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”天誅”


いよいよ、その日がやってきたー。


この1年間、”人を皮にする注射器”を用いて

各地で事件を起こしてきたのは、

”最後のチャンス”を与えるためー。


警察の暗部を支配する人間たちが、

自らの過ちを認めるチャンスを与えたのだー。


だがー。

西園寺警察庁長官らは

”この1年で発生した、皮に関係する事件”を全て隠蔽したー。


それどころか、目黒警視正率いるモルティング対策班が、

モルティングたちを闇に葬ろうとしているー。


奴らは、改心などしないー


警察庁長官・西園寺 零の息子に、

目のまえで教え子をひき殺された泉谷聖一は怒りの形相で、

空を見上げるー。


息子の罪をもみ消すために、西園寺警察庁長官は、

”剛”を始め、ありとあらゆる手を使い、警察組織は、

”警察庁長官の息子”の罪をもみ消したー。


そしてー

それでもしつこく食い下がる泉谷自身もー

”剛”を使って始末しようとしたー。


”組織の”膿”を一つ残らず絞り出すー”


モルティングの親玉・泉谷聖一は、

”天誅”に向けて動き出したー。


・・・・・・・・・・・・・


登場人物


長瀬 治夫(ながせ はるお)

若き警察官。”皮”にまつわる事件に巻き込まれていく


松永 亜香里(まつなが あかり)

治夫の彼女。現在同居中。


長瀬 聡美(ながせ さとみ)

治夫の妹。亜香里に激しいライバル心を燃やしている。


目黒 圭吾(めぐろ けいご)

警視正。計算高い性格の持ち主で、出世欲も強い。


堂林 幸成 / 三枝 真綾 / 剛

目黒警視正率いる「モルティング対策班」のメンバー。


黒崎 陣矢(くろさき じんや)

指名手配中の凶悪犯罪者。”モルティング”のひとり。


中曽根 佳純/春山 正義/ジェームズ・結城

”人を皮にする凶悪犯”通称・モルティングたち。


泉谷 聖一(いずみや せいいち)

治夫の中学時代の恩師。モルティングたちに”皮にする力”を与えた黒幕。


・・・・・・・・・・・・・・


★あらすじ★


”対策班のやつらに気をつけろ”

死んだ矢神明信が言い残した言葉に、不穏な気配を感じながらも

回収した”皮にされた人間を元に戻す”注射器で、

以前、凶悪犯の黒崎陣矢に皮にされて、脱ぎ捨てられた女子大生・鈴を

救出しようと、対策班本部に戻った長瀬治夫ー。


しかし、鈴の元に向かう途中、

これまで一度も姿を現していなかった、モルティングの一人、

中曽根佳純が突如として姿を現し、

黒い喪服を身にまとう無気味な彼女を前に、治夫は倒され、

”人を皮にする注射器”と”元に戻す注射器”を奪われてしまうー。


一方、治夫から注射器を回収した佳純と合流した

モルティングの親玉・泉谷は”天誅”の開始を告げるー。


そしてー

それに呼応するかのように、新たなモルティングとして、海外から

裏社会のヒットマン”ジェームズ・結城”が日本へと上陸した…。


☆前回はこちら↓☆

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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


