<皮>褒め続けられた女子高生②~異変~ (Pixiv Fanbox)
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「---なんだか、今日の智恵は、すごい明るかったけど、
何か良いことあった?」
智恵の彼氏・勇吾が笑みを浮かべるー
「ふふふっ…勇吾くんにも分かっちゃった?」
智恵が嬉しそうに言うー。
いつも、ネガティブなオーラを振りまいていた智恵が、
今日はなんだか明るい気がするー
彼氏の勇吾は、そんな風に思ったのだったー
そして、智恵自身も、それを感じていたー
いつもだったらー
”どうせわたしなんて…”と考えてしまうような事柄も、
なんだか、前向きに考えることが出来るー
「---なんだか、今日の智恵は、いつも以上に
こう、可愛いし、一緒にいて楽しいよ」
勇吾が言うと、
智恵は「勇吾くんにそう言ってもらえてうれしい!」と、
心から嬉しそうに微笑んだー。
いつもならー
”気を遣わせてしまってるのかな…?”と
マイナスに考えてしまう智恵ー。
しかし、今日は違ったー。
”ポジティブ・コア療法”
智恵はその効果を”強く”実感していたー
(わたし…今日はなんだかとっても…前向きに考えられる!)
智恵は、勇吾に手を振りながら
「勇吾くん!また明日!」と可愛らしく微笑むー
”今のわたし、可愛かったかも!”
自分のことを”かわいい”などと、少しでも思ったのは
人生でもこれが初めてかもしれないー。
”ふふふ…いい感じだ”
智恵の中には”男”が潜んでいたー
智恵は気づいていないー
”ポジティブ・コア療法”とは、
対象の人間を”皮”にして、その皮を着こみ、
その中に潜んだ状態で、その相手を褒め続けてー
ポジティブにしていくというものー。
智恵は、ポジティブコア療法の会場で
眠らされている間に、皮にされて、
知らない男に着こまれてー
今、自分の身体の中には、”男”が潜んでいるなどとは
夢にも思っていないー。
”-お前はかわいい”
”お前はかわいい”
”お前はかわいい”
皮にした智恵の中に潜みー
男は智恵を褒め続けるー
ポジティブな気持ちで埋め尽くされてー
変わっていく智恵ー
「--わたし…うん…かわいい!」
智恵は笑みを浮かべながら、
帰宅すると、自分でも信じられないようなおしゃれをして、
鏡の前で微笑んだー
「--わたしって…こんなに可愛かったんだ…♡」
無頓着だった髪型を整える智恵ー
智恵は、自分で自分の姿を見て、ドキッとしてしまうー。
「---かわいい…♡」
智恵は、自分のことを心から可愛いと思ったー。
”いいぞ…
お前はかわいい
お前はかわいい
お前はー”
ポジティブな意思を内側から蔓延させていく男ー。
もちろんー
ポジティブコア療法を展開する”男”たちの目的は、
ただ単に、”ネガティブな性格に悩む子”を
助けることーー
などではないー。
”ククク”
男は笑うー。
智恵は、自分自身の”異変”が望まぬ方向に進むなどとは
夢にも思わずー
「ポジティブコア療法ってすごいなぁ…」と嬉しそうに微笑んだー。
・・・・・・・・・・・・・・
夜ー
「--へへへ…順調だぜ」
智恵が、ベッドの上であぐらをかきながら、
可愛らしいスマホを手に連絡しているー
連絡相手は
”ポジティブコア療法”を展開するリーダー格の男 だー。
”その女は、どのぐらいで”落ち”そうだ?”
