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”隣人の様子がおかしい”


アパートで暮らしている20代の男性会社員・克哉は、

隣の部屋に住む女子大生・萌奈の”奇行”に困惑していたー。


可愛らしく、礼儀正しい性格である萌奈は

これまで一度も近隣住人との間にトラブルを起こしたことはないー。


だが、ある日、突然、夜遅くに萌奈の部屋から”騒音”が

響き渡ったのだー。

すぐに謝りに来る萌奈ー。

だが、謝りに来た直後、再び騒音を響き渡らせるという

理解しがたい行動に萌奈は出たー。


克哉が困惑する日々を送る中、

やってきた萌奈は克哉に不可解な言葉を投げかけたー。


「最近、わたし…記憶が少し飛んでるんですー」

ーと。


☆前回はこちら↓☆

fanbox post: creator/29593080/post/2751124

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「記憶が、ないー?」

克哉は思わず聞き返してしまうー


「はい…」

不安そうな表情でそう答える萌奈ー。


「ーー……他に、お話できそうな人がいなくてー…」

萌奈の言葉に、克哉は戸惑いながらも、

話を聞いてあげようと思い、部屋の外に出て、

廊下で萌奈と話し始めるー。


萌奈によれば、最近はいきなり記憶が飛んでいることがあり、

悩んでいるのだというー

この前の騒音の時も、萌奈は”寝落ち”と説明していたが

実際には、周辺の記憶が飛んでいたのだというー。

気づいたら、自分の知らない音楽を大音量で部屋で流していたー


そんな状況だったと、萌奈は説明したー。


「ーーあの…わたし…皆さんに何かご迷惑になるようなこと…

 してませんか…?」

不安そうな萌奈ー


克哉は表情を歪めたー


大音量での騒音はここ数日で何回かあったー

一度、萌奈の部屋まで行った際には、萌奈に舌打ちまでされているー

それに、先日は萌奈の部屋から喘ぐような声まで聞こえてきているー


そのことを言うべきかどうか、克哉は迷っていたー。


「ーーーやっぱりわたし…何かご迷惑をおかけするようなことをー…?」

萌奈の不安そうな顔ー。


だが、”特別親しいわけでもない”隣人の女子大生にいきなり、

”深山さんの喘ぐ声が聞こえた”とは言いにくいー


「いや…何度かその…部屋から大音量で音楽が聞こえたぐらいですけど…」

克哉はなるべく直接的な表現をしないで済む範囲内で、そう伝えたー。


「ーー…わたし…どうしてそんな…」

戸惑う萌奈ー


萌奈が”本当に記憶が飛んでいて”

その間に大音量で音楽を聴いたり、自分が思いもしないような

行動をしているのであれば、確かに不安だろうー。


だが、克哉は克哉で不安だったー。

”萌奈の言っていることは本当なのかどうか”分からないからだー。


通常であれば、”記憶が飛んでいて、自分の知らない間に

大音量で音楽を聴いたり、喘いだりする”なんてことは

考えられないからだー。


しかしー

今までこのアパートで暮らしてきて、萌奈の日常的な雰囲気は

分かっているし、少なくとも、克哉が見た限りでは

そのようなことをする子には見えないー。


萌奈の様子がおかしくなりだしたのはー

確か”「ーー本当に、知らない人がいたんです…!」”と、

萌奈が”自分の部屋に知らない男が入ってきた”と

言い出した日からだー


結局あの日、萌奈が言う”男”の姿は確認できずー

結果的にそのままうやむやになってしまっているがー

萌奈の様子がおかしくなってしまったのは、その日からだー


「ーー…この前、男の人が入ってきたって、

 深山さん、言ってましたよね?」


克哉が言うと、萌奈は「はい」と不安そうに呟くー


「ーきっと…色々あったから疲れてるとか…

 そういう感じじゃないかな…と、俺は思うんですけど…」

克哉がそう言うと、萌奈は「そうでしょうか…」と

不安そうにしているー。


「ーー…ーーー」

しばらくの間、お互いに沈黙が走るー


満足に解決策を提案することもできず

気まずい雰囲気になってしまった克哉と、

”わたし、大丈夫かな…?”と不安に思う萌奈ー。


だが、やがて萌奈が「あ、ごめんなさいー」と

可愛らしい腕時計を見つめると、

「急に変な話してすみませんでした…

 園口さんの言う通り、少し気持ちを落ち着けてみようと思います」と、

頭を下げながら、そのまま萌奈は自分の部屋の方に戻っていくー


「ーすみません。俺のほうこそ、大した力になれなくてー」

克哉が言うと、萌奈は”お話を聞いていただけただけでも、だいぶ楽に

なりましたー”と、嬉しそうに微笑むー。


そしてー

萌奈は自分の部屋の玄関の扉を開けると、そのまま

自分の部屋の中へと入って行ったー


「ーーー…ふぅ」

克哉は少し戸惑いながら、自分の部屋に戻ろうとするー


しかし、その時ーー

萌奈の部屋から笑い声が聞こえたー


”くくく…くくくくくくっ!ははははははははははっ!”


