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「憑依薬」ー

そんな、禁断の”力”を手に入れてしまった男が

書き残した日記ー


そこには、”憑依薬”という未知なる力との出会い、

そして、その力を使い、他人の身体を乗っ取り、

乗っ取ったあとの欲望に満ちた日々が、生々しく記されていたー。


そんな日記から、見えて来る、真実とはー…?

(第8週)


★前回はこちら↓★

fanbox post: creator/29593080/post/2616730

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


8月29日


日曜日。


オタク野郎が、今日も俺に付き纏いを繰り返しているー。

勘違い野郎が。


瑠理香は俺のものだ。

お前のものじゃないー。

どんな格好をこの女にさせるか、

どんなセリフをこの女に言わせるか、

どんな振る舞いをこの女にさせるか、

決めるのは、俺だ。

お前じゃない。


瑠理香女王様に、お前のようなやつが

釣り合うわけないだろうが。


…と、怒りを日記にぶちまけても仕方がない。

奴をどうにかして排除する方法を考えなくては。


このまま放置しておくわけにもいかない。

こういう展開は、この女の身体を失いかねない。

あいつに刺されて、この女の身体が死んだとしても、

俺は死なないが、せっかくのコスプレ女だ…。

なんとしても、俺はこの身体を死守したい。



8月30日


月曜日。


今日も、ストーカーと化したあの野郎は

引き続き、瑠理香に付き纏っているー。


中身が、俺のような男だと知ったら、

あの野郎はどう思うんだろうな…。


だが、”憑依”のことを

他人に知られるわけにはいかない。

世間が騒ぎ始めれば、色々とヤリにくくなるー。

世間が”憑依”などというものが実在するとは

思っていない状況だからこそー、

色々と好き放題できるんだからな…。


昼間には、このコスプレ女の身体で

コスプレ配信をしたし、

配信後にはラバースーツ姿でこの女の身体を

俺自身も存分に楽しんだ。


夕方には無言電話もあったが、

どうせまた、あのオタク野郎だろう。


お前を始末する方法も、しっかり考えてやるから、

安心しろ。



8月31日


火曜日。


もう、8月も終わりか。

他人の身体で過ごす1か月はなんとも言えない

ゾクゾクに満ちていた。


もし、俺が”憑依”していなければ

この女はどんな8月を過ごしていたのか…、

そう考えると、興奮が止まらない…

普通に過ごすはずだった8月を、

俺が全部奪って、こんなエロい女にしちゃったんだからな…


(涎の痕)


あ…へへへ、涎たらしちまった…

こんな綺麗な女が、涎たらしながら

こんな文章書いていると思うと、俺自身も最高に

ゾクゾクするぜー。


ま、俺がゾクゾクしても、

興奮してるのは瑠理香の身体なんだけどな…!


…さて、あのオタクを始末する方法も思いついたし、

今日も、取り寄せたコスプレを存分に楽しむことにするかなー。



9月1日


水曜日。

例のオタク野郎は、昨日は直接家にはやってこなかったー。

相変わらず、メッセージをしつこく送ってきてはいたが、

そんなものは全部無視だ。


あいつを始末する方法はー

”簡単”だー。


そうー

とても簡単なことだった。


”俺があいつに憑依して、あいつの身体で自殺すればいい”


