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メイドのリリアは、

ルミナ姫がオークに皮にされる場面を目撃してしまったー。


”姫様が皮にされて乗っ取られた”

そんなこと、誰にも信じてもらえるはずがない、と困惑するリリア。


そんな中、話を偶然聞いていた同室のメイド・メイが、

王国の重鎮や騎士団長たちがいる前で、そのことを告げるー。

だが、リリアの予想通り、話を信じるものは少なく、

メイも、姿を消してしまうー。


それでも”何とかしないと”と、奔走するリリアは

騎士団長のユリウスに、”姫が皮にされた件”を相談しようと

決意するー


☆前回はこちら↓☆

fanbox post: creator/29593080/post/2486471

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


メイドのリリアは、騎士団長のユリウスの部屋にたどり着いていたー。


ルミナ姫が”皮”にされて、オークに乗っ取られたことを伝えるー。


ユリウスは、椅子に座ったまま「-まことに、そのようなことが?」と

表情を歪めるー。


「--はい。信じられないと思いますが、本当なんですー。

 このままだと、姫様はー」

リリアが涙ながらに言うと、

騎士団長の一人、ユリウスは困惑の表情を浮かべたー。


先日、謁見の間で、リリアと同室のメイド・メイが、

既に騎士や大臣が集まる場で”姫様は皮にされて乗っ取られています”と、

伝えた際に、周囲は一時騒然となったー。

ユリウスはその場にはいなかったが、その時の話は聞いているー。


騎士団長のレビンが、詳しく事情を確認するとのことで、

その場はいったん落ち着いたようだったが、その後、進展はないというー。

事情を深く確認しようにも、

”姫が皮にされている”と言い放ったメイも、

レビンが安全確保のため、誰にも居場所を伝えず、匿っているのだというー。


「--ーしかし、我々としても確証がなければ動けない」

申し訳なさそうに言うユリウスー


リリアが悲しそうに表情を曇らせると、

ユリウスは優しそうな笑みを浮かべてー


「そんな顔をするなー。

 協力しないとは言っていないーー。

 私も色々と調べてみよう。

 ”姫様がオークに乗っ取られている”という確証を得ることが出来れば

 私の騎士団を動かすことも出来るし、

 他の3人の騎士団長とも連携することが出来るー」


と、穏やかな口調で続けたー。


「--ありがとうございます」

リリアが頭を下げるー。


「--ーあまり、無理はしないようにな」

ユリウスは、それだけ言うと、椅子から立ち上がって

「-そろそろ騎士団の演習の時間だから、私はこれで失礼するよ」と、

頭を下げて立ち去って行ったー。


「---」

リリアは、もう一度、深々と頭を下げたー。


これでー

なんとか、ルミナ姫を助け出せるかもしれないー


とー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「--んっ…♡ あっ…♡ あっ♡ あっ♡」

リリアの同室のメイド・メイが手首を縛られて拘束された状態で

喘ぐような声を上げていたー。


地下牢ー


そこで、ルミナ姫が、メイの身体をあちらこちら触りー、

笑みを浮かべているー。


「--人間の女……いい鳴き声…出す!」

ルミナ姫が汚らしい笑みを浮かべて、メイの胸をペロペロと舐めるー


身ぐるみをはがされた状態のメイは、

苦しそうに、けれども、時々気持ちよさそうに喘ぎながらー

ルミナ姫の方を見つめるー


「ーー姫様から…出ていきなさい!」

と、メイは、強気に叫ぶー


こんな風に、拘束されて好き放題されている状態でもー

メイは、ルミナ姫を助けたい一心だったー


「--わたしに向かって何て口の利き方をするのかしら」

ルミナ姫がクスッと笑うー。

オークがルミナ姫の記憶を読み取って、ルミナ姫として

振舞っているー


メイはルミナ姫をキッ、と睨みつけるー。


こうなってしまうまでの出来事を思い出しながらー。


「姫様は皮にされている」

そのことを伝えたメイは、騎士団長のレビンが

”事情を聞く”と、メイを自分の部屋へと連れ込み、

色々と事情聴取のようなことを行ってきたー


「-っていうと、メイちゃんは、姫様の中にオークがいて、

 姫様を好き勝手動かしているー

 って、いいたいんだな?」

レビンの言葉に、メイは「はい、そうです」と、

ハッキリとした口調で答えたー


「ははっ」

軽口の騎士団長・レビンは思わず笑いをこぼすー。

少ししてから「いや、わりぃ」と、メイに言うと、

「--まぁ、あれだ。メイちゃんも疲れてるんだろ?」と

笑みを浮かべながら言ったー。


メイは「違います!」と必死に叫んだー

なんとか、信じてもらおうとー。


だがー

レビンは信じてはくれなかったー。


メイは、なんとかしなくちゃ、と、レビンの部屋から外に出て、

メイドたちが寝泊まりしている離宮に戻ろうとしたー。


その最中にーー


「--お前……邪魔…!」

オークに乗っ取られたルミナ姫と遭遇してーーー


こうなってしまったのだー。


拘束されてしまったメイー。

あれから、既に数日間経過していてー

その間、メイはずっと、オークに乗っ取られたルミナ姫に

弄ばれ続けているー。


そろそろ、精神的にも肉体的にも限界だったー


「--わたしが、ルミナ姫よー

 分をわきまえなさい!」


ルミナ姫が、睨みつけるような目をしているメイを見て

怒りの声を上げるー。


「-あんたは姫様なんかじゃないー!

