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「明日、1日だけ、わたしの姿で過ごしてみませんかー?」


彼が、そう声を掛けられたのはー

仕事帰りのことだったー。


「----え?」

会社員・玉本 基哉(たまき もとなり)は首を傾げるー


「--え…?それはどういう…?

 と、いうか君は…?」

もうすぐ30歳の基哉に、こんな可愛らしい美少女の知り合いはいないー。


”この子はいったい誰だ?

 俺を誰かと人違いしてるんじゃないか?”

そう、思いながら、基哉はその子の話を聞いたー。


声を掛けて来た女子大生は、

坂村 麻希(さかむら まき)と名乗ったー


大学の学生証も見せてきたために、偽名ではないだろう。


だがー

素性が分かっても、

「明日、1日だけ、わたしの姿で過ごしてみませんかー?」

と、いう言葉の意味が全く分からないー。


この子は、いったい何を言っているのだろうかー。


そんな風に思いながら、さらに話を聞くと、

麻希が「お時間、大丈夫ですか?」と、心配そうに聞いてきたー。


「--ん?あぁ、今、仕事帰りだから、別に平気ですけど…」

麻希の方が年下ではあるものの、初対面だし、ということで

敬語を使う基哉ー。


基哉は警戒心を露わにしながらも、麻希の話を聞くー。


麻希は、今一度口にしたー


「明日、1日だけ、わたしの姿で過ごしてみませんか?」

とー。


「--…なんて、急に言われたら驚いちゃいますよね」

麻希は、そう言うと、鞄から何かを取り出したー。


「--実は、大学の研究室で”他人に変身することが出来る特殊な装置”を

 開発することに成功したんです」

麻希の言葉に、基哉は「は!?」と思わず声を出してしまうー。


麻希が鞄から取り出したのは、少し変な色のサングラスのようなものー。


「驚きますよねー。

 でも、嘘じゃありませんー」

麻希はそう言うと、「例えばー、あの人ー」と言いながら

サングラスをかけるー。


そしてー

偶然歩いていた、ランドセルを背負った少女を見つめながら

眼鏡の横のスイッチを押すとー、


なんとー

目の前にいる麻希の姿が、そのランドセルの少女の姿に変わったー。


服も、ランドセルも、そのまま、にー、だ。


「--”所持品”も、一つの”姿”としてこのようにコピーされます。

 すごいでしょう?」

少女の姿になった麻希が笑うー。


「--す、、、す、、すごい…」

麻希は、サングラスを少女の姿のまま外すと、

笑みを浮かべたー。


「--24時間経過するかー、

 サングラスをかけて、もう一度スイッチを押すかすると、

 元の姿に戻りますー」


再びサングラスをかけた麻希はスイッチを押して

元の姿に戻るー。


ランドセルや、少女の着ていた服も、一緒に消えて

元々の麻希の姿になったー


「え…え…?や、、やばすぎますよね?そのサングラスー

 一体どういう仕組み…」

基哉が言うと、麻希は「しーっ」と指を口元に当てたー


そして、続けたー


「このサングラスで、わたしの姿で1日、過ごしていただけませんか?」


とー。


基哉は「それは、どういう目的で…?」と聞き返すー。


当然”何か目的”があるはずだー。

何の理由もなく、基哉に声を掛けて来るわけがないしー

何か”たくらみ”があるはずなのだー


女子大生を名乗る麻希は、少しだけ考えてからー

「まぁーー…確かに逆の立場だったら、わたしも警戒します。分かりますよ」

と、笑みを浮かべたー。


「--ちゃんと、お話します」

麻希はそう言うと、周囲を見渡しながら、

すぐ近くの寂れたカフェを指さしたー。


「あそこで、どうですか?」

とー。


「----」

基哉は”急に壺とか売りつけられるんじゃないだろうな…?”と

思いながら、”話の感じが怪しくなってきたら、帰ればいいか”と

考え、麻希と共にそのお店に入ったー。


麻希は、真剣な表情で言葉を口にしたー。


「ーー実はーーー

 あの…滅茶苦茶個人的な理由なんですけど…」

麻希は、そう言うと鞄から、

人気アイドルグループのライブのチラシを取り出したー


「-知ってます?」

麻希の言葉に、基哉は「あ~ファンではないけど知ってますよ」と頷くー。


