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「---くくくくくく…」

手を握ったり、開いたりしながら、綺麗なその手を

まるで撫でまわすかのように見つめるー。


「--綺麗なこの手がー

 どんどん汚れていくー。

 これが、芸術だー」


ゾクゾクしながら、凶悪犯・黒崎陣矢は、

自分が着こんでいる女子大生・鈴の手を

見つめながら、笑みを浮かべるー


ペロリと指を舐める鈴ー。

皮にされて、黒崎陣矢に乗っ取られた彼女は、

完全に身も心も、全てを支配されているー。


「---黒崎」

背後から、”黒幕”である泉谷が姿を現すー


「へへへ…」

指をしゃぶったまま振り返る鈴ー。


「-お前に、頼みたいことがある」

泉谷が、静かに耳打ちをすると、

鈴は「--もし、あの野郎が死んでも構わねぇんだな?」と

笑みを浮かべたー。


「--あぁ、構わん」

泉谷がそう呟くと、鈴は、ニヤリと笑みを浮かべながら、

そのままアジトにしている廃工場の外へと歩いていくー。


一人残された泉谷は空を見上げるー。


「ーー準備は整ったー」


”モルティング対策班”に、かつて”先生”として

中学校の教師をしていたころの教え子・治夫が加わったと知った泉谷は、

治夫を”仲間”に引き入れることを画策していたー


先日、モルティングのひとり・臼井隼人を使って

警察へのバッシング騒動を引き起こさせたのも、そのためー。


泉谷の”予想通り”

警察は、”剛”を使って、その件を処理したー。

治夫も、目黒警視正らが強引な手であの件を処理したことには

気づいているはずだー。


「--”深淵”は我々じゃないー

 警察こそ、深淵なのだー」


治夫の恩師・泉谷聖一は、静かにそう呟いたー。


・・・・・・・・・・・・・・


登場人物


長瀬 治夫(ながせ はるお)

若き警察官。”皮”にまつわる事件に巻き込まれていく


松永 亜香里(まつなが あかり)

治夫の彼女。現在同居中。


長瀬 聡美(ながせ さとみ)

治夫の妹。亜香里に激しいライバル心を燃やしている。


目黒 圭吾(めぐろ けいご)

警視正。計算高い性格の持ち主で、出世欲も強い。


矢神 明信 / 堂林 幸成 / 三枝 真綾 / 剛

目黒警視正率いる「モルティング対策班」のメンバー。


黒崎 陣矢(くろさき じんや)

指名手配中の凶悪犯罪者。”モルティング”のひとり。


臼井 隼人/中曽根 佳純

”人を皮にする凶悪犯”通称・モルティングたち。


泉谷 聖一(いずみや せいいち)

治夫の中学時代の恩師。モルティングたちに”皮にする力”を与えた黒幕。


・・・・・・・・・・・・・・


「-------」

治夫が、チャーハンを口に運ぶー。


その様子を、同居している彼女の亜香里が見つめているー。


「-------」

治夫は、隣にあるチャーハンを口に運ぶー。


その様子を、今度は、しばらくの間、兄である治夫の家に

遊びに来ている妹の聡美が見つめるー。


「---------」

二つ並んだチャーハンを食べる治夫ー。


「---どう?美味しい?」

亜香里が微笑むー。

亜香里が、仕事帰りの治夫のためにと、作っておいてくれた

チャーハンだったー。


「-ーーお兄ちゃん!美味しい?」

妹の聡美も微笑むー。


治夫は、チャーハンを飲み込むと、聡美と亜香里の方を見て叫んだー。


「--ってか、なんでふたつ!?!?

