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女子大生・綾野 麻帆(あやの まほ)は、

玄関の前に立つと、「ただいま~!」と笑顔で微笑んだー。


「あ、麻帆ちゃん!おかえりなさい!」

アパートの一室にはー、

麻帆を出迎える、可愛らしい子がいたー。


彼女は”家族”ではないー

けれど、色々あって、今は、同居しているー。


麻帆は、楽しそうにその子と雑談しながら、

大学から持ち帰ったプリントなどを自分の机に置くー


その様子を、麻帆と同居している女性は

穏やかな笑みを浮かべながら、見つめていたー


麻帆のほうをじーっと見つめる女性ー。


麻帆は、気づいていなかったー。

同居人の女性の、麻帆を見つめる瞳ー。

その瞳には”狂気”が浮かび上がっていたことにー。


・・・・・・・・・・・・・・・・


麻帆と同居人の女性が

一緒に暮らすことになった”きっかけ”は、

大学に入学してしばらく経ってからのことだったー。


麻帆はー大学生活が始まることを機に、

実家を離れて一人暮らしを始めていたー


期待に胸を膨らませながら、

新生活を始めたはずの麻帆ー


しかし、そんな麻帆はすぐに”問題”に直面したー。


”ホームシック”-

まさか、自分がなるとは思わなかったー。

当時の麻帆は、大学から帰宅しては、ため息をつくー

そんな日常を送っていたー。


家族との関係がとても良好だった麻帆は、

両親、そして弟と、とても仲良しで、

いつも笑顔が絶えない楽しい家庭だったー。


けれどー。

麻帆は、どうしても行きたい大学があったし、

”将来のために”と、寂しい気持ちを押し切って

こうして、一人暮らしを始めたのだったー。


その結果が、ホームシック…だ。


大学でも、あまり友達が出来ず、

彼氏も出来ず、うまく周囲に馴染めずにいた麻帆ー。

本来は”明るい”性格であることから、

いじめられたりすることはなかったが、”周囲と打ち解けることができない”

という事実は、麻帆の”孤独感”をさらに強めたー。


理由はー

”高校時代のとある事件”がきっかけだったー。


高校時代、麻帆は”家計を助けるために”と

書店でアルバイトをしていたー。

”事件”は、そのアルバイト絡みで起きた。


その書店で後からアルバイトとして働き始めた別の高校の男子高校生ー

下園 鷹雄(しもぞの たかお)という男からの

”ストーカー被害”だー。

鷹雄は、とても素直な男子生徒で、先に書店でバイトを始めていた麻帆は

”教育担当”のような形で、親身になって鷹雄に仕事を教えたり、

時には鷹雄のミスをフォローしたり、親切に接していたー。


別に、何か目的があったわけではなくー

ただ単に”バイト先の先輩”としての、優しさだったー。


だがー。

鷹雄は勘違いしてしまったー。

”恋愛経験なしの男子校に通う男子高校生”であった鷹雄は

”バイト先の先輩としての親切”を好意を、”恋愛感情”を勘違いしてしまったー。


鷹雄は、麻帆に告白したー。

麻帆は丁寧に鷹雄の告白を断ったー。


けれど、鷹雄はそれを受け入れらず”ストーカー”と化したー


麻帆の通う学校にまで待ち伏せするようになった鷹雄ー。

さらにエスカレートした鷹雄は、麻帆の腕を掴んで、

麻帆を襲おうとしたー。

悲鳴を上げながら麻帆はその場から逃げたー。


泣きながら、麻帆は、両親や学校、バイト先に相談しー、

最終的に鷹雄は、鷹雄が通う男子校と、麻帆が通う高校から

厳重注意を受けたー。

麻帆は、それがきっかけで大好きな書店を辞めるはめになったものの、

”ストーカー”被害は、鷹雄もそれ以降は姿を現さなくなり、

この”事件”は終結したー。


だが、その件がきっかけで、麻帆は人づきあいがニガテになってしまったー。

本当に怖かったー。

特に、男性に対しては、今でも強い恐怖心を抱いているー。


けれどー

そんな麻帆にも、転機が訪れたー。


立花 千鶴(たちばな ちづる)ー

大学で初めて麻帆と”意気投合”した親友だー。

現在、麻帆と一緒に暮らしている子は、

この千鶴という子だー。


一人、大学の敷地内の自動販売機の前のベンチで、

噴水を眺めながら、ぼーっとお昼ご飯を食べていた際に

千鶴から話しかけてきてくれたのが、”きっかけ”-


それから、何かと千鶴と話す機会が増えー

今では”大の親友”とも言える間柄だったー。


大学で一緒に行動する時間が増えー

プライベートでも遊んだり、連絡する時間が増えー


大学に入学してから半年が経過したころにはー

ホームシックのことを忘れるぐらいに、

大の仲良しになっていたー。


そんなある日ー。


「--麻帆ちゃん、寂しかったら、わたしと一緒に暮らそうよ!

