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裏社会に生きる男が、

とある男の暗殺を実行した現場を

偶然目撃してしまった女子高生の麻優美。


麻優美はその場で暗殺者の男に命を奪われそうに

なってしまったものの、

偶然落雷が発生し、麻優美も、暗殺者の男も雷に打たれてしまうー。


病院で目を覚ます麻優美ー。

しかし、麻優美の中にいるのは、麻優美ではなくー

暗殺者の男の意識だったー。


麻優美と、暗殺者の男は、落雷に打たれた際に入れ替わってしまったのだー。


”女子高生の身体と記憶”を持つ、

最悪の暗殺者が生まれてしまったー…。


★前回はこちら↓★

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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


麻優美になった暗殺者の男は、

麻優美の記憶や思考・感情のすべてを受け継いでいたー。


落雷の影響で病院にいたころは、

麻優美の記憶を読み取ることはできなかったが、

退院したころから、徐々に麻優美の記憶や

考え方・思考、そのすべてが流れ込んできたのだー。


一瞬、自分が自分であることまで見失いそうになったが、

彼はそれを耐え、

今では麻優美としての記憶や人格をすべて受け継いだ上で

”俺は俺だ”という自我もしっかり保ったままの状態でいるー。


彼は、女子高生の身体と記憶、思考を持つ暗殺者となったのだー。


「ーーいいだろう」

麻優美(暗殺者)は覆面姿でそう呟くと

”依頼人”から、報酬と暗殺対象の情報を受け取るー。


麻優美の身体になってからも、彼は、

ここで今までと同じように依頼を受け、

暗殺を行っていたー。


依頼人が、少しだけ意外そうな顔を浮かべるー。

”依頼人”も覆面をしていて、その顔は麻優美(暗殺者)からは見えないー。


「ーーまさか”闇のアサシン”として有名なあなたが、

 女だったとはなー」

依頼人の男が言うー。


覆面をして、全身黒ずくめの格好でも、

麻優美のスタイルを隠すことはできないー。


「ーーー女だからどうした?」

麻優美(暗殺者)が、低い声で言うと、

「い、いえ、失礼しました」と、依頼人の男は返事をしたー。


「ーー暗殺するのが、女だろうと、男だろうと、

 相手が死ねば、問題ないはずだ。違うか?」

麻優美の可愛い声で、麻優美(暗殺者)が、顔を隠したままそう言うと、

依頼人の男は気圧された様子で

「はい…おっしゃる通りです…。よろしくお願いいたします」と

頭を下げたー。


”依頼”を受け終えた麻優美(暗殺者)は、

その日のうちにー


「ーーーえへへへへへへ…♡まさか君みたいな可愛い子が

 こんなことをー」


暗殺対象の男と接触したー。

”女子高生”である麻優美の身体を利用して、

暗殺対象の男を誘惑ー。


暗殺者が利用している隠れ家の一つへと連れ込むとー

相手が女子高生だとすっかり油断した男の首をー

スカートの中に隠していたナイフで描き切ったー。


返り血が、麻優美の顔に飛び散るー。


ペロリと血を舐めた麻優美(暗殺者)は、

”怖い…”と感じたー。

麻優美だったら、こう考えるー。

麻優美の記憶も感情も受け継いだ男にとってはー

”麻優美だったら今、どういう感情を抱くか”も

手に取るように分かったー。


「ーーーーー」

暗殺を終えた麻優美(暗殺者)は、

”怖い”と感じながら”仕事を終えた達成感”と

”人の命を終わらせた快感”を感じていたー。


「ーーくふふふふふふふふ…♡」

二つの相反する感情が、麻優美(暗殺者)の中で爆発して、

麻優美になっている暗殺者は、この上ない快感を感じたー


「ーーーー女子高生でありながら、

 裏社会の暗殺者ー

 最高の贈り物だー」


麻優美(暗殺者)はそう呟くと

スマホで母親に”バイトで遅くなっちゃった!これから帰るね!”と

LINEを送ったー。


「お母さんが心配してるから、帰らなくちゃ!」

麻優美の記憶、人格をすべて理解している男は、

麻優美モードに切り替えて、笑みを浮かべたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーー」

麻優美(暗殺者)は、帰宅して

”麻優美”として普通に過ごすと、部屋に戻ってから、