 薄汚いオークよ!」

メイはそう言うと、拘束された状態での”必死の抵抗”としてー

唾をルミナ姫に向かって吐き捨てたー。


「---ぐぐぐぐぐぐぐ… 貴様…

 俺を……馬鹿にした…!」

感情的になるルミナ姫ー。


「--俺を…!!俺を…!!!俺を…!」

ルミナ姫が怒りの形相で叫ぶー。


ルミナ姫として振舞うのも忘れて、

オークは怒りを爆発させているー。


その様子を見てー

メイはさらに続けたー


「-あんたみたいな汚いやつが姫様の身体に入る資格なんてないの!

 ただのオークの癖に、調子に乗るのもいい加減にしなさい!」

メイが叫ぶと、

ルミナ姫はメイを思いっきりビンタしたー


「うがああああああああああああああああ!!!!」

奇声を上げながらルミナ姫は、メイを狂ったようにビンタ

し続けるー。


「---がああああっ!!はぁっ!!はぁぁぁぁぁっ!!!!」


ルミナ姫を乗っ取っているオークは

所詮は”低級”なオークだったー。

現在、アクア王国周辺に残っている魔物は”下級”なランクに位置する

魔物ばかりで、数千年前、アクア王国の当時の女王・アリシアが、

戦っていた時のように、高等な知識を持つような魔物は、

現代では存在しないー


ルミナ姫を乗っ取り、ルミナ姫の記憶を読み取ろうともー

中身は所詮、低級なオーク。

挑発行為に対し、理性で我慢するようなことも、できなかったー


「人間!!!! 俺を…怒らせたぁ!」

ルミナ姫が口から涎を垂らしながら、正気を失った目で叫ぶ。


ピキッーーー


ルミナ姫の後頭部にヒビのような亀裂が入るー。

そして、ルミナ姫の後頭部がぱっくりと割れて、

中からオークの顔が露出するー


オークの目は血走り、怒りに震えているのが分かるー。


メイは「--醜悪な姿ね…」とあざ笑うようにして

オークを見つめたー。


拘束されて、服も脱がされている状態でも、メイは

オークに屈しなかったー。


あまりの怒りに、ルミナ姫の頭の部分が脱げた状態の

オークが雄叫びを上げるー。


「----おい」


「--!?」

メイが表情を歪めるー


地下牢の入口の方から声がしたからだー。


「---安っぽい挑発に乗るな」

入って来た人物は、ルミナ姫の皮の脱げた部分を掴むと、

強引にオークに被せたー


「ぐぐぐ…ぐ…すまない」

ルミナ姫の姿に戻ったオークは、怒りで「ふー、ふー、」と

荒い息をしながら、そう呟いたー


「--あ、、あなたはーーー」

メイが信じられない、という顔で、地下牢に入って来た人物を見つめたー。


「---」

ニヤッと笑みを浮かべるー


メイは、理解したー。

オークが一人で、姫を皮にして乗っ取るなんてことを思いつくわけがないー


オークの背後には、最初からこの人がいたのだとー。


「-ーそうだ。お前に頼みたいことがあるー」

メイに対して、そう笑みを浮かべるとー

その人物は、ルミナ姫に合図をして、無気味な笑みを浮かべたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


翌日ー


「--あの!」

メイドのリリアは、同室のメイド・メイのことを心配していたー


騎士団長のレビンが”メイから事情を聞く”という名目で

連れ去って以降、メイは行方不明になっているのだー。


「--ん?リリアちゃんじゃないか。どした?」

レビンはいつものように軽口を叩くー。


「---メイは…メイは、今、どこにいるんですか?」

リリアが言うと、

レビンは「はは、仲間のことを心配する気持ちは、大事にしろよ」と、

そのまま立ち去って行こうとするー。


「--レビン様!」

リリアが叫ぶと、レビンは少しだけ面倒臭そうに振り返ったー。


「-ーーーメイちゃんなら、俺がちゃんと安全な場所に

 身を隠させてあるから、心配すんな」

レビンは、そう言うー。


リリアは、そんなレビンの方を心配そうに見つめるー。


「----」

レビンは”嘘”をついているー。

リリアはそう思ったー。


「--まぁ、リリアちゃんも、この件には首を突っ込むなー。」

レビンはそれだけ言うと、

リリアに顔を近づけたー


「--綺麗な顔が、汚れちゃったら、勿体ないぜー」

笑うレビンー


そしてー

レビンはそのまま立ち去って行ったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーー以上です。皆さん、よろしくお願いしますー」


