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この世界は、歪んでいるー。


女子大生の柚香は、

彼氏・啓二に浮気されていたことを知ったー。

しかも、その相手は幼馴染の麻理恵ー。


絶望する中、現在は社会人の、小さいころから親しい男・吉影と

偶然会い、吉影に励まされた柚香は、

彼氏と親友の裏切りから立ち直ろうとした、その矢先ー

今度は、謎のレインコートの女に、両親を殺害されてしまい、

しかも警察にそれを”自殺”と決めつけられてしまったー。


全てを失った柚香は、絶望し、この世界を憎んだー。

この世界は、歪んでいる、とー。


そんな中、なぜかレインコートの女は、柚香に”人を洗脳する力”を授けるー。


力を手に入れた柚香は、そのレインコートの女を殺害、

人を洗脳する力を手に、狂気の暴走が始まる…。


★前回はこちら★↓

<MC>歪んだこの世界にわたしは復讐する①~悲劇~

大学に通う女子大生・望月 柚香(もちづき ゆずか)は、 絶望していたー。 「ーーど…どういうこと…?」 大人しい性格の柚香は、大学に入ってから、初めて彼氏ができたー。 彼氏の名前は、同じ大学に通う、一つ年上の先輩、 柿原 啓二(かきはら けいじ)ー。 大学内で忘れ物をして困っていたところ、親切にしてくれ...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


柚香の彼氏だった啓二は、

柚香の親友である麻理恵の家で、

ちょうどエッチなことをしている最中だったー。


「ーーどう?あんな女より、わたしのほうが、

 ずっと魅力的でしょ?」


すっかり乱れた格好の麻理恵が微笑むー。


「ーーあぁ…柚香みたいな女とマジなわけないだろー?

 俺がマジなのは、麻理恵ー

 お前だけだよー」


啓二はニヤニヤしながら、麻理恵の胸を揉みー

それから、麻理恵と熱いキスを交わすー。

普段は”優しい雰囲気”を振りまいている麻理恵も、

他人には絶対に見せないような、妖艶な笑みを浮かべながら、

啓二を見つめているー。


「ーーんっ…♡」

キスをしながら、嬉しそうに微笑む麻理恵ー。


その時だったー


♪~~

♪~~~

♪~~~~


スマホが鳴るー。


「ーー…わるい」

啓二はそう言うと、麻理恵から離れて、机の上に置いてある

スマホの方に向かうー。


「も~!電源切っておいてよね~」

頬を膨らませる麻理恵ー。


「ーーー!」

啓二は表情を歪めたー。


電話は、柚香からー。


自分と別れたあと、柚香は、頭がおかしくなって、

大学もやめたー。

どうやら両親も自殺したとかなんとか聞いたが、

正直、もうどうでもよかったー


「ーーー柚香から」

啓二がそう呟くと、麻理恵はクスッと笑ったー。


「--柚香?あんな女、もう放っておけばいいじゃないー」

親友だったはずの麻理恵は、そう呟くー。


麻理恵も、啓二に捨てられたと知ったあとの柚香に

立て続けに不幸が起きて、おかしくなってしまい、

大学も退学になったことは知っているー


もはや”自分より劣っている柚香と一緒に行動することで

優越感を感じる”という利用価値すらなくなったー。


麻理恵にとって、柚香はもう”過去の人間”であり、

正直、”どうでもいい存在”なのだー。


「ーーはは、だな」

啓二はそう言いながらスマホの電源を切ると、再び麻理恵の方に

近付いていくー。


だが、その時だったー


♪~~

♪~~~

♪ ♪ ♪ ♪ ♪~~~~


インターホンが連打されるー


「ーーー!」

啓二は少しだけ不安そうに麻理恵のほうを見つめるー。


ここは麻理恵の家だー。


エッチな下着姿だった麻理恵は、適当に服を羽織ると、

面倒臭そうに「誰よ」と呟きながら、

インターホンの画面を確認したー。


「ーーーー!!!」

麻理恵が、来客をモニターで確認すると、「ーー柚香」と

静かに呟くー


啓二が「ゆ、柚香?」と、さらに不安そうな表情を浮かべるー。


「ーーーーー何?」

麻理恵が、インターホン越しにそう返事をするー。


柚香は不気味な笑みを浮かべながら、

画面のほうを見つめたー。


「ーー麻理恵… あ~~け~~~て」

柚香が、そう呟くー


「ーーな、、何なの急に!?

