<憑依>魔女に身体を貸すことになりました②~探索~ (Pixiv Fanbox)
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ごく普通の女子高生・彩美の前に突然現れたのは、
自らを魔女と名乗る謎の女性・早紀ー。
同じぐらいの年齢の早紀は、人間界に逃げ込んだ”悪の魔女”を追って
人間界にやって来たのだと言うー。
そして、自分の素性を明かした上で、
人間界では実体を持たない自分に”身体”を貸してほしいと、
お願いしてくるのだったー。
彩美は戸惑いながらも、困っている人を放っておけない性格で
あることや、早紀の話ぶりから早紀が本当に困っていることを読み取り、
”自分の身体を貸す”ことを承諾したのだったー。
☆前回はこちら↓☆
fanbox post: creator/29593080/post/2604002
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彩美の身体を借りた早紀は
「ふ~ん、これが彩美ちゃんの身体~」と、
呟きながら、突然胸を触りだすー。
”ちょ!?ちょ!?いきなり何してるの!?”
彩美の意識が突っ込みを入れると、
「ーー見ればわかるでしょ。ボディチェック!」と、
彩美の口で、魔女の早紀が答えた。
憑依完了の直後に、いきなり”服装”まで変えられてしまった彩美ー。
今の彩美は早紀と同じ服装ー…
深い蒼色のワンピース、黒のニーハイソックス、ロリータ系のブーツ
を身に纏っているー
その上、突然胸まで触りだした早紀の行動に
彩美は突っ込みを入れずにはいられなかったー。
「いいじゃない。減るものじゃないんだし…
女の子同士だし!」
早紀は、彩美の口でそう言うと、
「ーーう~ん、わたしより小さいのね」と、つぶやいたー。
”余計なお世話よ!”
彩美の意識が叫ぶと、早紀は「ふふ、ごめんごめん」と
悪戯っぽく笑いながら謝るー。
”で、早紀ちゃんは、どうやってその”悪い魔女”を
やっつけるつもりなの?”
彩美の意識が、早紀に尋ねるー。
「ーーふふん…まぁ、見てて!」
彩美の口で、そう言うと早速出かける準備を始める早紀ー。
”あ!!あ!!そんな服装、普段わたし、しないから、
あんまりお母さんとかお父さんに見られないようにしてね!
変な風に思われたり、心配されたりしちゃうから!”
彩美が釘を刺すと、
早紀は「はいは~い」と、そのまま外へと向かったー。
”クールそうに見えて、なんだか妙に明るいけどー、
でも、さすが、”ルールを破った悪い魔女”を追いかけて
この世界にやってきただけのことはある…のかなー?”
彩美の身体で、一直線にどこかに向かって歩く早紀ー。
そのはっきりとした足取りは”悪い魔女”が、どこにいるのかを
既に突き止めている様子だったー。
”なんか、かっこいいー”
身体の主導権を現在は奪われている状態の彩美が
心の中でそう呟くと、
彩美になった早紀が、向かったのは、ゲームセンターだったー。
”ふ~ん…ゲームセンターにいるんだ~…”
彩美は、自分の身体が勝手に動いている、という状態に
ちょっとした居心地の悪さを感じながら
”第3者”として、自分の行動を見つめるー。
視界や感触は伝わってくるのだが、
まるで”オート操縦”されているかのように
身体が勝手に動き、身体の自由が利かないー。
”これが、憑依ってことなんだね…”
彩美は、いろいろなことを考えながら、
”自分の視点”を映画を見るかのように眺めていたが、
やがて、あることに気づいたー。
”あのさー、早紀ちゃん”
彩美の意識に声を掛けられた早紀は
彩美の身体で、もぐらたたきをやりながら「なぁに?」と呟くー
ワンピース姿の女子が、一人、モグラたたきにムキになっている
光景は、周囲からすると、なんだか少し奇妙だったのか、
ギャラリーが集まっているー。
「あぁぁ~~~~~~!あと3点でハイスコアだったのにぃ~~!」
彩美の声でそう叫ぶと、早紀は、彩美の身体で、がくっ、とうなだれたー。
”遊んでない?”
彩美の意識が言うと、
早紀は、彩美の身体を乗っ取ったまま「うん」と即答したー。
”ちょっと!!悪い魔女はどうしたの!?”