ちょっとオフ会で、誘惑してやっただけで

勘違いしてストーカーと化すような奴は

俺にとっても、瑠理香にとっても毒でしかないー。


いや、この女にとって一番毒なのは、

身体を乗っ取って好き放題している俺のほうか笑


あんなオタクに憑依するのは、ちょっと気が引けるが、

次に瑠理香の家の前にやってきたら、

瑠理香から抜け出して、オタクに憑依、

さっさと近くの交差点まで走って行って、自殺してから

また瑠理香の身体に戻るー…


それが、あいつを始末する方法だー。


その間に、瑠理香が意識を取り戻して、

逃げ出したり、助けを求めたりする可能性も否定はできないが

奴に憑依してから交差点にダッシュすれば、1分か2分そこらー。

そして、車に飛び込んでも、3分ぐらいでは方がつくー。

3分では、”自分が憑依されていた”という状況を認識するのが

やっとだろうー。

仮にすぐに家を飛び出したとしても、逃げられはしまい。



9月2日


木曜日。


奴が「今日これからそっちに行くから」と

メッセージを送ってきたー。


バカなやつめー。


メッセージを送ってきたあとに、

懲りずに無言電話も掛けてきていたが、

今日がお前の命日だー。


お前が瑠理香の家にやってきた瞬間に、

お前は俺に憑依されて、死ぬのさ。


俺があの男に憑依して、

あの男の身体で自ら交差点に飛び込めば、

世間では”自殺”として扱われるだろうー。


実際には”俺”が殺しているのだが、

”憑依”であれば、誰も気づかないし、

やつが自分から交差点に飛び出して死んだように

しか見えない。


当然、俺が乗っ取っている瑠理香が

問われることもないだろう。

瑠理香が直接手を下すわけでもないし、

俺があいつに憑依している間は、

瑠理香はお寝んねしているんだからな。


…クク…どうやら奴が来たようだー。

鏡に映るこの女の顔もー

とんでもない悪女みたいな笑みを浮かべてるぜー…


へへへ…

さぁ、邪魔者を排除しようかー。


(日記はここで終わっている)


・・・・・・・・・・・・・・・・・


”日記発見者の記録”


悪いな…。

今頃お前は、何が起きたか分からないまま、

あの世にいるんだろうな…


無言電話をずっとかけ続けていたのは俺だ。

あのストーカー男は関係ない。

家にお前がいるのかどうかを確認し、

行動パターンを把握するためだけにかけていただけだー。


俺がお前に憑依薬を渡したのは、

何故だかわかるか?


最初に、憑依薬の存在を知ったとき、

俺が考えたのは、

”これは本物なのかどうか”

”これは安全なのかどうか”

と、いうことだったー。


憑依薬を手に入れた!と喜んでソレを使って、

死んじまったら意味がない。

だから、お前に憑依薬を渡して”テスト”したんだー。


予想通りお前は、安全性の担保されていない

憑依薬を使い”モルモット”になってくれたー。


最初は、お前が消息不明になったから、

てっきり”やっぱ死んだのか”と思ってたがー


「8月18日」あの日が、お前の命運の尽きた日だー


この女の身体で、お前が俺に会いに来た時、

最初は、何を言ってるのか分からなかったが、

すぐにわかったよー


”この女は、お前に憑依されている”ってなー。


憑依薬の安全性を確認した俺は、

モルモットに使ったお前を始末して、

”憑依薬の秘密”を知る人間を消し、

憑依三昧の生活を送ることにしたー。


この瑠理香って女ー

なかなかいい身体だったから、消すにはもったいなかったー。


だから、オタク男を利用し、

お前がオタク男に憑依するのを待ち、

お前がオタク男に憑依したタイミングで、俺がさらにその上から憑依ー

お前を、オタク男ごと、死なせたー。

”上から憑依されている”状態のお前は、オタク男の身体から

抜け出すことができないまま、

いっしょに、死んだー。


残念だったなー。

この身体も、憑依も、この俺、新井のものだー。


これからは俺が瑠理香として生きてやるー。


・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


最初に憑依薬をくれた人物が、

「日記発見者」でした~!☆


物語はラストに向かっていきます!

どうなっていくのか、楽しみにしていてくださいネ~!


※毎週土曜日の更新(コンパクト枠)とは?

(いつもと同じ説明デス↓ 既に知ってる方は読まなくて大丈夫デス!!)

毎週土曜日(以前は火曜日でした!)は、

私が仕事の都合で書く時間を確保できないので、

本来更新は難しいのですが

少しでも皆様にご恩返しということで、他の6日間で毎日

少しずつ執筆して、土曜日にも、作品をお届けしています!

そのため、いつもより少し文章量が少ないため

毎週土曜日の作品は、100円プランでも読めるようにしてあります!

(※土曜日枠のお話は必ず完結まで100円プランで読めるようにします!

  途中から上がったりはしませんので、安心してください)

(Fanbox)


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