 なんでチャーハンがふたるあるんだよ!?」

治夫が困惑しながら言うと、

妹の聡美が答えたー。


「亜香里さんがね、お兄ちゃんのために料理するっていうから

 わたしも負けてられないって思って!」

ウィンクする聡美ー。


「--ーーわたしは止めたんだけど…」

彼女の亜香里が苦笑いしながら言うー。


「--で、どっちがおいしい~~?」

聡美がニコニコしながら言うー。

妹の聡美は、とにかく”お兄ちゃん大好き”な子で、

兄・治夫の彼女である亜香里に一方的にライバル心を

抱いているー。


「---ど、どっちも美味しいよ!それぞれ個性があって」

治夫がそう言うと、

聡美が、治夫に、ズイッと顔を近づけて治夫をみつめたー


「”どっちも”は、逃げの答えだよ!」

とー。


「--ひっ!? だ、、だってどっちも…!?」

治夫が聡美を見ながら、視線で亜香里に助けを求めるー。


けれどー

亜香里も答えを聞きたそうな顔をしていて、

治夫は、助け船は期待できない、と、そう悟ったー


♪~~~


インターホンが鳴るー


”誰だか知らないけどありがとう!”

治夫はそう思いながら、玄関の方に向かうー。


”モルティング”の件もあるためー

警戒しながら外を確認すると、

同じモルティング対策班の矢神明信の姿が見えたー


アウトロー風の刑事ー。


「-どうか、されましたか?」

治夫が玄関の扉を開けると、明信は、何やらケーキの箱を

治夫に手渡したー


「--へ?」

治夫が戸惑っていると、ガムを噛みながら

「この前はつまらない話を聞かせちまったからなー。」

 そのお礼だ 妹さんと彼女さんがいるんだろー

 みんなで食ってくれ」

と、明信がつけ加えたー。


先日ー

墓参りで偶然、明信と出くわした際に、

明信の家族は、”人を皮にする犯罪者・モルティング”のひとりである

天才詐欺師・臼井隼人によって、殺されていた過去を知ったー


「--聞いてくれて、ありがとな」

明信は、それだけ言うと、”まぁ、せいぜい足を引っ張るなよ”と、

いつものような皮肉を口にして、立ち去ろうとしたー。


「--、あ、、あの!」

治夫が叫ぶー。


「--あ?」

明信が、ボサボサ頭を掻きながら振り返ると、

治夫は言ったー


「--せっかくですし、良ければご一緒にどうですか?」

とー。


明信への感謝ー

そしてー”聡美と亜香里に板挟みの修羅場”からの解放ー


その二つの想いで、治夫は明信を家の中に招き入れたー。


「--あれ!?お兄ちゃん、その人だぁれ?」

妹の聡美が言うー。


「--あ、この人は、今一緒に働いている警察の人でー

 ほら、ケーキ持ってきてくれたから!」

治夫が言うと、明信は戸惑いながら「どうも」と頭を下げたー


治夫の彼女・亜香里も明信に頭を下げるー。


聡美は、明信を見て

「ギャルみたいな人に、とても警察の人には見えないおじさん…

 お兄ちゃん、、ホントに警察で働いてるの?」

と、苦笑いしたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


治夫、亜香里、聡美、明信ー

4人は、短い時間ながら、やすらぎのひと時を過ごしたー。


治夫が「車で送りますよ」と、明信に言うと、

そのまま部屋から出て、車の準備を始めるー。


「-----」

明信が、玄関から治夫が出ていくのを確認すると、

亜香里の方を見つめたー。


「---ーーいいもんだな」

明信が呟くー。


「---え?」

亜香里が明信の方を見つめると、明信は

殺された娘のことを思い出しながら

真剣な表情で亜香里を見つめたー。


「--大切な彼氏が、”俺みたいに”ならないようにー

 ちゃんと、あいつの側にいてやるんだぞ」


明信の言葉の意味は、亜香里には分からなかったー。


けれどー

亜香里は明信の瞳がとても悲しそうな輝きを発しているのに

気づいて「--はい」と、微笑んで頭を下げたー。


「--矢神さんって、意外と渋いおじさまって感じ!!