 麻帆ちゃんと一緒なら、毎日が本当に楽しいと思うの!」


千鶴が、そう提案したー。


勿論、いきなりの提案に、迷いはしたー。

けれどー。

千鶴は本当に良い子だったし、

麻帆自身も、千鶴と一緒にいると、楽しいと感じるしー

断る理由もなかったー。


「--うん!わたしも、千鶴と一緒に暮らしたい!」


それがー

麻帆と千鶴の”同居”のはじまりでありー、


そして”狂気の世界”に足を踏み入れてしまった瞬間だったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーそろそろわたし、お風呂に入ろうかな~

 あ、千鶴が先に入るなら、それでもいいけど」


麻帆が言うと、千鶴は「ううん。麻帆ちゃんが先でいいよ」と、

穏やかな笑みを浮かべたー。


その言葉に、麻帆は頷くと「お先に~」と、お風呂の方に向かうー。


そんな麻帆の後ろ姿を見ながら、

千鶴は無気味な笑みを浮かべたー


「--君と一緒に暮らせてー

 僕…嬉しいよ…ぐふふふふふふ」

千鶴の表情が歪むー。


麻帆は、知らないー。

立花 千鶴はーーー

”下園 鷹雄”が女体化した姿であることをー。


「---ふひ…ひひひひひ」

千鶴は、お風呂にこっそりセットしたカメラで、

身体を洗う麻帆の映像を録画していたー


「うふふふふふ…♡ ふふふふふふふ♡」

涎を垂らしながら、千鶴がその映像を見つめるー。


仮にバレたとしてもー

”この姿”なら、麻帆に拒絶されることはないー。


「---神様が、僕に麻帆ちゃんに近づくチャンスを

 与えてくれたんだー」


はぁはぁ…♡と、顔を真っ赤にしながら呟く千鶴ー。


高校時代ー

下園 鷹雄は”恋”をしたー。

バイト先の先輩であった麻帆に恋をしたのだー


だが、鷹雄は麻帆に振られてしまったー


”あんなに優しくしてくれたのに、どうしてー?”

と、何度も何度も、自問自答を繰り返したー


ストーカー行為を繰り返すうちに、

”男の人がこわい…”と、麻帆に泣かれてしまったー


やがて大問題に発展ー。

学校も退学になりー

バイトも辞めてー

自暴自棄になった鷹雄はー

”どうせ僕なんて”と、考えるようになりー

両親の制止を振り切って

ネットで見つけた”怪しげな治験”に

日常的に参加するようになったー。


単純に”楽してお金がもらえる”と考えたからだー。

”どうせ僕なんて”と考えていた鷹雄にとって

”治験による副作用”が万が一起きても

どうでもいいと思っていたー。


そんな生活を続けていたある日ー

鷹雄は”とある薬の治験”で、重大な副作用が出てしまったのだー


それがー

”女体化”-

飲んでから数時間後に激しい嘔吐に襲われて、

気を失いー

気付いたときには”女”になっていたのだー。


その薬の治験を行っていた会社は

緊急の事例として、入院を鷹雄に勧めたが、

鷹雄はそのまま脱走、家族の前からも姿を消しー

”立花 千鶴”という偽名を手に入れてー

完全に”女”になることに成功したー。


女になった鷹雄ー

”立花 千鶴”の目的は、ただひとつー。


”麻帆ちゃんに近づく”ことー。


”男の人がこわい”

ストーカー行為を繰り返した末に、

最後に麻帆に言われた言葉が、鷹雄の中で

今も繰り返し再生されているー。


「--ふふふふふ」

女体化した鷹雄=千鶴は指を咥えながら、

ニヤニヤと笑みを浮かべたー。


「-ーー今は”女の子同士”だもんね?

 ずーっと、ずっと、いっしょだよ?

