<他者変身>実家暮らしの他者変身②~彼女~ (Pixiv Fanbox)
Content
両親と妹が祖父母の家に行く当日ー
大学生の直幸は、
ネットで手に入れた変身薬で、
同じ大学に通う意中の子である絵美里に変身したー。
下準備は完璧だったー。
予め、絵美里の姿に変身したら、
着てみたいエッチな衣装を用意しておいたし、
メイク用品まで、しっかりと揃えたー。
更には”絵美里の姿になったらやりたいことリスト”も
事前に作成し、1日の時間をフル活用して、
絵美里を堪能しよう、とそう決めていたー。
実家暮らしの直幸にとっては
”家族に見つからずに自由にできる時間”は少ないし、
かと言って、絵美里の姿で外に出かければ
何らかのトラブルになる可能性があるー。
最悪、本物の絵美里と鉢合わせしたら最悪だー。
だからこそ”家”が一番安全なのだー。
ましてや、両親と妹が、祖父母の家に遊びに行き、
1泊してくる予定の今日であれば、
”完璧”の、はずだったー。
しかしー
「あ、、、あ、、あ、、あの、、ど、どちらさまですか…?」
妹の奈緒子が、突然、部屋に戻ってきてしまったー
絵美里の姿に変身し、メイド服を着て
鏡の前で「なおゆきさまっ♡」と甘い声で囁いている最中にー
「--え、、、あ、、、え、、、え…!?」
メイド服絵美里の姿をした直幸は
あまりの出来事に、混乱してしまうー
”父さんと母さんと奈緒子は、おばあちゃんたちのところに行って
宿泊するはずーーー”
なのに、なんでーーー
ここにぃ!?
メイド服姿の絵美里の姿をしたまま、直幸は
頭を必死にフル回転させたー
”やべぇ、やべぇぞ この状況
洒落にならねぇー”
同じ大学に通う女子の姿に変身して、
しかもメイド服を着ているこの状況ー
いや、それだけじゃない、チャイナドレスやら何やら
見られてはいけないものがたくさんあるー
眉間にしわを寄せながらヒクヒクと
奈緒子の方を見つめる、メイド絵美里姿の直幸ー
「---あ、、、、、」
奈緒子がようやく、メイド絵美里姿の直幸を見て
口を開いたー
「お、、、お、お兄ちゃんの、彼女さん、ですか?」
とー。
「--え、、あ、、、え、、、」
メイド絵美里の姿をした直幸は、
妹・奈緒子のリアクションが想定外だったものの
”いや、待て、これに乗るしかない”と、
内心で微笑んだー
そしてー
「あ、、、あ、、、うん、そ、、そうなのぉ~うふふふ♡
はじめまして~♡」
引きつった笑顔を浮かべながらメイド絵美里姿のまま
直幸は、勝手に”絵美里を彼女”扱いにしてしまったー
”--絵美里とは別れたって、あとから言えばどうにでもなるー
俺が女子大生に変身して、こんな格好してるとバレるより、
何百パーセントもマシだ!”
直幸はそんな風に思いながらも、
”なんで家に帰って来たんだ”と、困惑しながら口を開いたー
「---…あ、、あの…え、、え~っと、、
今日、おじいちゃんとおばあちゃんの家に行くって
聞いてたけどぉ~~」
不自然な口調で、絵美里姿の直幸が言うと、
奈緒子が答えたー。
「あ~はい、
祖父母の家に向かっていたんですけど、
途中で連絡が入って、
祖父が風邪をひいたので、
急遽、中止になってしまってー」
とー
「そ、、そんな」
ガクッと項垂れるメイド絵美里の姿をした直幸ー。
これからー
これから、せっかく
絵美里の姿でいっぱいやりたいことを
しようと思っていたのにー
「ど、、ど、、どうしたんですか!?」
妹の奈緒子が、がっくりしている絵美里姿の直幸を見て
狼狽えるー。
「あ、、あぁ、、、いえ、、、…」
絵美里姿の直幸は”さて、ここからどうするか”と
頭をフル回転させるー。
絵美里の姿で好き放題するのは、
残念ながら”また今度”にするしかないー
「--そういえば、お兄ちゃんは今どこに?」
奈緒子が首を傾げるー。
”え”
絵美里姿の直幸は、自分がメイド服を着てることも
忘れて青ざめるー。
「えーーー、え~~~~っと、
その~~~~
ちょっとコンビニに出かけました」
咄嗟に言い訳する絵美里姿の直幸ー
”って、コンビニじゃ、せいぜい30分ぐらいで
帰って来ねぇとおかしいじゃん”
そんな風に思いながら、絵美里姿の直幸が
「あは、あははははは」と誤魔化すように笑っていると、
奈緒子が呟いたー。
「--それにしてもお兄ちゃんに彼女がいたなんて
びっくりですよぉ~!
