<入れ替わり>揺れるトライアングル②~変化~ (Pixiv Fanbox)
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「あの二人…大丈夫かなぁ…」
彼女の穂乃香と、親友の英司が入れ替わってしまった翌日ー。
純也は学校にやってくると、そう呟いたー。
今朝も二人からLINEで連絡はあったー。
残念ながら、一晩寝ても、元に戻ってはいなかったー。
穂乃香は英司の身体のまま、
英司は穂乃香の身体のままー
昨日のことを思い出す純也ー
・・・・・・・・・
「とりあえず…今日はどうする…?」
穂乃香(英司)が、頬杖をつきながら言うー
放課後の教室ー
結局、放課後まで二人は元に戻ることが出来ず、
いよいよ下校の時間を迎えてしまったー。
「---」
困り果てた様子で相談する三人ー
「まぁ…それしかねぇか」
穂乃香(英司)が、ため息をつくー
英司(穂乃香)も不安そうだー。
英司と穂乃香は、ひとまず、お互い相手として振舞いながら
元に戻る方法を模索していくことにしたー
”入れ替わり”なんて、そう簡単には信用してもらえないー、と。
「--大丈夫さ、すぐに元に戻れる」
心配そうにしている英司(穂乃香)に対して純也が言うー。
「うん…」
英司(穂乃香)のとても不安そうな表情ー。
「---その身体で、変なことするなよ」
純也が穂乃香になった英司に釘をさすー。
英司のことは信用しているが、
穂乃香のような可愛らしい女子高生の身体になれば
英司も、あんなことやこんなことをし始めるかもしれないー
「バーカ!するわけねぇだろ」
穂乃香(英司)が、純也に、身体をぶつけるー。
いつも、英司がよくやることだー。
「バっ!やめろって!」
純也が顔を赤くするー。
穂乃香の身体の胸が当たったのだー。
「はは、気にすんなって。見た目は穂乃香ちゃんでも
どうせ、中身は俺なんだし!
いつもどついてるだろ?」
穂乃香(英司)の言葉に、
英司(穂乃香)も苦笑いするー。
「安心しろよ。
穂乃香ちゃんの身体で変なことなんて
するわけないだろ。
小さいころからの大切な友達にそんなことできるわけねぇ。
ましてや、今はお前の彼女だー。」
穂乃香(英司)の瞳には、嘘をついている様子は全く見られないー。
英司は、信用できる”親友”だー。
「---あ、でも!」
英司(穂乃香)が口を挟むー。
「--お風呂とか、トイレはちゃんと…してよ?
お風呂入らないまま学校に来られたりとか
お漏らしされたりとか…
それはさすがにちょっと…」
英司(穂乃香)が、いつもの英司とはまるで違う
控えめな感じで口にするー。
「--はは!そりゃそうだろ!
ま~…ちょっと見えちゃうこともあるかもだけど、
それは勘弁してくれよな!」
穂乃香(英司)が笑いながら、「じゃ!また明日な!」と
ふざけた敬礼をしながら、立ち去っていくー。
見た目は穂乃香なのに、振る舞いは完全に英司ー。
鼻歌を歌いながらポケットに手を突っ込んで、
廊下を歩く穂乃香(英司)の後ろ姿を見ながら、
純也は笑うー
「不安だなぁ…」
とー。
英司(穂乃香)は「迷惑かけてごめんね…」と
少しだけ微笑みながら、純也のほうを見るー。
「迷惑なんかじゃないって!大丈夫大丈夫。
穂乃香と英司が元に戻れるように、俺もなんでも協力するからさ!」
・・・・・・・・・・・・・
それがー
昨日の出来事ー。
二人は、うまくやれただろうかー。
「--ばぁっ!」
「-!?!?!?!?!?!?」
廊下の影から突然女子生徒が飛び出してきて、純也は思わず尻餅を
ついてしまうー
「はははははははっ!引っかかった引っかかった!」
純也を脅かしてゲラゲラ笑っていたのはー
穂乃香になった英司だったー
指をさして純也を笑う穂乃香(英司)-
「ったく、入れ替わっても元気そうだなお前は!」
純也が苦笑いしながら立ち上がるとー
「マジでびびるからやめてくれよな!」と笑ったー。
