Home Artists Posts Import Register

Content

デートの最中の2人組の高校生ー。


「--暑いからか、あまり人もいないな」

男子高校生の紀本 雅史(きもと まさし)が、

周囲を見渡しながら呟くー


隣を歩いていた女子高生の坂梨 晴美(さかなし はるみ)が、

「何か天気も悪くなってきたし、ね」と、苦笑いしながら

空を見上げるー


先程まで雲一つない天気だったのに、

今では少し雲が増えてきているー


雅史と晴美は、晴美が生徒会長、雅史が生徒会副長を務める

”生徒会カップル”だー。


”カップルだから、生徒会”になったのではなく、

2人が生徒会に立候補した時点では、二人とも、

”同学年の生徒だなぁ”ぐらいの認識だったー。

中学までは学校が別々だったし、

1年生、2年生とクラスも違ったために、

ほとんど関りがなかったためだー。


しかし、会長と副会長の立場になって

生徒会活動で何かと関わることの多くなった二人は

急接近していきー3か月前から、彼氏彼女の関係になったー


今、二人は神社にいるー。

この神社は、晴美の友達のひとり・芽衣(めい)の両親が

運営している神社で、度々こうして、晴美と雅史は

一緒に顔を出しているー。


晴美の友達・芽衣は出かけていて不在だったため、

芽衣の母親に挨拶だけして、

神社を見て笑うー


「おみくじおみくじ~」

晴美は、ここに来ると、いつもおみくじを嬉しそうに

引いているー。

全開は確か、晴美が中吉で、雅史は小吉だったー。


「--今日は俺が勝つぞ」

雅史が笑いながらおみくじを引くと、

晴美は「勝ち負けとかじゃないでしょ~」と笑うー。


だがー

おみくじを同時に引いた二人は、

結果を見つめながら、目を見合わせたー


”大凶”と”大凶”


「--ははっ」

雅史は思わず笑ってしまったー


「やばっ…すっごい不吉じゃん」

晴美が戸惑ったような笑みを浮かべるー。


「---二人揃って大吉は確かにやばいなぁ~…

 明日、学校で何か起きたりしてな!」

雅史が言うと、晴美は「ちょっとやめてよ~!」と笑いながら

雅史の肩を叩くー。


そうこうしているうちにー

雨が降り出したー。


「あ、やばっ!」

晴美が空を見上げながら言うー。


おみくじに夢中になっている間に、

天気がさらに悪くなりー

雨が降り出してきたー


「--うわっ!…大粒の雨だ!」

雅史はそう叫ぶと、「傘持ってないや!」と言いながら

慌てて走り出すー。


晴美も「わたしも持ってない!」と雅史に対して言いながら

走り出すー


ゴロゴロと雷の音が響き始めるー


「うわぁ…最悪」

晴美が走りながら言うと、

雅史は「大凶はこれかぁ…」と呟くー。


「--おみくじ大当たり、だね…

 当たるなら大吉のほうで当たってほしいけど」

と、悪戯っぽく笑う晴美ー


雷がさらに強く鳴り響く中ー

神社の階段前にやってきた晴美と雅史ー


「この先のコンビニに避難するか」

雅史の言葉に、晴美は「でもびしょ濡れは迷惑じゃない…?」と

呟くー。


「--じ、じゃあ、とりあえず駅の方にー」


雅史がそう言いかけたその時だったー


激しい稲光と同時にー

2人の視界が真っ白になりー

気づいたときには、二人で神社の階段から転がり落ちていたー


・・・・・・・・・・・・・・・


翌日ー


「-------」


虚ろな目で廊下を歩く男がいたー。

高校の用務員・鎌田 亮馬(かまだ りょうま)-


彼の人生は苦難続きだったー。


両親からは虐待を受けー、

”優秀だった兄”といつも比べられー、

学校ではいじめを受けたー


亮馬はパフェが好きだったー。


たった、それだけで、

クラスメイトたちからは

”3Kパフェ”という不名誉なあだ名をつけられて

”3Kパフェ野郎”などと呼ばれていたー


3Kとはー

”きたない”

”きつい”

”危険”


