Home Artists Posts Import Register
Join the new SimpleX Chat Group!

Content

両親と妹が祖父母の家に行く当日ー


大学生の直幸は、

ネットで手に入れた変身薬で、

同じ大学に通う意中の子である絵美里に変身したー。


下準備は完璧だったー。


予め、絵美里の姿に変身したら、

着てみたいエッチな衣装を用意しておいたし、

メイク用品まで、しっかりと揃えたー。


更には”絵美里の姿になったらやりたいことリスト”も

事前に作成し、1日の時間をフル活用して、

絵美里を堪能しよう、とそう決めていたー。


実家暮らしの直幸にとっては

”家族に見つからずに自由にできる時間”は少ないし、

かと言って、絵美里の姿で外に出かければ

何らかのトラブルになる可能性があるー。

最悪、本物の絵美里と鉢合わせしたら最悪だー。


だからこそ”家”が一番安全なのだー。


ましてや、両親と妹が、祖父母の家に遊びに行き、

1泊してくる予定の今日であれば、

”完璧”の、はずだったー。


しかしー


「あ、、、あ、、あ、、あの、、ど、どちらさまですか…?」

妹の奈緒子が、突然、部屋に戻ってきてしまったー


絵美里の姿に変身し、メイド服を着て

鏡の前で「なおゆきさまっ♡」と甘い声で囁いている最中にー


「--え、、、あ、、、え、、、え…!?」

メイド服絵美里の姿をした直幸は

あまりの出来事に、混乱してしまうー


”父さんと母さんと奈緒子は、おばあちゃんたちのところに行って

 宿泊するはずーーー”


なのに、なんでーーー

ここにぃ!?


メイド服姿の絵美里の姿をしたまま、直幸は

頭を必死にフル回転させたー


”やべぇ、やべぇぞ この状況

 洒落にならねぇー”


同じ大学に通う女子の姿に変身して、

しかもメイド服を着ているこの状況ー


いや、それだけじゃない、チャイナドレスやら何やら

見られてはいけないものがたくさんあるー


眉間にしわを寄せながらヒクヒクと

奈緒子の方を見つめる、メイド絵美里姿の直幸ー


「---あ、、、、、」

奈緒子がようやく、メイド絵美里姿の直幸を見て

口を開いたー


「お、、、お、お兄ちゃんの、彼女さん、ですか?」

とー。


「--え、、あ、、、え、、、」

メイド絵美里の姿をした直幸は、

妹・奈緒子のリアクションが想定外だったものの

”いや、待て、これに乗るしかない”と、

内心で微笑んだー


そしてー


「あ、、、あ、、、うん、そ、、そうなのぉ~うふふふ♡

 はじめまして~♡」


引きつった笑顔を浮かべながらメイド絵美里姿のまま

直幸は、勝手に”絵美里を彼女”扱いにしてしまったー


”--絵美里とは別れたって、あとから言えばどうにでもなるー

 俺が女子大生に変身して、こんな格好してるとバレるより、

 何百パーセントもマシだ!”


直幸はそんな風に思いながらも、

”なんで家に帰って来たんだ”と、困惑しながら口を開いたー


「---…あ、、あの…え、、え~っと、、

 今日、おじいちゃんとおばあちゃんの家に行くって

 聞いてたけどぉ~~」


不自然な口調で、絵美里姿の直幸が言うと、

奈緒子が答えたー。


「あ~はい、

 祖父母の家に向かっていたんですけど、

 途中で連絡が入って、

 祖父が風邪をひいたので、

 急遽、中止になってしまってー」


とー


「そ、、そんな」

ガクッと項垂れるメイド絵美里の姿をした直幸ー。


これからー

これから、せっかく

絵美里の姿でいっぱいやりたいことを

しようと思っていたのにー


「ど、、ど、、どうしたんですか!?」

妹の奈緒子が、がっくりしている絵美里姿の直幸を見て

狼狽えるー。


「あ、、あぁ、、、いえ、、、…」

絵美里姿の直幸は”さて、ここからどうするか”と

頭をフル回転させるー。


絵美里の姿で好き放題するのは、

残念ながら”また今度”にするしかないー


「--そういえば、お兄ちゃんは今どこに?」

奈緒子が首を傾げるー。


”え”

絵美里姿の直幸は、自分がメイド服を着てることも

忘れて青ざめるー。


「えーーー、え~~~~っと、

 その~~~~

 ちょっとコンビニに出かけました」


咄嗟に言い訳する絵美里姿の直幸ー


”って、コンビニじゃ、せいぜい30分ぐらいで

 帰って来ねぇとおかしいじゃん”


そんな風に思いながら、絵美里姿の直幸が

「あは、あははははは」と誤魔化すように笑っていると、

奈緒子が呟いたー。


「--それにしてもお兄ちゃんに彼女がいたなんて

 びっくりですよぉ~!

