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「あの二人…大丈夫かなぁ…」


彼女の穂乃香と、親友の英司が入れ替わってしまった翌日ー。

純也は学校にやってくると、そう呟いたー。


今朝も二人からLINEで連絡はあったー。

残念ながら、一晩寝ても、元に戻ってはいなかったー。


穂乃香は英司の身体のまま、

英司は穂乃香の身体のままー


昨日のことを思い出す純也ー


・・・・・・・・・


「とりあえず…今日はどうする…?」

穂乃香(英司)が、頬杖をつきながら言うー


放課後の教室ー

結局、放課後まで二人は元に戻ることが出来ず、

いよいよ下校の時間を迎えてしまったー。


「---」

困り果てた様子で相談する三人ー


「まぁ…それしかねぇか」

穂乃香(英司)が、ため息をつくー


英司(穂乃香)も不安そうだー。


英司と穂乃香は、ひとまず、お互い相手として振舞いながら

元に戻る方法を模索していくことにしたー

”入れ替わり”なんて、そう簡単には信用してもらえないー、と。


「--大丈夫さ、すぐに元に戻れる」

心配そうにしている英司(穂乃香)に対して純也が言うー。


「うん…」

英司(穂乃香)のとても不安そうな表情ー。


「---その身体で、変なことするなよ」

純也が穂乃香になった英司に釘をさすー。


英司のことは信用しているが、

穂乃香のような可愛らしい女子高生の身体になれば

英司も、あんなことやこんなことをし始めるかもしれないー


「バーカ!するわけねぇだろ」

穂乃香(英司)が、純也に、身体をぶつけるー。


いつも、英司がよくやることだー。


「バっ!やめろって!」

純也が顔を赤くするー。


穂乃香の身体の胸が当たったのだー。


「はは、気にすんなって。見た目は穂乃香ちゃんでも

 どうせ、中身は俺なんだし!

 いつもどついてるだろ?」


穂乃香(英司)の言葉に、

英司(穂乃香)も苦笑いするー。


「安心しろよ。

 穂乃香ちゃんの身体で変なことなんて

 するわけないだろ。


 小さいころからの大切な友達にそんなことできるわけねぇ。

 ましてや、今はお前の彼女だー。」


穂乃香(英司)の瞳には、嘘をついている様子は全く見られないー。


英司は、信用できる”親友”だー。


「---あ、でも!」

英司(穂乃香)が口を挟むー。


「--お風呂とか、トイレはちゃんと…してよ?

 お風呂入らないまま学校に来られたりとか

 お漏らしされたりとか…

 それはさすがにちょっと…」

英司(穂乃香)が、いつもの英司とはまるで違う

控えめな感じで口にするー。


「--はは!そりゃそうだろ!