つまり、亮馬は

汚くて、接するのもきつい存在で、危険人物ー

それをパフェのように凝縮した存在だと、

クラスメイトたちはあざ笑ったのだー


社会人になってからも、結局うまく行かずー

今は親戚の”お情け”でこの高校の用務員として

働いているー


だがーーー

廊下を歩いている高校生たちを見るだけでー

彼の”憎悪”は日に日に強まって行ったー。


自分がいじめられた学校時代を思い出すからだー。


そんな彼がー

”憑依薬”を手に入れたのは、先週のことだったー。


「--」

一人の女子生徒を見つめて笑みを浮かべる亮馬ー。


亮馬が見つめていた女子生徒は、

生徒会の書記として活動している真面目な眼鏡女子ー

宮野 静香(みやの しずか)-


しかしーーー

それは、先週までの話だー


今の静香はーー


他の女子のスカートを覗きながら、笑みを浮かべているー


「ぐへへへへ」

口元を男のように歪めー笑っているー。


亮馬は、そんな静香を見ながら「ぐへへへへ」と同じ笑みを浮かべたー


1週間前ー

憑依薬を手に入れた亮馬はさっそく”テスト”を行ったー


その対象が静香だー

静香の身体を乗っ取り、散々エッチなことを繰り返したー


亮馬にとっては

乗っ取った静香の喘ぎ声が

”生まれて初めて”の生の喘ぎ声だったー


そしてー

最高の時間を終えて、静香から抜け出した亮馬は、

翌日、異変に気付いたのだー


”憑依による汚染”

亮馬に憑依された静香は、亮馬の人格に汚染されたかのように、

亮馬と同じように、下心丸出しの人間になってしまったー。


いじめを受け、家族からも虐待されるという

過酷な人生を送って来た亮馬にとって

”AV”だけが友達だったー

溢れ出そうな下心をAVで発散するー

それが、亮馬の日課だったー。


そんな亮馬に憑依された静香は

憑依・汚染され、今では毎晩のようにAVを鑑賞しているー


「ぐへへへへへ…」

亮馬は笑みを浮かべるー。


”応用”も出来ることを確認したー。


別の1年生の女子で試した結果ー

”自分の記憶の一部”を相手に転写することもできたしー

汚染や転写を利用して、相手の趣味趣向を歪めることもできたー。


「---ぐへへへへ」

亮馬は、笑っていたー


この”力”があればー

俺がこの学校を支配することが出来るー、


とー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・


「---それでは、生徒会の話し合いを、始めます」

生徒会室ー


会長の晴美が言うー

彼氏でもある副会長の雅史が、不安そうに晴美を見つめるー。


「-ーー会長、なんか今日、髪型変じゃないですか?」

生徒会メンバーの一人、晴美の髪型がいつもと違うと指摘するー


髪型が違うーー

だけではなく、何だか失敗しているようなー

変な感じの髪型だー。


「--え、、あ、、え、、え、、ぁぁ、、いや、、これは」

晴美がぎこちない口調で言うと、

「--そ、そんなことないよねぇ~~?」

と、雅史が口を挟んだー。


「---」

晴美が雅史の方を見つめながら、戸惑った表情を浮かべるー。


「あ、それで会長ー」

別の生徒会メンバーの、気の強い性格の女子・久美子(くみこ)が、

晴美を呼ぶー


「--ん?どうかした?」

しかし、反応したのは雅史ー。


「---は?」

久美子が表情を歪めるー。


「--え」

雅史が戸惑うー


「--あんた、副会長でしょ?

 わたしは会長を呼んだんだけどー」


「--あ…え…?あ、、あは、、あははははは」

雅史がごまかしながら笑うー。


周囲の生徒会メンバーは困惑ー


それも、そのはずー

2人はーー


”ええええええええええ!?入れ替わってる!?”

”な、、な、、な、、なんだこれぇえええええええええ”


昨日ー

神社の階段から転がり落ちた時に入れ替わってしまいー

入れ替わったまま、元に戻ることが出来ない状態に

なってしまっていたのだー


生徒会の話し合いが終わるー。


「--なぁなぁ、やっぱり無理があるだろ?」

晴美(雅史)が、小声で言うー。


「--で、でも、わたしたち、入れ替わっちゃったの!

 なんて叫んだら、わたしも、雅史も、おかしくなったと

 思われるだけだよ?