 ここだけの話、お兄ちゃん、童貞ですし、

 わたし、ず~っと、生涯童貞だと思ってましたから!」

笑いながら言う奈緒子ー


”こ、、このやろ~~~”

絵美里姿の直幸は、絵美里の綺麗な手で握りこぶしを作るー


いや、ダメだー。

心を乱しては、バレてしまうー。


「--あ、、あははははは~

 そ、そうなんですねぇ~!」

絵美里として受け答えをする直幸ー。


「--それにしても~~

 彼女さんにこんな格好させるなんてーー

 お兄ちゃん、ほんと最低~~!

 

 お兄ちゃんに変わって、ごめんなさい!」


奈緒子が頭を下げるー


ムカッ、とした絵美里姿の直幸は

「--あ、これは~わたしが、自分から着てるの!

 お兄ちゃんは、何も関係ないですよぉ~~~」

と、言い返したー


「え~~!絶対お兄ちゃんに着せられてますよね!」

奈緒子が決めつけるー


「--いやいや、わたし、コスプレ趣味なんで!」

絵美里姿の直幸がすかさず反論するー


「--え~?ほんとですかぁ~?

 でも、お兄ちゃんなら、彼女さんにそのぐらい着せそうだしー」


あくまでも兄・直幸のせいにしようとする妹の奈緒子ー


カチン、と来た絵美里姿の直幸は思わず

「-違うって言ってるだろ!」と、叫んでしまうー。


「----!」

奈緒子がビクッとするー。


「あーー」

絵美里姿の直幸は、すぐに我に返ってー

慌てて言葉を付け足したー


「----ってーーー、直幸なら、言いそうかなぁ~って」

絵美里姿の直幸の言葉に、

奈緒子は「そ、、そうですね~!」と苦笑いしたー。


しばらくの沈黙ー

なんとなく、気まずい雰囲気ー


それから逃れるように、妹の奈緒子は

「あ、お父さん、お母さん~!お兄ちゃんの彼女さんが来てた~!」と

1階に駆け降りて行ってしまったー。


「---!!」

”今だ”と直幸は思う。

このチャンスに変身を解除して、

「--彼女は帰ったよ」と、言うしかない。


コスプレ衣装は、なんとかして、隠してー

あとは、とにかくどうにかするしかないー。


引き出しから、変身を解除するための吸引機を手にして、

それを喉に当てるー


変身薬はまだあと1回分は残っているし、

変身に必要な相手の身体の一部ー

絵美里の髪の毛もまだ数本採取してあるから、

もう一度変身することはできるー。


とにかく、今回は諦めようー。


変身を解除した直幸は、鏡を見て、思わず「げぇっ!」と叫ぶー。


メイド服姿の直幸がそこには映っていたからだー。


「--うえぇぇ…さすがにこれは似合わな過ぎる…」

メイド服が似合う男子もいるが、

彼はそういうタイプではないー


何より、自分で自分を気持ち悪いと思って

吐き気を催してしまっているー。


慌ててメイド服を脱ぎ捨てようとする直幸ー


しかしー


「--!!!!」


階段を上って来る足音が聞こえたー

妹の奈緒子だー


奈緒子はノックもせずに人の部屋に入って来るような妹だー


”ってか、戻って来るの早くね!?”

1階にいるはずの両親に”お兄ちゃんの彼女さんが~”と言いに行った奈緒子が、

2、3分もせずに部屋に戻ってこようとしているー


「-ちょ!!やばっ!」

メイド服姿の直幸は、慌てて机の引き出しから

変身薬と絵美里の髪の毛を取り出し、

髪の毛を口に入れると、変身薬を飲みほしたー


再び絵美里の姿になった直幸ー

それと同時に、奈緒子が扉を開くー


「--お母さんとお父さんが、挨拶したいそうです!」

奈緒子がニコニコしながら部屋に入って来たー


「---え、、、あ、、、え、、は、、はいぃ」

メイド服絵美里の姿をした直幸は

「-ちょ、ちょっとこの格好だとアレなんで、着替えてもいいですか?」

と、奈緒子に対して聞くー。


妹に対して敬語を使っているようなこの状況にー

絵美里の姿をした直幸は戸惑いながらも、

こうするしかなかったー


”くっそーー!

