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真夏ー。

入社2年目の男性会社員、柏木 海斗(かしわぎ かいと)は、

半日休みを貰い、昼間の炎天下の中、家への道を歩いていたー。


仕事は順調ー

プライベートも、特に不満はないー。

今はアパートで独り暮らしだが、趣味は充実しているし、

今の時点では、自分の生活に何一つ、不満はなかったー。


特に、このあと予定はないのだがー、

有給休暇を消化するように上司が言ってきたため、

今日は、こうして昼間に会社を出ることが出来たー。


”数時間”の違いであっても、

”昼間”から自由になれる、という解放感は、たまらないー。


実家を離れて、地方に住んでいる海斗は、

穏やかなこの地が好きだったー。


「---ーーー」

穏やかな気持ちで、家への道を歩いているとー


「--!?!?!?!?!?」

突然、海斗は、激しいめまいを感じたー。


”熱中症か!?”

海斗は、そんな風に思いながら、慌てて近くの公園の男子トイレに入るー。


ここは、田舎で、すぐ側に建物と言えば、

それぐらいしかなかったのだー。


昼間でも、人通りが少ないようなこの場所ー

都会に生まれて、田舎にあこがれていた海斗は、

”あえて”この場所に一人、移住してきたのだー。


「---うっ…」

男子トイレに入ったあとも”違和感”が消えない海斗ー。


”なんなんだいったい…?”

そんな風に思っていると、突然、身体中に

今まで感じたことのない、激しい衝撃のようなものを感じたー


”なんだこれ…やばいんじゃ…?”

そう思いながら、鞄からスマホを取り出して、

救急車を呼ぼうかと考え始める海斗ー。


しかしー

その激しい衝撃は、身体中を駆け巡りー

今までに感じたことのない感触を、次々と感じたー


まるで、髪の毛を触られているかのような感触ー

胸のあたりが、内側から突き破られるような感覚ー

股間のあたりが、何かに吸い込まれるような、奇妙な感覚ー


「うっ…おっ…!?おおぉぉぉぉぉぉぉっ!?」

激しい衝撃に驚きー

その衝撃にただひたすら耐えるだけの海斗ー。


だがー

少しすると、身体中のおかしな感覚は

あっという間に消えていきー、

周囲に紙吹雪のようなものが舞ったー。


「---あ…?」

海斗は、”今のはいったい何だったんだ?”と疑問に感じながらも、

今度は、自分の身体が、妙にスースーしているのを感じたー。


「---え…?」

海斗は、トイレの鏡を見つめて、更なる衝撃に襲われたー。


「--あ…!?!??????」

思わず変な声を出してしまう海斗ー。

しかも、口から出た”声”は、自分の声ですらなかったー


「--な、、なんだこれ!?」

綺麗な声が出るー

海斗本人とは、まるで違う声ー。


顔立ちが、女性のような顔立ちに変わりー

綺麗な黒髪が伸びー

胸が膨らんでいるー。

男であることを象徴する肉棒は消えー、


身体つきや骨格も、女性のそれに変わりー

海斗は、一瞬にして”女”になってしまったのだったー。


「--え…?なんで…?」

海斗は唖然とするー。

当然、その”声”も女性の声になっているー。


何が起きたのか全く分からないし、

全く理解できないー。


そしてー

さらに理解できないのはー


「え!?!?!?!?ちょっと待って!?俺の服はー!?!?!?」

海斗は思わず裏返った声で叫んだー。


女体化した海斗はー

”全裸”だったのだー。


胸も、アソコも、何もかも晒しているー。


「--え…え…え!?」

海斗は、”信じられない”という様子で周囲を見渡すと、

トイレの床に、海斗が着ていたスーツの”残骸”と思われる

紙吹雪のような状態になったゴミが、大量に散らばっていたー


”さっきの紙吹雪みたいなやつってまさか…”

海斗は唖然としたー。

女体化した際に、服が破裂したかのように

破れてしまって、砕け散ってしまったのだったー。


「------」

唖然とする海斗ー。


公園の男子トイレに全裸の女がひとりー。

その現状を、自覚した海斗は冷や汗をかくー。


「こ、、このままじゃ、痴女じゃん!」

絶望する海斗ー。


今、この状態を誰かに見られたら非常にまずい。

まさか”急に苦しくなってトイレに駆け込んだら、

いきなり女になってしまいました”なんて

誰も信じないだろうし、

さらに言えば”女体化した時に、服ははじけ飛びました”

