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凶悪事件を起こし、逃亡中だった

凶悪犯・龍介は、逃亡中に転落、

偶然下に居合わせた若菜という女子高生に憑依してしまったー。


”病弱”な少女の身体を手に入れた龍介は、

若菜として過ごしつつ、時にはエッチなことをしながらも、

次第に”若菜”として過ごすことの心地よさを感じー

”表向きは若菜”として生活するようになっていたー。


だが、”若菜が凶悪犯罪者に乗っ取られている”などとは夢にも思っていない

陰険な女子・奈美子が執拗に若菜に嫌がらせを始めー

若菜に憑依している龍介の”凶悪な本性”を再び呼び起こしてしまったー。


キレた若菜は、奈美子を惨殺ー。


「---ありがとうよ クソ女ー

 やっぱ”俺”は、凶悪犯罪者だぜー」


その言葉と共にー

凶悪犯罪者・龍介は再び闇の道を歩み始めたー。


☆前回はこちら↓☆

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・・・・・・・・・・・・・・・・・


「--おら、命乞いしろよ?」

若菜が険しい表情を浮かべながら、低い声で呟くー


「--ひっ…たすけて…」


夜ー

若菜に呼び出された女子生徒は、滅多に人の立ち寄らない高台から

突き落とされようとしていたー。


既に龍介に憑依されている若菜に殺害されたいじめっ子・奈美子の

取り巻きだった女子生徒の一人だー


「--中身が凶悪犯とも知らずにー

 俺を怒らせるなんて、馬鹿なクソガキだぜぇ」

若菜の声で、恐ろしい言葉を口にする龍介ー


「ひっ…ごめんなさい…し、、知らなかったんです…わたし…」

必死に高台から転落しないようにしがみつく女子生徒ー


「--へへへ もっと命乞いしろよ。ほら!」

若菜が笑うー。


「---ひっ…たすけて…!たすけてください!」

叫ぶ女子生徒ー。


「---くくく ”女王様 お助け下さい”だろ?」

若菜が”そう言え”と、言葉で促すー。


「--く、、、く…」

プライドの高い女子生徒の表情が歪むー。


若菜ごときにー。

そう思いながらもー

「--じ、、じ、、女王様…お助け下さいー」と、

泣きながら言葉を口にするー。


若菜はにっこりとほほ笑んだー


「--い・や・だ♡」

とー。


しがみついている女子生徒の手を蹴り飛ばしー

女子生徒を高台から突き落とした若菜は

「-やっぱりこの方が、俺にぴったりだぜぇ!」

と、狂った声で叫びながらー

そのまま立ち去って行ったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


翌日からー

若菜は学校に登校しなくなったー


「-くくく…これから”お前”は

 俺の欲望のために使われるんだー


 くくくくくー」


鏡を見つめながら若菜が微笑むー


若菜の身体がゾクゾクとするー。


”凶悪犯罪”に使われることに、身体が拒否反応を起こしているのかー


それとも、病弱な少女にとんでもないことをさせようとしている

この現状にゾクゾクしているのかー


それは、分からないー。


だがー。


「--ペロリ」

隠し持っていたナイフを舐める若菜ー。


優しそうな少女が、

凶悪な笑みを浮かべてナイフを舐めるー。


それだけで、龍介は激しく興奮したー。

もちろん、興奮するのは、若菜の身体だー。


「---ねぇ、お母さんー」

1階に下りた若菜は、背後から母親に声を掛けたー。


「---若菜? なぁに?」

母親が振り返ると同時にー

若菜は、母親にナイフを突き立てたー。


「ひひ…ひひひひひひ…たまんねぇなぁ」

若菜が返り血を浴びながら笑うー


母親の”信じられない”という顔ー。


「-お前の娘はー

 ”凶悪犯罪者”なんだよ」

若菜はそう言うと、母親を蹴り飛ばし、

倒れ込んだ母親に唾を吐き捨てたー。


「くくくく…ひゃはははははははははっ!」


いじめっ子・奈美恵が

龍介の凶悪なる本性を引き出してしまったー。


動かなくなった母親を見つめて、

涙一つ流さず笑う若菜ー。


若菜本人が、今、この状況を知ったらー

どう思うだろうかー。


「---いいや、

 どうせ死のうとしていた女だー

 俺には関係ねぇー」


若菜はそう呟くと、低い声で、ひとり、笑い続けたー。


警察に捕まって

”ゲーム・オーバー”になりそうだった自分に

神様は”もう一度”チャンスをくれたのだー。

龍介は、そう思ったー。


「--げほっ げほっ」

龍介に酷使された若菜の身体は、あまり顔色も良くなかったー。


中身が、どんな狂暴な男であろうとも、

体質まで、完全に変えることは出来ないー。


容姿も、性格も、何もかも変えようとー

人間の、本質的な部分までは、変えられないー


「くくく…”俺”の身体ー