彩美が突っ込みを入れるー。
当たり前のように外出し、迷うことなくゲームセンターに
やってきていたため、てっきり”悪の魔女”の居場所を
もう突き止めているのかと思っていたが、
そうではない様子だったー。
「さっき言わなかったっけ?」
ブーツでトントンと床をたたきながら、
彩美の身体でそう呟く早紀ー。
「ー追手のわたしがこの世界に入ってきた時点で
向こうもわたしがやってきたことを察知
しているだろうから、わたしが彩美ちゃんに憑依して
待っていれば、あっちからやってくるーって…」
確かに、そんな感じのことは言っていたー。
”それはそうだけど…
でも、なんでゲームセンターに…?
早紀ちゃん、遊びたいだけだよね…?”
彩美からの指摘に、
早紀は彩美の身体で、
「この服装でウロついていれば、嫌でもあっちは気づくから!
こう見えて、ただ遊んでるわけじゃないんだよ~!
ちゃんと、お仕事してるの!」
と、笑いながら答えたー。
「ーーでもー
…まぁ…せっかくだから、遊んでおこうかなぁ…って」
照れくさそうに言う彩美になった早紀ー
”結局、遊びたいんじゃん!も~…!”
彩美の意識がやれやれ、という様子で言うと、
「テヘッ」と、彩美の身体で、早紀がほほ笑んだー。
「ーーあいつやべぇよ」
「ーーモグラたたきでハイスコア更新できなくておかしくなっちまったのかな?」
「ーーしっ!見ちゃだめ!」
周囲から、そんな声が聞こえたー
「ーーー!」
彩美になった早紀が、周囲を見渡して不思議そうな顔をするー
今の彩美は早紀に憑依されていて、
彩美の意識が心の奥底にいる状態ー
だが、”彩美の意識”の声は、
彩美の身体を乗っ取っている早紀にしか聞こえないためー
周囲からすれば、”独り言を喋った挙句、一人でテヘッ!と笑ったやばいやつ”
でしかなかったー。
「ーーーこ、、こっち見てる!?」
男性客が、彩美を見ながら悲鳴に似た声を上げるー。
”ちょ~~!ちょっと!これじゃ、わたし、ヤバい女の子だよ!?”
彩美の意識が叫ぶと、
彩美の主導権を握る早紀が、笑みを浮かべたー
「ごめんごめん、でも大丈夫。安心して」
そう小声で呟くと
”やばいやつ”を見る目で彩美のほうを見つめている
ゲームセンターの利用者らのほうを見て、早紀は彩美の身体で叫んだー
「ーあ、わたし、変な人じゃないから安心して!
わたし、今、魔女に身体を貸していて、
二人で話をしているだけなので!」
彩美の声で、そう叫ぶ早紀ー。
だがー
ゲームセンターの利用客も、店員も、
”さらにやばいやつ”を見る目で彩美を見つめたー
「あれ…?」
彩美になっている早紀は、不思議そうな表情を浮かべるー
”あれっ?じゃないでしょ!どう考えても頭おかしい子に思われるから!
っていうか、もういいから、ゲームセンターから出て!”
彩美の言葉に、
彩美になった早紀は「仕方ないなぁ」と笑いながら
ゲームセンターの外に出たー。
”早紀が追う悪い魔女”は、姿を現さないー。
彩美の身体で、早紀はいろいろな場所へと向かうー。
映画館に入った彩美は、
そのまま映画を見始めるー。
映画の最中に彩美の身体で勝手に号泣し始める早紀ー
コンビニに入った彩美は、
コンビニの本売り場で、突然、エッチな本の立ち読みを初めて、
周囲を戸惑わせてしまうー。
”こら~!わたしの身体で何読んでるの!?”
「ーーだって~唇がきれいだったし、興奮しちゃってー」
彩美の身体でそう呟く早紀は、
はぁはぁ言いながら
「ーーあぁぁ~キスして溶け合いたい~」と、
ゾクゾクした様子で呟いたー
”ちょっと!?わたしの身体を勝手に興奮させないで!?”
表に出ている早紀の感情が、彩美の身体を興奮させてー
中にいる彩美まで興奮してしまっていたー。
「ーーごめんごめん…って、なにあれ!?おいしそう!」
彩美の身体で牛丼屋を指さす早紀ー。
”え…?あ、あれは牛丼だね”
彩美がそう説明していると、
既に早紀は、彩美の身体で、牛丼屋に入っていたー
「一番多いやつ!え~っと、特盛ちょうだい!」
店に入ってきたワンピース姿の彩美が、特盛を注文して、
ガツガツとそれを食べ始めたのを見て、
周囲は、不思議そうに彩美のほうを見つめるー
”わ~~!?!?わ~~!?!?今ダイエット中なのに!?
