<女体化>男子校に通う女子高生③~壁~ (Pixiv Fanbox)
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「---杉原、お前、男子トイレを使っているようだな」
先生に呼び出された七雄は先生から、そう言葉を
投げかけられていたー
「あ、え、はい。身体はこうでも、俺は男なので…」
七雄は”例えば女装しても、入るのは男子トイレだと思いますし”と、
付け加えたー。
「まぁ、確かにそうなんだがー…
どうして、お前がトイレに入って来ると、目のやり場に困るって
生徒が結構いてな…」
担任の先生の言葉に、七雄は「ちょ、ちょっと待ってください」と叫ぶー。
「-俺、男ですよ?確かに身体は女子になってるけど、
俺のことなんて気にしなくてもいいですから…!
気を遣わずに、男として接してくれれば、それでー」
可愛い声で叫ぶ七雄ー。
そんな七雄の前で担任の先生は困り果てた様子で頭を掻き始めたー。
「--お前は、そうでもなぁ…
周りは、そうはいかないんだよ…
お前が思っている以上に、みんな戸惑ってるー。
正直ー
俺もそうだー」
担任の先生は言うー。
「-どう見たって、今のお前は女子だしー
こう、声もどう考えても女子高生だしー
身体つきだって、そうだー
完全に、女の子の身体…」
胸のあたりを指さす担任の先生ー
七雄が言い返せないで戸惑っていると
担任の先生が「調子、狂うなぁ」と続けるー。
「-ーセクハラとか…そういう問題もあるしー
俺も正直どう接していいか、ちょっと戸惑ってるー。
もちろん、お前が男だってことは分かってるし
だからこそ、校長も、男子校であるうちに、
そのまま置いてくれてるんだー
でもーーー
すまないなー
俺も含めて、みんな気持ちの整理が追い付かないんだー。
…校長にも話してあるー
今日からお前は、女子トイレを使うんだー」
そう言われた七雄は、表情を暗くしながら
頭を下げてそのまま職員室から外に出たー
「---…俺は、男だっての…」
七雄は不貞腐れた様子でそう呟くー
七雄が女体化したとき、
最初に七雄が心配したのは
”朝、起きたら女になっていた”という
このとんでもない状況を、みんながちゃんと信じてくれるのかどうかー、
ということだったー。
しかし、実際には、周囲は七雄が女体化したことを
信じてくれたし、そこは心配する部分ではなかったー。
今、七雄が直面しているのは、別の問題ー。
七雄がどんなに男として振舞ってもー
七雄がどんなにいつも通り振舞ってもー
身体が女である以上、周囲は七雄に気を遣ってしまうー。
「----はぁ…」
ため息をつきながら教室に戻ると、七雄は不愉快そうに
自分の座席に座ったー。
「--ーーー」
”壁”を感じるー。
友達との間に”見えない壁”を感じるー
そう思いながら、七雄は疲れた様子で、午後の授業を受けたー。
帰宅すると、母・丸江が心配そうに声をかけて来たー
丸江にも、七雄が元気ない様子なのが、すぐに分かったからだー
「-俺さ…元に戻れるのかな?」
七雄が言うと、母・丸江は表情を暗くしたー。
正直、分からないー
”朝、起きたらいきなり女になっていた”
それ以外、何も分からないのだー。
七雄が女体化した原因も分かっていないー
前日の行動を、夫である功と共に、振り返ってみたものの
特に怪しい食べ物を食べたり、怪しい薬を飲んだり…
と、いうこともなかったー。
原因が全く分からないー
もちろん、急に女になったということは
急に元に戻る可能性もある、
けれどー
「--戻れなかったら…俺…どうしよう…?