途端に男のような振る舞いをし始めたー。


「ーー”俺”はまだ目覚めていないようだなー」

麻優美(暗殺者)は呟くー。


自分が麻優美の身体になっているということは、

自分の身体には、この女子高生、麻優美が入っているはずだー。


そしてー

自分に”麻優美”の記憶や思考が流れ込んできたようにー

暗殺者になった麻優美にも、暗殺者の記憶や思考が流れ込むはずだー。


「ーーそうなると、厄介だなー」

麻優美(暗殺者)は爪をかじりながら呟くー。


暗殺者の身体になった麻優美が、もし目を覚ませば

おそらく自分と同じような状態になるー。


暗殺者自身の記憶、思考ー

それらが、暗殺者の身体になった麻優美に流れ込むー


仮に、麻優美が自我を保ったまま、そうなれば、

おそらくは、警察に駆け込んだりー

何か”行動”を起こすだろうー。


彼の本名ー

隠れ家ー

暗殺関連のことー


全てが、暗殺者の身体になった麻優美に、知られてしまうー。


「ーー仕方ない。殺すか」

麻優美(暗殺者)はそう呟くー。


”元・自分の身体”を殺すのだー。

裏社会で暗殺者として生きる彼には

”知られてはならない情報”がたくさんあるー。


だが、

暗殺者の身体になった麻優美が、意識を取り戻せば、

おそらく、今、自分が麻優美の記憶や普段の考え方をすべて

読み取ることができているように、

麻優美自身も、暗殺者の男の記憶や普段の考え方を

全て読み取ることができるようになるー。


それは、何としても避けなくてはいけなかったー。


「ーーだが…今日はもう…動けないか」

麻優美(暗殺者)は呟くー。


さすがに、この夜遅くに外に出かけていくのは

麻優美の身体である以上、リスクが高いー。

この家から飛び出し、

女子高生・寺坂麻優美としての日常を捨てるのであれば

それもできるがー

”女子高生としての生活”は新鮮で、これはこれで楽しめるしー

”隠れ家”としてもちょうど良いー。

今はまだ、この環境を放棄するつもりは、毛頭なかったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・


翌日、学校に登校した麻優美(暗殺者)は

麻優美の記憶と、麻優美としての思考をフル活用して、

学校生活を送っていたー。


麻優美の身体で退院してからは、

学校にいる間は”女子高生”を楽しんでいるー。


小さいころから過酷な環境に身を置いていた彼にとっては

新鮮な環境だー。


女子トイレに入った麻優美(暗殺者)は、

女子として”当たり前のように”トイレを済ます一方で、

興奮していたー。


”麻優美として”考えるのであれば

何も興奮することじゃないし、普通のことだー


しかし”俺として”考えるのであれば、

JKになってトイレにいる、というだけで興奮してしまうー


二人分の思考と、記憶を持つ男にとって、

このアンバランスな感情は、何よりもたまらないものだったー。


「ーーーあの…」

トイレから出た麻優美(暗殺者)に背後から声を掛けてきたのはー


「ーーーーあ…」

麻優美(暗殺者)が顔を合わせるのは初めてだったがー

麻優美の記憶の中に、その相手の情報や、相手に対する気持ちなどが

全て残されていたー。


「ーーー美彩(みさ)ちゃんー。どうしたの?」

にこっと微笑む麻優美(暗殺者)ー


「ーちょっと、お話があるんですけど…いいですか?」

美彩は、生徒会副会長でもある麻優美の後輩にあたる生徒で、

生徒会の書記として活動している子だー。

麻優美のことをとてもよく慕っていて、

麻優美も、そんな美彩のことを可愛がっていたー


ようだったー。


「ーー(ククク…これからは俺がたっぷり可愛がってやるー)」

そんな風に思いながら生徒会室に入ると、美彩が口を開いたー。


「ーーあの…先輩…その……」

美彩が言いにくそうにしているー。


麻優美(暗殺者)は「どうかしたの?」とほほ笑みながら言うと、

美彩は信じられないことを口にしたー。


「き、、昨日ー…夜…偶然先輩を見かけてー」

美彩の言葉に、麻優美(暗殺者)の顔から

”麻優美としての笑顔”が消えたー。


「ーーー………」

麻優美としての笑顔は消えてー

”暗殺者の男”としての鋭い目つきで、美彩を見つめるー。


「ーー先輩が…黒っぽい服に着替えてー

 覆面を身に着けてー」

美彩の言葉に、麻優美(暗殺者)は確信したー


”この女に

 昨日の依頼の場面を見られたー”