 俺の命じた通り、ちゃんと動きやがれー」

若菜はそう呟くと、自分の頬をつねくってから、

笑みを浮かべたー


・・・・・・・・・・・・・・・・


「--ーーふぅ」

父親が帰宅したー。


玄関の扉を開けてすぐにー

父親は異様な雰囲気に気が付くー


夜なのに、家の中の電気が一切、ついていなかったからだー。


「---………誰もいないのか?」

父親が表情を歪めながら、そう言葉を口にすると、

部屋の奥にゆっくりと歩んでいくー。


「----…!」

家のキッチンの方から物音がするー。


「----若菜か…? 母さんか?」

若菜の父親は、そう呟きながら、物音がする

キッチンの方へ歩みを進めていくー


そこにはーーー


真っ暗な部屋で、自ら手をかけた母親の

血をペロペロと舐めている若菜の姿があったー。


「---わ、、、わか……

 な、、何を…!?」


妻が倒れていてー

どう見ても、もう死んでいるー。


そしてー

その側に、血を舐めながら微笑んでいる娘の若菜がいるー。


父親は、言葉を失ったー。


「--お前の娘さァ…」

若菜は立ち上がると、血まみれの状態で父親に近づくー


「--俺が完全に乗っ取っちゃったのに、お前、気づかなかったんだな?」

バカにしたような笑みを浮かべる若菜ー


「--な、、何を言ってるんだ…?

 ど、、どういうーー」


父親が、その返答を聞くことはなかったー。


裸になり、シャワーを浴びる若菜ー


「--病弱で弱弱しい女なのにー

 凶悪犯罪者ー


 やべぇギャップだぜ…ククク」


シャワーを浴びながら

好きなロックバンドの曲の鼻歌を歌う若菜ー


若菜に歌わせているということに、

また、興奮するー


シャワーを浴びながら

龍介は、一度でも”表向き女子高生”として、

普通に暮らそうとしたことを、自分で恥じたー


両手を広げてシャワーを浴びながら、

「--俺は根っからの犯罪者ー」

と、呟いて笑みを浮かべるー


「--いいやー

 これからはーー


 ”わたし”が犯罪者よー」


若菜は歪んだ笑みを浮かべたー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


1週間後ー


若菜は”失踪”したー。

既に若菜は指名手配されているー。


「--くくくくく」

髪を染めて、ピアスの穴を開けて、化粧も濃くしてー

髪型も変えたー。


”俺好みの若菜”に変えてやったー。

そのことに満足しながら咳き込む若菜ー。


「--うぜぇな!この貧弱な身体が!」

若菜が自分の足を思いっきり叩くと、

そのまま立ち上がって、煙草を吸い始めるー。


もはや、お構いなしー。

完全に”俺の身体だからどうしようが、俺の勝手だ”と

言わんばかりに、隠れ家にした場所で、

若菜は笑みを浮かべるー。


若菜ー

いや、龍介は”裏の社会”にも人脈が広くー

”身を隠せる場所”はいくらでも知っていたー


”若菜の身体”を武器にすれば、いくらでも

警察の追跡を逃れることなど、可能なのだー。


「--へへへへ…俺はここだぜぇ…!

 ひゃはははははははははっ!」

テレビを見ながら笑う若菜ー。


もはやー

若菜の面影など、どこにもないー。


”病弱”な部分以外にはー。



「----」

数日後ー

若菜の”彼氏”だった幸義も遺体となって

発見されたー。


若菜が、幸義を呼び寄せて

散々エッチをしたあとにー

”最後にいい夢見れただろ?”と呟きながら

切り裂いたー。



それからもー

若菜は、悪事の限りを尽くしたー。

数々の罪を犯した

”極悪非道の女”と言っても良いー。


龍介が、龍介であったころよりも、

体力面や肉体面では、かなりレベルは落ちるものの、

それを補う武器があったー


そう”女”という武器だー。

悪事に利用しようとすれば、それは凶悪な武器となるー。


若菜の身体で、龍介は、あらゆる悪事をこなしー、

何人もの命を奪いー

何人もの人間を騙しー

何人もの人間を破滅に追いやったー。


「くくくくくー」

1年が経過したころには、若菜は顔つきまで悪人になってしまっていたー。


穏やかそうな顔立ちの面影はなくー

中身の性格が表に出てしまったかのような

悪人顔に変わっていたー


確かに、若菜の顔であることには違いないー

しかし”性格”が表に出てしまったのだろうかー。


美貌には、異様なまでに固執したー。

それが、龍介にー、いや、若菜にとって”最強の武器”とも

なるからだー。


欲望のままに生きるー

この身体は、龍介にとって、ぴったりの身体だー


「--へへへへ 感謝するぜ」

若菜は、1年前ー

自分をいじめてきた、馬鹿な同級生の女子を思い出しながら笑うー。


「お前がいなかったら、俺は今頃腑抜けた女子高生として

 普通に生活していたのかもしれないからなぁ」


いじめられて”キレたー”