 入れ替わりなんて、信じてもらえるはずがないし、

 アニメとか映画の見過ぎだってネタにされるよ?絶対」

雅史(晴美)が小声で言い返すとー

晴美(雅史)は「でもなぁ…俺、女子として振舞う自信がない…」と

首を振ったー


「それは、わたしもだけど…」

雅史(晴美)が「さっきなんか、女子トイレに入って慌てて出たし」と、

苦笑いしたー


「おぉい!それは勘弁してくれ!マジで!俺が、変態扱いされるぅ!」

晴美(雅史)が、悲痛の叫びをあげるー。


色々と相談した末にー

”やっぱり二人でなんとか、このまま元に戻る方法を見つけるまで

 過ごすしかない”と、晴美になった雅史が言うと、

「--うん」と、雅史(晴美)が呟いたー。


「--そういえばーー

 書記の子、なんか変じゃなかった?」

雅史(晴美)が言うー。


「ん?あぁ、宮野さん?」

生徒会書記で、1年生の宮野 静香ー。


大人しい子なのだが、今日はずっとニヤニヤしていたー。


「---確かになんか、気持ち悪い笑い方してたような…」

晴美(雅史)が言うと、

雅史(晴美)は、少しだけ不安そうに表情を歪めたー


・・・・・・・・・・・・・・・・・


「----」

亮馬は”あること”に気づいていたー。


あれから数日ー

亮馬は表向き、いつも通り用務員として

働きながら、”お気に入りの女子”に憑依し、

汚染していったー。


ある者に対しては、趣味趣向を歪めー

ある者に対しては、亮馬自身の記憶を植え付けー

またある者に対しては、”あえて”元の人格を残すようにしたりー


それぞれの憑依を楽しんだー


次々と身体を乗り換えて、身体ごとの快楽を楽しむー。


”校内汚染”


「-校内のお気に入りの女子を全員、歪めてやるぜ」


だがー

同時に、亮馬は”危険”を察知したー。


不登校気味の女子生徒に憑依しようした際にー

亮馬は”逆に自分が乗っ取られそうなー”そんな

無気味な感覚を覚えたー。


何故かは分からないー

だが、”自分の自我”が乗っ取られそうな、

そんな感覚を覚えたのだー。


憑依は、相手の身体に入り込み、

相手の身体を支配すると同時に、

相手の脳にもアクセスし、

思考や意思まで、完全に支配するー


相手の脳と同調する過程でー

何か問題が起きたのかもしれないー。


「---憑依する相手は、選ばなくちゃな」

そう呟きながら、放課後に、

女子生徒の一人と合流すると、

「よぉ、俺」と笑みを浮かべたー


「--へへへっ よ!俺」

可愛らしい女子生徒が笑うー


「--ははは、普段は普通に振舞っとけよ~」

「分かってるって」


相手の女子は、亮馬に憑依されて

亮馬の記憶を植え付けられて、亮馬そのものに

なってしまった女子だー。


「--へへへ 今日は素人モノが見てぇなぁ」

AVの話をする女子生徒ー


「--ははははは!俺もその気分だぜ」

亮馬が言うと、二人はそのまま亮馬の家に向かい、

AVをたっぷりと堪能したー


・・・・・・・・・・・・・・・


入れ替わってから三日ー。


「---あれ?それ、会長のスマホ?」

生徒会の久美子が言うー。


「--え?あ、、あ、、ちょ、ちょっと借りてて」

雅史(晴美)がごまかすと、

久美子は「ふぅん」と言いながら立ち去っていくー。


「ふ~~~」


雅史の身体になった晴美は、晴美のスマホをー

晴美の身体になった雅史は、雅史のスマホを持っているー


中身的には間違ってはいないのだがー

周囲からすれば、スマホを交換しているように見えてしまうー。


けれどー

相手にもプライベートがあるし、

こうして、自分のスマホを持っていることで、

友達や家族に、本人として連絡を取ることが出来るー


だから、”中身”のスマホを持つのが、一番だったー。


”そういえばさ、さっきクラスの真崎さんが、

 AV持ち込んでて、生徒会室に連れていかれてた笑”


晴美になった雅史からLINEが届くー


それを見て、雅史(晴美)は表情を歪めたー


今、晴美になった雅史は、晴美のクラスで、晴美として

授業を受けているー


”真崎さん”は、普段、晴美ともよく話す子だー

その真崎さんがAVを持ち込んで生徒会室にーー?


そしてーー


雅史(晴美)は表情を曇らせながら晴美(雅史)に返事をしたー


”雅史のクラスの子も、さっき…その、、AV…?

 持ち込んでて、生徒指導受けてたけど…”


とー。


”汚染”されていく女子生徒たちー

校内汚染は次第に広がりつつあったー。



②へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


憑依によって広がる汚染と

入れ替わったカップル…


今後どうなるのか…

ぜひ次回もお楽しみくださいネ~!


今日もありがとうございました~!

Files

Comments

No comments found for this post.