<入れ替わり>わたしの身体でそんなに謝らないで③~生活~ (Pixiv Fanbox)
Content
入れ替わってしまった誠太郎と涼香の二人ー。
恋愛経験も異性に対する耐性もない誠太郎と、
明るく、人気者な涼香の入れ替わりには、
想像以上の困難が待ち構えていたー。
元に戻る方法が分からず、お互いの家に帰宅したふたりー。
誠太郎になった涼香は、戸惑いながらも、
なんとか誠太郎として振舞っていく一方、
涼香になった誠太郎は、一人暮らしの涼香の部屋に
入った途端、動けなくなるぐらいに緊張してしまい、
そうこうしているうちに、トイレに行きたくなってしまって、
更なるピンチを迎えてしまうのだった…!
☆前回はこちら↓☆
fanbox post: creator/29593080/post/2437350
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
涼香(誠太郎)は、誠太郎自身のスマホで、
親友の恭司とのやり取りを終わらせると、
部屋の端っこに座り込んだまま、もじもじとしていたー。
「--ぼ、、僕…どうしよう…」
トイレを必死になって我慢する涼香(誠太郎)-
「--じ、、女子のトイレを見るなんて…できるわけ…」
涼香(誠太郎)は、スカートの上から、アソコのあたりを
触ろうとするー。
尿意が、もはや限界だったのだー。
涼香の身体で、トイレに行くなんて、考えられないー。
そもそも、誠太郎からしてみれば、女子がどんな風に
トイレを済ませるのか、ということも、全く分からなかったし、
どうしたらいいのか、分からず、半分パニックになっていたー。
トイレに行きたいー
でも、女子としてトイレをすることなんて、ありえないー。
「--う~~~う~~~~…」
そうこうしているうちに、さらに尿意は強くなり、
涼香(誠太郎)は顔を赤くして、必死にそれに耐えようとするー。
女子の身体になっているだけで、誠太郎からしてみれば”限界”なのにー
涼香の身体で、涼香の家のトイレに行き、
スカートを触り、いやー下着さえも触り、
涼香としてトイレを済ませる、なんて、絶対に出来るはずがなかったー。
「---…どうしよう…どうしよう…」
けれどー
人間が”尿意”を我慢するには”限界”があるー。
そんなことは、当然、誠太郎にも分かっているー
”女の子はトイレに行かないもん”なんて、思ってしまっているほど、
現実逃避はしていないー
でもー
”行きたい”
”無理ー”
”このままじゃ漏れちゃうー”
”でも、トイレに行くなんて無理ー”
”藤崎さんにお漏らしなんてさせちゃったら、僕ー”
”でもでも、トイレなんて絶対ー絶対、無理だー 僕には出来ないー”
あらゆる考えが、頭の中を駆け巡るー
ふと、鏡を見ると、
涼香(誠太郎)が、顔を真っ赤にして、恥ずかしそうにこちらを見ていたー
”そんな顔をさせてしまっている”
そう思っただけでー
”もうダメだー”
これ以上は我慢できないー
そう思って、スカートの上からアソコのあたりを押さえようとしたー。
”自分の身体”の時と同じような気持ちでー。
だがー
「--あっ!」
涼香(誠太郎)はスカートに手を振れて、
ビクッと、身体を震わせるー
女子のスカートに触ってしまったー
そう思っただけで反射的に手を離してしまったー
「これじゃー…これじゃ…僕…」
その場で苦しそうにうめき声をあげる涼香(誠太郎)-
トイレに行くことも、我慢することもできずー
涼香(誠太郎)は情けなくなってその場で泣き出しながら、
ついには、お漏らしをしてしまったー
水たまりを作り、その上で子供のように
泣く涼香(誠太郎)-
事情を知らない人間が見たら、
一体何事なのか、と思ってしまうような光景が、
そこには広がっていたー。
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誠太郎になった涼香は、
誠太郎の家族の前では”極力”喋らないようにしつつ、
なんとか過ごしていたー。
帰宅した際に、普通に”ただいま”と言っただけで
”何かいいことあったの?”なんて言われてしまった始末ー。
誠太郎の家族に心配をかけない意味でも、
涼香は”できる限り”、いつもの誠太郎として、
振舞おうとしていたー。
親友の由紀子とのやり取りを済ませる誠太郎(涼香)-
電話は出来ないが、
スマホはお互いのものを持っているために、
LINEやメールなら、出来るー。
だがー
「---!」
由紀子から電話がかかって来るー
「--あ~~ごめん、由紀子、今は出れない…!」
親友からの電話を無視するのは、心が痛んだが、今、電話に出れば
誠太郎の声で電話に出ることになるー。
メールやLINEは出来ても、通話は、厳しいー。
「--由紀子、わたしになんだか、過保護だからなぁ~…
安藤くんの声で電話になんか出たら、大変なことになりそう…」
誠太郎(涼香)は苦笑いしながら、スマホを見つめるー。
やがて、由紀子は電話を諦めたのか
再びメッセージを送って来たー
”ちょっと!?無視!?”