それが、凶悪犯罪者の血を再び騒がせたー


そのおかげでー

今の、極悪非道な女になり果てた若菜がいるー


「---さ~て、今日も男をハメるか」

若菜はそう呟くと、煙草の火を消して

隠れ家から外へと向かったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・


欲望の限りを尽くす日々ー。


しかし、それも”終わり”を迎えようとしていたー。


「--くそがっ!!…この貧弱な身体のせいで!」

若菜は、警察から追われて、必死に逃げていたー。


若菜を乗っ取って3年ー。

欲望のままに使い続けた身体は、ボロボロになったー。

元々病弱だった若菜ー。

だが、それを龍介の強い欲望と精神力が、

若菜の精神的な部分を回復させー

身体の調子も一時的にある程度は回復していたー。


病は、時に精神的な部分から悪化することがあるー。


若菜も、病弱な身体に加え、

病弱である故に、精神的にも病んでしまっていたことから、

余計に体調不良になってしまっていたー。


そこに、龍介が憑依したことにより

”精神的な悩み”の部分が解消され、一時期、調子が

ある程度良くなっていたのだー。


だがー

若菜の身体は、若菜の身体ー。

龍介のような使い方をすれば、壊れるのは当然だったー。


夜の街で倒れて、病院に運ばれてー

目を覚ました直後に、警察がやってきたのを察知した若菜は

病院から逃亡してー

今に至るー。


「くそっ…!この貧弱女っ!」

若菜は自分のことを他人のように叫びながらー

逃亡を続けるー。


警察をまくために、山中に入っていくー


この3年間ー

欲望の日々を送ったー。

数えきれないほどの快感を味わったー。


だからだろうかー。

3年前ー

若菜に憑依することになったこの場所にー

再び足を踏み入れても、若菜はそれに気づかなかったー。


そしてーーーー


”運命”からは、逃れられないー。


「---あっ!」

若菜は、山中の崖から足を滑らせてー

転落したー。


身体がバランスを崩しー

若菜が宙に放り出されるー。


この時ー

若菜に憑依していた龍介は、

やっと思い出したー


”この場所ー

 あの時と同じーーー”


龍介は、3年前と同じ場所に逃げ込みー

そして、同じように崖から落ちたー


今度はーーー

崖下には、誰もいなかったー


”チッーーーーー”

龍介は、今度こそ自分の命運が尽きたことを悟ったー


”3年間ーーー”

龍介は若菜の身体で笑みを浮かべるー


”ホントは、あの時死ぬはずだったんだー

 それが、3年間も、好きなように生きることが出来たー”


龍介はそう思いながら、

最後にもう一度、笑みを浮かべたー


”最高だったぜー この女”--


身体が、地面に叩きつけられる音がしたー



「--------------」


「-----------------あ」


3年間乗っ取られていた若菜が意識を取り戻すー。


自ら命を絶とうと、3年前に訪れていたその場所でー

身体から血を流して倒れている若菜ー。


若菜本人からすればー

何も、分からなかったー


”3年前ー

 ここを訪れたとき”のままー。


若菜はほほ笑むー。


若菜にとっては、まだ、3年前ー

命を絶とうとここにやってきて、自分は命を絶つことができたーー


若菜は、そう思ったー。

自分が乗っ取られていたこともー

自分が両親や友達、あらゆる人の命を奪ったこともー、

知らないままー


「-------……」

若菜は、少しだけ笑みを浮かべてー

そのままゆっくりと目を閉じたー。


若菜にとって、

自分が乗っ取られて”罪”をおかしてしまったことを

知らないままーーー


だったのは、

絶望の中の、小さな”救い”だったのかもしれないー



おわり


・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


バッドエンドなお話でした~…!

たまには、後味の悪い結末も…と、いうことで

あえて救いがほとんどない、最悪の結末にしてみました…!

(こういうのが好き!という方もいますし、

 嫌いな方もいると思いますが、

 色々な結末を用意できるようにいつも色々考えています~☆)


書いている私も書き終えてブルーな気分になってしまいましたが、

これも創作の一つのお楽しみ…かもしれませんネ!


今日もお読み下さりありがとうございました!


この作品とは真逆の明るい感じのお話も近日スタート予定デス~☆!

(Fanbox)


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