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”女性の深夜の一人歩きは危険”


そんな”教え”に興奮している男がいたー。


「--へへへ…」

不気味な笑みを浮かべる男、田代 雄三(たしろ ゆうぞう)は、

自宅のパソコンで画面を見つめていたー


”女性の一人歩き”について書かれているサイトを見つめる雄三ー。


「へへへへへ…」

雄三は、一人、気味の悪い笑みを浮かべながら、

パソコンの画面に見入っているー。


事情を知らない人間が、雄三を見たら

”夜道を一人で歩いている女性を襲おうとして、下調べをしている”

ように見えるかもしれないー。


だが、雄三はそんなことをするつもりはなかったー。


”逆”だー。


”深夜の一人歩きを、女性としてしてみたい”のだー。


だから、ネットで調べていた。

女性の深夜の一人歩きをー。


「---ゾクゾクしちゃうよなぁ…」


”誰かに狙われるかもしれない”

そんな、スリルを想像しただけでドキドキしてしまうー


”誰かに狙われている”

自分に熱い視線を送り、襲いたくなっちゃうほどに

相手をゾクゾクさせていると考えると、

それだけで興奮してしまうー


雄三は、

スリルが好きなドM男だったー。


以前、女のフリをして、

知恵BOXというサイトで、「深夜の一人歩きは危険ですか?」

と質問してみたことがある。


その回答には

”女性の一人歩きは本当に危険ですよ”みたいなものが

たくさん並んでいたー


それを見てー

雄三は、興奮したー。

いや、むしろ、抜いたー。


まるで自分が深夜に一人歩きをしている女性のような気持になって

あまりの興奮に、気づいたときにはパソコンの前で

抜いていたのだー。


がーー

雄三の欲求はそれでは満たされなかった。


やがてー

雄三は”自分が女性になって深夜の一人歩きをして、狙われてみたい”

そんな、おかしな欲望を抱くようになったー


そしてついに彼は、昨夜ー

知恵BOXに質問してしまったのだー


「男です。

 深夜に一人歩きする女性になりきって、狙われてみたいのですが

 何か方法はありませんか?」


とー。


雄三は、一晩経った今ー

知恵BOXの質問に回答が来ているはずだ、と

心を躍らせながら、知恵BOXのサイトを開いたー


すると、そこにはー


”キモすぎ”

”変態乙”

”犯罪者予備軍”

”VR空間から帰って来るな”

”義務教育の敗北”


など、辛辣な言葉が並んでいた。


雄三は、そんな辛辣な言葉に

いちいちショックなど受けないー


”鋼鉄”のメンタルを持っているからだー。


32歳独身ー

年収は500万ー。

一人で暮らしていくには十分すぎる。


昔から”独自の考え”が強く

常に”俺流”を貫くタイプだった雄三には、

友達がほとんどいなかったー。


しかし、雄三はそれをも全く気にする様子もなくー

我が道を貫いたー。


その性格は、今でも変わっていないー。


知恵BOXに自分が投稿した質問への解答を

見つめる雄三ー


そしてーーー

罵倒する回答の中にー

ひとつだけーー

雄三が目をとめたものがあったー。


”憑依すればいい”

その答えと共に、謎のメールアドレスが記載されていた。


「----…」

それを見つけた雄三が、動きだすのに、5秒はかからなかったー。


雄三は記載されたメールアドレスにメールを送った。


”憑依とは、何か?”


