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”佐々木さんを助ける方法…”

美姫は、それを考えながら、歩いていたー。


仕事を終えて、

美姫を匿ってくれている親友・日花里の家に帰宅する最中だー。


隣人の佐々木家の

長女・麻奈と、長男・誠司ー、

そして母親である静江の3人が憑依されてしまっている状況ー。


美姫が一人暮らしを始めてから、何かと親切にしてくれていた

佐々木家の人間たちが、あんな風に弄ばれている現状に

美姫は激しい怒りを感じていたー


”証拠”がない以上、警察に助けを求めても、良い結果にならないのは

安易に想像できるー。


なんとかしてーー

何とかして、証拠を手に入れるか、あるいは佐々木家を

直接助け出す方法を見つけないといけないー


そんな風に思いながら、美姫は日花里の家に到着したー。


「--ただいま」

美姫が言うと、家の中にいた日花里が美姫を出迎えたー。


日花里がクスッと笑うー。

よく見ると、日花里の髪が乱れていて、着ている服も

なんだか乱れているー。


「ー日花里?どうかした?」

少し違和感を感じた美姫は、日花里に対してそう声を掛けたー。


するとー

日花里は口元を歪めて、こう言い放ったー。


「--美姫、今すぐ佐々木さんの家に、行こっ」

とー。


「--え?ど、どういうこと?

 も、もう夜だよ?」

美姫が戸惑いながら日花里の方を見つめると、

「--くくくくくく」と、日花里が笑い始めたー


どことなく顔が紅潮している日花里を見て、

美姫は「ね、、ねぇ、、何かあったの?」と

不安になりながら、日花里の方を見つめたー。


「--うん、あったよ!

 美姫が仕事に行ってる間に、大変なことがね!」

日花里は、狂ったような笑みを浮かべて、

美姫を見つめるー。


「--ど、、どういう…?」


「--今日ね、美姫がいない間に、

 佐々木家の人たちがやってきたの!

 美姫が言ってた”憑依されちゃった三人”が、ね!」


笑いながら言う日花里ー。


「ーーえ…う、、嘘…

 なんでここにわたしがいるって…?


 ひ、、日花里、何かされたの!?」


美姫が、激しく動揺しながら

そう叫ぶと、日花里は嬉しそうに叫んだー


「-わたし~~~、美姫のせいで

 乗っ取られちゃったぁ~~~♡


 心も、身体も~~!ぜんぶぅ~~~!」


とー。


「---え……」

美姫は思わず言葉を失ってしまうー


「--お前が、親友を頼って匿ってもらったりするから、

 この女、乗っ取られちゃったんだぜ~?」

日花里が、両手で自分の胸を触りながら笑うー


「--う、、嘘…?じょ、冗談はやめてよ日花里!

 そういう冗談、面白くないよ!?」

美姫は泣き叫びたくなるのを必死にこらえながら日花里を見つめたー


「へへへ…残念

 冗談じゃねぇよ

 この女はもう、俺のものだー


 心も、身体もなー。


 お前のせいだぜ?

 お前が、この女の家に来たから、

 この女は巻き込まれたんだ」


日花里の言葉に、

絶望しながら膝をつく美姫ー


「そ…んな…

 お願い…ひ、、日花里を返して…」

美姫が放心状態で日花里の方を見つめると、

日花里はニヤリと笑みを浮かべたー。


美姫が留守にしている間にー

親友の日花里は、佐々木家の長男・誠司に憑依していた

茶髪の男に憑依されて、乗っ取られてしまったのだったー。


「--美姫のせいで、わたし、乗っ取られちゃった」

頬を膨らませながら、美姫を睨みつける日花里ー


「-美姫がわたしの家に来なかったら、

 わたし、こんな目に遭わなくて済んだのにー…


 美姫のせいよ…!

