<皮>訳アリの”皮”①~美少女~ (Pixiv Fanbox)
Content
「-----」
会社員の男が、”怪しげな店内”を、食い入るようにして見つめていたー。
怪しげなリュックを背負った商人風の男が
愛想良く笑うー。
「-”皮”を着れば、きっとあなたの人生も、変わりますよ。
間違いありません」
このお店はー
寂れた裏路地で、深夜の1時から3時の間だけ、
”まるで隠れるようにして”営業されている怪しげなお店だー。
真夜中にそのような場所に来る人間はほとんどおらず、
また、このお店自体、積極的に宣伝するようなことはないため、
このお店の存在を知る人間は、ほとんどいないー。
だがー
会社員の男・木村 信敏(きむら のぶとし)は、
このお店の噂を聞きつけ、ここにやってきていたー。
「--”皮”を着れば、その人間になりきることが出来る
っていうのは、本当なのか?」
信敏が言うと、商人は「もちろんでございます」と、笑みを浮かべるー。
「--例えば、この女子高生の皮を着ればー」
信敏の言葉に、商人は「えぇ。あなたは女子高生になれるわけです」と
笑ったー
このお店で販売されているのはー
”人間の皮”だー。
特殊な力で、皮にされた人間たちが
このお店で販売されているー。
商人曰はくー
”両親から愛されず、捨て子同然で家出した子”やー、
”ホームレス”
”何らかの病気で寝たきり状態の人間”
”犯罪者”
”裏ルートで売買された人間”
などが、皮にされて販売されているのだというー。
「心配はご無用ですー。
ここに存在している”皮”はすべて、
”社会という名のレール”から外れた人々ですー。
例えばこの少女の皮ー
”両親が借金を返せずに、闇組織に売り渡された少女の皮”
でしてなー」
商人の言葉に、信敏は”その皮をどうして、あんたが持っているんだ?”と
尋ねようとしたが、それ以上は詮索しなかったー。
「----」
信敏の人生は、つまらないモノだったー。
ここで多くを語るつもりはないが、自分の現状に満足はしていない。
だからこそ、この”皮”を販売する”裏のお店”とも言うべき
この店にやってきているのだー。
だがー。
「(思ったより高いな…)」
信敏は、心の中でそう思うー。
女子高生や女子大生ー
美人なOL-
そのあたりは、値段がかなり高いー。
”皮”を買うためには、ある程度お金がかかることは
事前に覚悟していたし、信敏は今、現金で200万円ほど鞄に
忍び込ませているー。
独身で、趣味もそれほどお金のかからない信敏は、
自然とお金が貯まったのだー。
「-----(くそっ)」
信敏は、女子高生の皮は最低でも500万円以上で
あることを確認して舌打ちするー。
200万円でも購入できる皮はあるが、
いかにもな感じのおっさんの皮が多いー
おっさんがおっさんの皮を、何十万と払って着る必要性はないし、
意味がまるで、ない。
「---あとはババアか…」
小声で呟く信敏ー
高齢の女性や、アラフォーあたりの女性であれば
200万円で購入できる皮も存在したー。
だがー…
イマイチ、パッとしないー
どうせならやはり、女子高生や女子大生ー、
もっと若い少女ー
このあたりの”皮”を買いたいー。
「--どうかされましたかな?」
商人が笑いながら言うと、
「--あ、いや、JKとかJDはやっぱ高いんだな」と、
信敏が苦笑いするー。
「当然です。
価格は需要と供給のバランスですからな」
その言葉に、信敏は「そうだよな」と頷くー。
「--…ちょっとまた出直すよ…
邪魔したな」
信敏がそう言って、帰ろうとしたその時だったー
「----!!!!」
入口付近に”50万円”という破格の
女子高生の”皮”を見つけたのだー。
「--ご、、ご、、五十万!?」
信敏はそう叫ぶと、その”皮”を見つめたー
商品情報には、”皮にした当時の年齢”が
高校2年生であること、
そして身体自体は健康体であったことなどが記載されているー
皮にされる前の顔写真を確認するとー
優しく、真面目そうな、穏やかな笑みを浮かべた少女だったー。