とー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


”憑依薬”

夢の薬を手に入れた。


雄三は、知恵BOXの回答ひとつをきっかけに

憑依薬と出会い、

そして、手に入れたのだー。


憑依薬で、女を乗っ取り、

女性として深夜の一人歩きをすることが出来るー。


「くくくくくくく」

雄三は笑うー。


極限のスリルー

誰かに狙われるゾクゾク感ー


自分が女として、不審者に狙われる姿を想像しただけで、

激しく興奮して、涎が垂れてしまうー。


「--ひひひひひ…」

雄三は、ニヤニヤ一人で笑っていると

”おっといけねぇ”と、真顔に戻ったー。


憑依する相手の物色ー。


雄三は、乗っ取った身体で、わざと短いスカートを履いたり、

胸元をちらつかせたり、”男を誘うような格好”をして、

深夜の一人歩きをしようとしていたー。


「----なるべくかわいい子か、綺麗な人がいいなぁ…くく」

雄三は笑みを浮かべるー。


雄三にモラルなどというものを説いても無駄だー。

彼の判断基準は”自分が楽しいかどうか”

そしてー自分の行動は、”罪になるのか”どうか。


憑依薬で憑依して、その身体で深夜の一人歩きをするー。


それはーーー

法律上、罪ではない。


この世に”憑依”などというものは

”表”には存在しないからだー。


「くくく…最高だぜ」

女子高生や女子大生、OLをじーっと見つめる雄三ー。


”女子高生は、リスクが高いな”

雄三はそう考えて、女子高生を候補から除外したー。


深夜の一人歩きを楽しむために

乗っ取るのなら、女子大生かOLだ、とイヤらしい笑みを浮かべるー。


女子高生の場合、

未成年者が深夜に歩いていれば

当然、警察官に声を掛けられる可能性もあるし、

親元にいるだろうから、

深夜に家を出て歩くのも難しいー


故にー

雄三は、一人暮らしの女子大生か一人暮らしのOLを狙うことにしたー。


好きなタイミングで深夜に一人、外に出かけることが出来るし、

派手な服装に着替えることも、たやすいー。


「--はは、、ふふふふ、はははは」

ゾクゾクしながら、一人笑みを浮かべる雄三はー

大学から出てきた一人の女子大生を見つめたー。


「---ん」

雄三は笑みを浮かべるー。


”清楚”な雰囲気を漂わせながらも、

スタイルの良い女子大生ー。

友達と思われる女子と一緒に歩いているが

笑顔もとっても優しく、美しい雰囲気が漂っているー。


「---決まりだ」

雄三は笑みを浮かべたー。


友達と別れる”ターゲット”の女子大生ー


雄三は、ロングスカートの落ち着いた雰囲気の女子大生を尾行するー。


”男を誘うにはもってこいの身体だー”


そう思いながら、雄三は、

その女子大生を尾行すること30分ちょっとー。


ついに、その女子大生がアパートの一室に帰宅したー


”一人暮らしなら、なお良し”


そう思いながら、さりげなくアパートの表札を確認するとーー

”村尾 香菜(むらお かな)”


一人暮らしだったー


”ひゃっは~!まるで俺のため身体だぜ”