「--それで…?昨日は大丈夫だったのかよ?」
純也が心配そうに言うと、
穂乃香(英司)は「まぁな~!、でもまぁ…なんかさ、
穂乃香ちゃんのお姉ちゃん…随分、アレだったぜ?」
と、ニヤニヤしながら言う。
穂乃香には姉がいるー
千里という名前の姉で、大学生だったはずー
”大人のお姉さん”という感じのイメージだ。
「---なんかこう…すっげぇ、穂乃香ちゃんを溺愛してる
感じってか、そんな感じでさ」
穂乃香(英司)が顔を赤くしながら言うー
「おまっ!なんか、お姉さんと変なことしたんじゃないだろうな!?」
純也が慌てて言うと、
「するわけねぇだろ~!、あっちが、急に抱きしめてきたり
ここのほら、昨日階段から落ちた時の怪我を見て
すっげぇ心配されてさ、
なんか、真剣にじーっと見つめられてドキドキしっぱなしだったぜ」
と、穂乃香(英司)が答えたー。
「---はは、ま~、姉妹仲が良いってのはいいことじゃないか」
純也が笑いながら答えるー
穂乃香になった英司は、大丈夫そうだー。
姿は穂乃香でも、中身は完全にいつもの英司ー
この分だと、穂乃香の身体でエッチなことをしたりは
してないだろう。
「---ふ~~~!」
穂乃香(英司)が、自販機で購入したコーラを飲みながら
「は~~、もう飲めねぇや」と、半分ぐらい余った
ペットボトルを純也に手渡したー
「え?」
純也が唖然とするー。
「え?ってなんだよ…?
いつも、俺の余った飲み物、飲むだろ?」
穂乃香(英司)が”当たり前”のように言うー。
「--あ、、え、、いや、ほら…穂乃香の飲みかけだし…」
純也が顔を赤くしながら言うー。
穂乃香とは、イチャイチャすることも多いがー
こういうことは普段はしないー。
飲みかけを渡すのは、英司と純也だからこそ、だー。
「--はははっ!気にすんなって!な~に照れてんだよ!」
穂乃香(英司)がべしべしと純也の背中を叩くー
「--て、照れてねぇよ!別に!
ただちょっと、何か変な感じがしただけだよー」
純也はそんな風に思いながら
ドキッとする感情を押さえられずー…
「だ、だめだぁ!飲めない!」と、ペットボトルを
穂乃香(英司)に返すー。
「なんだとこのやろ~!俺のコーラが飲めねぇってか!」
穂乃香(英司)が笑いながら、純也の口に無理やり
ペットボトルを押し込むー
「うわっ、、やめ、、穂乃香と間接キス、、、ぐあっ!」
純也は顔を真っ赤にしながら
”穂乃香の身体の飲みかけ”のコーラを仕方がなく飲み干したー
「----?」
生徒会書記で、純也の後輩にあたる雫が、その光景を
たまたま見かけてー
クスッと笑みを浮かべたー
・・・・・・・・・・・
教室に到着すると、後から英司になった穂乃香もやってきたー
「--おはよ~!」
英司(穂乃香)が、純也に向かって挨拶して、
「--寒かった~!」と純也に身体を押し付けるー
穂乃香と純也はいつもイチャイチャしていたー
”いつも通り”の穂乃香の振る舞いだー。
だがー
純也は無意識のうちに、反射的に、
ビクッ、と、英司(穂乃香)を少しだけ
振り払うようにしてしまうー。
「あ、、ごめん…今はわたし、風間くんだったね…」
小声で寂しそうに言う英司(穂乃香)-
「あ、いや、その、ほら、今は教室だから」
純也が小声で周囲を見渡しながら言うと、
英司(穂乃香)も「うん…」と小声で頷いてー
英司として振舞うー。
穂乃香になった英司も、穂乃香として振舞いながら
雑談を進めるー。
英司になった穂乃香は、小声で
「わたしも色々戸惑ったけど、なんとか大丈夫だったよ!」
と、安堵の表情で、純也に報告したー
「よかったー」
周囲に聞かれないように小声で答える純也ー。
ひとまず、穂乃香も英司も、入れ替わり生活初日の自宅生活を”クリア”
したようだったー。
授業が始まると、二人とも英司になった穂乃香は英司として
穂乃香になった英司は穂乃香として、過ごしていくー
”筆跡…やばくね?”
