Home Artists Posts Import Register

Content

女子高生・麻優美の身体を手に入れた

暗殺者の男は、

”麻優美”として女子高生ライフを送りながら、

麻優美の身体を使って引き続き暗殺者として”暗躍”していたー。


”麻優美”という少女の身体を利用することで、

これまで以上に相手を油断させやすくなり、また、隠れ蓑としても

利用しやすくなったー。


そんな中、麻優美を慕う後輩・美彩は、

麻優美(暗殺者)に底知れぬ違和感を抱き始めていたー。


☆前回はこちら↓☆

fanbox post: creator/29593080/post/2695964

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーーひっ…」

男が悲鳴を上げながら後ずさるー。


先日、麻優美になった暗殺者に”依頼”した男が、

裏社会で名を馳せている正体不明の暗殺者が

”女だった”と侮り、成功報酬の支払いを渋ったのだー。


「ーーー”暗殺”を生業にしている人間を侮りすぎたな」

麻優美(暗殺者)が、黒い覆面とラバースーツ姿で、

依頼人の男に近付いていくー。


「ー成功報酬を払わない依頼人は、どうなるか知ってるか?」

麻優美の可愛らしい声ー

だが、その声は低く、恐ろしく冷たい声に聞こえるー。


「ひっ…お、、お許しを…ほ、ほんの出来心で…」

依頼人の男が泣き叫びながら土下座をするー。


「ーー相手が女だからと侮ったのか?」

麻優美(暗殺者)が、そう言いながら、覆面を取るー。


麻優美の可愛らしい顔が、露わになって、

依頼人の男は驚くー。


思った以上に”暗殺者”とされる人物が若くー

そして、美少女のような顔立ちだったからだー。


実際には、麻優美は暗殺者ではなく、

暗殺者は、この依頼人の男が考えているような、

冷徹な雰囲気の男なのだが、

今は、麻優美と暗殺者の男が入れ替わっていて、

麻優美の中に、その冷徹な男がいるー。


「どうだ?驚いたか?」

麻優美(暗殺者)が言うー。


「ーーひ…」

依頼人の男が悲鳴を上げるー。


「ーこんな”女の身体”でも、

 暗殺者として生きることだって、できるんだよ」


麻優美の顔とー

言動が一致しないー。


依頼人の男は思わず、泣きそうになりながら叫ぶー。


「あ、あんたは何者なんだー」

とー。


「ーわたし?」

あえて、麻優美(暗殺者)は、麻優美の口調で答えたー。


「ーー昼間は女子高生ー、

 夜は暗殺者ー…

 ふふっ、ゾクゾクするでしょ?」


麻優美(暗殺者)は、にっこりと

”優しい麻優美”として微笑むと、

急に冷たい表情になって、そのまま”成功報酬”の不払いを

しようとした依頼人の男を”暗殺”したー。


返り血を浴びる麻優美(暗殺者)ー

綺麗な麻優美の手についた血を、ペロリと舐めると、

そのまま夜の闇に姿を消したー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーただいま~」

麻優美(暗殺者)は、”後始末”を終えて

何食わぬ顔で帰宅するー。


「あ、おかえりなさい~」

母親がほほ笑むー。


まさかー

自分の娘が、暗殺者の男と入れ替わっていて、

少し前にー、

人を殺して返り血を浴びていたなどと、夢にも思わないだろうー。


麻優美(暗殺者)は、麻優美の記憶と、”どんな風に考えるか”を

読み取りながら、麻優美として完璧に会話すると、

そのまま自分の部屋へと戻っていったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーー」

翌日ー。

学校の廊下を歩いていた麻優美(暗殺者)は、

突然、穏やかそうな表情を消しー

鋭い目つきで振り返ったー。