「--明日、ライブなんですー。

 で、わたし、どうしてもこれに出たいんですけど…」

麻希がそこまで言うと、

「実は明日、わたしがライブの日だってことを忘れてて

 うちに、実家暮らしのお兄ちゃんが来るんですー」

と、続けて言葉を口にしたー。


「-ーお兄ちゃん、わたしのこと大好きでたまらないみたいで、

 月に3、4回わたしの家に来るんですけど、

 あとから”やっぱり予定があって”って言うと、

 ”彼氏ができたのか!?”とか

 ”あ~どうせ彼氏ができたんでしょ、はいはい”とか

 言いだして、めっちゃくちゃ面倒くさいんです!」


麻希の言葉に、

「ははは…確かに面倒そうですねぇ」と、基哉は笑ったー。


「---で?」

基哉が言うと、麻希は

「わたしに変身して、わたしの姿で、家にいて欲しいんですー

 それだけで構いませんー。

 わたし、どうしてもライブに行きたくて!」と、お願いのポーズを

しながら、基哉に頭を下げたー。


基哉は「え??え???」と言いながらも、

”ライブに行くこと素直に言えばいいんじゃないかな?”

”どうして見ず知らずの俺に?”と、

2つ、質問をぶつけたー。


前者の質問に対しては

”お兄ちゃんは、彼氏ができたって決めつけるのでー”と、

麻希は苦笑いするー。


そして、後者の質問に関してはー

”優しそうな男性に、声を掛けて回っててー

 あなたが5人目ですー”

と、笑ったー。


「--(5人目…じゃあ、4人は断ったのか。

 ま、怪しすぎるし当然だな)」


「---正直、わたし、一人暮らしで大学通いなので

 お金もかつかつで金銭的なお礼はできないですけど…


 その…変身してる間は…

 わたしの姿で…何してもいいので…

 それを報酬ということに…」


恥ずかしそうに麻希が顔を赤らめながら言うー。


「--えぇっ!?」

基哉も思わず顔を赤らめてしまうー


”この子、正気か!?”と思いながらもー

そこまで、アイドルのライブを見に行きたいのか?と、戸惑うー。


兄が来るのが明日のお昼ー

兄はいつも3時間ほどで帰るのだと言うー。


麻希は、19時頃に帰宅する予定だから、

3時間だけ、”兄”の接待ー

そして、残りの時間は好きにしていいので、

と、麻希は続けたー。


「-わたしの姿で犯罪とかされちゃ困りますけど、

 家の中で何かする分には全然いいので、

 どうか、お願いしますー」

麻希が頭を下げるー


「ちょ!ちょ!

 いくら君の姿になっても

 お兄さんにバレないで、君として演じる自身が

 ないんですけど!」

基哉が言うと、

「--あ~それは大丈夫です」と、麻希は

”お兄ちゃん、単純なので、一緒にゲームでもやってれば気づきません

と、呟いたー


「--はぁ?そ、そんなものなんですか?」

基哉はそう言いながらもー

麻希が、必死に頼み込んでいるのを見てー


そしてー

”何をしてもいい”と言う言葉を聞いてー

男として下心が湧き出てきていたー。


「----」

「------」


(まぁ、別に悪意はなさそうだし、明日は休みだから、いいかー)

基哉はそう考えると、

麻希に「--金銭とか、要求されたりしませんよね?」と確認するー


「はいー

 絶対にしません。安心してください」

麻希の言葉に、基哉は迷った挙句ー

”女の身体を体験してみたい”という誘惑に負けてーーー

麻希の願いを受け入れたー


麻希が、サングラスを手にするー。

そして、それを基哉にかけるー


麻希が時計を見るー

「今が20時ー

 明日19時には、ライブから帰るので

 今から24時間、効果があれば十分ですね」

と、言いながらー

基哉のサングラスのスイッチを押しーー


「うおおおおお!?!?」

基哉が今まで感じたことのない、感覚を覚えるー


自分の身体がみるみると変形していくような、

そんな感じだー。


内側から胸が突き上げられるような感触ー

股間のアソコが、まるでブラックホールに吸い込まれたかのように

消えていく感触ー


髪、顔、肌、身体ー

何もかもが一瞬にして変化していく感じー。


やがてーー

基哉は、完全に目の前にいる女子大生・麻希の姿に変身したー。


「--す、、すげぇ…


 ---!!