 ま~…ちょっと見えちゃうこともあるかもだけど、

 それは勘弁してくれよな!」

穂乃香(英司)が笑いながら、「じゃ!また明日な!」と

ふざけた敬礼をしながら、立ち去っていくー。


見た目は穂乃香なのに、振る舞いは完全に英司ー。

鼻歌を歌いながらポケットに手を突っ込んで、

廊下を歩く穂乃香(英司)の後ろ姿を見ながら、

純也は笑うー


「不安だなぁ…」

とー。


英司(穂乃香)は「迷惑かけてごめんね…」と

少しだけ微笑みながら、純也のほうを見るー。


「迷惑なんかじゃないって!大丈夫大丈夫。

 穂乃香と英司が元に戻れるように、俺もなんでも協力するからさ!」


・・・・・・・・・・・・・


それがー

昨日の出来事ー。


二人は、うまくやれただろうかー。


「--ばぁっ!」


「-!?!?!?!?!?!?」

廊下の影から突然女子生徒が飛び出してきて、純也は思わず尻餅を

ついてしまうー


「はははははははっ!引っかかった引っかかった!」

純也を脅かしてゲラゲラ笑っていたのはー


穂乃香になった英司だったー


指をさして純也を笑う穂乃香(英司)-


「ったく、入れ替わっても元気そうだなお前は!」

純也が苦笑いしながら立ち上がるとー

「マジでびびるからやめてくれよな!」と笑ったー。


「--それで…?昨日は大丈夫だったのかよ?」

純也が心配そうに言うと、

穂乃香(英司)は「まぁな~!、でもまぁ…なんかさ、

穂乃香ちゃんのお姉ちゃん…随分、アレだったぜ?」

と、ニヤニヤしながら言う。


穂乃香には姉がいるー

千里という名前の姉で、大学生だったはずー

”大人のお姉さん”という感じのイメージだ。


「---なんかこう…すっげぇ、穂乃香ちゃんを溺愛してる

 感じってか、そんな感じでさ」


穂乃香(英司)が顔を赤くしながら言うー


「おまっ!なんか、お姉さんと変なことしたんじゃないだろうな!?」

純也が慌てて言うと、

「するわけねぇだろ~!、あっちが、急に抱きしめてきたり

 ここのほら、昨日階段から落ちた時の怪我を見て

 すっげぇ心配されてさ、

 なんか、真剣にじーっと見つめられてドキドキしっぱなしだったぜ」

と、穂乃香(英司)が答えたー。


「---はは、ま~、姉妹仲が良いってのはいいことじゃないか」

純也が笑いながら答えるー


穂乃香になった英司は、大丈夫そうだー。

姿は穂乃香でも、中身は完全にいつもの英司ー


この分だと、穂乃香の身体でエッチなことをしたりは

してないだろう。


「---ふ~~~!」

穂乃香(英司)が、自販機で購入したコーラを飲みながら

「は~~、もう飲めねぇや」と、半分ぐらい余った

ペットボトルを純也に手渡したー


「え?」

純也が唖然とするー。


「え?ってなんだよ…?

 いつも、俺の余った飲み物、飲むだろ?」

穂乃香(英司)が”当たり前”のように言うー。


「--あ、、え、、いや、ほら…穂乃香の飲みかけだし…」

純也が顔を赤くしながら言うー。


穂乃香とは、イチャイチャすることも多いがー

こういうことは普段はしないー。


飲みかけを渡すのは、英司と純也だからこそ、だー。


「--はははっ!気にすんなって!な~に照れてんだよ!」

穂乃香(英司)がべしべしと純也の背中を叩くー


「--て、照れてねぇよ!別に!

 ただちょっと、何か変な感じがしただけだよー」


純也はそんな風に思いながら

ドキッとする感情を押さえられずー…

「だ、だめだぁ!飲めない!」と、ペットボトルを

穂乃香(英司)に返すー。


「なんだとこのやろ~!俺のコーラが飲めねぇってか!」

穂乃香(英司)が笑いながら、純也の口に無理やり

ペットボトルを押し込むー


「うわっ、、やめ、、穂乃香と間接キス、、、ぐあっ!」

純也は顔を真っ赤にしながら

”穂乃香の身体の飲みかけ”のコーラを仕方がなく飲み干したー



「----?」

生徒会書記で、純也の後輩にあたる雫が、その光景を

たまたま見かけてー

クスッと笑みを浮かべたー


・・・・・・・・・・・


教室に到着すると、後から英司になった穂乃香もやってきたー


「--おはよ~!」

英司(穂乃香)が、純也に向かって挨拶して、

「--寒かった~!」と純也に身体を押し付けるー


穂乃香と純也はいつもイチャイチャしていたー


”いつも通り”の穂乃香の振る舞いだー。


だがー

純也は無意識のうちに、反射的に、

ビクッ、と、英司(穂乃香)を少しだけ

振り払うようにしてしまうー。


「あ、、ごめん…今はわたし、風間くんだったね…」

小声で寂しそうに言う英司(穂乃香)-


「あ、いや、その、ほら、今は教室だから」

純也が小声で周囲を見渡しながら言うと、

英司(穂乃香)も「うん…」と小声で頷いてー

英司として振舞うー。


穂乃香になった英司も、穂乃香として振舞いながら

雑談を進めるー。


英司になった穂乃香は、小声で

「わたしも色々戸惑ったけど、なんとか大丈夫だったよ!」

と、安堵の表情で、純也に報告したー


「よかったー」

周囲に聞かれないように小声で答える純也ー。


ひとまず、穂乃香も英司も、入れ替わり生活初日の自宅生活を”クリア”

したようだったー。


授業が始まると、二人とも英司になった穂乃香は英司として

穂乃香になった英司は穂乃香として、過ごしていくー


”筆跡…やばくね?”

穂乃香(英司)はあくびをしながら、ノートを書き写しながら思うー。


”まぁ…なんとか真似するか…?”