不気味な萌奈の笑い声ー

悪女ー

いや、まるで男が笑っているような、そんな錯覚を感じるー。


「ーーー……いったい…」

克哉は、隣人の女子大生・萌奈のことを不気味に思い始めていたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


その数日後のことだったー


帰宅した克哉が自分の部屋の玄関の扉を開けようとしているとー

萌奈が笑いながら帰宅したー。


柄の悪い男の腕を掴みながら

まるで”別人”のように笑っているー


「へへへ お前にもこの女とヤラせてやるからよぉ~くふふふふふ」

笑う萌奈ー。

酒も飲んでいるのか、少し萌奈からはお酒の匂いも

漂っているー。


「ーー…深山さん…」

戸惑った様子の克哉が思わず声を掛けると、萌奈は

けらけらと笑いながら「あ~隣人の…なんだっけ?まぁいいか」と

笑いながら、克哉のほうを見つめたー


その目つきはー

まるで”別人”のようにさえ見えてしまうー


肩を出してー

ミニスカート姿の萌奈も、普段見る萌奈の服装とは

別人のように見えるー


「ーーさ、ほら、入れよ、JDの部屋だぜ?きひひひひひっ…」

完全に酔っぱらっているように見える萌奈ー。


萌奈と一緒にいる男は「おい、いいのかよ?」と、

克哉のほうを指さして、意味不明な言葉を呟くー。


その言葉に萌奈は「どうせ何もできやしねぇよ」と、ニヤニヤしながら言うと、

そのまま部屋の中に入って行ってしまったー。


部屋の中からは、その日ー

一晩中、激しい喘ぎ声が聞こえたー。

萌奈が何度も何度もイクような声が聞こえてくるー。


女子大生のイク声ー

喜ぶ男もいるかもしれないが、

克哉からしてみれば、”隣人の不可解な行動”に

恐怖を感じてしまうことしかできなかったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・


翌日ー


仕事に行こうとする克哉は、

ふと、玄関の前に座り込んでいる萌奈の姿を見つけたー


「ーーふ、、深山さん…?」

克哉が、萌奈に声を掛けると、座り込んで顔を下に向けていた

萌奈が泣きながら克哉のほうを見つめたー


「ーわたし…変なんです…助けて下さい…」

とー。


「ーーえ…?い、、いったい…どういう…?」

克哉は、萌奈から”狂気”すら感じたー


毎日コロコロと、まるで”別人”のように態度が変わる萌奈ー

弄ばれているのではないか、と不安になってしまうー


「ーーー助けて下さい…わたし…わたしが知らない間に、何か

 してるんです…」

克哉のほうを見て、泣きながらそう呟く萌奈ー。


周囲の目を気にしながら、克哉は「ちょっと、落ち着いてー」と

萌奈をなだめるー。


「ご、ごめんなさい…」

泣きながら言う萌奈は、

今朝、目を覚ましたら、知らない男が隣に寝ていてー

その男から昨日の夜、一緒にエッチなことをしたのだと

告げられたと説明したー


「ーわたし、何も記憶がないんです…!

 わたしの知らない間に、わたし…

 わたしじゃなくなってる…」


萌奈が泣きながら言うー。


とても演技とは思えないー。


克哉は、考えられることを色々と考えてみるー。


確かに、昨日、萌奈の部屋の方から

エッチなことをしている声は聞こえてきたし、

男を連れ込む場面も目撃しているー


だが、萌奈にはその記憶がないのだというー。


頭をフル回転させて克哉が導き出した答えは3つー


萌奈の狂言ー

二重人格ー

夢遊病ー


だが、夢遊病で男を誘ってエッチするとは考えられないー。


と、なると

”萌奈の狂言”あるいは”二重人格”なのではないかと、

克哉はそう考えたー。


「ーーー…」

萌奈のほうを今一度見る克哉ー。

萌奈はとても悲しそうに涙を流しているー。


もしも、これが萌奈の狂言ー

つまり”演技”だったとすれば、

萌奈は演技派女優顔負けの演技をしていることになるー


さすがにそこまでして克哉を騙しても、

何も萌奈に得はないだろうし、

そんなことをするような子には思えないー。


萌奈が演技派女優顔負けの演技をしているのではないと

信じてー

克哉は萌奈に言葉を掛けたー


「…昨日のこと、お話しますー

 落ち着いて、聞いてもらえますか?」


克哉が言うと、萌奈は静かに頷いたー


克哉はやむを得ず、「ちょっと待っててください」と言うと、

自分の部屋に萌奈を案内しようとしたー。


下心は何もないー

だが、同時に”昨日、深山さんはエッチなことをしていました”