 美姫のせいで、わたしの人生、台無し!」


日花里が、美姫を睨みつけながら言うー。


”日花里に憑依している男が、日花里の口調を真似て言わせている”

だけなのは、分かっているー


けれどー

それでもー

”日花里に言われているような気がして”

美姫の心は、粉々に砕けたー。


美姫の心を打ち砕くにはー

”十分すぎる”悪意に満ちた”攻撃”だったー。


「--う…う、、ごめん…ごめんなさい…

 日花里…ごめん…許して」

美姫が泣きながらその場に崩れ落ちるー。


「--許さない…

 わたし、美姫を、ううん…あんたを一生恨み続けるー」


日花里はそう言いながら、邪悪な笑みを浮かべたー


日花里本人がどう思っているかなんて、関係ないー。


「--あんたなんて、友達じゃないー」

悪魔のような言葉を囁く日花里ー


美姫は、日花里に言われているような気がして、

涙をボタボタと流したー


日花里を巻き込んでしまったのは、事実なのだからー。


「---ねぇ、美姫ー

 わたしを助けたいでしょ?」

日花里が、クスクス笑いながら美姫を見るー

美姫は泣きながら日花里の方を見つめるー。


「--だったら、今すぐ一緒に、佐々木家の家に

 行きましょ?」

日花里の邪悪な笑みー


”行けば”何をされるか分からないー。


けれどー


「--お願い美姫…わたしを助けて」

日花里の嘆願するような言葉ー


「ーーー大人しくついてくりゃ、この女だけは助けてやるー。

 いいから黙って俺の言う通りにするんだよ」

日花里が脅すような口調で囁くー

美姫は、震えながらー

乗っ取られた日花里の言葉に従うしかなかったー…。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


抵抗することもできず、佐々木家に連れてこられた美姫ー


「--へへへ お・か・え・り」

佐々木家の長女・麻奈が、バニーガールの姿で、

美姫を出迎えるー


「……もう、、やめて…みんなの身体…返してあげて」

美姫がその場に泣き崩れるー。

そんな美姫に対して、容赦なく親友の日花里が蹴りを加えたー


「-メソメソしてんじゃねぇよ!面倒くせぇ女だな!」

日花里とは思えないような狂暴な声に、

美姫は思わず悲鳴を上げてしまうー。


「--おいおい やめとけって」

全裸の母親・静江が笑うー。

静江に憑依している金髪の男は、いつも自宅では

服を着ずに過ごしていて、

静江の身体を乗っ取ったあとは、静江の身体で

”いつも通り”過ごしているー。


「-そうだよ。”その身体”貰うんだから、あんまり傷つけるなよ」

麻奈がイスに座って足を組むと、煙草を吸い始めたー。


「--ちょっと!」

美姫が泣きながら叫ぶー。


「麻奈ちゃんは、まだ高校生なのよ!やめなさいよ!」

とー。


「--自分が自分の身体で何しようと、勝手でしょ?

 美姫さん♡ ふふ」

麻奈がバカにしたような笑みを浮かべるー


「あ、そうそう、わたし、高校も退学したから。

 昨日、退学届け出してきちゃった!あはは」


麻奈の言葉に、美姫は歯ぎしりしながらー

「他人の人生を弄んで…!許せない!」

と、怒りの形相で叫んだー。


「---」

そしてー

美姫は、ある異変にも気づいていたー。


佐々木家の長男・誠司と、

佐々木家の父親・大輔の姿が見えないことにも

違和感を感じていたのだー。


「--…ちょっと…この家のお父さんと誠司くんは!?」

美姫が言うと、

日花里が、美姫の目の前でヤンキー座りをしながら

笑みを浮かべたー。


「--”取引”だー。

 お前の身体と、お前の親友の身体の交換ー」

日花里の言葉に、美姫は

「話をそらさないで」と、日花里を睨みつけるー。


「---お前が身体を俺たちに差し出せば、

 お前の大事なこの女は解放してやるー。


 この女には婚約者もいるもんなぁ?

 さぁ、どうするー

 自分を守るか、”わたし”を助けるか?