なんて、絶対に誰も信じないだろうー。


「--!!!!」

海斗はドキッとしたー。

電話しながら、トイレに近づいてくる男の声が聞こえたのだー


「やばい!全裸女が男子トイレにいたら

 100パーセント通報されるぞ!」

海斗は可愛らしい声でそう呟くと、混乱したまま、

男子トイレの個室に入り込んだー。


「--ふ~~~ふ~~~」

必死に個室の扉の鍵を閉めて、

そこに隠れる海斗ー。


胸を見てしまい、海斗は顔を赤らめるー。


”な、なんなんだよ、この状況ー”

他人の女の胸なんて、たぶん人生の中で

見た経験なんてほとんどないー。


まさかー

小さいころ、親とかのを見た以外で

始めてみる女の胸がー

自分の胸だなんてー


しかもー

ブラも何もつけてねぇー。


鼻歌を歌いながら男が入って来るー。


「----」

男子トイレの個室で息をひそめる全裸女ー。

明らかにやばい状況だし、明らかに逮捕案件だー。


”ってか、どうするんだよ俺…!”

海斗は、困惑するー。


さっきも考えた通りー

”いきなり女体化して服が破けました”は、無理があるー。

誰も信じてくれやしないー。

このまま、誰かに見つかったら、警察行きだー。


「-俺は痴女じゃねぇ…」

そう呟きながら、男が立ち去ったのを確認して、そのままトイレの

個室から出るー。


トイレの鏡に、全裸の女体化した自分が映りー

ドキッとしてしまうー


”しかも結構美人でやべぇ…”

興奮してきてしまった海斗ー。


しかし、今はそれどころではなかったー。


トイレから顔を出すと、

そのまま近くの草むらに飛び込んだー


「-くそっ…どうして俺がこんな目にー」

幸い、海斗の家の方角は、街からも離れて、

昼間でも、道を選べばほとんど人はいないー。


全裸で草むらに忍び込む海斗ー。


「草むらに忍び込む全裸女とかどういう状況だよ…」

自虐的にそう呟くー。

自分の胸や、アソコのあたりに草が当たるたびに、

ドキドキしながらも、なんとか自分の家の方角に

少しずつ進んでいくー。


「---!」

草むらに伏せる海斗ー。


”全裸のまま伏せるとか、勘弁してくれよ…”


通行人のおばあちゃんがいるためー

息をひそめるー。


見つかったら、おしまいだー。

”痴女”として警察に連行されてしまうー。


「好きで痴女やってんじゃねぇ!」

海斗は小声でそう呟くと、おばあちゃんが立ち去ったのを

確認して、そのまま草むらから飛び出すー。


全裸で道路を疾走するー。

言葉では言い表せないヤバい感覚だー。

しかも、今は女ー。


「--!!ふ~~~~~~」

建物の影に隠れると、自分の胸の側に手を当てながら

深呼吸をするー。


「--やばすぎだろ…この状況ー」

建物の影ー

日陰の部分で佇む全裸女ー。


完全にアウトな状況ー

身体にどきどきしながら、

”というか俺、元に戻れるのか?”

と、海斗は強い不安を覚えるー。


いやー

戻れなかったら戻れなかったで、

その時考えればいいー。


女の身体の快感を味わってみたい気持ちもあるし、

もし、元に戻れないのなら、女として生きるのも

それはまた一興かもしれないー。


男と女…

両方を一度の人生で味わうことができるなんて、

それはそれで貴重な経験だー。


「-でもまず、何とか家に行かないとー」

海斗は女の声でそう呟くー。


家に入れば、男物ではあるが、服はあるー。

男物を着ている女性など、いくらでもいるから、

家に到着するまでの辛抱だー。


どこかで服の代わりになるものがあればいいが、

そう都合よくないだろうし、

この姿じゃ誰かを頼ることも出来ないー。


建物の物影からひょっこり顔を出す海斗ー。


”やべぇ…人生で一番のスリルだろ、これ…”