そう思いながら、雄三は住所を確認すると、

そのまま帰宅したー。


雄三が購入した憑依薬は服用してから

10分前後で効果を発揮、

幽体離脱して、幽霊のような状態になることが出来る、

というものだった。


そして、それを使うことで、他人に憑依できるのだー。


自分の自宅に戻った雄三は、早速憑依薬を服用するー。

他人に憑依している間、”抜け殻”となる自分の身体の

安全を考慮すれば、自分の自宅で憑依薬を飲むのが一番なのだー。


10分ほどが経過するか、しないかぐらいの

タイミングでー

ついに”憑依薬”は効果を表したー。


「来た来た来たぁ!」

雄三は幽体離脱すると、早速、女子大生・香菜のいる

アパートへと幽体を飛ばしたー


・・・・・・・・・・・・・・


「----」

女子大生・香菜は、落ち着いた雰囲気の服装で、

のんびり過ごしていた。


時々、スマホのLINEを確認しながら、

ネットショッピングをしているー。


何か、欲しいものがあるようだ。


だがーー

香菜は知らないー


これから、自分が”深夜の一人歩き”をさせられることに

なるなんてー。


「へへへへ」

雄三は、ニヤリと笑みを浮かべるー。


幽体である雄三を、香菜は確認することも、

認識することもできないー


雄三は、迷わず香菜の身体に自分の幽体を重ねた。


「--ひっ!?!?」

香菜がビクンと震えて、スマホを落とすー。


「---ひ、、、はっ、、あっ、、ひっ、、ひっ」

過呼吸でも起こしているかのように、身体を

震わせながら、変な声を出す香菜ー


「ひっ、、ひっ、、ひっ、、ひひひひひっ、ひははははははぁ!」

香菜は凶悪な笑みを浮かべると、

「これが憑依!すげぇ!最高じゃん!」と、

声を裏返しながら笑うー


狂ったように立ち上がると、

服を乱暴に漁り始めるー。


だがー


「--チッ…なんだよ」

香菜は思わず舌打ちをしたー。


雄三が理想とするような、男を誘うようなコスチュームを

香菜は持っていなかったー。


ある程度の短さのスカートはあるが、それだけー。


仕方がないので、黒いスカートと白いブラウス姿に着替えて、

香菜は時計を確認するー。


23時30分ー。


「ふふ、いいじゃんいいじゃん」

香菜は笑みを浮かべるー


深夜の一人歩きを女性として楽しむときがやってきたー。


雄三は、自分の身体で深夜の一人歩きを

したこともあったが、

誰も雄三のことなんて狙わないし、

狙われるような気配もしない。

雄三自身、護身術も身に着けていることから

仮に狙われたとしても撃退できてしまう自信があるー。


だがーー

今はーー


「--」

コツ コツ とハイヒールの音を立てながら

夜の街を歩く香菜ー


わざと、人通りがなく、暗い道へと向かっていくー


香菜を乗っ取った雄三がゾクゾクを感じて興奮するー。

それに合わせて、香菜の身体も激しくゾクゾクするー


”さぁ、不審者…

 俺を、いいや、わたしを狙いなさい…”


香菜はゾクゾクしながらそう呟いたー

誰もいない深夜の住宅街で腰に手を当てて

ポーズを決める香菜ー


「あぁぁぁ…はぁ…♡ はぁ♡」

これから狙われるかもしれない興奮を感じて

香菜は自分の唇をペロリと舐めたー


しばらく興奮を噛みしめた

やがて、顔を赤らめながら、深夜の街を一人、

歩き始めたー


「-----」


さぁーー

早く

俺を狙えー


変態どもー

深夜の変態どもー


俺を、わたしを狙ええええええ!!!!


「---ふふ、、、ひひひひ」

香菜は、いつもの香菜が絶対に浮かべないような

気味の悪い笑みを浮かべながら夜の街を歩くー


”狙え”


”狙え”


”ほら、襲え!”


背後から気配がするー


「きたあああああああああああああああああああああ!!!」

香菜は内心でそう叫んだー


”ほら、可愛いわたしを狙え!!!!!!”


だがー


「---こんばんは」

背後から声をかけてきたのは、巡回中の警察官だったー


「---あ、」

香菜は拍子抜けして、しらけた表情で警察官を見るー


”女性の一人歩きは危険ですので、”のような話を

されて、”気をつけてくださいね”と言われた香菜ー。


適当に「あ、はい」と言いながら

警察官が立ち去っていくのを確認するとーー


香菜はーーー

”興奮”したーーーー


「あぁぁぁああ…俺、か弱い女性だと思われてるーー


 あぁぁあああ……

 興奮しちゃうじゃん……」


香菜は自分の身体をべたべた触りながら

さっきよりもさらにゾクゾクしながら、夜の街を歩き始めたー


”か弱い女性だと思われて警察官に声を掛けられた”


その事実が、香菜を支配している

雄三をさらに興奮させたー


”このスリル、たまらないー”

香菜は、深夜の路地を歩きながら、不気味な笑みを浮かべたー



②へ続く


・・・・・・・・・・


コメント


夜の一人歩きは怖いですよネ~!

皆様も気をつけましょう~!☆


でも、憑依されちゃったら…

仕方がないですネ☆

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