とー。


「ーーーそれで?」

反射的に、低い声で麻優美(暗殺者)が言うー。


「ーー…あ、、ご、、ごめんなさい…

 べ、、別に、ストーカーしてたとか、そういうことじゃ

 ないんですけど…」

顔を赤らめながら言う美彩ー。


麻優美の記憶によれば、美彩は麻優美のことを

とても気に入っているらしく、

時折、麻優美に対して天然な発言をすることも

あったようだー。


「ーーーまるで男の人みたいに誰かと話してる先輩を見てー」


”依頼”の現場だー。


「ーー(消すしかないな)」

麻優美(暗殺者)は、

女子高生の目つきから、暗殺者の目つきに変わりー

綺麗な手を握りしめるー


これ以上ー

見られていたのであれば、最悪、女子高生としての生活は捨てー

この女をこの場で始末して、行方を晦ませるしかー


後輩・美彩に対する感情が麻優美の記憶から溢れてくるー。


”可哀そう”

”だめ”

”やめて”


そんな、感情ー

麻優美の身体の中に、麻優美がいるわけではないー。

麻優美の記憶と意識を読み取っている暗殺者の男はー

”麻優美だったら今どう考えるか”を理解し、

その感情を感じることもできるのだー。


だがー

「ーー(俺は、殺す)ー」

”麻優美の感情”を持ちながら

自我をしっかり保っている男はー

麻優美の身体で後輩を殺そうとー


「ーーかっこいいなぁ、って思っちゃってー」

美彩が言ったー


「ーあ?」

麻優美(暗殺者)が、動きを止めるー


「ーな、なんか、怪盗みたいな感じで、

 男の人みたいに喋ってた先輩、

 すっごくかっこよくて!」

美彩が目をキラキラさせながら言うー


「ーー(そうだ、この後輩、天然なやつだったな)」

麻優美の記憶を読み取りながらそう思うとー

”なら、まだわざわざ殺す必要はないか”

と、考えを改めたー


”美彩を殺す”という依頼は受けていないしー

必要がないなら、わざわざ始末する必要はないー

女子高生ライフを楽しみつつ、

”ごく普通の女子高生”と言う立場を利用して

暗殺家業を行えるのであれば、それに越したことはないー。


「ーそれで、何を話してたんですか!?」

美彩が目をキラキラ輝かせるー。


「ーひみつ」

麻優美(暗殺者)が言うと、

美彩は「え~~!?そんな~!」と、声を上げるー。


”会話は聞かれていない”

”暗殺現場は見られていない”

そう判断した麻優美(暗殺者)は、美彩に何も手出しはしなかったー。


その日をきっかけにー

麻優美(暗殺者)は美彩と話をすることが多くなったー


”依頼”は増え、

大病院に侵入して、”元・自分”を始末する方法やルートを

検討する時間がなかなか取れずー、

元・自分の身体を始末することはできずにいたー。


わずかながら”自分の身体を殺す”ことにも少し抵抗があったのだー。

何故ならー

”もとの自分の身体”が死んだときー

麻優美の身体にいる自分も、消えてしまう可能性も

否定できなかったからだー。


”自分の身体”が死んでも”自分の魂”は存在できるのだろうかー。


そんな、懸念があったのだー。


「まぁいい…もし意識を取り戻して、

 俺の記憶をこの女が持っている状態だったとしてもー

 誰も”怪しい男の言い分”など信じないだろうさー」


麻優美(暗殺者)は笑うー。


暗殺者の身体で麻優美が目を覚ましてー

何を周囲に伝えたとしても、

誰も、”入れ替わり”など信じたりしないー。


そう、判断し、麻優美(暗殺者)は、

意識不明の状態が続く”元・自分の身体”の始末を

先送りにしたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーなんか…やっぱ、最近先輩変だなぁ…」

後輩の美彩は、生徒会活動を終えると、

麻優美(暗殺者)の様子を遠くから見つめながら呟いたー。


なんだか、”棘”を感じるようになったー。


言葉では言い表せないけれどー

”何かオーラを感じる”気がするー。


今までの頼れる可愛い先輩ー

というよりかは、

かっこいいー

鋭いー…

そんな、気配を感じるー。


「ーーう~ん……先輩、雷に打たれて入院してから

 何か変わっちゃった気がする…」


うまく言い表せないー


けれどー

後輩・美彩は、麻優美(暗殺者)に対して

底知れぬ違和感と、困惑の感情を抱いていたー



③へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


イメージ画像の「困惑する少女」とは

後輩の美彩ちゃんのことですネ~★


でも、今はまだ昏睡状態ですが

ちゃんと暗殺者の身体になった麻優美の出番もあるので、

安心(?)して下さい~!笑


続きはまた次回デス!!

(Fanbox)


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