<皮>脱げない皮②~闇の商人~ (Pixiv Fanbox)
Content
イケメン大学生・藤本 亮平には”裏の顔”があった。
一見すると、人当たりがよく”好青年”という感じの亮平ー。
だが、裏では3人の彼女がいて、
それぞれに甘いマスクで接しているというー
”女好き”の男子大学生だったー。
それでいて、プライドが高く、
内心で他の人間たちのことを見下しているー
そんな、男子大学生だった。
だがー
そんな彼のプライドを打ち砕いた女子がいたー。
それが、桑井 杏菜ー。
杏菜は、亮平が甘い言動で、口説いてもー
落とせなかったー。
杏菜にプライドを打ち砕かれた亮平は
”闇の商人”と名乗る人物から受け取った
”他人を皮にする力”で、杏菜を皮にしてー
そして、乗っ取ったー。
杏菜の姿で、亮平に対して屈服するような言葉を
何度も何度も吐かせてー
滅茶苦茶にエッチをしたー。
こんな女ごときが、俺を振るなんて許せないー。
そう、言わんばかりにー。
「---くそっ!」
杏菜は壁を叩くー。
杏菜を皮にして乗っ取ってから2日ー
亮平は、未だに杏菜の皮を脱げずにいたー。
杏菜を乗っ取り、散々無茶苦茶にしたあとー
杏菜を脱ごうとしたのだが、
どんなに脱ごうと思っても、杏菜の皮を脱ぐことが
出来ない状態になってしまっていたー
「このままこんな女として生きろなんて、冗談じゃねぇぞ」
鏡を見つめながらそう呟く杏菜ー。
後頭部のあたりをイライラした様子で
必死にかきむしる杏菜ー。
だが、そんなことをしても、脱げないことはもう分かったー。
闇の商人からの連絡も途絶えたままー。
”奴は必ず、俺がどうなったか見に来るはずだー。
どこかで、接触してくるはずー”
亮平は、そう考えていたー。
闇の商人なる人物の目的は分からないし、
その素性も分からない。
とは言え、
亮平に”他人を皮にする力”を与えてー
”桑井 杏菜を屈服させてみないか?”と
言ってきたのは闇の商人だー。
杏菜に対する恨みかー
それとも亮平に対する恨みかー
単なる”人を皮にする力”のテストかー
何らかの目的があるはずだ。
「---金は渡していないー」
頭の良い亮平は、杏菜の姿のままあぐらをかいて、
鋭い目つきで窓の外を見つめるー。
”闇の商人”の目的は、
3つのうちのどれかー、あるいは複数であるはずだ。
と、なればいずれにせよ
”どうなったか”確認しに来るはずなのだー。
亮平か杏菜に対する恨みなのであれば、
”亮平”がどうなったのか、
”杏菜”がどうなったのか、
直接”その目”で確認したくなるはずだー。
”皮の力”のテストなのであれば、
やはり、この力を確認しに来る必要があるだろうー。
「---ククク」
杏菜は笑いだすー
「この俺をはめるとはいい度胸じゃないか」
杏菜は、悪人面で笑うー。
「----だが、俺を狙ったことを
後悔させてやるよ」
亮平は、”悪知恵”ならだれにも負けない自信があったー。
小さいころから、”優等生”のふりをして、
悪知恵を働かせてきたー。
負けるわけがないのだー。
「-----」
杏菜は、ふと、窓の外を見つめるー
杏菜の住むアパートの近くー
電柱付近に、男が立っているのに気づいたのだー。
「--!」
杏菜がその男を見つめると、
男が身を隠したような気がしたー。
「-----……あいつは…?」
杏菜が表情を歪めるー
”闇の商人”だろうかー
そう思い、杏菜は警戒を強めるー
だが、その男は、杏菜のほうを一瞬チラッと見ただけで
後は一切こちらを気にするようなそぶりは見せなかったー。
”今日も電話できないのぉ~?ザンネン!”
バイト先の彼女・本村 花林からLINEが届くー
「--こんな身体で通話できるわけねぇだろうが」
杏菜がイライラした様子でスマホに向かって呟くー
今の亮平には”杏菜の声”しか出せないー
通話したくても、できないのだー。
”ねぇ、だいじょうぶ…?一昨日から、変だけど…?”