ここだけの話、お兄ちゃん、童貞ですし、
わたし、ず~っと、生涯童貞だと思ってましたから!」
笑いながら言う奈緒子ー
”こ、、このやろ~~~”
絵美里姿の直幸は、絵美里の綺麗な手で握りこぶしを作るー
いや、ダメだー。
心を乱しては、バレてしまうー。
「--あ、、あははははは~
そ、そうなんですねぇ~!」
絵美里として受け答えをする直幸ー。
「--それにしても~~
彼女さんにこんな格好させるなんてーー
お兄ちゃん、ほんと最低~~!
お兄ちゃんに変わって、ごめんなさい!」
奈緒子が頭を下げるー
ムカッ、とした絵美里姿の直幸は
「--あ、これは~わたしが、自分から着てるの!
お兄ちゃんは、何も関係ないですよぉ~~~」
と、言い返したー
「え~~!絶対お兄ちゃんに着せられてますよね!」
奈緒子が決めつけるー
「--いやいや、わたし、コスプレ趣味なんで!」
絵美里姿の直幸がすかさず反論するー
「--え~?ほんとですかぁ~?
でも、お兄ちゃんなら、彼女さんにそのぐらい着せそうだしー」
あくまでも兄・直幸のせいにしようとする妹の奈緒子ー
カチン、と来た絵美里姿の直幸は思わず
「-違うって言ってるだろ!」と、叫んでしまうー。
「----!」
奈緒子がビクッとするー。
「あーー」
絵美里姿の直幸は、すぐに我に返ってー
慌てて言葉を付け足したー
「----ってーーー、直幸なら、言いそうかなぁ~って」
絵美里姿の直幸の言葉に、
奈緒子は「そ、、そうですね~!」と苦笑いしたー。
しばらくの沈黙ー
なんとなく、気まずい雰囲気ー
それから逃れるように、妹の奈緒子は
「あ、お父さん、お母さん~!お兄ちゃんの彼女さんが来てた~!」と
1階に駆け降りて行ってしまったー。
「---!!」
”今だ”と直幸は思う。
このチャンスに変身を解除して、
「--彼女は帰ったよ」と、言うしかない。
コスプレ衣装は、なんとかして、隠してー
あとは、とにかくどうにかするしかないー。
引き出しから、変身を解除するための吸引機を手にして、
それを喉に当てるー
変身薬はまだあと1回分は残っているし、
変身に必要な相手の身体の一部ー
絵美里の髪の毛もまだ数本採取してあるから、
もう一度変身することはできるー。
とにかく、今回は諦めようー。
変身を解除した直幸は、鏡を見て、思わず「げぇっ!」と叫ぶー。
メイド服姿の直幸がそこには映っていたからだー。
「--うえぇぇ…さすがにこれは似合わな過ぎる…」
メイド服が似合う男子もいるが、
彼はそういうタイプではないー
何より、自分で自分を気持ち悪いと思って
吐き気を催してしまっているー。
慌ててメイド服を脱ぎ捨てようとする直幸ー
しかしー
「--!!!!」
階段を上って来る足音が聞こえたー
妹の奈緒子だー
奈緒子はノックもせずに人の部屋に入って来るような妹だー
”ってか、戻って来るの早くね!?”
1階にいるはずの両親に”お兄ちゃんの彼女さんが~”と言いに行った奈緒子が、
2、3分もせずに部屋に戻ってこようとしているー
「-ちょ!!やばっ!」
メイド服姿の直幸は、慌てて机の引き出しから
変身薬と絵美里の髪の毛を取り出し、
髪の毛を口に入れると、変身薬を飲みほしたー
再び絵美里の姿になった直幸ー
それと同時に、奈緒子が扉を開くー
「--お母さんとお父さんが、挨拶したいそうです!」
奈緒子がニコニコしながら部屋に入って来たー
「---え、、、あ、、、え、、は、、はいぃ」
メイド服絵美里の姿をした直幸は
「-ちょ、ちょっとこの格好だとアレなんで、着替えてもいいですか?」
と、奈緒子に対して聞くー。
妹に対して敬語を使っているようなこの状況にー
絵美里の姿をした直幸は戸惑いながらも、
こうするしかなかったー
”くっそーー!