穂乃香(英司)は、色々不便だな…と考えながら

黒板を見つめるー。


英司(穂乃香)も同じく”ノートの字、明らかに違うケド…”と

苦笑いするー。

なんとか、英司の筆跡を真似ようとしてみる英司(穂乃香)-

すると不思議なことに、結構似てる筆跡にすることができたー


”あ~…手に染みついてるってことなのかな?”

英司(穂乃香)は思うー。


”感覚で覚えている”そんな感じなのだろうかー

中身は穂乃香でも、英司の手が、英司の筆跡を覚えていてー

意識することで、ある程度筆跡を再現できる…のかも、しれないー。


そうこうしているうちに、昼休みが始まるー。


「---そういや、俺…」

穂乃香(英司)はそこまで言うと、周囲にも生徒がいることに気づいてー


「わ、、わたし、、図書委員だったよね?」

と、呟くー。


「--そ、、そうだな…えっと、あ、、今日、わた、、

 あ、いや、穂乃香ちゃん、図書当番!」

英司(穂乃香)が言うー


すぐに相手として振舞うのはなかなか難しくー

ぎこちない部分も出てしまうー


「--”図書当番”ってどうすれば?」

小声で呟く穂乃香(英司)-


「--えっと、、カウンターに座りながら本読んでれば大丈夫、

 あとは昼休み後の戸締りと、鍵を職員室に返却」

英司(穂乃香)が小声で説明すると、

「おっけー!」と、穂乃香(英司)は呟いたー


「へへへ、、わたしがいなくても寂しがるなよ~?」

純也に向かって、穂乃香口調になりきれない穂乃香(英司)が

べしべしと純也の肩を叩くー


「--お前こそ、穂乃香の身体になったからって、俺に惚れるなよ?」

純也が苦笑いしながら冗談を返すと、

「んなわけねーだろ」と、冗談を返しながら穂乃香(英司)が図書室に向かうー。


「----あ、そうだ!」

英司(穂乃香)が、学期末テストの件で聞きたいことがー、と

言い出したため、純也と英司(穂乃香)が、隣同士座って、

勉強の話をし始めるー


いつものように、英司(穂乃香)は純也に顔を近づけて

密着した状態で、勉強を教えてもらうー。

穂乃香も十分に頭は良いのだが、純也は、一部教科が、ものすごく得意で、

よく穂乃香に教えていたー。


「---ここは、こう」

「うんうん」

「--ここは、それでー」


仲良しカップルモードでくっつきながら

勉強の話をするふたりー


「---!」

純也が顔をあげると

クラスメイトの男子や女子がこっちを見ていたー


”あの二人、今日は妙にべったりじゃね?”

”男同士のカップル登場か~!?”

”リアルBLとか見たことないよ~ふふふ”


「-----ちょ…ごめん、穂乃香」

純也が、英司(穂乃香)に向かって小声で

言うと、「--ちょっと、離れてくれないかな」

と言いつつ、純也が”みんなが”と小声で付け足したー


「あ、うん、ごめん」

英司(穂乃香)が、純也から少し離れるー


「----」

純也が、英司(穂乃香)に密着されることにー

少し”何とも言えない嫌悪感のようなものー”を

覚えてしまった瞬間だったー。


・・・・・・・・・・・


放課後ー。


学校での1日が終わるー。


「--そうだ、俺さ、生徒会長の久保田から呼び出されてるから

 先に帰っててくれよ」


穂乃香(英司)が言うー。


「---ん?なんで?」

純也が純粋に首を傾げると、

穂乃香(英司)は「ほら、俺、、、…わたし、図書委員長でしょ?

そのことで相談があるんだって」と、周囲の様子を伺いながら呟くー


「--会長と話すようなことなんてないと思うケド」

英司(穂乃香)が少し不安そうに言うー。


「--まぁ~なんかあるんだろ」

穂乃香(英司)が髪を掻きながら言うとー


「ま、変なことされないように、気をつけろよ」

純也が笑うー


「--されるわけねぇだろ!穂乃香ちゃんに変なことしようとしたら

 俺が撃退してやる!


 中身が男で残念だったなぁ!ってな!」


穂乃香(英司)が、腕の筋肉を強調するようなポーズをとるのを見て

英司(穂乃香)が微笑んだー。


「--ごめん、わたしの姿でそんなポーズされても

 滅茶苦茶弱そう…」

とー。


「--ま、まぁ、大丈夫さ!

 じゃ、俺は生徒会室に行くから!また明日な!