「ーーー…(あの小娘か)」

麻優美(暗殺者)は、内心で、そう呟くー。


自分を尾行しているのは、生徒会で麻優美を慕っている後輩・美彩だー。


美彩は偶然、”依頼人”と接触する麻優美(暗殺者)を目撃しておりー

最近の麻優美の行動に、違和感も覚えているー。


「ーーーふぅ」

ため息をついてから麻優美(暗殺者)が呟くー。


「ーーいるのは分かってるからー。出てきて」

麻優美(暗殺者)が言うと、

「ーーみ、見つかっちゃいました…」と、

後輩の美彩が、廊下の影から姿を現したー。


麻優美(暗殺者)は美彩を手招きすると、

「どうしてわたしを尾行するの?」と、

少し不愉快そうな表情を浮かべたー。


「ーーい、いえ…あの…なんか、先輩…

 雷に打たれて入院してから、うまく言えないんですけど…

 なんか、変わったような気がして…」


美彩の言葉に、

麻優美(暗殺者)は腕組みをしながら

”まぁ、中身が別人だからな”と、少しだけ心の中で笑うー。


この美彩には、麻優美の身体で、”裏”の暗殺を引き受ける場面を

目撃されているー。

幸い、暗殺の瞬間を見られたわけでも、会話の内容を具体的に

聞かれたわけでもなかったようだったからー

生かしておいてはいるが、今後、邪魔になりそうな感じはするー。


「ーー……それで?わたしのこと嫌いになったとでも言いたいの?」

麻優美(暗殺者)はそう呟くー


”別にこんな女に嫌われようと俺は構わない”


そうは思いながらも、


同時にー

”美彩ちゃんに嫌われたくない”という感情も心の底から湧いてくるー。


麻優美としての記憶だけではなく、感情や考え方まで

読み取れるようになった麻優美(暗殺者)は、

自分が自分でありながら、不思議な感覚を覚えるー。


「ーーい、、いえ…」

戸惑いの表情を浮かべながら、目を逸らすー


「そ、、その…」

美彩が顔を赤らめて、目を逸らしては

ちらちらと麻優美(暗殺者)のほうを見つめるー。


「ーーーー」

麻優美(暗殺者)は、その煮え切らない態度にイラッとしたー。


裏の社会でもこういう奴はいるー

”暗殺”の依頼をしてくるときに、話をコロコロと変えたり、

”やっぱりやめようかなぁ…”みたいなやつが時々いるのだー。


彼の”暗殺業”にとって、煮え切らない態度は致命的で、

”即決断”が求められる闇の世界に生きている彼からしてみれば、

美彩のような態度は気に入らなかったー


「ーー!!!」

突然、麻優美(暗殺者)が美彩に壁ドンをすると、

「なんだよ?言えよ」と、低い声で美彩を脅したー。


「ーーは、、はひっ…」

美彩の顔がみるみる赤くなっていくー


「ーーせ、先輩…その…雷に打たれてから…かっこよくて…

 ドキドキしちゃうんです…」

美彩の言葉に、麻優美(暗殺者)が、きょとんとした表情を浮かべるー。


「ーーーそ、それは、どういうー」

麻優美(暗殺者)が言うと、

「ーー先輩…かっこいいです…!その…わたしと…

 わたしと付き合ってください!」と、美彩が叫んだー。


「ーーーあ?」

麻優美(暗殺者)が思わず首をかしげるー。


”この身体”は女子高生のはずだー。

そして、今、目の前にいる美彩も、女子高生のはずだー。


”俺は、女子高生として女子高生に告白されたのか?”


そんな風に思いながらも、

麻優美の身体がドキドキしているのを感じるー


「あ、べ、別にー

 先輩が、男子じゃないとダメだって言うならー

 そ、それは、それでー…その、諦めますのでー」


「ーーいい」

麻優美(暗殺者)が呟くー。


「ーえ?」

今度は美彩が戸惑いながら、麻優美(暗殺者)のほうを見たー


「ーいいよ。付き合ってあげるー」

麻優美(暗殺者)がそう言うと、美彩は大喜びで飛び跳ね始めたー


”不思議な後輩だな”

