー。安静になさってください」と

同情してみせるー


”咳”

”鼻水”

”熱”

それらは、外部から確認できてしまうー


だが、”吐き気”や”腹痛”は、

本人以外には、そうそう確認できることではないー


菜月美(俊)がにこっと微笑みながら

「ー刑事さん、まるでわたしを疑ってるみたいですね?」と呟くー


「ーーいえ、そんなことはありませんよー

 職業柄、そう思われてしまうのは、仕方ないですけどね」

杉浦刑事が言うと、

菜月美(俊)は”あえて”不愉快そうな表情をしながらー

「もう、いいですか?」と呟くー。


”ごく普通の女子大生”なら、

いきなりこんな”お前が怪しい”と遠回しで疑われているような

聞き込みをされれば、不愉快に思うはずー


そう、思った俊の判断だー


「ーそうですね。もう十分ですー。

 もし、何かありましたら、いつでもご連絡下さい」

杉浦刑事は、そう言うと名刺を菜月美(俊)に手渡すー。


「ーはい、ご苦労様でした」

菜月美(俊)はそう言うと、玄関の扉を穏やかに閉めて

そのまま部屋の中に向かっていくー。


「ーーーーーーーー」

杉浦刑事は、鋭い目つきで「ーーー50パーセントー」と

だけ、呟いたー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーくそっ!ふざけやがって」

菜月美(俊)は部屋に戻るや否や、怒りの形相で、

菜月美の部屋のものを破壊し始めたー


「姉御…姉御…!落ち着いて下さい!姉御!」

怒り狂う菜月美(俊)を押し入れから出てきた康司が

なだめると、菜月美(俊)は荒い息をしながら、

康司に突然キスをしたー


「ーーむぐっ!?」

驚く康司ー


「ーームカついて仕方ねぇー

 ちょっと、付き合えや」

菜月美(俊)は、怒りの目つきで康司を睨むと、

康司は、”兄貴は苛立ちを菜月美の身体で発散しようとしている”と、

すぐに叫んだー


「は、、はい、喜んで!」

とー


菜月美(俊)は、康司に激しいキスをすると、

そのまま康司を押し倒したー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーー」

警察署に戻った杉浦刑事は、先輩の五十嵐刑事と合流するー。


「ーーどうだった?入れ替わりなんて、あるわけー」

五十嵐が言うと、杉浦刑事は「50パーセント、と言ったところですね」と、

淡々と答えるー。


再び、俊(菜月美)がいる取調室に入ると、

「北森 菜月美さんー」と、杉浦刑事は、

”目の前にいる俊”の中身が菜月美だと断定するかののように呟いたー


「ーーーえ…!」

俊(菜月美)の虚ろだった目が輝きを取り戻すー


その”目”をじっと見つめる杉浦刑事ー。


”65ー”

杉浦刑事は心の中でそう呟くと、

「北森菜月美のアパートを見張る人員を手配してくださいー」と、

五十嵐刑事に言い放つー


「はァ?お前まだ、入れ替わりなんてー」

五十嵐刑事が不満そうに言うと、

”自白天使”の異名を持つ杉浦刑事は、

穏やかな笑みを浮かべながら、五十嵐刑事に向かって囁いたー


「ーー”手柄”は全て先輩に差し上げますー

 僕にお任せいただけませんか?」


その言葉に、五十嵐刑事は「ま、まぁ、そういうことなら、

もう少しだけ、調べてみろ」と、煽てられてニヤニヤしながら頷いたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