とある大学ー。


大学から出て来たのは、

警察庁長官・西園寺 零の娘ー、

西園寺 梓(さいおんじ あずさ)-


穏やかそうな雰囲気のお嬢様で、

見た目通り、おしとやかな性格ー。


警察庁長官である父は、娘の梓を溺愛していたー。

過保護に育てられたせいか、少し臆病で、世間知らずな一面もあるー。


そんな梓は、警察庁長官である”父”が

警察の”闇”を司る人間だとは、夢にも思っていないー


そんな梓が、大学から、家に向かう途中のことだったー。


「--西園寺 梓さん?」

目の前から、同じぐらいの年齢の女がやってくるー。


「--あ…はい、、そうですけどー」

梓が不思議そうな表情を浮かべると、

目のまえにいる女が凶悪な笑みを浮かべたー。


「ちょっとさ~”俺”たちに協力してもらいたんだよねぇ~」

ニヤリと笑みを浮かべたのは、女子大生の萌恵ー。


”黒崎 陣矢”が現在”乗っ取っている”女子大生だー。


「--え…」

梓の表情に、一気に警戒の色が浮かぶー。


「---お前の親父に”天誅”を与えるために、

 力を貸してほしいんだよ へへへ」

萌恵がニヤニヤしながら、梓の腕を掴むー。


梓が悲鳴を上げるー。


「--へへへ どうだ?手伝ってくれるか?」

萌恵が、明らかにおかしな口調で笑うー。


「--あ、あ、、あなたは何なんですか?!

 お、、お父様に…何を!」

梓が叫ぶー


「--くへへへへ ”お父様”かー

 お前みたいな甘やかされて育った娘が

 実の父親を殺すことになるなんて、ゾクゾクするぜ!


 まさに芸術だ!」


萌恵を着ている黒崎陣矢が、萌恵の身体で顔芸とも言えるぐらいに

顔を歪めるー。


「--こ、、ころす…!?

 わ、、わたし、あなたたちに力なんて貸しません!

 お断りします!」

梓はそういうと、萌恵を振り払って逃げようとしたー。


「---我々が必要としているのはーー」

別の男の声ー

直後、梓の首筋に注射器が打ち込まれてー

梓が悲鳴を上げるー。


「--お前の”身体”だけだー。

 中身は必要ない。

 消えろ」


新たにモルティングの仲間に加わった、

裏社会のヒットマン、ジェームズ結城は、

無表情でそう呟くと、梓を皮にしたー。


梓の皮を着こむジェームズ結城ー。


「---」

梓は、途端に無表情になり、

冷徹な殺人鬼の表情になるー


「--へへへっ…最高じゃねぇか ゾクゾクするぜ」

ジェームズ結城に皮にされてしまった梓を見て

ニヤニヤと笑う萌恵を着た黒崎陣矢ー。


「---ーー例の女を乗っ取りました」

梓は黒崎を無視して、モルティングの親玉”泉谷”に

連絡を入れるー。


”ご苦労ー。

 早速”リストの順番通り”に始末してくれー”


泉谷の言葉に、梓は無表情のまま「了解しました」と呟くと、

そのまま持ち込んでいたライフルの入ったケースを手に、

静かに歩き出したー。


「--ひゅう…お嬢様がスナイパーに…!へへへへ」

立ち去っていく梓を見つめながら

黒崎陣矢は楽しそうに、萌恵の姿のまま笑みを浮かべたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「---本当に無事でよかったよ。検査も異常、なかったみたいだしー」

治夫は、妹の聡美が入院している病院にやってきていたー。


仕事前の時間を使い、聡美の様子を見に来たのだー。


人を皮にする凶悪犯・モルティングの一人、

天才詐欺師の臼井隼人に”皮”にされて乗っ取られてしまった聡美ー。


けれど、聡美は、治夫の同僚であった矢神明信の決死の戦いの結果ー、

こうして、無事に救い出されたー。


”皮”にされていたことによる影響も心配されていたが、

今朝、”検査の結果”が出て、異常なしであることが分かったー。


「-退院したら、わたしも矢神さんにお礼を言わなくちゃ」

聡美が少しだけ寂しそうに言うー。

聡美も、明信が殉職したことは、当然知っているー。

あの時、あの場にいたからだー。


「---…そうだな。でも、まずはちゃんと退院しないとな」

治夫が聡美の頭を撫でると、「うん!」と、聡美は嬉しそうに微笑んだー。


この病院は、警察の管理下にある病院で、

厳重な警備がなされているため、そう簡単に

モルティングが侵入することは出来ないー。

目黒警視正の監視下にもあるため、聡美が再び狙われる可能性は、低いー。


「う~ん、やっぱわたしもお兄ちゃんのところで暮らそうかな~!」

聡美がニヤニヤしながら言うー。


「えぇっ!?なんで!?」

治夫が苦笑いするとー

「お兄ちゃんの”一番”はわたしだもん!」と、聡美は

いつもの調子で微笑んだー。


お兄ちゃん大好きな聡美はー、

こんな時でも兄・治夫の彼女、亜香里をライバル視しているー。


”すっかりいつも通り、元気だな”と、ほほ笑みながらー

治夫は、聡美の方を見ながら安堵の表情を浮かべるー。


バン!