 わたし、ファンになりそう!」

妹の聡美が、笑いながら明信に話しかけるー。


「--な、なんだよファンってー」

明信はボサボサ頭を掻きながら、自由奔放な治夫の妹に

戸惑いの表情を浮かべたー。


そしてー

治夫から呼ばれた明信は、亜香里と聡美に

「急に邪魔して悪かったな」と頭を下げて、

そのまま立ち去って行ったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


車で明信を最寄りの駅まで送った治夫ー。


明信は、車から降りると、

煙草を咥えて治夫の方を見つめたー


「-ーーーお前は俺みたいに、なるんじゃねぇぞ」

明信が言うー。


治夫には、その言葉の意味はよく分かったー。


亜香里や、聡美を失って、

明信のように、復讐に生きる人間になるな、と、

そう明信は警告しているのだー。


「--はい」

治夫は、真剣なまなざしで頷くと、

明信は少しだけ笑って、そのまま駅の改札口の方に姿を消したー。


治夫がホッと、ため息をついて、そのまま

車で家に向かうー


大通りを走る治夫の車ー

その時だったー。


隣に黒い車がやってきてー

治夫の車と並走を始めるー。


「---!?」

治夫はすぐに”意図的に治夫の車と速度を合わせている”ことに気づくー。


横に来た黒い車の窓が開くー


「--ひゃはははははは!長瀬治夫!お前の死に顔を見せてくれよ!」

黒い車を運転しているのはー

凶悪犯・黒崎陣矢に”皮”にされて乗っ取られている女子大生・鈴だったー。


「--黒崎陣矢!」

治夫が叫ぶー。


「--くくくく…今は、”黒崎 鈴”だぜェ!」

乗っ取った女子大生の名前と自分の苗字をくっつけて笑う鈴ー。


鈴の運転する車が、治夫の車にぶつかって来るー。


「くそっ!やめろ!ここは、一般道だぞ!」

治夫が叫ぶー。


だが、鈴はゲラゲラ笑いながら、治夫の車に容赦なくぶつけて来るー。


「ははははは!そんなこと関係ねぇよ!」


治夫は、すぐに周囲を確認するー

幸い、夜遅くであるため、周囲に一般車の数は少なかったー。


「--ククク…お前を殺す瞬間のことを考えるとー

 ゾクゾクするぜ…!


 昨日も、お前を殺すことを考えながら

 この女の身体で抜いちゃったしなぁ!へへへへへぇ!」


笑う鈴ー


治夫は”くそっ!”と思いながら、車にパトランプをつけて、

サイレンを鳴らすー。


そして、急加速して、鈴を振り切ろうとしたー。


「--ひゅう!」

口笛を吹く鈴ー


髪をボサボサにしながら、狂気的な笑みを浮かべた鈴は、車を加速させるー。


”---こっちのルートだな”

鈴は、カーナビを見つめながら無気味に微笑むー


”ま、あの野郎は俺が殺すー。

 どの道、関係ないことだがな”

そう心の中で思いながら、治夫の車に追いつこうと加速する鈴ー


「--おら!!どきやがれ!」

赤信号の横断歩道を、怒鳴り声をあげながら突破する鈴ー


治夫は、黒崎に乗っ取られた鈴の運転を見てー

”一般人が巻き込まれることだけは避けなくては”と、

人通りの少ない道を選んで、黒崎陣矢とカーチェイスを繰り広げるー。


鈴は笑いながら、治夫の車にぶつけようと、加速や減速を繰り返しつつもー

”泉谷”の待つ、廃工場に治夫を誘導していたー


”長瀬治夫を襲撃して、ここにおびき寄せて欲しいー”

泉谷から、そう頼まれたからだー。


”構わねぇけどよー

 おびき寄せる途中で、あの野郎が死んじまっても構わねぇんだな?”