というか…早紀ちゃん、そんな食べるの!?”
彩美が言うと、彩美の身体で、早紀は笑みを浮かべたー
「ー人間の世界に来たかった理由の一つが、
ごはんだから!」
と、笑う早紀ー。
さらに続けて「これおいしすぎ!」と、嬉しそうにほほ笑んだー
「ーーおかわり!」
彩美が牛丼屋で叫ぶー。
”こらっ!もうダメ!おしまい!”
彩美の意識が、猛反対したため、彩美の身体を操る早紀は、
あきらめて、そのまま牛丼屋の外に出たー
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翌日ー
「ーー昨日はひどい目に遭ったよー…
早紀ちゃん、無茶しすぎ…」
彩美が学校に向かいながら言うと、
早紀が”魔女の世界と違いすぎて、つい”と笑ったー。
結局、昨日は”悪い魔女”は姿を現さなかったー。
今日はこうして、
彩美が”表”に出て、自分の身体の主導権を握り、
憑依している早紀が、昨日の彩美のように
心の奥底に引っ込んでいる状態ー。
「ーーおはよ~~!」
彩美の背後から声がして、
彩美が振り返ると、
そこには眼鏡をかけた少女がいたー。
彩美の親友の里菜だー。
”あ!昨日、彩美ちゃんと一緒に下校してた子!”
早紀が心の中で叫ぶー。
「ーー…あ、里菜おはよ~!」
彩美が里菜のほうを見て微笑むと、
里菜は苦笑いしながら、「水島さん、今、一人でしゃべってなかった?」と
呟いたー。
「ーーえ、、え、、え、そんなことないよ!」
彩美が慌てて否定すると、
里菜は「そうかなぁ~」と、不思議そうな顔をするー
”う~ん!その子もかわいい!キスしていちゃいちゃしたいなぁ~~”
ゾクゾクしながら言う早紀ー。
「ーこらっ!里菜ちゃんはダメ!変なこと考えないの!」
つい、彩美が心の中の早紀の声に返事をしてしまうと、
里菜は「ーーえ…」と、困惑した表情を浮かべたー
「あ、ちがっ!ちがうの!
ひ、独り言ってこんな感じでしょっていう実演!」
彩美は苦しい言い訳をしながら、
”女の子見るたびにそういう反応するのやめて!”
と、早紀に向かって小声で呟いたー。
学校に到着すると、”わたしはしばらく静かにしてるね”と、
早紀が呟いてからー
早紀の声が聞こえなくなったー
「ーーはぁ~」
憑依されてからまだ2日目とは言え、
久しぶりに静かになった気がして、ため息をつく彩美ー。
「ーーー……」
それにしてもー
本当に、彩美の身体で早紀がうろうろしているだけで、
”悪い魔女”とやらは、早紀の前に姿を現すのだろうかー。
そんな不安を感じながら、教室の窓から
外を見つめる彩美ー
「ーーまぁでも…わたしはわたしのやることをやらないとね」
彩美はそう呟いて深呼吸をすると
”いつものように”学校での1日を始めるのだったー。
”やばっ!鼻血出そう!”
4時間目ー
体育の授業の前に、女子が教室で着替え始めたタイミングで、
早紀が突然しゃべり始めたー
”うわっ!あの子ピンク!誘ってる!”
”やばいやばいやばいやばいやばい”
”うわぁ…立派な胸…”
”あぁぁ~すべすべ肌触りたい!”
「ーーー……」
彩美は、ほかの女子の着替えを見て興奮し始めた早紀の心の声を
スルーしながら着替えを続けるー。
”ちょっと彩美ちゃんの身体かして!あの子にキスしたい!”
「ーー絶対ダメ!」
彩美が突然叫ぶと、周囲の女子たちが、ビクッとして彩美のほうを見つめたー
そんな状況に、彩美は苦笑いすることしかできなかったー
”みつけた…”
そんな中ー
教室の窓の外を”浮遊”している
まるで融通の利かない真面目すぎる学級委員長ーのような姿をした
”魔女”が、眼鏡をいじりながらそう呟いたー。
その姿は、人間には見えていない様子だー。
早紀の言う”悪い魔女”は、
すぐそこまで迫っていたー
③へ続く
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コメント
ようやく早紀ちゃんのターゲットも出てきました~!
続きはまた次回デス~!
今日もありがとうございました★!