 あんた、大学もやめて、今、何してるの?」

麻理恵が戸惑いながら言うと、

柚香は急にクスクスと笑い出したー。


インターホン越しに笑い続ける柚香に、

麻理恵も、啓二も”気味を悪いもの”を見る目で、

インターホンの画面のほうを見つめるー。


「ーーあ~~~け~~~て

 あ~~け~~て

 あ~~け~~~ろ!」

柚香が不気味な声で何度も何度も繰り返すー。


”完全に狂ってる”

そう思った麻理恵は「警察呼ぶわよ!」と叫ぶー。


「ーーこんな世界、壊さなくちゃー」

「こんなロクでもない世界、全部、全部壊しつくすのー」

「ふふ…ふふふっ…あっはははははははー」


啓二は「お、、おい…なんなんだよ、あいつー」と、呟くー。


麻理恵は再度「これ以上そこに居座ると、警察呼ぶから!」と叫んでから

インターホンの電源を切ろうとしたー


しかしー


”そこにいる啓二ー…

 麻理恵は、自分が本命だと思ってるみたいだけどー

 麻理恵も、”本命”じゃないんだよー?”


柚香が呟くー


麻理恵は、「そ、そんなことあるわけー」と言いながら

啓二のほうを一瞬振り向くー


啓二は「バ、、馬鹿!俺は、俺は麻理恵一筋に決まってんだろ!」と

冷や汗をかきながら呟くー。


啓二がーー

”浮気”してるのは、事実だったー。


麻理恵は、柚香と同じー

”浮気王子”の異名を持つ啓二の”浮気相手”のひとりだー。


麻理恵は、自分が本命だと思っているー


インターホン越しに、柚香がクスクス笑いながら、

”連れてきちゃった”と、微笑むー。


「ーーーあ?」

啓二が青ざめてインターホンの画面を確認するー


するとそこにはーー

啓二の浮気相手7人と、本命の彼女の姿が映し出されたー。


「ーーなっ…」

青ざめる啓二ー

麻理恵が「どういうこと!?」と、悲鳴を上げるー


啓二は「う、、嘘だろ!おい!」と、叫びながら

玄関の方に向かい、玄関の扉を開けるー。


扉を開けると、柚香と

本命の彼女、7人の浮気相手が立っていたー。


柚香は、啓二に関係する”8人”を全員見つけ出し、

全員を”洗脳”していたー。


「ーー全員で、お仕置きしちゃえ」

柚香がそう言うと、玄関先で悲鳴を上げる啓二を、

”8人の彼女”が、集団リンチのような状況で、

啓二を攻撃し始めるー。


悲鳴を上げる啓二ー。


「ーーークスッ」

柚香はその様子を満足そうに見つめると、奥で困惑していた

麻理恵の方に近付いてくるー


「麻理恵ってさー、自意識、過剰だよね?」

柚香が言うと、麻理恵は「な、、何なの…!?」と、

気味悪そうに柚香のほうを見つめるー。


「ー親友だと思ってたのにー」

柚香は、悔しそうに歯ぎしりをするとー


「ーーこれからもわたしの人生の”踏み台”として

 よろしくね?」


と、麻理恵にバカにされたときのことを思い出しながら

麻理恵を睨んだー


「あんたみたいな自意識過剰女、友達じゃない!」

柚香が泣きながらそう叫ぶとー

突然笑みを浮かべながらー


「壊れちゃえ」

と、囁くー。


麻理恵は「な、なんなのよさっきから!柚香…あんたキモすぎ!」と

怒りの形相で叫んだー


しかしー


「ーーそんなにチヤホヤされたいならー

 全部、見せちゃえ」


柚香が笑いながら言うー。


「ーほら、脱ぎなよー」

柚香は、”謎のレインコート女”から持った

ペンダントを首から下げたまま、そう囁くー。


「ーーえ…な、、なに…?」

麻理恵の身体が勝手に動いてー、

麻理恵は、インターホンに返事をする前に来た服とー

元々身に着けていた下着を脱ぎ始めるー。


「ーーえ…ちょ、、ちょっと!?な、、何のつもり!?」

麻理恵が、自分の身体が自由にならない恐怖を感じながら叫ぶー。


「ーー自己顕示欲まみれのあんたに、ふさわしいこと

 させてあげるー」

柚香はクスクスと笑っているー。


全てを奪われー

精神が崩壊してしまった柚香は、

麻理恵の知る柚香とは、まるで”別人”だったー


麻理恵の身体が勝手に動いて、”自撮り”を始めるー

自分の裸を自撮りする麻理恵ー


「ーほら、ネットに晒しちゃえ」

柚香が”命令”を下すー


麻理恵は「ーーや、、やめて…」と、柚香のほうを

恐怖のまなざしで見つめるー。


そしてー

玄関のほうを見つめるとー

啓二は、浮気相手7人と本命の彼女から

暴行を受け続けて、無残な姿を晒していたー


生きているかどうかも、怪しいー


「ーーーほら、笑いなよー」

柚香が言うー


麻理恵が柚香の意思に従って笑い始めるー


「みんなに見てもらえるんだよ?