穂乃香(英司)はあくびをしながら、ノートを書き写しながら思うー。
”まぁ…なんとか真似するか…?”
穂乃香(英司)は、色々不便だな…と考えながら
黒板を見つめるー。
英司(穂乃香)も同じく”ノートの字、明らかに違うケド…”と
苦笑いするー。
なんとか、英司の筆跡を真似ようとしてみる英司(穂乃香)-
すると不思議なことに、結構似てる筆跡にすることができたー
”あ~…手に染みついてるってことなのかな?”
英司(穂乃香)は思うー。
”感覚で覚えている”そんな感じなのだろうかー
中身は穂乃香でも、英司の手が、英司の筆跡を覚えていてー
意識することで、ある程度筆跡を再現できる…のかも、しれないー。
そうこうしているうちに、昼休みが始まるー。
「---そういや、俺…」
穂乃香(英司)はそこまで言うと、周囲にも生徒がいることに気づいてー
「わ、、わたし、、図書委員だったよね?」
と、呟くー。
「--そ、、そうだな…えっと、あ、、今日、わた、、
あ、いや、穂乃香ちゃん、図書当番!」
英司(穂乃香)が言うー
すぐに相手として振舞うのはなかなか難しくー
ぎこちない部分も出てしまうー
「--”図書当番”ってどうすれば?」
小声で呟く穂乃香(英司)-
「--えっと、、カウンターに座りながら本読んでれば大丈夫、
あとは昼休み後の戸締りと、鍵を職員室に返却」
英司(穂乃香)が小声で説明すると、
「おっけー!」と、穂乃香(英司)は呟いたー
「へへへ、、わたしがいなくても寂しがるなよ~?」
純也に向かって、穂乃香口調になりきれない穂乃香(英司)が
べしべしと純也の肩を叩くー
「--お前こそ、穂乃香の身体になったからって、俺に惚れるなよ?」
純也が苦笑いしながら冗談を返すと、
「んなわけねーだろ」と、冗談を返しながら穂乃香(英司)が図書室に向かうー。
「----あ、そうだ!」
英司(穂乃香)が、学期末テストの件で聞きたいことがー、と
言い出したため、純也と英司(穂乃香)が、隣同士座って、
勉強の話をし始めるー
いつものように、英司(穂乃香)は純也に顔を近づけて
密着した状態で、勉強を教えてもらうー。
穂乃香も十分に頭は良いのだが、純也は、一部教科が、ものすごく得意で、
よく穂乃香に教えていたー。
「---ここは、こう」
「うんうん」
「--ここは、それでー」
仲良しカップルモードでくっつきながら
勉強の話をするふたりー
「---!」
純也が顔をあげると
クラスメイトの男子や女子がこっちを見ていたー
”あの二人、今日は妙にべったりじゃね?”
”男同士のカップル登場か~!?”
”リアルBLとか見たことないよ~ふふふ”
「-----ちょ…ごめん、穂乃香」
純也が、英司(穂乃香)に向かって小声で
言うと、「--ちょっと、離れてくれないかな」
と言いつつ、純也が”みんなが”と小声で付け足したー
「あ、うん、ごめん」
英司(穂乃香)が、純也から少し離れるー
「----」
純也が、英司(穂乃香)に密着されることにー
少し”何とも言えない嫌悪感のようなものー”を
覚えてしまった瞬間だったー。
・・・・・・・・・・・
放課後ー。
学校での1日が終わるー。
「--そうだ、俺さ、生徒会長の久保田から呼び出されてるから
先に帰っててくれよ」
穂乃香(英司)が言うー。
「---ん?なんで?」
純也が純粋に首を傾げると、
穂乃香(英司)は「ほら、俺、、、…わたし、図書委員長でしょ?
そのことで相談があるんだって」と、周囲の様子を伺いながら呟くー
「--会長と話すようなことなんてないと思うケド」
英司(穂乃香)が少し不安そうに言うー。
「--まぁ~なんかあるんだろ」
穂乃香(英司)が髪を掻きながら言うとー
「ま、変なことされないように、気をつけろよ」
純也が笑うー
「--されるわけねぇだろ!穂乃香ちゃんに変なことしようとしたら
俺が撃退してやる!