 ふふふ」


日花里の言葉に、

「佐々木さんのお父さんと、誠司くんはどこにいるの!!!!!」

と、美姫は叫んだー


「-ーうるせぇんだよ このクソが!」

日花里はそう叫ぶと、美姫が喋れないように、乱暴に

美姫にキスをし始めたー


「むぐっ、、ぐ、、ぅ」

美姫が必死に拒もうとするー。

しかし、日花里は狂ったように美姫にキスをし続けるー。


親友の日花里と、こんな風にキスをさせられることになるなんてー。


日花里にキスをされた状態のまま、

美姫は、佐々木家の長女・麻奈の言葉を聞かされるー


「--お父さんとお兄ちゃんは”逃げた”よー」

とー。


「---ぅ、、ぅ、、ぅ」

日花里に舌を絡められた状態で、もがく美姫ー


「-”取引”したのー。

 ”わたしたちのことを諦める”代わりに、

 逃がしてやるってー。


 そしたらお父さんもお兄ちゃんも、

 逃げていっちゃったー」


麻奈が嬉しそうに笑うー。


「-わたし、お父さんとお兄ちゃんに見捨てられちゃったなぁ~

 でも、、”新しい佐々木家”に男なんていらないし、

 ちょうどよかった」


麻奈の言葉に、

美姫は日花里をなんとか押しのけて

「そんなことない!」

と、泣き叫ぶー。


「-そんなことあるのよ~」

静江が笑うー。


「--人間なんて、そんなものー

 極限まで”恐怖”を与えてやればー

 大事なものだって、見捨てて逃げ出すの」

静江は裸のままクスクスと笑うー。


「--ふふふ

 俺たちはさぁ、乗っ取った身体で”新しい佐々木家”を作るんだー

 毎日毎日エロイ女の身体でエロ三昧の生活をここでするんだよ!

 ひひひひひ

 はははははははははっ♡」


日花里が狂ったように笑うー。


「ひ、、日花里…目を覚まして…!

 亮平さんと結婚するんでしょ!?日花里!」

美姫は泣きながら日花里に呼びかけるー


「結婚~~~~~?

 わたし、そんなことよりもっと楽しいこと見つけたの~~~♡


 男の人に身体を乗っ取られて、

 エッチな女にされちゃうほうが、結婚なんかより、

 何百倍も楽しいもの…♡


 ふふふふっ、うふふふふふふふ


 婚約は破棄しちゃお~っと!」


日花里の言葉に、美姫は「日花里!!お願い!日花里!」と

日花里にしがみつくー


「--ふふ あんたが巻き込んだのよ?美姫ー。

 あんたがわたしの家に逃げて来るから

 こうやって、わたし、憑依されちゃったの」

日花里が微笑むー。


「--やめて…日花里の真似するの、やめて…」

美姫がボタボタと目から涙をこぼすー。


「--美姫ってば酷いよね~

 美姫のせいで、わたし、これから身体を好き放題されちゃうの♡

 大好きな彼氏も裏切らされてー、

 知らない男の人に、身体を好き放題乗っ取られちゃうの♡


 美姫のせい!

 美姫のせい!

 美姫のせい!

 美姫のせい!

 あっは、、はははははははは!」


泣き崩れる美姫ー。


日花里は両手を叩いて、にっこりとほほ笑むー


「でもね、美姫ー

 わたしを助ける方法があるんだよ?


 あんたがわたしの身代わりになるの。

 そうすれば、わたしは解放されるー」


美姫は、震えながら、日花里を見つめるー


「--でも…わたし…」


「---わたしを見捨てるの?美姫。

 わたしを巻き込んでおいて、見捨てるの?

 わたしたち、親友なんでしょ?」

日花里の言葉に、

美姫は「もう真似するのやめてよ!」と、泣き叫ぶー


「-真似?わたしは日花里だよ♡

 美姫、助けてくれるよね?

 このままわたしが、エッチな”おもちゃ”にされちゃうのを

 見捨てたり、しないよね?」


日花里が笑うー。

佐々木家の長女・麻奈と母・静江も笑いながら

その様子を見つめているー。


「---……」

美姫は目に涙を溜めながら、日花里の方を見つめるー。


「日花里を解放してくれるって、保証はあるの?」

美姫が怒りの形相で日花里を見つめると、

「約束はするさ」と、麻奈が口を挟んだー。


「--本当に?」

美姫が言うー。


「--本当さ。約束は絶対に守る」

麻奈が腕を組みながら笑うー。


バニーガール姿の麻奈と、

全裸の静江とー

ニヤニヤしながら美姫を見つめる日花里を前に、

美姫は意を決して口を開いたー


「---……わかったーー

 でもーーー

 ”先に日花里”を解放してー」


美姫は、震えながら、そう言い放ったー。

”自分が身代わりになる”なんて、怖いに決まっているー


けれどー、

美姫には、日花里を見捨てることはできなかったー。


「---ーーーいいだろう」

日花里はそう呟くと、美姫の前から離れて、

「--この女を解放してやるー」と、呟くと、

日花里が「ぁ…」と、声をあげてその場に倒れ込みー

中から、日花里に憑依していた茶髪の男が姿を現したー。



⑤へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


次回が最終回デス~!

お読み下さりありがとうございました!!


ちなみに今、連載中の

別作品、「超能力に目覚めた彼氏」は忘れているわけではないので

安心してくださいネ~!

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