女の子として、生きて行かないと、ダメなのかな?」
七雄が自虐的に呟くと、母の丸江は首を振りながら答えたー
「--大丈夫。必ず、必ず元に戻れるからー…」
とー。
・・・・・・・・・・・・・
部屋に戻った七雄は、自分の胸を触りながら
悔しそうに叫んだー
「なんで膨らんでるんだよ…
くそっ!」
意味がないことは分かっているのにー
胸を壁に押し付けて、ふくらみを無くそうとする七雄ー
「--くそっ…くそっ…!」
そう呟いて、今度は自分の声にいら立つー
「くそっ!!可愛らしい声なんか出してるんじゃねぇよ!」
そう叫んでもー
何も、意味なんてないのにー
「---……くそっ…!!俺は、、男だ…」
力なくそう呟くと、七雄はその場に座り込んだー。
・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日ー
髪をバッサリと切ってショートヘアーにした七雄が
教室に入ると、
クラスメイトたちが髪型の変化に気づくー
「-やっぱ、この方が男っぽいだろ?」
七雄が笑うー。
髪を切っても、肌の感じや胸ー
色々な部分が”女子”であることに変わりはないー
顔立ちも七雄を女の子バージョンにしたような感じで、
同じような顔であり、やはり、違うー
髪を短くしただけでは、”男”に戻ることは出来ないー
それでも、七雄は少しでも周囲に違和感を与えないように、
と、そう考えていたー
だがー
「--あ~!なんだよ!長い髪のほうが可愛かったのに~」
「俺はショートのほうが好みだな~」
「--ってかやっぱ可愛いなぁ」
クラスメイトたちは
”男子校唯一の女子高生”としてしか、七雄を見ていなかったー
「--おいおいおいおいおい!俺は男だって!」
七雄が叫ぶと、
「そんな可愛い声でかぁ~?」と、クラスメイトのひとりが笑ったー
「--俺は男だ!」
七雄がそう叫ぶと、
クラスメイトが「あ、そうだ!また胸を触らせてくれよ!」と
ニヤニヤしながら言うー
「--ダメだダメだダメだ!」
七雄は首を振ったー。
最初は”触ってみるか?”などと言っていた七雄ー。
しかし、最近は”女子扱い”されることに嫌気がさして
胸も触らせようとしなかったー。
「--男の胸なんて、触らないだろ~?絶対ダメだ」
七雄がそう言い放つと
「-けちけちするなよ~!」と笑いながらクラスメイトが
七雄の胸を触ったー
「ひゃっ♡」
変な声が出てしまう七雄ー
自分の声にもー
触られたことにもカチンと来た七雄はー
「-触るんじゃねぇよ!」
と、大声で怒鳴ったー
静まり返る教室ー。
七雄は「--いいから、やめてくれよ、そういうの」と、
悲しそうに呟きながら、そのまま教室から
立ち去って行ったー。
女子トイレに入り、みじめな気持ちになる七雄ー
七雄には、女の子になりたい、という願望は、ないー
とにかく、早く元に戻りたいー。
けれどー
戻ることが出来ないー
「どうすればいいんだ…」
七雄は女子トイレでようやく気持ちを落ち着けると、
自分の教室へと戻っていくー
「--さっきのマジでご褒美だったー」
「--女の子から怒鳴られるとか…くぅ~~」
「お前、変態だなぁ」
教室の入口でクラスメイトの会話を聞いた七雄は、
あくまでも自分が女として見られていることにいら立って
不機嫌そうに教室の中へと入って行ったー。
・・・・・・・・・・・・・
「ちょっと、いいか?」
放課後ー
親友の照也から声を掛けられた七雄は、
照也と共に空き教室に入ったー。
「--どうしたんだよ?照也」
七雄が言うと、
照也が少しだけ心配そうに、
「--大丈夫か?」と、七雄に対して言い放ったー
七雄の最近の振る舞いを、照也も心配しているのだー
「--まぁ、、その、、さ…
なんていうか…今まで通り普通に接してほしいのに、
みんな、、なんか、こう、壁を感じるんだ」
七雄が可愛らしい声で言うと、
照也は「そうだよな…」と呟くー。
髪を切っても、やっぱり、”女子”の身体つきであり、
今、七雄は正真正銘、身体は女子そのものだったー
男子校で唯一の女子となってしまった七雄に
”今まで通り接する”というのは
なかなか難しいかもしれないー。
「---……」
照也は、少しだけ考えてから、口を開くー
「--あのさ、七雄 頼みがあるんだ」
照也はそう言うと、鞄から何かを取り出したー
「--え」
七雄は唖然とするー。
照也は取り出したのはー
”ナース服”だったからだー。
「--こ、、これ…今のお前にスゴイ、似合うと思うんだー
あ、いや、お前が女の子扱いされるのはイヤだってことは
分かってるー
でも、その…
1回だけ…」
照也が顔を赤くしながら七雄の方を見つめるー
七雄にナース服を着てほしいー
照也は、そう言っているのだー
「は……は、、はぁ?ふ、、ふざけんなよ!」
七雄は思わず叫んだー
親友の照也だけは、自分のことをちゃんと男として
見てくれていると思っていたのにー
それなのにー
「--だめなんだ、、どうしても、意識しちゃうんだー
分かるだろ…???
