<入れ替わり>嘘つき男と嘘つき女②~浮気~ (Pixiv Fanbox)
Content
入れ替わってしまった大学生カップルの史和と梓紗は
互いに”嘘つき”だったー。
大学でも、よく”嘘”をつくためー
嘘つきカップルとして有名だった二人ー
そんな二人は、”相手”にも嘘をついていたー。
史和はー
後輩の麗子と”浮気”しているー
かなり深い関係だー。
梓紗のことも好きだが、麗子のことも好きー
そのことを隠しているー。
一方の梓紗はー
父親が”すし職人”だと、史和に説明していたが
実は父親は極道組織の組長であり、
娘である梓紗を溺愛している父親だー。
しかも、梓紗はその”父親”にも、嘘をついていてー
”彼氏はいない”と説明しているー
嘘渦巻く二人ー
翌日になっても、二人は入れ替わったままだったー。
「--やっぱ、戻ってないかぁ…」
梓紗(史和)が、自分の綺麗な手を見つめながら呟くー。
”まぁ、そうだよね~…わたしもちょっと期待したんだけど”
史和(梓紗)が電話先で呟くー。
「--と、ところで…昨日は何か異変はなかったか?」
梓紗(史和)が落ち着かない様子で梓紗の髪をいじりながら
呟くー
”浮気”がバレないかどうか、心配で心配で
仕方がないのだ。
”え?うん…まぁ…この身体に違和感!ってぐらいかな~?
そっちは?”
史和(梓紗)の電話口の声から察するに
”浮気”はまだバレていないー
浮気相手の麗子には、
”梓紗と入れ替わってしまった”ことを昨日、即座に
電話で説明したのだが、
信じてもらえなかったー。
嫉妬と束縛の激しい麗子がおかしな行動に
出る可能性もあるー。
「--え、あぁ、俺のほうも平気だよ。
お風呂はその…滅茶苦茶ドキドキしたけど」
梓紗(史和)の言葉に、
”気にしなくていいよ!変なコトしなければ!”と、
史和(梓紗)は笑ったー
昨日のお風呂は大変だったー。
大好きな彼女の裸を見ながら、女の身体を洗うー。
と、いうのは、さすがに刺激的すぎたー。
正直なところー
ちょっとエッチなこともしてしまったー。
けれどー
まぁー
それは、仕方がないことだろうー
「--してないさ。梓紗のこと、大事だから
大切にこの身体を使わないとなー」
梓紗(史和)は、また嘘をついたー。
「--あ、で、大学、どうする?今日は休んだほうがー」
梓紗(史和)は、大学は休もうと考えていたー
お互いに、相手に成り済ませる気はしないしー、
何より、浮気相手の後輩・麗子のこともあるー。
正直なところ、大学には行きたくないし
行かせたくないー
”え?行くでしょ?
だって、いつ元に戻れるか分からないんだし”
史和(梓紗)の言葉に、
梓紗(史和)は
「えっ!?」と
間抜けな声を出してしまうー
「--で、でも、ほら、お互いに成り済ませるか分からないしー」
”え~、いざとなったら言えばいいだけだし、
そもそもずっと戻れなかったら、
休んでたら留年・退学コースだよ?
だから、大学はいかないと~”
史和(梓紗)の言葉に、
「そ、、それはそうだけど…」と、呟く梓紗(史和)-
”くそっーー
まずい…なんとかしないと”
梓紗(史和)は焦りながらもー
「わ、、わかった、いこう」と、
戸惑いながら呟いたー。
”あ、そうだ!今からそっちに行くね!
男の人の準備とかあんまりよくわからないし、
史和も、メイクとかできないでしょ?”