「--!?」

治夫が振り返るー。


「あ、なんだ」

治夫が、聡美の病室に入ったときに棚の上に置いた

鞄が落下してしまった音だったー。


治夫は鞄を拾うと、「じゃ、そろそろ俺はいくよ。また来るからな」と、

ほほ笑んだー


だがーー


「--!」


聡美が、手を震わせて、怯えたような表情を浮かべていたー


「--聡美…?」

治夫が不安そうに言うと、聡美は無理に笑顔を作って

手をガクガク震わせながらー


「--あ、ううん…今の音にびっくりしちゃって」と、

ほほ笑んだー。


「--そっか。ごめんな」

治夫はそれだけ言うと、「また来るから、安静にしてるんだぞ」と告げて、

そのまま病室の外に出たー。


「----」

病院の廊下を歩きながら、治夫は思うー。


”聡美は明るく振舞っているー”


でもー


”心に深い傷を残しているー”


さっきー

治夫が鞄を落とした時の物音だけでー

聡美は、身体をガクガク震わせて怯えていたー。


臼井隼人に皮にされて乗っ取られたー。


明るく振舞ってはいるもののー

聡美は、深い心の傷を負ってしまったのだー。


「---ー」

治夫は、静かに怒りの炎を燃やしながら

拳を握りしめたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


パァン!!!