頼む、1回でいいから、着てくれよ」
照也の言葉に、七雄は心底失望した、という表情で
大きくため息をついたー
「--俺は男だー」
それだけ呟いて空き教室から出て行こうとする七雄ー。
しかしー
「-もう!!我慢できないんだよ!」
照也が突然七雄の腕を掴んで、壁に叩きつけたー。
「--ひっ!?」
七雄が思わず変な声を出してしまうー
「--わかるだろ?七雄ー
今のお前、姿も声も、めっちゃ可愛いんだよ」
照也がニヤニヤしながら言うー
「--男子ばっかのこの高校で、お前は唯一の女子なんだよー
わかるだろ…?
頼むよー」
はぁはぁ言いながら照也が七雄にキスをするー
「やめ、、馬鹿!!やめろ!」
七雄が必死に叫ぶー
しかしー
「--!!!!!!!!!!!!!!」
七雄は表情を歪めるー。
”照也の力に抵抗できない”
「---え ちょっ!?」
女体化したことで、男子と”力”の差が出てしまっていたー
性欲に狂った照也に押し倒されて
七雄はそのまま好き放題されてしまうー
まるで、本当の女子のように悲鳴を上げた七雄ー。
七雄は、女子としてイカされてしまいーー
放心状態になっていたー
「あ……あ」
目から涙があふれて止まらないー
そんな七雄を見て、
照也は「ごめんな、本当にごめんな」と、謝罪の言葉を口にするー
「でも、、でも、、お前…ダメだよ!そんな…
そんな可愛い振りまくの…ダメだよ!」
と、照也はそれだけ言うと、そのまま空き教室の
外に立ち去って行ったー
一人残された七雄はー
涙を流すことしかできなかったー。
そしてー
男子が怖い、という感情が芽生え始めていたー。
・・・・・・・・・・・・・・・
”恐怖”を感じたからだろうかー。
”親友の裏切り”に絶望したからだろうかー。
その日を境にー
七雄は急激に大人しくなりー
女子のような振る舞いが増えたー
「--ーーー」
クラスでも怯えた様子を見せるようになったー
”男子に囲まれている状態が怖い”とでも
言いたそうな、そんな振る舞いだったー
だがー
それでも、親友の照也は、七雄に対して、”女の子扱い”の
接し方を続けたー
「-俺、彼女一度もいたことないんだ…でも、お前なら…
頼むよ!」
照也は、七雄に告白したー。
彼女として付き合ってほしいー、と。
「---……ごめん。無理」
七雄はそれだけ言うと、立ち去ろうとしたー。
照也が再び七雄に無理やりキスをしようとするー
「男同士なんだから、いいじゃねぇか!」と叫ぶ照也ー
七雄はパニックになって、悲鳴を上げながら逃げ出したー。
そしてーー
偶然通りかかった担任の先生がーー
七雄を助けてくれたー
結果ー
照也は、停学処分を受けたー。
「-----」
自分のせいで、親友の照也が停学になってしまったー。
そんな風に思いながら、七雄は、家の中でもふさぎ込むように
なってしまったー。
④へ続く
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コメント
次回が最終回デス~!
女体化したことで、崩れていく日常の先に待つ
結末を、ぜひお楽しみ下さいネ~!
今日もありがとうございました~!