その言葉に、
梓紗(史和)は頷いたー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
史和の家にやってきた
史和(梓紗)ー
梓紗(史和)のメイクを
史和になった梓紗が行うー。
史和(梓紗)の髭剃りや準備を
梓紗になった史和が行うー。
「--これでよし」
梓紗(史和)が言うと、
史和(梓紗)は「明日からは自分でできそうだね」と、微笑むー。
「--と、ところでさ」
梓紗(史和)は、スカートに落ち着かない様子を見せながら、
史和(梓紗)の方を見つめたー。
「--お、、俺…俺、、、さ」
梓紗(史和)は、唾をゴクリと飲み込むー
”浮気相手の麗子”とは、大学内でも度々会うー。
”あまり大っぴらに関わらないでほしい”ということは
伝えてあるが、
いつ声をかけて来るか分からないー
ここは、先手を打つべきだー
「--実は後輩の女に、その…ストーカーされていて…」
梓紗(史和)が顔を真っ赤にしながら言うと、
「えぇっ!?」と
史和(梓紗)が驚いたー
後輩の麗子は、ストーカーであり、
勝手に付き合っているという妄想をしていて、
困っているー、
と、梓紗(史和)は”嘘”をついたー
「そうなんだ…大変だね…
じゃあ、もしその子に声を掛けられたらどうしたらいいのかな?」
史和(梓紗)の言葉に、
梓紗(史和)は「とりあえず無視しといてくれれば」と答えたー
「うん。わかった」
史和(梓紗)は頷くとー
”あ、そうだ…”と
梓紗は内心で考えるー
時々大学に、父親が心配して若衆のシゲという男を送って来るー。
”シゲくん、優しいけど、見た目がヤバヤバだからなぁ~…”
梓紗はそんな風に思うと、
口を開いたー
「--あのね、史和
幼馴染のシゲくんっていう人がわたしの知り合いにいるんだけど、
その人、いい人なんだけど、見た目がヤバヤバだから、
急に話しかけられてもびっくりしないでね」
史和(梓紗)の言葉に
梓紗(史和)は「シゲくん!?」と、首を傾げるー
史和(梓紗)は
小さい頃の幼馴染で恋愛感情はない、と説明したー
恋愛感情は確かにないのだが
”小さい頃の幼馴染”は嘘だー。
父親の組の若衆ー。
つまり、裏社会の組織の一員だー。
「---わ、わかったー」
2人は相手の”嘘”を信じながら、大学に向かうー。
・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーおはよ~~~!」
史和(梓紗)が、友達の女子たちに手を振るー
「え…?」
「--え?」
「--キモ」
史和が、女子のような笑顔で手を振ってきたことに驚く女子たちー
「---あ」
史和(梓紗)はいきなり失敗してしまったことに
顔を赤らめて、その場から立ち去るー
”やばっ!いきなり失敗しちゃった”
そんな風に思いながら廊下を歩いているとー
「--史和♡!」
と、後輩の麗子が駆け寄ってきたー
”この子がストーカーの後輩…?”
史和になっている梓紗はそう思いながら、無視をして歩き続けるー。
「--え?ちょ、史和!
どうしたの?わたし、何かした?
あ、そうそう、昨日、史和の女から電話がかかってきたの!
入れ替わったとかなんとか嘘をついて、
わたしを史和から引き離そうとしてきてさ~!
卑怯だよね!ああいう女」
麗子が笑うー
「--え?」
史和(梓紗)が立ち止まるー。
「--どういうこと?」
史和のフリをして梓紗が聞くと、
麗子はペラペラと、昨日、梓紗(史和)が掛けて来た電話の内容を
全て喋ってしまったー
「---は」
史和(梓紗)の表情が曇るー
”後輩の麗子は、ストーカーであり、
勝手に付き合っているという妄想をしていて、
困っているー”
史和の言葉を思い出す梓紗ー。
”あ、これも妄想なのかな…?”
戸惑いながら、史和(梓紗)は”良かれと思って”
麗子に言い放ったー
「--ストーカーやめてくれる?
これ以上、付きまとわれると、迷惑だし
大学側に言うから」
史和(梓紗)が言い放つー
”史和、優しすぎてガツンと言えないから、
わたしが代わりに言ってあげなくちゃ”
「---は?」
麗子が表情を歪めるー。
「--わた、、俺、迷惑してるんだ。
あんまり付きまとうなら、俺にも考えがあるから」
史和(梓紗)は、堂々とそう言い放つと、
そのまま唖然としている麗子を無視して、
立ち去っていくー
麗子は、放心状態で廊下に立ち尽くしながらー
ギリギリと歯ぎしりをし始めたー
・・・・・・・・・・・・・・・
「---!」
「----え」
うっかり男子トイレに入ってしまった梓紗(史和)は、
中にいた男子と目が合って、
顔を真っ赤にしてそのまま廊下に飛び出したー。
昼休みになると、食堂で、いつものようにカツ丼の
大盛を頼んで、それを食べ始める梓紗(史和)
だがー
「--あれ…」
途中で満腹になってきてしまう梓紗(史和)-
「---やべっ…梓紗の身体だからか!」
すぐに気付いた梓紗(史和)は
”食堂のおばちゃん”残すと怒るからなぁ~…と
戸惑いながら周囲を見渡したー
「あっ!藤岡!」
思わず叫ぶ梓紗(史和)
「-へ?」
藤岡と呼ばれた男子大学生が、驚いて振り返るー。
藤岡は、史和の親友だー。
「--ふ、、ふ、、、藤岡!頼みがある!」
梓紗(史和)に、突然呼び捨てにされた藤岡は
唖然としているー
史和の親友である藤岡は、当然梓紗とも面識があるが、
いつも「藤岡くん」と呼ばれているー
しかもーー
「--ちょっと、カツ丼、食べきれなくて…!