このエッチな姿なのに、何にもできねぇって生き地獄じゃないか”
そんな風に思いながら、
奈緒子が部屋の外に出ていくのを確認すると、
絵美里の姿をした直幸は、目をぱちぱちさせたー。
咄嗟に”着替える”とか言ってしまったがー
よく考えたら、女性向けの普通の服なんて持ってないー。
「----」
「----」
チャイナドレスに
バニーガール
巫女
ラバースーツ
メイド服ー
そんな感じのものしかないー
あとは、直幸の私服ー。
「-くそっ…くそっ…どうすれば」
”い、、一番なんとかまともなものを…”
そう考えた絵美里の姿をした直幸は、
咄嗟にラバースーツを手にして、身に着けたー
「--わぁ、すごい」
奈緒子が驚くー
「--わ、わ、わ、わ、わたし、よくバイク乗るから」
絵美里姿の直幸は咄嗟に、そう言ってしまったー
”ラバースーツでバイクなんて乗るのか?”と
自分で、自分の発言を後悔しながらも、妹の奈緒子は
「へぇ!すごいんですね!」と嬉しそうにしているので
なんとか、誤魔化すことができたー。
「------」
両親の前にやってくる絵美里の姿をした直幸ー
”早く…早く、俺を解放してくれ”
直幸は、そう思いながら両親と適当に雑談を始めるー
自己紹介をする際には、”絵美里”と名乗らず
”幸恵(ゆきえ)”と適当に偽名を名乗っておいたー
のちのち、本物の絵美里の耳に入るようなことがあれば、
それこそ大変だー。
「-幸恵さんは、いつ直幸と出会ったの?」
直幸の母親が言うー
「えーーーう、、う~~~ん、、いつでしたっけ
ちょっと忘れちゃいましたー」
とにかくボロを出さないようにー
そう思いながらも
ラバースーツ姿の自分にドキドキしながら
落ち着かない様子を見せる絵美里姿の直幸ー
「それにしてもお兄ちゃん遅いなぁ~!
コンビニですよね?」
奈緒子が不思議そうにしているー
「え、、あ~~~、、寄り道してるのかもしれませんね~」
絵美里姿の直幸は苦笑いするー
いくら待っても、このままじゃ帰って来るわけがないー。
だってー、
直幸は、今、目の前にいるのだからー。
「---ちょっと、探しに行きません?」
奈緒子が微笑むー
「えっ」
絵美里姿の直幸は、焦りを覚えるー
さすがに、この姿で外に出るのはー
”くそっ!こうなったらー”
「--あ、、え~~はい、じゃあ、わたし、部屋に戻って
準備してきますね」
絵美里姿の直幸は慌てて部屋に戻るー
もう、変身を解除して「彼女は帰った」ということに
するしかないー。
部屋に駆け込んだ絵美里姿の直幸は、慌てて吸引機を手に、
変身を解除しようとするー。
「---あ!!!!」
奈緒子の声がしてー
吸引機で変身を解除する直前に、絵美里姿の直幸は手を止めたー
「ちょ!ノックぐらいしろよ!」
思わずいつもの癖で叫んでしまうー
「え…」
奈緒子が、戸惑うー
「--お、、お兄ちゃんみたいなこと言いますね?」
笑いながら奈緒子がそう言い放つー。
「--え、、、あ、」
絵美里姿の直幸は、半分パニックになりながら
隙を見つめることも出来ないまま、
妹の奈緒子といっしょに、絵美里の姿で外出することになってしまったー
”くそっ…外じゃ変身も解除できないー”
変身を解除しても、変身しても、服装はそのままー
外で変身を解除すれば
ラバースーツの男子大学生になってしまうー
さすがに、それはまずいー。
「----はぁ」
絵美里姿の直幸は”とほほ”という感じで、
そのまま、”見つかるはずのないお兄ちゃん”を
探すべく、妹の奈緒子と共に、コンビニ向かったー。
③へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
家族にバレずに、やり過ごすことはできるのでしょうか~?
続きはまた次回デス!
今日もありがとうございました!!