そう思いつつも、麻優美(暗殺者)はー

”面白いじゃないか…女子高生ライフってのもー”と、

不気味な笑みを浮かべながら、廊下を歩き始めたー。


・・・・・・・・・・・・・・・


依然として暗殺者の身体になった麻優美は目を覚まさないー。


自宅で美彩とLINEのやり取りをしながら、

自分が本物の女子高生のような笑みを浮かべていることに気づくー


どうにも”二人分の記憶と思考がある”というのは

フシギな感覚に陥るー。


麻優美の意識が、麻優美の身体にあるわけではないー

”抜け殻の思考と記憶”が麻優美の身体に残っているだけで

麻優美本人はこの身体には、もういないー。

暗殺者の男の身体の方に、移動しているのだろうー。


男は、”俺は俺であること”をしっかりと認識することはできていたが、

人によっては、こんな状況では、自分を見失ってしまうことも

あるかもしれないー。


そんな風に思いながら、彼女になった美彩に返信を返すと

「女の子同士ってのも、悪くないな」と、麻優美(暗殺者)は

笑みを浮かべたー。


そしてー

部屋に隠してある別のスマホが光ったのを見て、

麻優美(暗殺者)は、笑顔を消して”暗殺者の目”になったー。


窓から密かに家を抜け出しー、

麻優美(暗殺者)は、女子高生の身体を使って

ターゲットを誘惑ー


「ーー可愛い女子高生だと思って油断したか?」

麻優美(暗殺者)は笑いながら、ロープで、ターゲットの首を絞めるー


相手を誘惑するために着たメイド服姿のままー

黒い手袋をはめた麻優美(暗殺者)は、悲鳴をあげる

”ターゲット”の息の根を止めたー。


「ーふん」

メイド服姿の麻優美(暗殺者)は鏡を見つめると

”メイド服の暗殺者か…”と興奮した様子で笑みを浮かべたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・


それからもー

麻優美(暗殺者)は、

普段は”女子高生・麻優美”として、

そして裏では”暗殺者”として、暗躍を続けたー


何一つ穢れのなかったであろう、

この綺麗な手は、

今や何人もの命を奪った悪の手に変わり果てていたー。


「ーーね~~!先輩!!こっちこっち~!」


そして今日はー

休日を利用した”遊園地デート”の日だったー。


「ーー………」

麻優美(暗殺者)は、表情を歪めるー。


暗殺者はー

”遊園地”に来たことすらなかったのだー。


「ーー」

来た事はないー

だが、麻優美の記憶の中に遊園地の記憶は何度もあるー。


「ーーねぇねぇ、ジェットコースター乗りましょ!」

美彩が嬉しそうに言うー。


「ーーー」

”こんな子供騙し”

そう思っていると、突然、麻優美(暗殺者)の中に

恐怖心が湧いたー。


”麻優美”が絶叫マシンが大の苦手だったのだー。


「ーーそ、、それじゃなくて、あっちにしようよ」

麻優美(暗殺者)が、麻優美の口調で観覧車を指さすとー

「え~!?先輩のかっこいいところ、見たいですぅ~!」と

美彩が笑いながら言うー。


麻優美(暗殺者)は、髪を少し触ったあとに

「わかった!わかったから!」と、ジェットコースターの方に向かったー。


ジェットコースターに乗りながら

「きゃあああああああああああああ!!!」と無意識のうちに

悲鳴を上げる麻優美(暗殺者)ー


「ーーはぁ…はぁ…」

ジェットコースターから降りた麻優美(暗殺者)は、

”今、完全に女子高生だったな俺…”と思いながら、

美彩のほうを見るー


「ーかっこいいのに、かわいいとか、先輩、最強じゃないですか」

笑う美彩ー。


そして美彩は、次に更なる絶叫マシンのほうを指さしたー。


「ーーーちょ、、わ、わたしの反応を楽しんでるな!?」

麻優美(暗殺者)が思わず半男言葉で喋ると、

美彩は「あ、そうだ!」と笑みを浮かべるー。


「ー今日は、その…かっこいい先輩で、わたしに接してくれませんか?」

美彩の言葉に、

「ど、、どういうこと…?」と、

麻優美(暗殺者)が聞き返すと、

「ほら!夜に誰かと話していた時みたいに!」と、男言葉で喋るように

美彩が麻優美(暗殺者)にお願いしてきたー。


「ーーーな、、な、、ま、、まぁいいけどさ…

 じゃあ、今日は”俺”とのデート、楽しもうな?」

麻優美(暗殺者)が言うと、

美彩は目を輝かせながら、「あぁぁ…♡好き」と、

麻優美(暗殺者)のほうを見つめたー


”ほんと、不思議な後輩だな”

麻優美(暗殺者)はそう思いながら、次の絶叫マシンの方に向かうのだったー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


同時刻ー

病院ーー


「ーーーーーーー!!!!」


落雷に打たれてから昏睡状態が続いていた、

暗殺者の男と入れ替わって

”暗殺者の身体になった麻優美ー”が、

目を覚ましたーー


④へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


スケジュールの都合上、一昨日②を書いたばかりですが、

③をお届けしました~☆!

(ジャンルのバランス調整とか、間が空きすぎないようにとか

 色々…デス笑)


ついに、もう片方が目を覚まして…!?

続きは次回のお楽しみデス~!


今日もありがとうございました!!

(Fanbox)


Files

Comments

No comments found for this post.