「---こ、、これ、、、これ、、、これ!!」
興奮した様子で信敏が言うー。
女子高生や女子大生の”皮”はとても手の届かない値段で
あったために、諦めかけていたがー
この子の皮なら購入できるー。
どうしてこんなに安いのかは分からないがー
信敏は興奮して、我を失っていたー
「--これを売ってくれ!」
とー。
商人は笑みを浮かべると、
「その”皮”が安いのには、理由がありましてなー」
と、口を開くー
だが、信敏は、1万円札を50枚、カウンターに叩きつけたー。
「--健康体なんだろ?」
信敏の言葉に、商人は「えぇ、それは」と答えるー。
「--男の娘とかじゃなくて、女子高生なんだよな?」
「--もちろんでございます」
「--じゃあ問題ない」
それだけ言うと、信敏は、鞄にその少女の皮を詰め込んで、
お店から立ち去っていくー。
商人は「お買い上げありがとうございました」と呟きながらも、
信敏がお店から出ていくと、意味深な笑みを浮かべたー
「--人の話を聞かないお客様ですねぇ…
まぁ…あとは、自己責任ですな」
とー。
・・・・・・・・・・・・・・・・
帰宅した信敏は、ゴクリと唾を飲み込んだー。
今日から、夢の女子高生ライフが始まるー
名前は”星崎 美花(ほしざき みか)”-
と、書かれているー。
「今日から、俺が美花ちゃんか…くふふ」
信敏は笑うー。
一人暮らしのおっさんが住んでいる部屋に、
突然少女が一人暮らしを始めたら変な目で
見られるのは分かっているー。
そこのところは、何とかするとしてー
「---まずは…少しお楽しみをするか」
信敏は、美花の皮を身に着けるとー
鏡の前で笑みを浮かべたー
「すっげぇ…本当に…本当に…着れたー」
自分の頬を引っ張ってみるー
いいや、美花の頬を引っ張っているー。
痛みも、感触もちゃんとあるしー
何よりー
「あぁぁ…綺麗な声…」
自分の口から発される声は、美花の声そのものになっていたー
心臓がバクバクと高鳴るー。
あの商人の店には”戸籍上死んではいない、様々な訳アリの人間”が、
皮にされて販売されているー
「-この子にはいったいどんな理由があったんだろうな?」
美花の声で呟くー
だが、鏡に映る可愛い美花の姿を見て、興奮を抑えられなくなった
信敏は、そのまま鏡に何度も何度もキスをしたりー
胸を触ってエッチなことを楽しんだー
「胸の感触って…こんな…♡ たまんねぇ…」
”着ぐるみ程度”のものだと、信敏は考えていたがー
”皮”は想像以上のものだったー。
”皮”を着ている間、信敏は、正真正銘の美花になることが出来るー
エッチなことを散々楽しんだ美花はー
鏡の前に立つと、可愛らしいポーズをしながら
「わたしは美花♡ ふふっ♡」とウィンクしてみせたー
「--うぁ」
自分で鼻血を噴きだしながら美花はティッシュを鼻に詰めて
ソファーにだらしなく座るー。
「--とりあえず…なんとか違う場所にアパートを借りて
”女子大生”の設定で…」
と、呟くー。
この家は信敏が借りている部屋だから、美花の姿でずっと暮らすには
不向きだろうー。
なんとか、美花の姿で一人暮らしをするためにー
「--」
信敏は、皮を購入した際に手に入れた”身分証明書”を見つめるー。
”皮”を着こんだ状態でも生活できるように、
あのお店で”皮”を買うと、その人の身分証明書を渡されるのだー。
「---へへへっ、まぁ、引っ越すまでは、
こうやって、夜にお楽しみをするだけで、我慢するか!」
美花の頬を嬉しそうに触りながら
我慢できなくなって、美花は再びエッチなことを始めたー。
快楽と欲望に満ちた一晩を過ごしー
美花の皮を着こんだまま、眠りについた信敏ー
「-----------」
「------------」
だがー
突然、美花の目が開いたー。
「-----」
真っ赤に染まった目ー
美花は、不気味な声で静かに呟くー
「--許さない…」
とー。
・・・・・・・・・・・・・・
翌日ー
美花の皮を脱いで、仕事を終えた信敏は
再び帰宅して、美花の皮を着こんだー
美花になった状態で、
家の中で過ごすー。