そう思いながら、人がいないことを確認してー

横断歩道を全裸のままダッシュで渡るー


都会だったら完全に詰んでいたー。

通行人も多いだろうし、

何より、そこら中に”カメラ”があるー。


仮に通行人に見つからずに済んだとしても、

カメラに全裸女が疾走している姿が映っていれば、

アウトだろうー。


「--それにしても、ココに何もないって…なんか…こう…

 違和感ありまくりだろ…」

海斗は、自分の身体のアソコを手で触りながら困惑するー。


今までに感じたことのない感触ー。

身体の大事な部分を失ったような感覚になるー。


「胸って下を向くたびに目に入るんだなぁ…

 こんなんじゃ、下を向くだけで興奮しちゃいそうだ…」

海斗は、自分を落ち着かせようとしているのか、

そんなことを呟きながら、裏路地に入っていくー。


裏路地を早歩きで進む海斗ー。


路地のミラーに、全裸の自分が映りー

”やっぱりヤバすぎる光景だな”と苦笑いしながらも、

だんだんと自分の家の方に近づいていくー。


真夏の猛暑日のお昼であることからか、

ほとんど通行人がいないのは助かったー。


変な緊張感と、全身に照り付ける太陽のせいで、

全身に汗をかいてきた海斗ー。


「--汗をかく全裸の女とか…」

”100パーセントアウトだな”と思いつつ、

そのまま海斗は、家の方に向かうー。


あと少しー。


だが、今のこの状況、

”あと少し”だろうと何だろうと、

誰かに見られでもしたら、一発でアウトだー。


「----!」

海斗は、路地の前の通りを横切る小さな子供が目に入って、

咄嗟に身を隠したー


「--ふ~~~せーふ…!」

海斗はそう呟くと、子供が立ち去って行ったことを確認しー

路地から飛び出して、路地前の通りを横切るー。


自分の住むアパートの前までやってくると、

周囲を見渡しながら、アパートの住人が、誰もアパート周辺に

いないことを確認して、自分の部屋に向かってダッシュしたー。


正直”ここが一番高難易度”だー。


アパートの敷地内に入って、自分の部屋に入るまで、

全裸の状態を晒すことになるー。


もし、アパートの住人のうち、誰か一人でも出てきたら詰みだし、

他の人に見られても詰みだー。


”俺は痴女じゃねぇ”

そう、心の中で叫びながらー

裸体を晒して猛ダッシュするー。

汗をボタボタ垂らしながら、なんとか自分の部屋の前にたどり着いた海斗はー


「これでーー」

と、鍵を開けて中に入ろうとしたー。


しかしー


「------あ?」

海斗は思わず放心状態になったー。


”嘘だー”

そう、思いたかったー。


”最悪の予感”が的中しないことを祈りつつも、

既に”最悪の予感”が的中してしまったことを悟り、

海斗は表情を歪めたー


「--鍵、、、トイレに置いてきたああああああああああああ!!!」

女体化した混乱とー

”見つかったら痴女だ!”という焦りからー、

鍵や財布の入ったカバンを、最初に駆け込んだ公園の

トイレに置いてきてしまったー。


”そうか…トイレ内の個室に入った時…”

海斗は絶望するー。


”鍵の閉め忘れ”を期待して、自分の部屋の扉に手を触れるも、

鍵は残念ながら閉まっていたー。


全裸の女状態で、管理人さんから合鍵を貰うことも出来ないー。


海斗に残された道は、只、一つー。


あの公園のトイレに戻りー

トイレで鞄を回収しー

そして、ここに戻って来るー。


「---いや…絶対無理だろ…

 しかも、トイレに置き去りにした鞄、

 誰かに盗まれてたり、交番にとどけられてたら

 本当に終わりだー」


だが、行くしかないー。

海斗は、意を決して、来た道を引き返し始めたー。


ある日、突然、女体化して、服が破れてしまった

悲劇の男、海斗の”全裸疾走”の

”ラウンド2”は、始まったばかりだったー。



おわり


・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


久しぶりの女体化モノでした~!

あと1往復…

無事に家に帰れる気がしませんケド…笑


お読み下さりありがとうございました~~!

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Comments

Qoo8390

冷静に考えるとかなり悲惨な状態なのですがかなりおバカで明るいシチュエーションで笑わせてもらいました、自分の意思とは関係無く女体化させられてしかも全裸で他人から見つからないように走らないといけないコミカルながらどこかエッチな状況でとても好きな作品でした。 …無事に帰れたら冷静になって自分の身体を見てしまうんだろうなぁ…

無名

コメントありがとうございます~! 無事に帰ることができたら、 お楽しみの時間が始まりそうですネ…! でも、もう一往復はかなり厳しそうデス~笑