翌日ー

菜月美(俊)は荷物をまとめると、

「おい!海外に飛ぶぞ!」と、康司に言い放ったー。


「ーーえ!?」

康司が驚くー。


「ーーーー見ろ」

菜月美(俊)はそう呟くと、カーテンをめくるー。


「ーーー!」

康司が表情を歪めるー


「ーーあれは捜査官だー。

 俺たちは見張られてるー。

 今はまだ疑いレベルだろうが、

 万が一、”入れ替わり”に確証を持たれたら終わりだー」


そう呟くと、菜月美(俊)は、キャリーバッグに

既に詰め終えた荷物を手に、

「ーーお前はどうするんだ?」と、呟くー。


勝手に作った菜月美のパスポートを手に、

菜月美(俊)が言うと、

「ーーお、、俺はー」と、康司は呟くー。


「ーお前まで、俺に付きあって海外に飛ぶ必要はねぇー。

 俺は捕まったら終わりだ。

 だが、お前は大した悪事はしてねぇし、

 万が一捕まってもすぐに出て来れる。


 今まで、世話になったなー」


菜月美(俊)はそう言って、髪を揺らしながら

立ち去って行こうとするー


「ーーーあ、、姉御!」

康司はそう叫ぶと、立ち止まった菜月美(俊)に向かって叫んだー


「お、、俺も、、俺もついていきたいっす!」

とー。


「ーーーくくー。なんだ?この女の身体目的か?」

菜月美(俊)が、タイツに包まれた足をイヤらしく触りながら笑うと、

「ーーいえ!俺は姉御、いや、兄貴の側にいたいんです!」

と康司は叫ぶー


そしてー

少し前を置いてからー


「あ、、あと、半分は身体目的ー…」

と、ニヤニヤしながら付け加えたー


「ーーー馬鹿正直なやつだなー。

 まぁいい、ついてこい」


それだけ言うと、菜月美(俊)は、

キャリーバックを手に、そのままアパートから外に出たー。


「ーーーー」

菜月美の家を見張っていた刑事が連絡を入れるー


「杉浦さんーー

 北森 菜月美が移動を開始ー」


その言葉に、警察署にいた杉浦刑事は

「ー分かりましたー」と、返事をし、取調室に向かったー


「これで、95パーセント」

そう呟くと、五十嵐刑事が、俊(菜月美)を取り調べしている部屋に入りー

「ー”君の身体”が空港に向かっているー」

と、杉浦刑事は呟いたー


「え…?」

俊(菜月美)は戸惑った表情を浮かべるー


「ーやつは、君の身体で国外逃亡しようとしているー。

 やつの正体を暴くためには、君の力が必要だー。

 一緒に来てくれー」


俊(菜月美)は頷くー


五十嵐刑事が「おい!?杉浦!?」と、叫ぶー。


杉浦刑事は、五十嵐刑事のほうを見て

「責任は全て僕が取りますー。

 そしてー

 もしも、手柄を上げたら、それは全部五十嵐さんにー

 それでどうですか?」

と、微笑むー


五十嵐刑事はニヤニヤしながら「そ、それならー」と、

杉浦刑事に俊(菜月美)を連れ出す許可を与えたー。


”空港の方向に向かっていますー”


「ーー了解」

杉浦刑事はパトカーに俊(菜月美)を乗せてー

そのまま、菜月美(俊)が向かった空港へとパトカーを走らせたー


・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーそこの、お嬢ちゃんー」


空港に向かう途中ー

菜月美(俊)が怪しげな老婆に呼び止められるー。


空港の側の通りの一角で、占いをしている老婆のようだー。


「ーー急いでるんで」

菜月美(俊)は愛想なくそれだけ言うと、

康司が「姉御~!手相占いしてくれるみたいですよ~!」と、叫ぶー


”せっかくなんでしてもらいましょうよ~!”


康司の言葉に、

菜月美(俊)は「うるせぇやつだな」と、言いながら

老婆の前に歩いていくー


そして「じゃあ、急いでくれますか?」と、

女子大生っぽく、不機嫌そうに言うと、

老婆は菜月美(俊)の手を見て、目を見開いたー。


驚いている老婆に、

菜月美(俊)は「ーなんなんだよ、、、」と言いかけて

「な、、何なのよ」と言い直したー


「ーー”闇”」

老婆は呟くー


「ーーお嬢ちゃんの未来にー

 ”闇”が待っているー」


とー。


「ーーー闇?」

菜月美(俊)は表情を歪めたー


「ーーっ!うるせぇ!」

菜月美(俊)はそう言うと、「占いなんて時間の無駄だ!」と

叫んでから、康司に「行くぞ!」と叫んで、そのまま

空港に向かって歩き出したー


間もなく、空港ー


俊は、女子大生・菜月美の身体で

勝手に国外逃亡しようとしていたー。


俊になった菜月美を乗せたパトカーも空港付近に到着するー。


国外逃亡かー

それとも、刑務所行きかー。


菜月美(俊)は険しい表情を浮かべながら、空港の中に足を踏み入れるのだったー。


⑤へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


次回が最終回デス~!

ぜひ結末を見届けて下さいネ~!


今日もありがとうございました~!

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