相手の男の言葉に、智恵は笑ったー
「へへへ…まぁ~元々”自己主張”が無さそうな女だから、
そう長くはかかねぇんじゃねぇかな」
智恵が、本人は絶対に口にしないような口調で、
耳をほじりながら笑うー。
”ははは…そうか。では、もうしばらく頼むぞ”
「--へへへ…任せろって」
智恵はそう言うと、スマホを放り投げて
「さ~て、夜、この女が寝てる間は、
好き放題させてもらうぜぇ」と、笑みを浮かべたー
帰宅後ー
夜に智恵が寝てから、智恵の内側に潜む男は
智恵の身体を完全に乗っ取って
”お愉しみ”を始めるのだったー
・・・・・・・・・・・・・・・・
翌朝ー。
「--……」
智恵は、真剣な表情で、化粧をしていたー。
いつも、メイクなんてしないのに、智恵は
昨日の帰宅前に、メイク用品を大量に購入しー
そしてー
今日、学校に行く前にメイクをしていたー
鏡の前で、ポニーテールを作り、微笑む智恵ー。
「-わたし、かわいいじゃん」
智恵が、満足そううに微笑むー。
”そうだー
お前は可愛いー”
”皮”にされた智恵の内側に潜む男の言葉は、
智恵に直接の意味では届いていないー
しかし、内側から褒め続けることによりー
人は、急激に変わるー。
「--おはよ~~~!」
彼氏の勇吾に声を掛ける智恵ー。
智恵を見て、勇吾は驚くー。
智恵が別人のように、おしゃれになっていたからだー。
「--ふふ、勇吾くん!どう?わたしに見とれちゃった?」
自信満々の笑みを浮かべる智恵ー
「ちょ!?どうしたんだよ急に…
なんだか智恵じゃないみたいだぞ?」
勇吾が笑うと、智恵は「ふふ、これが本当のわたしよ!」と、
自信満々に微笑んだー
・・・・・・・・・・・・・・・
昼休みー
勇吾の悪友、洋一が、智恵を指さしながら言うー
「--な、なんか、昨日ぐらいから、彼女、イメージ変わってね?
なんか滅茶苦茶明るいし」
洋一の言葉に、勇吾は苦笑いしながらー
「--まぁ、元気なのはいいことだし、彼氏として嬉しいよ」と、
洋一に対して答えたー。
「--(ふふん…男子の視線がわたしに釘付け)」
智恵は、優越感に浸っていたー
おしゃれをすれば、わたしは誰よりもかわいいー、と。
勇吾の悪友・洋一の彼女である真美子の方を見つめる智恵ー
「--ふん…真美子なんかより、わたしのほうが
100倍も可愛いわ」
智恵が呟くー
”そうだー”
”お前はかわいい”
”お前は最高の女だ”
”お前は優秀な女だ”
智恵の内側に潜んだ男が、絶え間なく、智恵を褒め続けるー。
昼休みになると、智恵はトイレの鏡で、
まるで自分がアイドルかのような錯覚をしながらー
髪型を整えてー
化粧を直したー。
「--ふふ♡」
智恵が廊下を歩くー
男子の視線を感じるー。
「すごい効果…」
ポジティブコア療法によって、
自分はポジティブになったー
そして、大好きな勇吾くんにふさわしい明るい女になることが
出来たー
智恵は嬉しそうに、堂々と廊下を歩くー。
今まで、どこかで”怯えた感じ”で廊下を歩いていた智恵ー。
しかし、今は、もう違うー
”すごい…わたし、すごいーー”
智恵は、ポジティブな感情に支配されたー。
授業中も積極的に発言するようになりー
他のクラスメイトに怯える様子もなくー
まるで、別人のように豹変していくー。
”自身に満ち溢れた”智恵ー
クラスでの会話も増えてー
みるみるおしゃれになっていきー
勇吾が心配していた文化祭の当日も、智恵は、
嬉しそうに色々なクラスの出し物を見て回りー
挙句の果てに、メイド姿をクラスメイトに疲労したー。
「--わたし、かわいいでしょ?」などと、
得意げにポーズを決めていた智恵ー。
文化祭終了後のー
数週間後には、もはや別人のような智恵の姿が
そこにはあったー。
「--智恵ちゃん、可愛くなりすぎだろ~!」
勇吾の悪友・洋一が笑いながら、智恵に言うー。
「--え~~?そんなこと… あるぅ~♡」
智恵が笑いながら、洋一の方を見つめるー。
「----」
だがー
彼氏の勇吾は、そんな智恵を見つめながらー
ため息をついていたー。
ここ数週間の智恵の”豹変”に、驚きー
そしてーーー
「--勇吾く~ん!」
智恵が嬉しそうに手を振るー。
勇吾も、そんな智恵に応じるー。
だがー
勇吾は不安だったー
「智恵…最近、変だけど、大丈夫か?」
とー。
なんだかー
おかしいー
智恵が急にこんなにポジティブになるなんてー
いや、それだけではないー
度を越している気がするー。
「-ふふ、大丈夫に決まってるじゃない。
あ、それより、来月のわたしの誕生日だけど、
わたし、これが欲しいな~!」
智恵がスマホを手に、高額なバッグの写真を見せるー
「--宝石みたいなわたしに、ふさわしいと思わない?