とー。
”ごめん、ちょっとのどの調子が悪くて…”
誠太郎(涼香)は、そう返信すると、ため息をつきながら、
誠太郎の部屋を見回してー
”う~ん、汚くはないけど、掃除したい”と、思いながらも
”勝手に安藤くんの部屋をいじるのは、さすがにダメだよね”と、
そのまま寝る支度を始めるのだったー。
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翌朝ー
今日は、土曜日ー
幸い、大学は、休みー。
目を覚ました誠太郎(涼香)は、目を覚ますとほぼ同時に、
自分の胸のあたりを触ったー。
だがー
残念なことに、胸のふくらみを感じることはできなかったー。
そして、ズボンの上から股間を触るー…
「あ~~~~…まだ安藤涼香だ~…」と、
入れ替わり相手の安藤誠太郎と、自分の名前を混ぜて
苦笑いすると、
誠太郎の身体で、涼香は起き上がったー。
正直、”起きたら元に戻っている”と、思っていたけれどー
そんなことはなかったー。
「--ぶつかって入れ替わっちゃったんだからー
ちょっとしたきっかけで戻れると思うんだけどなぁ…」
誠太郎(涼香)は、誠太郎の身体でそう考え込むとー
洗面台で鏡を見つめて「あ…」と、呟くー。
ヒゲー。
涼香にとっては、新鮮な感覚ー。
誠太郎の身体には、ヒゲが生えていたー。
「-そっか…人によっては毎日剃るんだっけ…?」
そう思いながら、誠太郎のものと思われる髭剃りを手にするー
「----…」
「-----…」
「------…」
誠太郎(涼香)は、しばらく髭剃りを見つめると
”ただあてるだけでいいんだよね…?”と、首を傾げながら
しばらく髭剃りとにらめっこを続けたー。
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誠太郎(涼香)は、マスクをした状態で、
涼香の家に向かっていたー。
”土曜日にお出かけなんて珍しくない?”と母親に言われたが
「--ゲーム、買おうかなって!」と言い返したところ、
”いつも密林さんで買ってるでしょ?”と、返されてしまったー。
だが、なんとか誤魔化して
涼香の家に向かうー。
涼香になった誠太郎とのやり取りが、昨日の夜から途絶えているのも
心配だったし、
涼香(誠太郎)が、ちゃんと生活出来ているかどうかも気になるー。
それにー
涼香は一人暮らしだから、涼香の家に行けば、
存分に”色々と元に戻ることのできる可能性”を確かめることが出来るし、
話し合いも出来るー。
昨日は、大学での入れ替わりだったし、
時間ももう遅かったから、何もすることが出来なかったけれど、
今日は土曜日で、まだお昼前だから、
たっぷりと、時間は、あるー。
♪~~~
涼香の家に到着すると、誠太郎(涼香)は
インターホンを鳴らしたー。
「----」
「----」
だが、返事はないー。
「----…?」
一瞬、誠太郎(涼香)は
”わたしの身体でどこかにお出かけかな?”と、首を傾げたが、
中から泣き声のようなものが聞こえてきて、
玄関の扉に手を掛けたー。
昨日、入れ替わった直後に、普段から持ち歩いている合鍵を
自分用にも持っていたため、玄関のカギを開けて、
そのまま中に入るとー
そこにはー
お漏らしをしたまま、座り込んでいる涼香(誠太郎)の姿があったー
「え…臭っ…」
思わず鼻をつまむ誠太郎(涼香)-。
「--…ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…」
涼香(誠太郎)はー
昨日、大学にいた時の服装のままー
お漏らししたままー
まるで子供のように泣きじゃくっていたー
「ちょ…ちょっと!?何があったの!?」
誠太郎(涼香)が言うと、
涼香(誠太郎)は「ふ、、藤崎さんの…身体でトイレに行くなんて…
僕…僕…」と、答えたー。
誠太郎(涼香)は、「ーーど、どういうこと!?」と戸惑いながら答えるー。
お漏らしした水たまりの上に座り込んで泣いている
”自分”の姿を見るなんてー、と
奇妙な気持ちになりながら、涼香(誠太郎)の話を聞く誠太郎(涼香)-
聞けば、涼香の身体に触れたり、涼香の部屋を見たりー
涼香の身体でトイレに行ったり、するのが、申し訳なくて
何もできず、どうしようと考えていたら、トイレにも行けずに
漏らしてしまったのだと言うー。
「女の子のスカート触ったり、トイレしたり…
そんなことしたら、藤崎さんが…」
「--ーーいいから!」
誠太郎(涼香)が少しだけ声を荒げたー。
「--トイレも行っていいし、お風呂も入っていいし、
着替えてもいいからー!」
誠太郎(涼香)が、少し悲しそうに涼香(誠太郎)の方を見つめるー。
「---でも…でも…裸とか、着替えとか…
そんな、、そんなエッチなことしちゃうのは…申し訳ないよ」
涼香(誠太郎)の弱弱しい返事に、
誠太郎(涼香)は首を振ったー。
「--安藤くん…こんな風にお漏らしされてるほうが、
わたし、悲しいよ…
普通にトイレも行って、お風呂も入って、着替えてー…
ね?