などという話しにくい内容を話すのに、

アパートの廊下はさすがにまずいー。

かといって、これから出勤のタイミングである克哉は

喫茶店などでのんびり話をすることもできないー


手短にー

そう思いながら部屋の片づけを終えて「さぁ、どうぞ」と

声をかけた克哉は、目をぱちぱちとさせたー。


廊下にいたはずの萌奈の姿がないー


「ーーーえ…」

克哉は戸惑ってしまうー


いったいー?

いったい、何のつもりなのだと…。


涙ながらに助けを求められて、相談に乗ろうとしたのに、

突然姿を消した萌奈ー。


直後ー

萌奈の部屋から声が聞こえてきたー


”まだ、完全じゃないんだ。悪いな”

と、誰かと電話する声がー


「ーーどういうことなんだ…?」


隣人の女子大生は、二重人格なのかもしれないー

そんな風に思いながら、克哉が家から出かけるー。


そして、通りから

アパートのベランダを見ると、

萌奈の姿が少しだけ見えたー


地上からベランダを見て、さらに中にいる萌奈を遠目で

見ているので状況は把握しにくいー


しかし、次の瞬間ー


「ーーー!?!?!?!?」


”萌奈”が、脱皮するかのようなー

そんな、不気味な光景が見えたー


「え…?」

克哉は目をこすって、もう一度アパートのベランダのほうを確認するー。


だが、萌奈の姿はもう見えなかったー。


「今のはー?」

克哉が首をかしげるー


今、確かに”萌奈が着ぐるみのようになって”ー

中から”別の人間”が出てきたように見えたー。


「ーーな、なんなんだいったい…?」

克哉は戸惑うことしかできずに、そのまま会社に向かったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「どうしたよ?」

先輩の北川 純一(きたがわ じゅんいち)が、

昼休みに、克哉に声を掛けてきたー


「あ、先輩」

克哉は、萌奈のことを気にしていたー


「ー実は最近、少し隣人のことで悩んでまして」

克哉が言うと、「隣人?」と純一が首をかしげるー。


「ーーあぁ、確かJDがいたっけな」

純一の言葉に、克哉は苦笑いしながら

「その言い方はやめましょうよ」と笑うー。


純一は入社時から克哉の指導を担当していた先輩で、

何度か克哉の家にも遊びに来ているー。


「そのJDがどうかしたのか?」

純一の言葉に、克哉は、少し考えてから

当たり障りのない程度に事情を説明したー。


純一は「そりゃお前、あれだろ」と笑うー。


「ーお前の反応が面白いから、きっとその子、遊んでるんじゃないのか?」


純一の言葉に、克哉は「やっぱりそうですかねー」と呟くー


それなら、それでいいー

あまり相手にしなければいいだけだー


だがー

萌奈が見せた涙が偽物とは思えないー


それにー

今朝、通勤前に見た”萌奈が脱皮する”かのような謎の光景ー


”何かが起きている”

そんな風にしか思えなかったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


克哉が帰宅するー


「ーー?」

帰宅した克哉は、自分の部屋の扉の前に、

萌奈が片足をつけて、腕を組みながら

寄りかかっているのに気づいたー


「ーふ、深山さん?」

そう呟くと、萌奈は克哉のほうを睨みつけたー


まるで、別人のような目でー


「ーーえ」

克哉が戸惑うー


萌奈はそんな克哉を睨みながら近づいてくるとー

「ーこれ以上、わたしに関わるな」

と、萌奈が低い声で脅してきたー


「ーーえ…??え」

克哉の反応に、萌奈はさらに続けたー


「ー”この女”が助けを求めてきても、無視しろー

 それが、お前のためだー」


確かに萌奈の声ー

だが、その声は別人のように、低いー


「ーーえ?それはどういうー!?」

克哉はとっさにそう叫んだが、萌奈はそのまま自分の部屋の中に

入って行ってしまったー


③へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


隣人の女子大生に戸惑いっぱなしの彼の運命は…!?

続きはまた次回デス~!


今日もお読みくださり、ありがとうございました!

(Fanbox)


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