 何かあったらいつでも連絡してくれよ!」


穂乃香(英司)はそう言うと、笑いながら

立ち去って行ったー


「--ふぅ…まったく、女子になったって自覚がないよな」

純也が苦笑いしながら言うと、

英司(穂乃香)は「まぁ…わたしもあんまり男子になったって自覚は

なかなかもてないけどね…」と、少し不安そうに呟いたー


・・・・・・・・・・・・


生徒会室ー


「---急に呼び出して、悪いね」

生徒会長の久保田 洋平が洋平が微笑むー


甘いイケメンマスク風の男子生徒ー。

先日も、生徒会の話し合いで、純也が同席していたー


「----用ってなんだ、、、、な、、なにかな~?」

穂乃香(英司)が、愛想笑いを浮かべながら言うとー


「---単刀直入に言うよ」

と、洋平は笑みを浮かべたー


「--僕と、付き合ってほしいー」


「----は?」

穂乃香(英司)が、穂乃香として振舞うことも忘れて

変な声を出してしまうー


「--白崎さんに彼氏がいるのは分かっているー。

 でも、僕なら、君の彼氏ー森本くんより、

 君を楽しませてあげられるー。


 どうだい?悪い話じゃないだろ?」


洋平が、純也のことを悪くいいながら微笑むー


「--…」

”っ、何だよこの展開”

穂乃香(英司)はそう思いながら、

立ち去ろうとしたー


その時だったー


ドン!


生徒会長の洋平が、壁ドンをしてきたー


「僕はさ、欲しいものは手に入れるんだー。

 白崎さんは、僕と付き合う運命なんだよ」


イケメン風の顔が歪んでいるー。


”こいつ…やべぇやつだ”

穂乃香(英司)はそう思ってー


「ごめんなさい、、そういうの無理なんで」

と、返答して、立ち去ろうとするー


「---待ってよ!」

洋平が穂乃香(英司)の腕をつかむー


「離せよ!」

穂乃香(英司)が思わず声を荒げて

洋平を突き飛ばすー


洋平が、近くの机に激突して、

バランスを崩して尻餅をつくー


「あ…ごめん」

穂乃香(英司)が思わずそう口にするとーー


洋平がーーー

怒りの形相で立ち上がって、

穂乃香(英司)の方に向かってきたー


「--僕さぁ…!

 ずっとずっと白崎さんのこと好きだったんだよ!

 なのに白崎さん、僕のほうなんて振り向いてくれなかった!」


「おいやめろ!」

穂乃香(英司)が思わず声を荒げるー


穂乃香(英司)の方に向かってきた洋平が、穂乃香(英司)の腕を乱暴につかむー


胸を触る洋平ー


「僕ね、毎日白崎さんで抜いてるんだ…

 すごいだろ?

 白崎さんのこと、毎日毎日想ってるんだよ?

 なのにどうして白崎さんは僕のほうを見てくれないんだい?」

洋平が狂気の笑みを浮かべるー


「やめろってば!」

穂乃香(英司)が、洋平を振り払おうとーーー


「--!?」

穂乃香(英司)が唖然とするー


振り払えないー!?


「--へへへへへ」

洋平が穂乃香(英司)の胸を無理やり触るー。


スカートの中に手を突っ込むー


「お、、おい…やめ、、ひゃっ…お、、どこ触って…

 やめろぉぉぉぉぉ!」


穂乃香(英司)の悲鳴ー


生徒会長・洋平の狂った笑い声ー。



純也・穂乃香・英司ー

3人の固い絆の”歪”は、

少しずつ、広がり始めていたー



③へ続く


・・・・・・・・・・・・・・


コメント


昨日が冒頭部分で終わってしまった感じだったので、

入れ替わり後の本筋の部分も、

早い段階で書いたほうがよさそう…?

ということで、昨日に続き、②も執筆しました~!


次第に「彼氏」「彼女」「親友」の

それぞれの関係性が揺らいでいって…?


続きはまた後日(明日は都市伝説~お年玉をあげると憑依できる~②デス)

書きます~!


今日もありがとうございました~!

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Comments

飛龍

早速の続きとはありがたいです! 少しずつ不協和音が出てきた感じですね〜。そして、穂乃香(英司)が大ピンチ…⁉️ 次回がどうなるのか楽しみです〜!

無名

コメントありがとうございます~!③で終わりではないので、じっくり変化させていきます~笑