わたしだって、安藤くんの身体で、トイレに行ったし、
お風呂も入ったし、着替えもしたー。
その…身体とかも全部見ちゃったけど…
こんな状況なんだから、それはお互い様…
見ないように、なんてしてたら、生活もできなくなっちゃうでしょ…?」
誠太郎(涼香)の言葉に、涼香(誠太郎)はー
「--エッチなことは悪いことだって…ずっと…そう思って
生きてきたからー」
と、歯軋りしながら答えるー。
誠太郎(涼香)は
”安藤くんは、本当に女子がニガテなんだね…”と、心の中で
思いながら
「--…それはもちろん、下心があって、悪いことしたり、
覗きとか、そういうのはダメだけど…
女の人と関わること自体が、エッチとか、悪い、とか、
そういうのじゃないんだよ?」と、
少し優しい口調で呟くー。
「---…分かってる…でも…僕…申し訳なくてー…
僕なんかが、藤崎さんの身体でお風呂に入ったりー…
そういうのは…
それに、僕…その…女の人の身体とか…
直視できないと思う…」
涼香(誠太郎)がそこまで言うと、
「-トイレも、お風呂も、着替えも、わたしの身体を見ちゃうこともー
全部大丈夫!わたしが許可する!」
と、誠太郎(涼香)が言ったー。
「--え…」
涼香(誠太郎)が戸惑っているのを見て、
「--安藤くんが、悪い子じゃないってことは分かってるから、
大丈夫!
わたしが許可してるんだから、お風呂もトイレも、着替えも、
ふつうにして!
部屋も見ていいし、服も身体も触って大丈夫ー
というか、むしろ、着替えもせず、お風呂も入らず、
トイレも行かずお漏らしとか…
そっちの方がダメ!」
と、まるでお姉ちゃんかのように言い放ったー。
「---うん…」
涼香(誠太郎)は頷くー。
「--ふぅ…」
誠太郎(涼香)はため息をつくとー
”元に戻る方法”って思ったけどー、
と、呟いてからー
「まずは…わたしの身体を洗ってー…
それから、トイレとか、着替えとか、色々教えておかないとダメかな!」
と、付け加えたー。
「---迷惑ばっかりかけて…ごめん」
涼香(誠太郎)がしょんぼりしながら言うと、
誠太郎(涼香)は少しだけ笑ってからー
マスクを外したー
「--だいじょうぶ…わたしもホラ…うまくいかないー」
誠太郎(涼香)は、
苦笑いしながら、口元やヒゲがあった部分を指さしたー。
髭剃りを適当に、あてたところー
上手く剃ることが出来ずに、ヒゲのあった場所から
軽く出血したり、全体的に赤くしてしまったのだったー
「---……な、なんだよその顔…」
ヒゲがあった部分が赤くなっているのを見て
涼香(誠太郎)は笑うー。
誠太郎(涼香)は
「急に他の人と入れ替わってうまくいかないのは
わたしだって、同じー
だから、お互い様!
ほら、いつまでもお漏らししたままじゃダメでしょ?
まず、そうね…お風呂から!」
と、涼香(誠太郎)をお風呂の方に連れて行くのだったー。
④へ続く
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コメント
入れ替わり後の戸惑いを中心に描いた③でした~!
2人は上手く元に戻ることが出来るのかどうかも含めて、
次回もぜひお楽しみくださいネ~!
今日もありがとうございました~!