昨日はエッチなことを楽しんだー。
今日は”普通の女の子”風に生活を楽しむー。
「--そうだ…洋服も買わないとな」
そう呟きながら、ネットで可愛らしい服や
外出用の服、エッチな服ー
色々な服を購入していくー。
これからは”女”として生きていくのだー。
色々と洋服は必要になるー。
メイク用品を調べたりー
髪についての知識を調べたりー
これから”美花”として存分に楽しむための
勉強をしていくー
「ふへへへ」
美花はパソコンを見つめながら、何度も何度も
イヤらしい笑みを浮かべてはー
これから始まる楽しい生活を頭の中で妄想したー。
”女”として生活する勉強を終えると、
セクシーポーズをしながら自撮りを繰り返し、
ようやく飽きた美花は、今日も皮を身に着けたまま、眠りについたー
・・・・・・・・・・・・・・・
「------?」
翌朝ー
美花の姿のまま目を覚ました信敏は
ちょっとした異変を感じたー
「--あれ??今日は…なんか、身体が重いなー」
”風邪でも引いたか?”と思いながら美花の皮を脱いで
体温を計測するー。
しかし、熱は平熱だったー。
喉が腫れている様子もないし、喉の痛みも特にはない。
「-なんだ?」
そんな風に思いながら、大きくあくびをする信敏ー。
信敏は、”なんだか寝不足みたいな感覚だな”と思いながらも、
そのまま会社に向かったー。
その日の夜には、エッチな衣装が届きー
美花の皮を着た状態で、色々な衣装を楽しんだー
セーラー服を着て、”信敏”に鏡の前で告白してみたりー
メイド服を着て「ご主人様♡」と甘い声を出してみたりー
チャイナドレスを着て、モデル歩きをしてみたりー
「--あぁぁぁ…最高だ…たまんねぇ♡」
美花は、変態おじさんのような顔つきで、けらけらと笑うー。
最高の日常が始まったー
信敏の人生の中で、今が一番希望に満ちていて、
そして充実しているような気がしたー
だがー
その一方で、”寝不足”のような症状は
日に日に強まって行ったー。
「--は~…最近、なんだか調子、良くねぇんだよなぁ…」
そんな風にため息をつきながら、
信敏は、飲み物を口にするー
”皮”を着るようになってからー
そんな、気がするー。
”皮”が原因だろうかー。
いや、そんなはずはないー
裏サイトの口コミはとてもよかったー。
もちろん、嘘である可能性もなくはないが、
単に”皮”のせいだとは、どうしても思えなかったー。
そんな風に思いながら、仕事から帰宅すると、
アパートの隣人が顔を出したー
気さくな性格のおじさんだー。
「--あ、どうも」
信敏が頭を下げると、その隣人は言ったー
「-そういや、昨日の深夜ー
かわいい子だったねぇ、彼女さんかい?」
と、隣人が笑うー
「---え??あ、いや…」
信敏は戸惑いながら、適当に誤魔化すと、そのまま家の中に入ったー
”--昨日の深夜、可愛い子だったー?”
信敏は首を傾げるー。
美花の皮を着た状態では、まだ、外には出ていないー
外に出たいが、家から美花の姿で外に出る際に
近所に見られたら面倒臭いからだー。
美花の姿で引っ越す先を見つけるまではー
大人しくしているつもりだったー
しかし、今の隣人の言葉はー?
そんな風に思いながらも、「まぁ、いいか」と、今日も
美花の皮を着てエッチを繰り返す信敏ー。
疲れた信敏が、美花の皮を身に着けたまま寝るとーー
しばらくしてー
美花が起き上がったー
「--許さない…絶対に」
美花の皮を着た信敏がそう呟くー。
美花の目が赤く輝くー。
そして、ゆらりと起き上がると、
信敏が”美花用”として購入した服に着替えて、
美花はそのまま、家の外に、ゆらり、ゆらりと歩いていったー
信敏の意思とは、関係なくーーー、
美花の皮を着た信敏は、夜道を歩きだしたー。
②へ続く
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コメント
無気味な”皮”の物語デス~!
なんだか、不穏な感じですネ!
このお話は2話で完結なので、
次回で最終回になります~!
今日もありがとうございました~~!