その言葉に、泉谷は確かに頷いたー。


「---死ねぇ!」

鈴が、治夫の車に体当たりを仕掛けるー


だが、治夫は車が事故を起こさないように、

ギリギリのところで、うまく、ハンドルをさばいていたー。


「---しぶといねぇ」

鈴がゲラゲラ笑いながら言うー。


「--その子を解放しろ!」

治夫は、見ず知らずの女子大生・鈴のことを気遣うー


だがー

黒崎陣矢は笑うー。


「--この女は俺の”お気に入りのお洋服”だー。

 飽きるまでは、返さないぜ!」

鈴が、さらに車で体当たりを仕掛けようとした

その時だったー


治夫が急に減速して、急カーブをしたーーー


「---なっ!!?!?」

治夫の車に体当たりするつもりで加速していた鈴の車は

コントロールを失いー

そのまま廃工場の壁に激突ー


車からオイルが漏れだしてー

数秒後に爆破ー

炎上したー。


「--黒崎!」

治夫が、車を止めて、黒崎陣矢に乗っ取られた鈴が

乗っていた車に駆け寄るー。


だがーー


「---ようこそ」

背後から、声がしたー。


治夫がハッとして振り返るとー

そこにはー”モルティング”のひとり、

天才詐欺師・臼井隼人がいたー。


スーツ姿の、黒崎とは異なる”狂気”を感じさせる人物ー。


「--お前…臼井隼人…!」

矢神明信の家族を殺したー

臼井隼人ー


治夫が銃を構えようとするー


しかしー

隼人は笑ったー


「--君とここで争うつもりはないー

 我々の”ボス”が君に会いたがっているー」

臼井隼人の言葉に、治夫は「ボスだと?」と表情を歪めるー。


「--あぁ、そうとも。

 

 君たちモルティング対策班はーー

 ”黒幕”の正体をずっと知りたがっていたはずだー。


 そうだろう?