 このエッチな姿なのに、何にもできねぇって生き地獄じゃないか”


そんな風に思いながら、

奈緒子が部屋の外に出ていくのを確認すると、

絵美里の姿をした直幸は、目をぱちぱちさせたー。


咄嗟に”着替える”とか言ってしまったがー

よく考えたら、女性向けの普通の服なんて持ってないー。


「----」

「----」


チャイナドレスに

バニーガール

巫女

ラバースーツ

メイド服ー


そんな感じのものしかないー


あとは、直幸の私服ー。


「-くそっ…くそっ…どうすれば」


”い、、一番なんとかまともなものを…”


そう考えた絵美里の姿をした直幸は、

咄嗟にラバースーツを手にして、身に着けたー


「--わぁ、すごい」

奈緒子が驚くー


「--わ、わ、わ、わ、わたし、よくバイク乗るから」

絵美里姿の直幸は咄嗟に、そう言ってしまったー


”ラバースーツでバイクなんて乗るのか?”と

自分で、自分の発言を後悔しながらも、妹の奈緒子は

「へぇ!すごいんですね!」と嬉しそうにしているので

なんとか、誤魔化すことができたー。


「------」

両親の前にやってくる絵美里の姿をした直幸ー


”早く…早く、俺を解放してくれ”

直幸は、そう思いながら両親と適当に雑談を始めるー


自己紹介をする際には、”絵美里”と名乗らず

”幸恵(ゆきえ)”と適当に偽名を名乗っておいたー


のちのち、本物の絵美里の耳に入るようなことがあれば、

それこそ大変だー。


「-幸恵さんは、いつ直幸と出会ったの?」

直幸の母親が言うー


「えーーーう、、う~~~ん、、いつでしたっけ

 ちょっと忘れちゃいましたー」


とにかくボロを出さないようにー

そう思いながらも

ラバースーツ姿の自分にドキドキしながら

落ち着かない様子を見せる絵美里姿の直幸ー


「それにしてもお兄ちゃん遅いなぁ~!

 コンビニですよね?」

奈緒子が不思議そうにしているー


「え、、あ~~~、、寄り道してるのかもしれませんね~」

絵美里姿の直幸は苦笑いするー


いくら待っても、このままじゃ帰って来るわけがないー。


だってー、

直幸は、今、目の前にいるのだからー。


「---ちょっと、探しに行きません?」

奈緒子が微笑むー


「えっ」

絵美里姿の直幸は、焦りを覚えるー


さすがに、この姿で外に出るのはー


”くそっ!こうなったらー”


「--あ、、え~~はい、じゃあ、わたし、部屋に戻って

 準備してきますね」


絵美里姿の直幸は慌てて部屋に戻るー


もう、変身を解除して「彼女は帰った」ということに

するしかないー。


部屋に駆け込んだ絵美里姿の直幸は、慌てて吸引機を手に、

変身を解除しようとするー。


「---あ!!!!」

奈緒子の声がしてー

吸引機で変身を解除する直前に、絵美里姿の直幸は手を止めたー


「ちょ!ノックぐらいしろよ!」

思わずいつもの癖で叫んでしまうー


「え…」

奈緒子が、戸惑うー


「--お、、お兄ちゃんみたいなこと言いますね?」

笑いながら奈緒子がそう言い放つー。


「--え、、、あ、」

絵美里姿の直幸は、半分パニックになりながら

隙を見つめることも出来ないまま、

妹の奈緒子といっしょに、絵美里の姿で外出することになってしまったー


”くそっ…外じゃ変身も解除できないー”

変身を解除しても、変身しても、服装はそのままー


外で変身を解除すれば

ラバースーツの男子大学生になってしまうー

さすがに、それはまずいー。


「----はぁ」

絵美里姿の直幸は”とほほ”という感じで、

そのまま、”見つかるはずのないお兄ちゃん”を

探すべく、妹の奈緒子と共に、コンビニ向かったー。



③へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


家族にバレずに、やり過ごすことはできるのでしょうか~?

続きはまた次回デス!


今日もありがとうございました!!

Files

Comments

No comments found for this post.