 麻帆ちゃんー」


千鶴は、自分の唾液で汚れた指を口から出すとー

麻帆のお風呂を”盗撮”映像に向かって

その唾液をイヤらしい手つきで塗りつけたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・


千鶴の目的は、

あくまでも”麻帆”と一緒にいることー


麻帆が”気づかなければ”-

それが本当の意味で幸せなことかどうかは

別としてもー

”麻帆と千鶴の日常”は、守られたかもしれないー。


だがー

その、歯車が狂い始めたー。


ある日のことー。

大学内の集まりに一緒に参加した際にー

少し前に成人したばかりの麻帆と千鶴はー

少し”お酒”を飲んだー


”酔わない程度に”したつもりだったがー

千鶴は思いのほか酔ってしまいー、

麻帆が、他の参加者に断ったうえで、

途中で千鶴を連れて、その会場を抜け出したー。


なんとか家に帰宅した麻帆ー。


千鶴をソファーに座らせて、

麻帆が「大丈夫?」と不安そうにしながら、

千鶴に水を持って行ったその時だったー。


「--えへへへ…”僕”はだいじょうぶだよ」

千鶴はニヤニヤしながら、水を麻帆から受け取って、

それを飲み始めたー。


麻帆は”僕?”と思いながらも、

「--千鶴ってば、すぐ酔っちゃうみたいだから

 これから気を付けないとね!」と、千鶴に向かって

言いながら、笑みをこぼしたー。


水を飲み終えた千鶴は、麻帆の方を見てー

「-ちづる?えへへへ…僕は鷹雄だよぉ♡」と、

呂律の回らない口調で呟いたー


下園 鷹雄ー。


麻帆が、その名を忘れることはないー。

高校時代のバイト先の後輩で、ストーカーと化した男子ー。


その”出来事”は、千鶴にも話したことがあるー。

麻帆は少しムッとしてー

「そういう冗談はだめだよ?」と、千鶴に言い放ったー。


千鶴が、麻帆のトラウマを揶揄っているのだと思ったからだー


「--僕、こうして麻帆ちゃんといっしょに暮らせて最高だよ!」

千鶴が立ち上がると、突然麻帆にキスをしたー


「ち、、千鶴?」

麻帆が戸惑いながら、千鶴の方を見つめるー


「--いいじゃん”今は”女の子同士なんだから!」

千鶴が、はぁはぁと言いながら、麻帆に無理やり、

何度も何度もキスを繰り返すー。


「ちょっと!やめて!」

麻帆が、千鶴を押しのけると、

千鶴は「ーーすごいだろ?僕、女の子になったんだ…!

名前も変えて、今じゃ麻帆ちゃんの親友だー」と、

ニヤニヤしながら呟くー。


「--女体化って最高だなぁ!あはははは♡」

独り言をつぶやき始める千鶴ー。


やがてー千鶴は

そのまま、独り言をいくつか呟いてー

眠りに落ちたー


「--な、、なんなの…?」

麻帆は戸惑うー


千鶴はー

完全に酔いつぶれているー

それだけならいいー


でもー


”僕は鷹雄”

”女体化”

そんな、キーワードに麻帆は”強い不安”を感じたー。


・・・・・・・・・・・・・・


翌日ー


「昨日はごめんね…

 まだ、どのぐらいで酔うか分からなくて」

千鶴が、ソファーでぐったりしながら呟くー。


「--ううん。大丈夫ー

 それより…昨日、家に帰って来たあとのこと、覚えてる?」

麻帆が不安そうに呟くと、千鶴は「ごめん!記憶にないや!」と

笑みを浮かべたー。


千鶴はー

”本当に、覚えていないー”

酔って、自分が”下園 鷹雄”として、麻帆に迫ったことを、

覚えていないー。


「---……そう」

麻帆は、そう呟きながらー

”僕は鷹雄だ、って言ってたけどー?”と、

聞こうとしたがー

聞くことはできなかったー。


「---あ、お水入れて来る」

麻帆が水道の方に向かうー。


それを見て、千鶴は笑みを浮かべたー


”麻帆ちゃんにこんな心配してもらえるなんて…

 へへ、女体化してよかったぁ…”


イヤらしい目つきで麻帆の行動を見つめる千鶴ー


千鶴に背を向けながら、水をコップに入れている麻帆は

”イヤらしい視線”を感じて、ゾクッと、恐怖を感じるのだったー



②へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


このネタを、憑依でやるか女体化でやるか、皮でやるか

とても迷ったのですが、

他作品とのジャンルの兼ね合いで女体化になりました!


憑依も皮も、

今回候補に挙がらなかったジャンルも

まだまだ別ネタが色々浮かんでいるので、

楽しみにしていてくださいネ~!


お読み下さり、ありがとうございました!!

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