中身が男で残念だったなぁ!ってな!」
穂乃香(英司)が、腕の筋肉を強調するようなポーズをとるのを見て
英司(穂乃香)が微笑んだー。
「--ごめん、わたしの姿でそんなポーズされても
滅茶苦茶弱そう…」
とー。
「--ま、まぁ、大丈夫さ!
じゃ、俺は生徒会室に行くから!また明日な!
何かあったらいつでも連絡してくれよ!」
穂乃香(英司)はそう言うと、笑いながら
立ち去って行ったー
「--ふぅ…まったく、女子になったって自覚がないよな」
純也が苦笑いしながら言うと、
英司(穂乃香)は「まぁ…わたしもあんまり男子になったって自覚は
なかなかもてないけどね…」と、少し不安そうに呟いたー
・・・・・・・・・・・・
生徒会室ー
「---急に呼び出して、悪いね」
生徒会長の久保田 洋平が洋平が微笑むー
甘いイケメンマスク風の男子生徒ー。
先日も、生徒会の話し合いで、純也が同席していたー
「----用ってなんだ、、、、な、、なにかな~?」
穂乃香(英司)が、愛想笑いを浮かべながら言うとー
「---単刀直入に言うよ」
と、洋平は笑みを浮かべたー
「--僕と、付き合ってほしいー」
「----は?」
穂乃香(英司)が、穂乃香として振舞うことも忘れて
変な声を出してしまうー
「--白崎さんに彼氏がいるのは分かっているー。
でも、僕なら、君の彼氏ー森本くんより、
君を楽しませてあげられるー。
どうだい?悪い話じゃないだろ?」
洋平が、純也のことを悪くいいながら微笑むー
「--…」
”っ、何だよこの展開”
穂乃香(英司)はそう思いながら、
立ち去ろうとしたー
その時だったー
ドン!
生徒会長の洋平が、壁ドンをしてきたー
「僕はさ、欲しいものは手に入れるんだー。
白崎さんは、僕と付き合う運命なんだよ」
イケメン風の顔が歪んでいるー。
”こいつ…やべぇやつだ”
穂乃香(英司)はそう思ってー
「ごめんなさい、、そういうの無理なんで」
と、返答して、立ち去ろうとするー
「---待ってよ!」
洋平が穂乃香(英司)の腕をつかむー
「離せよ!」
穂乃香(英司)が思わず声を荒げて
洋平を突き飛ばすー
洋平が、近くの机に激突して、
バランスを崩して尻餅をつくー
「あ…ごめん」
穂乃香(英司)が思わずそう口にするとーー
洋平がーーー
怒りの形相で立ち上がって、
穂乃香(英司)の方に向かってきたー
「--僕さぁ…!
ずっとずっと白崎さんのこと好きだったんだよ!
なのに白崎さん、僕のほうなんて振り向いてくれなかった!」
「おいやめろ!」
穂乃香(英司)が思わず声を荒げるー
穂乃香(英司)の方に向かってきた洋平が、穂乃香(英司)の腕を乱暴につかむー
胸を触る洋平ー
「僕ね、毎日白崎さんで抜いてるんだ…
すごいだろ?
白崎さんのこと、毎日毎日想ってるんだよ?
なのにどうして白崎さんは僕のほうを見てくれないんだい?」
洋平が狂気の笑みを浮かべるー
「やめろってば!」
穂乃香(英司)が、洋平を振り払おうとーーー
「--!?」
穂乃香(英司)が唖然とするー
振り払えないー!?
「--へへへへへ」
洋平が穂乃香(英司)の胸を無理やり触るー。
スカートの中に手を突っ込むー
「お、、おい…やめ、、ひゃっ…お、、どこ触って…
やめろぉぉぉぉぉ!」
穂乃香(英司)の悲鳴ー
生徒会長・洋平の狂った笑い声ー。
純也・穂乃香・英司ー
3人の固い絆の”歪”は、
少しずつ、広がり始めていたー
③へ続く
・・・・・・・・・・・・・・
コメント
昨日が冒頭部分で終わってしまった感じだったので、
入れ替わり後の本筋の部分も、
早い段階で書いたほうがよさそう…?
ということで、昨日に続き、②も執筆しました~!
次第に「彼氏」「彼女」「親友」の
それぞれの関係性が揺らいでいって…?
続きはまた後日(明日は都市伝説~お年玉をあげると憑依できる~②デス)
書きます~!
今日もありがとうございました~!