とある場所ー。


高級車から出て来た男が

”狙撃”されて、即死したー。


「-警視監!」


狙撃されたのは、

茂木(もぎ)警視監ー。


西園寺警察庁長官の腹心とも言われている人物の一人だー。


「---」

茂木警視監を狙撃したのはーー

西園寺警察庁長官の娘・梓ー。


もちろん、自分の意思ではないー

ジェームズ結城に乗っ取られてしまった梓は

冷徹な殺人鬼と化したー。


モルティングの親玉ー

泉谷聖一の”天誅”が始まったのだー。


最初の1年は、警察から盗み出した”人を皮にする力”で

事件を各所で起こしたー。


警察の闇を司るモノたちが、自らの過ちを認めるチャンスを

与えたのだー。


だが、西園寺警察庁長官らは、自らの過ちを認めることもせず、

1年間”皮に関係する事件”を全て隠蔽したー。


1年の猶予を与えても、警察は何も変わらなかったー


だからー

泉谷は”次”に進んだー。


”天誅”にー。


警察組織の毒を、1ミリたりとも残さず”排除”するー。


「----」

無表情で狙撃を終えた梓が立ち上がるー。


警察庁長官・西園寺の娘、梓を乗っ取ることにしたのも、天誅の一環ー。


全てを隠そうとする西園寺警察庁長官がー

”自分の娘が皮にされて乗っ取られて、関係者を狙撃して回っている”と

知ったら、どのような行動に出るかー。


仮に、”皮”のことをー

今までの”罪”を全て認めるならそれでよしー


認めないのであればー

最愛の娘は犯罪者となり、そして最後には、

西園寺には”最愛の娘に狙撃されて死ぬ”という

天誅を下すー。


「---まず一人、始末したー」

梓は無表情でそう告げると

泉谷は”次の対象はー”と、電話先から、静かに告げたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


対策本部にやってきた治夫は、

目黒警視正の部屋で、目黒警視正と会話していたー。


”中曽根佳純”が、モルティング対策本部内に忍び込んでいたことに

ついてー、だ。


治夫は、対策本部内で中曽根佳純に襲われたー。


だがー

外部から、この対策本部内に侵入することは困難だー。


”誰かが手引きした”としか考えられないー。


「ーー”剛”に会わせてください」

治夫が言うー。


未だに一度も姿を見たことがない

対策本部の仲間「剛」-

治夫は、その”剛”に対しても疑いを抱いていたー。


「-それはできません。

 剛は、私としか会いません」

目黒警視正は、いつものように、淡々と話を続けるー。


「ーーどうしてそんなに”隠そう”とするんですか!?」

治夫が声を荒げるー。


そんな治夫の様子を、いつものように、うすら笑みを浮かべながら

見つめ返す目黒警視正ー。


「--”剛”が過去に警察の不祥事をもみ消したという話も聞きましたー。

 ”剛”がモルティングたちと通じている可能性はないのですか?」

治夫が深呼吸しながら、冷静さを失わないようにそう呟くー。


「-ありません」

目黒警視正は断言したー。


「-------」

治夫は、目黒警視正が、何も答える気はない、と改めて確信するー


「--------」

目黒警視正の視線が少しだけ動いたー

”治夫”ではなく、別の方向を見つめるー。


「--……?」

治夫も目黒警視正のわずかな変化に気づくー。


「--警視正ー

 あなたは本当に俺たちの”味方”なのですかー?」

治夫は、そう問いかけたー。

目黒警視正は、”味方”なのかー。


目黒警視正が穏やかに微笑むー。

その時、電話がなったー。


電話の内容はー

”茂木警視監が狙撃されて死亡したことー”

だったー。


「--ーーそうですかー」

目黒警視正は淡々と報告を聞き終えると、

無気味な笑みを浮かべたー。


「--…!」

治夫が表情を歪めるー。


「--急用が出来ましたー

 私はこれで失礼します」

目黒警視正はそれだけ言うと、立ち去っていくー。


治夫は困惑した表情で、目黒警視正の部屋から外に出たー。


「-ーー」

対策本部のメンバーがいる部屋に戻ると、

好青年風の堂林幸成と、ギャル風の三枝真綾が、いつものように

作業をしていたー。


空席になった矢神明信の机を見つめるー。


「--矢神さんー」

明信は、死の間際”対策本部のやつらに気をつけろ”と言っていたー。


「(矢神さんは、何を掴んでいたのですか…)」

治夫は、死んでしまった明信のことを想いながらもー

”俺がしっかりしないと”と、決意の表情で机に戻るー。


「--あまり、無理をするなよ?」

幸成が、治夫の身を案じるー。


「--…はい…ありがとうございます」

治夫が頭を下げるー。


現在、幸成はモルティングの一人である春山正義の

追跡調査を続けているー。

モルティングの”補充要因”の一人で、元はストーカー・痴漢の

常習者だった男だ。

現在はOLの身体を着ているところまでは分かっているー。


「---まぁ、つい頑張り過ぎちゃう気持はー

 俺にも分かるんだけどな」

幸成が少しだけ笑うと、治夫も少しだけ穏やかな表情を浮かべたー。


治夫は少し作業をしてから、トイレに向かうために部屋を出るー。


するとー


「-ハルくん!ハルくん!」

小声で背後から呼びかけられたー


振り返ると、そこにはギャル風の真綾ー


「--三枝さん?」

治夫が言うと、真綾は、治夫を手招きして、

近くの自販機コーナーに呼び寄せたー。


「-あ、トイレに行こうとしてたのに呼び止めてごめんね?

 先、トイレ行く?」


派手なネイルを輝かせながら、真綾が笑うー。


「あ、いえ、大丈夫ですー。

 何か御用ですか?」

治夫が言うと、真綾は、治夫に妙に近づきながら囁いたー。


「ハルくん、メグちゃんのこと、最近よく思ってない感じじゃん?」


メグちゃん、とは、目黒警視正のことだー。


「--あ、、いえ…別にそういうわけー」


そこまで言うと、真綾がさらに顔を近づけて、治夫に

わざと髪が触れるような距離感で呟くー。


「--ううん。わたしも、メグちゃんは何か隠してると思ってるのー。

 ハルくんは間違ってないと思うし、

 わたしはハルくんのこと、マジで応援してるから!」


真綾の言葉と距離感にドキッとしながら、

治夫は「え、、あ、、はい…」と答えるー。


真綾は、治夫の手を握ると、

「ハルくん、お願いがあるんだけどね…」と、甘えた声を出しながら

上目遣いで治夫を見つめたー。


「ーメグちゃんの行動や発言に何かおかしなところがあったら

 わたしに教えてほしいの!」


真綾の言葉に、治夫は「え?どうしてですか?」と首を傾げるー。


「---どうしてって?