 悪い話じゃないはずだ」


臼井隼人の言葉に、治夫は”罠か…?”と思いつつも、

銃を握りしめたまま、臼井隼人のあとに続いて、歩き始めたー


そしてーー


「--ーーー」

臼井隼人が立ち止まるー。


奥に座っていた男ー

背中を向けて、座っている男を見てー

治夫は、それだけでも、すぐに”それ”が

誰なのかを理解したー


「い、、、泉谷…先生…?」


治夫が震えながら言うー。

治夫の中学時代の恩師・泉谷 聖一。


その男がー

そこにーーいたー。


イスから立ち上がり、

振り返る泉谷ー。


「--久しぶりだな。長瀬ー」

少し年を取ったー

けれどー

そこにいるのは、紛れもなく治夫の恩師・泉谷聖一だったー。


「-ーい、、泉谷先生…お、、お久しぶりです…」

治夫は、そう言いながらも

”どうしてここに泉谷先生が!?”と、頭をフル回転させながら考えるー


「--泉谷聖一。

 彼が、我々の”ボス”だー。

 我々に、”人を皮にする力”を与えてくれたー」


注射器を手に、天才詐欺師・臼井隼人が笑うー。


「---ボ…ボス…?あなたが…?」

治夫が、”尊敬している恩師”を見つめながら、戸惑いの表情を浮かべるー。


「--そうだー。

 俺が、黒崎陣矢や、そこにいる臼井隼人に

 ”人を皮にする力”を与えたー。」


恩師・泉谷の言葉に、治夫は「どうして!?」と叫ぶー。


「--い、、泉谷先生、あなたが、あなたが、 

 モルティングたちの親玉だって言うならー

 俺は…俺は先生をー」

治夫が銃を泉谷先生に向けるー。


「---!」

近くに立っていた臼井隼人が、それに気づいて治夫に銃を向けるー


「--いい」

泉谷は、隼人に”心配はない”と言うと、

臼井隼人は少しためらってから銃を下ろしたー。


「--ーそれが、お前の信じた道、なんだな?」

泉谷の言葉に、

治夫は「-俺は、人々の暮らしを守ることが、仕事です」

と強い口調で言い返したー


「”自分の信じた道を進め

 信じた道を進めなくなった時、未来への扉は閉ざされる”」


泉谷先生の教えを守ってー

ここに立っているのだと、治夫は言うー。


「---…残念だが、お前の信じた道は、間違っているー」

泉谷はそう言うと、

「今日、お前にここに来てもらったのはー

 お前に”目を覚まして”もらうためだ」

と、付け加えたー。


「--それは、どういうー」

治夫が銃を泉谷に向けながら言うと、泉谷は、

鋭い目つきで治夫を見つめたー


「-お前は”駒”だー

 目黒警視正のー。」


泉谷の言葉に、治夫は銃を向けたまま、話の続きを待つー。


「--お前は操られているー

 目黒警視正にー


 いいや、もっと言うならば

 目黒警視正に指示を下しているやつにー。


 いいか長瀬、お前のしていることは正義じゃない。

 警察は、お前が思っているような、組織ではないんだ」


泉谷は治夫に近づくと、治夫の方を見つめたー。


「--長瀬、お前に手を貸してもらいたいー。」

泉谷の言葉に、治夫は、目黒警視正にかつて言われた言葉を思い出すー


「これでお判りでしょう?治夫くんー。

 相手は、あなたが考えているほど、甘くはないー。

 青臭い正義感だけでは、奴らを追い詰めることはできませんー」


 ”モルティングは、いくらでも補充されるー”」


”モルティングは、いくらでも補充されるー”


黒崎 陣矢ー

臼井 隼人ー

班目 順太郎ー

中曽根 佳純ー


このうちの、班目を、対策班のメンバーが射殺した際に、

目黒警視正が治夫に言った言葉だー。


「--せ、、先生、まさか、俺を…」


「--そうだ。お前がいれば、先生にとっては百人力だー。

 どうか、力を貸してもらいたいー」

泉谷先生が、治夫に頭を下げたー。


「--へっへへへへへ クソが」

背後から女に笑い声が聞こえたー。


治夫・泉谷・臼井の3人がいる廃工場の内部にー

先程、治夫に敗れて車ごと爆発炎上した黒崎陣矢が姿を現したー


女子大生・鈴の皮を身に着けたままー


鈴は、片目から血を流しながらー笑っているー。

先程の激突で、左目を失った様子だったー。


「---へへへへ」

”鈴の皮”を脱ぐ陣矢ー。


陣矢の目は、無傷だったー


「へへへ、セーフ!

 可愛い女子大生が片目を失う…

 くくく…これも芸術だなぁ!」

黒崎陣矢は笑いながら、再び鈴の皮を身に着けると、

鈴の姿になって、近くの鉄骨のあたりに寄り掛かったー。


黒崎陣矢ー

臼井隼人ー

ふたりが見つめる中、治夫は、恩師・泉谷の方を見つめて

”気になること”を口にしたー


「先生…もう一人は、どこにいるんです?」

とー。


「もう一人?」

泉谷は少しだけ首を傾げるー


「--中曽根佳純ー…」


治夫は、その名を呟くー


”確認されているモルティングは4人”

うち一人、班目という男は死んだー。

残り3人のうちの、黒崎と臼井はここにいるがー

中曽根佳純という女が一向に姿を現さないー


対策本部で

”女狐”のような細い目をした女であることは

写真で知っているのだが、実物を見たことがないー。


「---はははは」

泉谷は笑ったー


「-中曽根となら、”いつも”話してるだろう?」


「--!?」

治夫は表情を歪めるー。


「--まぁいい

 そのあたりも、全部、教えてやるー。


 長瀬ー

 お前の信じるべき道はー

 ”俺の進む道”だー。


 お前を、目黒警視正から解放してやるー


 俺の元に来いー

 長瀬ー」


優しく手を差し伸べる泉谷ー


その手を前に、治夫は表情を歪めたー。


⑭へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


黒幕の目的とは…?

続きはまた次回のお楽しみデス~!


今日もありがとうございました!!

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