 嬉しいでしょ?

 ほら、嬉しいでしょ??」

柚香の言葉に、麻理恵は恐怖しながらも、

大笑いしながら、自分の写真をネットに投稿したー。


瞬く間に反応が広がっていくー。


「ーーあは…あははははははっ あははははははっ!」

泣きながら笑う麻理恵ー。


「ー注目、集めることができて、よかったね」

柚香はそれだけ言うと、「壊れちゃえ」と付け加えたー。


「ーーあんたの人生、壊れちゃえ」

麻理恵にそう言い放つと、

「そのまま笑いながら、外を走りなさい。裸のままー」

と、命令したー。


麻理恵は、抵抗することもできないままー

大笑いしながら、服も身に着けず、アパートから飛び出したー。


「ーーふふふ 壊れちゃえー 全部ー全部」

柚香はそう言うと、既に啓二が死んでいることを

確認してから、「ー火をつけなさい」と、浮気相手の一人に命令して、

全員を焼き払ったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーこんな世界ー壊れちゃえ」

「壊れちゃえ」

「壊れちゃえーー」


柚香は、”洗脳”の力を悪用して、

次々と、あらゆる場所で騒動を起こしていたー。


誰も、柚香の仕業だとは気づかないー。


「ー死ね」

「ーー消えろ」

「ーーー壊れろ」


悪魔のような命令を繰り返していく柚香ー。


親友もー

恋人もー

家族も失ったー


そしてー

家族の死を警察は勝手に自殺だと決めつけー

バイト先も大学も、柚香をおかしな女だと決めつけて

追い払ったー


「こんな世界…歪んでるー」

柚香は、怒りの形相で呟くー


この世界は歪んでいるー

いいや、人間そのものが歪んでいるー


「壊さなくちゃー」

柚香はクスクスと笑いながら、ゆらり、ゆらりと歩き出すー。


♪~~~


柚香のスマホが鳴りー、目の下にクマを作っている柚香が、

スマホに出るー


”柚香ちゃん!?大丈夫か!?”

電話の相手はー

小さいころから柚香が慕う近所のお兄さん的存在ー…吉影。


”柚香ちゃんの街、今、変な事件立て続けに起こっててヤバいだろ!?”

出張中の吉影も、ニュースか何かで見たのだろうかー。


柚香が”洗脳”の力で、人々を壊していることを知らないであろう

吉影は、柚香のことを心配して電話をかけてきたのだろうー。


「ーわたしは、大丈夫ー」

柚香は低い声でクスクス笑いながら呟くー


”ゆ、柚香ちゃんー?”

吉影の声が少しだけ歪んだ気がしたー


「ーー島崎くんは、この世界のこと、どう思ってるー?」

柚香が笑いながら言うー。


”どうってー?”

吉影の返事に、柚香は、吉影の答えを

それ以上聞くことなく呟いたー


「わたし、何もかも失って気づいたのー

 この世界は歪んでいるってー」


柚香の言葉に、吉影は


”何をするつもりなんだー?”と、呟くー


「ーー歪んだこの世界を、壊すのー

 徹底的にー」


柚香は、それだけ言うと、

「島崎くんでも、今のわたしを止めることはできないー」と、

呟いて、電話を一方的に切ったー。


「ーーーーーー……」

電話を切られた吉影は少しの間、スマホの画面を見つめていたが

同僚に声を掛けると、ようやく「あ、すみません」と

笑みを浮かべながら、仕事へと戻って行ったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーー全部壊れちゃえー」

「壊れちゃえー」


街を歩きながら、

人々を次々と洗脳していく柚香ー


「壊れちゃえっ…!」

「壊れちゃえー!」


柚香によって、世界は壊れていくー。


全てを失った人間が、人を思いのままに操る力を

手に入れてしまっただけで、世界は、いとも簡単に壊れていくー。


やがてー

柚香の住んでいた市では、

地獄のような光景が広がっていたー。


あまりにも悲惨な状況に、世間は大混乱に陥っていたー


柚香の住んでいた市はー

火災や暴動、事件ー自殺、あらゆる負の出来事が

連鎖的に発生し、

2週間持たずに”壊滅”したー。


「ーーー次はーー」

柚香は笑みを浮かべるー。


柚香は、自分の住んでいた市を壊滅させただけでは飽き足らずー、

世界そのものを、壊そうとしていたー。



③へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


次回が最終回デス~!

柚香がここまでおかしくなってしまったのにも、

何か理由が…

あるかもしれませんネ~!


続きは次回のお楽しみデス~!

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