 わたしもメグちゃんのこと、怪しいと思ってるしー、

 仲間は多いほうがいいでしょ!

 わたし、こう見えても、”上”の人にも顔が利くから

 力になれると思うし! ふふふ」


真綾の笑みー。

治夫は「--わ、わかりましたー」と頷くー。


真綾のことも100パーセント信用しているわけではなかったがー、

それでも、仲間はいたほうがいいー、

そんな気がした。


「-ところでハルくん、最近資料室によく行ってるじゃん?

 何調べてんの?」


真綾が髪をいじりながら言うー。


治夫は少しだけ考えてからー

モルティングの黒幕・泉谷の名前は伏せたままー

泉谷から聞いた話を少しだけしたー。


「実は、人を皮にする力を作ったのは、”警察”だって情報があってー…

 それを主導したのが、西園寺警察庁長官だって、話なんですー。

 目黒警視正は、その警察庁長官の指示で、事態を隠蔽するために

 動いているってー…


 そういう話があったので、本当かどうか、調べようとー」


治夫が言うと、

真綾は「ふぅん」と、呟くー。


「---あ、呼び止めてごめんね!

 メグちゃんに何かおかしな部分があったら、よろしくぅ!」

手を振る真綾ー


「あ、はいー」

治夫はそれだけ言うと、トイレの方に向かって行くー。


「-----」

治夫の後ろ姿を見ながら

笑顔で手を振っていた真綾はー

治夫がトイレに入ったのを確認するとー

突然、笑顔を消したー


「-----ふぅんーーーー

 警察庁長官のこと、探ってるんだー」


そう呟くと、真綾はクスッと笑ったー。


そしてーーー

「------------」

その様子を物影から

好青年風の堂林幸成が見つめていたー


・・・・・・・・・・・・・・・


「---」

警察庁長官・西園寺 零は、

娘の梓と連絡が取れなくなっていることに、

憔悴していたー。


かつて泉谷の教え子をひき殺して、

父の力で罪をもみ消した息子も、心配そうにしているー。


「--くそっ!梓はどこに!」

机を叩く西園寺警察庁長官ー。


その時だったー。


部下がやってきて、何かを耳打ちするー


「なん…だと…」

西園寺 零は、愕然としたー。


”茂木警視監を射殺したのはー

 娘さんだったとのことですー”


「---……まさかー」

”人を皮にする力”の存在を知っている西園寺は、表情を歪めたー


すぐに、何が起きたのかを理解したー。


”娘が、モルティングらに乗っ取られた”

ことをー。


「--おのれ…」

歯軋りをしながら、鬼のような形相で、西園寺警察庁長官は

静かに呟いたー


・・・・・・・・・・・・・・・・・


夜道ー。


仕事を終えた治夫が家を目指して歩いていたー。


「-----」

治夫は、”気配”を感じて振り返るー。


そこにはーーー

見知らぬ若い女がいたー。


「--おいおい、そんな顔するなよー」

女子大生・萌恵が笑うー。


「--誰だ?」

治夫が言うと、萌恵は笑みを浮かべたー


「へへへ 今の”俺の服”よく似合うだろ?」

笑う黒崎陣矢ー。


”萌恵”に着替えてから、治夫が黒崎陣矢と会うのはこれが初めてだったー。


「--お前…黒崎!」

治夫が叫ぶと、萌恵を着た黒崎陣矢は、無気味な笑みを浮かべたー。



㉑へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


長編の第20話でした~☆!


物語の核心もどんどん見えてくる段階に…☆

あの人が乗っ取られたりもするので、今後も

ゾクゾク要素共々、楽しんでくださいネ~!


誰が乗っ取られるのか、誰が敵なのか、

それは今後のお楽しみデス~!


今日もありがとうございました~!

(Fanbox)


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