食べてくれ!」
梓紗(史和)の言葉に、藤岡は、口をぽかんと開いているー
「--え」
戸惑う藤岡ー
突然、親友の彼女から、
”わたしの食いかけを食べてくれ”と言われている状態ー
意味が分からないー
「--え…え…え???俺が倉守さんの残飯を食べるの?」
戸惑う藤岡ー
そこでやっと梓紗(史和)も、
自分の行動に気づくー
”あ、、やべっ!ついいつもの癖で藤岡に!”
梓紗(史和)は、半分パニックになりながらー
”そうだー、藤岡なら、”とー
「じ、実は俺、梓紗と入れ替わっちゃって」
と、梓紗(史和)は苦笑いしながら、そう呟いたー
「は????」
藤岡が戸惑うー。
「--は、、ははははははっ」
そして、笑いだすー。
「--倉守さんも、嘘つくの好きだなぁ~」
とー。
「-えっ!?ちがっ!マジだって!」
梓紗(史和)が叫ぶー。
その場で、自分の胸をこっそり触って見せる梓紗(史和)-
「ほ、ほら、梓紗、こんなことしないだろ?
俺だよ、俺!藤岡!信じてくれよ!」
梓紗(史和)の言葉に、藤岡は首を振ったー
「自分の身体、大事にしろよ、倉守さん」
とー。
”嘘のために胸も揉む女”だと思われてしまった
梓紗(史和)-
藤岡が立ち去っていくー。
「おい!ちょ!?嘘じゃないんだって!
つうかカツ丼食ってくれ!」
梓紗(史和)は必死に叫んだがー
既に手遅れだったー。
ドタバタしているうちに、大学での1日が終わるー。
梓紗(史和)は、史和(梓紗)を大学の正門前で待っていたー。
史和(梓紗)に提出しないといけないレポートがあり、
その提出に行っているため、少し出て来るのが遅れているのだー。
その時だったー
「---!!」
”さっきの態度 マジでむかつくー
なんなら、浮気のこと、彼女さんにぶちまけてもいいのよ?”
後輩の麗子からのLINE-
「え」
梓紗(史和)は唖然としてしまうー。
梓紗になってはいるものの、スマホは史和のものを持っている状態ー。
先程の史和(梓紗)の態度に怒り狂った浮気相手・麗子が
LINEを送って来たのだー
”え?ちょ!?どういうことだよ!?”
梓紗(史和)は慌てて浮気相手の麗子にLINEを送り返すー
しかしー
「お嬢!」
ーー!?
梓紗(史和)が、ギョッとするー。
そこには、いかにもヤバそうな若い男がー。
”これが、シゲくんかー”
幼馴染だと”嘘”の説明を受けている梓紗(史和)は、
「あ、シゲくん!」
と、手を振るー。
「お嬢!緊急事態です。すぐに車へ」
”シゲくん”が言うー
「お、、お嬢?え?」
訳が分からないまま車に乗せられた梓紗(史和)-
戸惑いながら
「シゲくん…緊急事態って?」
と、首を傾げると、
”シゲくん”は答えたー。
「--先代の頭が、危篤ですー」
とー
”先代の頭”とは、梓紗の祖父のことだー
しかしー
梓紗の父親が、裏社会の組織だと知らない史和は戸惑うー。
「---え」
連れてこられた先はー
和風な屋敷だったー
”任侠”と掲げられた看板ー
「お嬢!お帰りなさいませ!」
黒服の男たちが左右に1列ずつ並んで頭を下げるー
「---え」
梓紗(史和)は震えたー。
「----梓紗ーーー」
着物姿の、強面の、けれども威厳を感じる梓紗の父親が出て来るー。
梓紗(史和)を無言でぎゅっと抱きしめると、
父親は、「--こっちだ」と、梓紗にとってのおじいちゃんが
いる部屋に向かって歩き出したー。
「---え…え…?」
梓紗(史和)はガクガク震えていたー
”あ、、、あ、、、あ、、、あずさ…?
お、、お父さん…ホントに、、、すし職人なんだよな…???”
震えながら梓紗(史和)は、
父親に先導されるかたちで、そのまま屋敷の奥へと向かったー
③へ続く
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コメント
嘘つきカップルの入れ替わりは大変な方向に…!?
お読み下さりありがとうございました!!
続きはまた次回デス☆