同じ大学に通う彼女・佐川 柚子音からも連絡が来るー。
適当に返事を送る杏菜ー
だが、二人とも不満そうで、通話したい、とばかり言ってくるー。
「くそっ!!!できねぇんだよ!バカ女どもが!」
杏菜は鬼のような形相でスマホを放り投げるー。
このままではー
せっかくの”彼女たち”まで失うことになりかねないー
早く、早くどうにかしないとー。
「--ゆーちゃんはいい子だなぁ~」
杏菜は呟くー
第3の彼女であり、幼馴染の”ゆーちゃん”だけは、
”今は連絡できない”とLINEで伝えたら、
大人しくしてくれているー
大学の柚子音、バイト先の花林とは大違いだー
「--やっぱ、ゆーちゃんが一番だぜ」
杏菜はそう呟くと、
”とにかく、闇の商人のしっぽを掴まないとな”と
心の中で呟いたー
闇の商人とやらを捕まえて、
杏菜の皮を脱ぐ方法を聞き出すー。
そうしないと、いつまでも杏菜として
生活することになってしまうー。
そんなのは、ごめんだー。
亮平は、自分が好きだったー
自分が一番大事だったー
杏菜を皮にして乗っ取ったのは
杏菜になるためではなく、
杏菜を自分に屈服させるためー。
「--今日はもう遅い」
そう、呟くと杏菜は、
”考えてばかりいても仕方ないな”と、
杏菜の皮を脱ぐことができないと知ったあとにヤケクソになって
ネットで購入したドMが喜びそうな衣装を身に着けたー
「--あぁぁ…亮平くん…
亮平くんを振ったわたしを…どうか、許してぇ…♡」
両手でお願いポーズをしながら、鏡に向かって呟くー
杏菜を屈服させているー
杏菜を支配しているー
「--そうだ、お前は俺のプライドを傷つけた。
たっぷり罰は受けてもらうぜ」
杏菜の姿のまま、そう呟く亮平。
「はぁい…亮平さまぁ…」
杏菜の口調を真似て、杏菜として呟く亮平ー
”杏菜へのお仕置きタイム”が
今夜も始まったのだったー
「はぁ…♡ はぁっ♡ はぁっ♡」
淫らな格好の杏菜がピクピクと震えているー
何度も何度も激しくイカせて、
意識が時々吹っ飛びながら、
激しい快感を味わっていたー
”意識飛ぶのってあんまよくないらしいよな”
そんな風に思いながら、杏菜の皮を着た亮平は
笑みを浮かべるー
杏菜を徹底的に屈服させてやったー
支配欲は、存分に満たせたー。
杏菜はもう、俺のものと言ってもいいー
「--チッ」
杏菜へのお仕置きタイムを終えて、舌打ちする杏菜ー
改めて後頭部を触ってみるもー
やはり、杏菜の皮を脱ぐことはできないー
闇の商人が、必ず”ここ”に様子を見に来るはずー。
その時までは、杏菜として過ごすしかないー。
最悪ー
最終手段として、杏菜を引き裂く方法もあるがー
それはリスクが高すぎる。
杏菜だけではなく
”杏菜を着ている自分”に対する影響が心配だし、
杏菜を殺したことになってしまうー
皮になっているから、最悪、どうにか誤魔化せるかもしれないが
その確証はないー。
やはり、
闇の商人が何者かを突き止めて、捕まえー
”どうやったら皮を脱げるんだ!?”と
聞き出すのが、一番手っ取り早い方法と言える。
「---今日はもう寝るか」
杏菜は、過激な衣装と一緒に注文しておいた小型のカメラを
窓の外に目立たないように設置して、
そのまま眠りについたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日ー
週末の連休も終えて、
杏菜は大学にやってきていたー
ぼーっと、窓の外を見つめる杏菜ー。
「----」
周囲を警戒するー。
”自分を見張っている人間がいないかどうか”
大学でも、それに気を配るー。
「--あ、うん!大丈夫大丈夫!」
杏菜は、友達といつものように雑談しているー
亮平の彼女の一人である柚子音を含む、3人で
昼食を食べる杏菜ー。
柚子音は時々、彼氏の亮平が大学に来ないことを
心配するようなそぶりを見せていたー。
杏菜も、心配そうに柚子音のほうを見つめるー。
そしてー
その日1日の大学生活を”いつものように”終えたー
帰宅する杏菜ー。
帰宅して、ソファーで一息ついていると、
杏菜は、昨日の夜に、”お仕置きタイム”として
自分が着ていた過激な衣装が目に入ったー
「----え」
杏菜は、表情を歪めたー
「---え…ちょ、、、嘘だろ…?」
杏菜は愕然とするー。
そしてーー
慌てた様子でスマホの方に向かうー
”おい、どういうことだ!?早く返事をしろ!”