謁見の間では、定期的に行われている”王宮会議”が

行われていたー


騎士団長の4名ー

フォボス、レビン、ユリウス、アテナも参加しているー。


「----」

ユリウスがレビンの方を見つめるー。


レビンはうすら笑みを浮かべると、謁見の間の外に出て、

立ち去っていくー。


「-----(レビン様は、何かを隠している)-」

メイドのリリアは、謁見の間から出て来たレビンを尾行し始めたー。


だがーー


「--何をしている?」

背後から声が聞こえたー。


「---ひっ!?あ、、アテナ様…!」

リリアは思わずびっくりして振り返るー。


そこには、4人の騎士団長の中で唯一の女性・アテナの姿があったー。

高い実力を誇り、特殊な力”エナジー”により、弓を模したエネルギー弾を

放った戦闘を展開できるー。


「---メイドがここに何のようだー」

一方で気難しい性格のアテナに対し、リリアは「申し訳ありません」と

頭を下げるー


”何と説明すればいいかー”

リリアはそんな風に思いながら困惑していたー。


そこにメイドを見下している騎士団長のフォボスもやってきて、

リリアはつまみ出されてしまったー


「---メイ…姫様…」

自分の部屋に戻ったリリアは、

姫とメイを助けようとあれこれ試案するもー

”メイド”という立場上、何もできずにいたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・


「--私のほうでも色々と調べてはいるのだがー

 君の同室のメイドの行方も、姫様の件についても

 まだ何も分かっていないー」


翌日ー

騎士団長・ユリウスの部屋を訪れたリリアは

「そうですか…」と頭を下げるー。


「--昨日は、フォボス殿とアテナ殿につまみ出されたそうだな?」

苦笑いするユリウスー


「あ、、いえ……申し訳ありません」

リリアが言うと、ユリウスは「いいんだ」と言いながらも、

リリアの方を心配そうに見つめてー

「ーでも、あまり無茶はしないほうがいいー

 何か分かったら君にも知らせるー

 この件は、私の騎士団で責任をもって対処するからー

 君は、しばらく大人しくしていたほうがいい」と、

穏やかな口調で言い放ったー。


「--でも、わたし、姫様のことをどうしてもー」


姫様を助けたいー

姫に恩義のあるリリアは、その一心だったー。


ユリウスはそんなリリアを見つめると、少しだけ笑って、

「それは、私も同じだー」と、リリアの肩を叩いたー。


ユリウスと情報交換を終えたリリアは、

そのまま頭を下げてユリウスの部屋から出るー。


確かに、”ただのメイド”でしかないリリアがあれこれ行動するのは危険だー。

行方不明になっているメイと同じ運命をたどる可能性もあるー。


でもー


「-わたしは、それでも姫様を助けたい…」

リリアはそう呟くと、

王宮の中を早足で歩き始めたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


夜ー


「---!」

自室で寝ていると、扉が開いたー


「---リリア!」

聞き覚えのある声ーー


「--め、、メイ!?無事だったの!?」

リリアが驚いて言うと、メイは「しーっ」と指を口の近くに当てたー。


「---姫様をオークから助ける方法を見つけたのー

 でも、あたし一人じゃどうにもできないー

 だから、あんたにも手伝ってほしいの」


メイが言うと、リリアは「ホントに!?うん…わかった!」と頷くー


リリアは、メイのことを信頼しているー

だからーー


簡単にー

”引っかかって”しまったー


「----馬鹿な…小娘… 俺‥楽でいい!」

リリアを先導するように、王宮内を歩きながらメイは

そう呟くと口元を歪めたー。


ルミナ姫を皮にして乗っ取っていたオークが

今度はメイを皮にして乗っ取っているのだー。


「---こっちよ!」

メイが、地下牢への入口の方を指さすー


リリアは不安そうに

「この先に何があるの…?」と、尋ねると、メイは

「-姫様を救う方法よ!」と答えるー。


リリアは表情を歪めるー


「-地下に行って…何をするの?」

とー。


メイは、少しの間、歯軋りをしていたが、

すぐに口を開いたー


「--姫様を救いたくないの?

 救いたいでしょ?

 いいから、手伝ってー」

強引なメイー。


リリアは困惑しながらも、メイの言うがままに、

メイと共に、地下室へと向かう階段を降り始めたー。


リリアの背後から歩くメイが邪悪な笑みを浮かべるー


強気なメイも、皮にされて着られてしまえば

身も心も乗っ取られて、されるがままになってしまうー。


今のメイは、リリアを罠にはめるために、

リリアを地下牢に誘導している悪女になり果てていたー。



「----」

地下牢に向かう階段の入口が閉じるー。


そこに、リリアとメイが入っていくのを目撃した

騎士団長のレビンは、静かに笑みを浮かべたー



④へ続く


・・・・・・・・・・・・・・


コメント


次回が最終回デス~!

姫様を救うことができるのかどうかを

ぜひ見届けてくださいネ~!


お読み下さりありがとうございました~!

(Fanbox)


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