 こ、、声も…!」


麻希の姿になった基哉は、自分が麻希の姿になっていることに

興奮したー。


麻希はほほ笑みながら、その光景を見つめるとー


「--やっぱり、男の人って、こう、ドキドキしたりするものなんですか?」

と、言葉を口にしたー。


麻希の姿になった基哉は、途端に顔を真っ赤にするー。


「---あ、、いや、、その、すみませんー」

麻希の姿になった基哉は、本物の麻希と、”明日”のことについて確認するー


「お昼12時頃に、いつもお兄ちゃんは来ますー。

 15時ぐらいには帰ると思うので、残りの時間は自由ですー。


 変身は20時過ぎに効果が無くなりますけど、

 ライブが終わってわたしが家に帰るのが19時前後に

 なると思いますのでー

 それまで家にいてくださいー」


麻希はそう言いながら、麻希の姿になった基哉から

サングラスを外すと

「なんか、双子みたいですね」と、笑ったー


「--ふ、、双子…!」

こんなかわいい子と双子!なんて、思ったら

ドキッとしてしまうー。


麻希は「-わたしの家はこの場所です」と、

予めプリントしていた地図を渡すー


「見られたくないものはあらかじめ移動しておきましたし

 貴重品は置いてないので、家の中のものは

 ご自由に使ってくださいー。


 大事なモノは、別の場所に移してあるので、ご心配なく」


麻希はそれだけ言うと、足早に立ち去ろうとするー。


仕切りがあるカフェとは言え

”同じ人間が二人いる光景”を誰かに見られたらあまりよくないので、と

補足的な説明を入れたー。


「--このあとは、どうすればいいですか?」

麻希姿の基哉が言うと、

麻希は、「--まぁ、寝不足にならない程度に帰っていただければー

何をしてても、構いませんよー

あ、でも、外で、、その、服を脱いだり、人を殴ったりー

そういう、わたしが犯罪者になっちゃうことだけは、やめていただければー」

と、付け加えたーー。


「--わかりましたー」

麻希姿の基哉の言葉に、麻希はニコッと微笑むとー

「では、また明日ー。

 よろしくお願いします」と、頭を下げて

そのまま立ち去って行ったー。


座席に一人残された麻希姿の基哉はー

「い、、いいって言われてるし、、いいんだよな…?」

と、呟きながら、自分の胸を触り始めたー。


「--す、、、すげぇ…」

”変身”-が、どういう原理なのかは分からないー


だが、胸の感触や、

そこから伝わって来る快感までー

”リアル”に感じられるものだったー。


麻希姿の基哉は、しばらく自分の身体をこっそりと堪能すると、

カフェから外に出てー。

夜の街を歩き始めたー。


”ちょ、ちょっとだけー”


洋服屋によって、試着したりー

どうしても着てみたかったセーラー服を自費で購入してみたりー

駅の女子トイレを利用してみたりー

可愛い小物が売られているお店で「かわいい~~!」と言って見たりー


色々、”女子大生”を満喫したー。


麻希との約束通り、犯罪になるようなことはしないー。

その範囲内で、麻希姿になった基哉は、

女子大生を、堪能したー。


”1日美少女ー”


「まさか、1日だけでもこんなかわいい子になれるなんてな…」

麻希姿の基哉は嬉しそうに歩くー。


ーーーザッーー


豪遊して、帰宅している麻希姿の基哉の背後でー

怪しい男が笑みを浮かべていることにー


麻希の姿になった基哉は、気づいていなかったー。



②へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


他者変身モノのお話デス~!

次回の②で、完結になります~☆!


”何”が起きるのか、ぜひ楽しみにしていてくださいネ~


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