勇吾くん、買ってよ。
バイトの給料、入ったでしょ?」
智恵が言うと、
勇吾は、その金額を見て、戸惑いー
そして、「ご、ごめん…これは」と、智恵の方を見たー
智恵はーー
不満そうだったー
「あのさ、勇吾くんー。
わたしが”付き合ってあげてる”ことを忘れちゃだめだよ?」
智恵が、真顔で言うー。
その表情に、笑顔はないー。
「--こんなに可愛いわたしが、勇吾くん”ごとき”と
付き合ってるんだよ?
ちゃんと感謝してる?」
智恵の言葉に、勇吾は激しく戸惑い、そして、口を開くー
「ちょ…?と、、智恵…?」
勇吾の言葉に、智恵は、見下すような笑みを浮かべたー。
「--よく考えたらさ、わたしって滅茶苦茶かわいいじゃん?
前は、勇吾くんにわたしなんかじゃ…って思ってたけど、
逆だよね?
わたしに勇吾くんなんかじゃ、本当は釣り合わないんだよ?」
智恵が、少し怒りっぽく言う。
「---な、、何言ってるんだよ…?」
勇吾は戸惑いを隠すことができないー。
最近の智恵は、おかしいー
急激に明るくなって、容姿も、自信に満ち溢れたものに変わりー
クラスは”滅茶苦茶可愛くなった”と智恵を称賛しているー
だが、彼氏の勇吾からすれば、寂しかったー
智恵が智恵でなくなってしまっているような感じー。
まるで、”別人”になってしまっているような感じー。
「---智恵…無理するなって…
どうしちゃったんだよ…?」
勇吾は悲しそうに呟くー
智恵が”わたし、ネガティブでごめんね”
”少しは明るく慣れるような頑張るから”などと、
いつも口にしていたことを、勇吾も理解しているー
だからこそー
文化祭の直前から、智恵が、少しずつ明るくなってきたときもー
”智恵が頑張っている”と、そう思っていたー
けどー
”最近は、度を越えているー”
ネガティブからポジティブにー
を、通りこして、まるで高飛車な女になってしまっているー。
「ーーねぇ、勇吾くん、お・ね・が・い♡」
自分が”可愛い”ことを計算した上での智恵のおねだりー
勇吾は「わ、、わかったよ…考えておくから」と言うと、
智恵は「やった~~~~!」と、わざと喜んで見せるー。
”お前はかわいいー”
”お前はかわいいーー”
智恵の後頭部にわずかに亀裂が入るー
智恵はそれを認識していないー
自分が皮にされて”着られて”いてー
自我と身体の主導権を”与えられている”立場で
あることに気づいていないー
「---かわいい…かわいい…わたしはかわいい…!」
智恵は、あまり趣味がなくて、使っていなかった貯金を
狂ったように使い始めたー
自分の美容にー。
服装は派手になりー
アクセサリーや化粧用品が増えてー
智恵は、”自分に自信を持っているお嬢様”のような
雰囲気に変貌してしまうー
成績はみるみる上がりー
友達も増えー
男子からも言い寄られるようになったー
”ポジティブ・コア療法”を受けてから1ヵ月ー
”内側”から男に褒め続けられた彼女はー
今や、休み時間ごとにトイレで自分を見つめながら
メイクや髪型を整えるほどにー
自分の”美貌”に自信を持っているほどになってしまったー
・・・・・・・・・・・・・
夜ー
大胆に生足を晒したミニスカート姿で街を歩く智恵ー。
本来の智恵であれば、恥ずかしがって外すら出れないような格好ー
しかし、今の智恵は堂々とその格好で街を歩いていたー
「あぅっ…」
智恵が急にビクンと震えるー
”智恵を皮にして内側に潜んでいる男”が
智恵を完全に乗っ取ったー。
白衣を着た女と接触する智恵ー。
「--どうだ?」
白衣を着た女が微笑むー
「--”落ちた”
あとは、仕上げだー」
智恵が邪悪な笑みを浮かべると、
白衣を着た女も、不気味な笑みを浮かべたー
智恵は、”高飛車な女”になったー
やがて、現状に不満を持ち始めるー
”自分を認めてくれない周囲”を見下すようになるー
あと、少しだー
「---”仕上げ”が終わったら連絡するぜ」
智恵がそう呟くと、
白衣の女は「わかった」と頷いて、
そのまま二人は、夜の闇に消えたー
③へ続く
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コメント
皮にして、着込んで、あえて身体の主導権は本人に返して、
褒め続ける…!
かなり、変わったタイプ?の皮モノですネ~!
高飛車になり始めた彼女の運命は…?
続きはまた次回デス~!