と、闇の商人にメッセージを送る。
だが、闇の商人からの返事はないー。
「--お、、、俺……
”杏菜”になりきっていたー?」
杏菜は震えるー
今日、朝起きてから、
大学に行き、帰宅するまでーーー
亮平は、”杏菜”になりきっていたー
杏菜を演じているーー
のではなく、
杏菜に”なって”いたー。
自分が亮平であると言う自覚を失っていたー
だからー
大学で何の違和感もなく普通に生活できていたし、
友達の前でも、自然に杏菜として振舞ってしまっていたー
今ー
帰宅して、
昨日のお仕置きタイムで使った
過激な衣装を見るまで、
”自分が杏菜を乗っ取った亮平”であることを
完全に忘れていたー。
大学で、”怪しい人物がいないかどうか”
周囲をキョロキョロしていたのは
”闇の商人”が自分を見張ってないか確認するためだったが
その目的すら忘れて
ただ何となく不安を感じているから周囲を見ている…
という状態になってしまっていたー。
「--ど、、どうして…?」
俺はなぜ半日も、自分が亮平であることを忘れていたー?
亮平は、恐怖に駆られた。
亮平は、自分で天才だと思っている頭脳をフル回転させて考えるー。
二重人格の状態のように
杏菜の意識が一時的に表に出ていた可能性も当然考えられるー。
だがー
違う。
何故なら、亮平としての自覚をなくしてはいたものの、
大学で杏菜として振舞っていたのは、
紛れもない自分自身だったからだー。
杏菜の意識が表に出てきたー
と、いうよりかは、
亮平が”自分が亮平である”という認識が出来ない状態で、
無意識のうちに杏菜になってしまっていた、と
考える方が正しいー
「--くそっ!まさか、俺がこの女に侵食されてるとでも言うのか!?」
杏菜は怒りの形相で叫ぶー
そして、
「くそっ!脱げやがれ!着ぐるみのくせに!」と、叫びながら
頭や背中ー
身体中のあらゆる場所を引っ張り始める。
「--くそっ!!生意気だぞ!着ぐるみ女が!!くそっ!!!くそっ!」
杏菜の声で狂ったように叫ぶ亮平ー
だが、皮が脱げることはないー
”ねぇ、通話ぐらいしたいよ!
バイト先にも来ないし、どうしちゃったの?”
”彼女”の一人、花林からLINEが届くー
「うっせぇ!!!!」
杏菜は怒りの形相でスマホを投げつけたー
馬鹿な女がー
黙ってろ!
そう思いながら杏菜はなんとか皮を脱ごうとするー。
だがー
皮は脱げずに、怒り・焦り・憎しみばかりが募っていくー
「--くそっ!」
杏菜は深呼吸すると
”落ち着け、俺”と内心で呟くー
焦っても何も解決しないー
焦りは、判断力を狂わせるー。
亮平は、そのことをよく知っているー。
ひとまず、風呂に入って落ち着くかー
そう考えて、深呼吸すると、杏菜はそのままお風呂へと入っていったー
・・・・・・・・・・・・・・
お風呂から出てきた杏菜は、
髪を乾かすと、部屋に戻ってきてー
そのまま読書を始めたー。
「---あれ…?」
杏菜が首を傾げるー
スマホが2台、部屋に置かれているー。
自分のスマホとー
”誰か”のスマホー
「---??」
杏菜は首を傾げながら
”大学から持って帰ってきちゃったかな”と笑うー。
そして、静かに本を読み始めたー
杏菜を皮にして
”支配”したはずの亮平ー
しかし、逆に今、亮平の自我は
皮にした杏菜の身体に、”侵食”されつつあったー。
③へ続く
・・・・・・・・・・・・
コメント
着込んだ皮が脱げずに、しかも支配されていき…?
彼を待ち受ける運命は…?
続きはまた今度デス~!