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面白くなってきたな…

ジョーはそう思い、口元を歪ませた。


ジョーは思う。

”悪の魂”を他人に投げ入れるという一見、

何の意味もない行為を自分が繰り返す理由ー。


それはー

限界まで悪の魂にあらがいながら、最後には壊れていく

ヒトの姿が見たいのだとー。


つまりー

壊れていく他人を見つめながらー

自分は、愉悦に浸っているのだと。


藤森彩乃もやはりーー。

体に憑依した悪の魂の”悪の部分”に飲み込まれ始めた。

あの魂は浮気女の死体から取り出したもの。

そこに、既に元々の人間の人格や意思は残っていないが、

魂にはハッキリと残っている。


”女を利用することの快感”

”男を騙すことの快感”


元々の持ち主の悪い部分が悪の魂には集約されているのだーー。


彩乃は、その”悪の部分”に飲み込まれ始めたー。

もう、元に戻ることは、できないー


「--さぁ、どんな風に壊れていくのかー

 じっくり見せてもらおうか」

ジョーは、笑みを浮かべると、透明の状態のまま

彩乃の現在の様子を見つめ始めたー。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「昨日は、、ごめん」

彩乃が申し訳なさそうにお詫びの言葉を述べるー。


突然、毅に迫ってきた彩乃。

彩乃とは思えないような取り乱し方に、毅は

驚いてしまったー。


毅は、少し安心した様子で呟くー。


「え?あ、あぁ。

 俺の方こそ悪かったよ。

 急だからさ…ちょっと驚いちゃって」


毅は、どこまでも”お人よし”な性格だったー

学生時代にも、よく友達から

”お前はお人よしすぎるぜ”などと言われているような

タイプの人間で、

それ故にー

彩乃に対しても”違和感”を抱かなかったー


いや、”違和感”は抱いたー


そういう行為を得意としない彩乃が

突然、毅を求めたのだー。


違和感を抱くに決まっているー。


本当は何があったか気にするべきだった。

この時に毅が、彩乃の異変に気付いてあげられていれば

もしかしたらー

”悪の魂”に打ち勝つことも、

そんな”奇跡”も行ったのかもしれないー。


だがー。

毅はその”優しさ”から彼女に対して詮索をしなかった。


「---どうしちゃったんだろうね、わたし…」

そんな冗談を言いながら彩乃は笑う。


だが、本人はそんな場合じゃなかった。


ーーー欲しいーー欲しいーーー

ーー欲しいーー

心が叫ぶ。


男の体が欲しいと。

全てを捨てて狂ったように喘ぎたいと。


だが、彩乃はその芯の強さで

それを抑え込んでいた。


彩乃の心は、今まで検死官ジョーが、

悪の魂を憑依させてきた人間たちの中でも

”最上位”とも言えるレベルに”強”かったー。


「いってきますー」

毅が会社に向かう準備を終えてほほ笑む。


「はい、いってらっしゃい」

笑顔で彩乃は手を振った。


そして玄関の扉が閉まる。


次の瞬間、彩乃は狂ったように自らの体を

触り始めた。


「はぁ…んぁっ…もう、、、我慢できない…

 あっ、、、あぁ…」


狂ったように自分の体をもてあそび、

快感に身をゆだねる彩乃。


毅がいる間ー

ずっとずっと、必死に我慢していたー

大好きな毅に心配をかけないようにとー。


だがー

それでも、もう、我慢の限界だった。


「うっ…うあぁ…

 ダ、ダメ…足りない…」


彩乃は狂ったようにスマホの元へ行くと、

数少ない男友達の一人にLINEを送った


”用が無ければ今すぐ来てほしい”と。。


”夫が仕事している間に他の男の人を呼ぶなんて…”


そうは思っていてもー

いけないことだと分かっていてもー

このままじゃ、頭がおかしくなってしまいそうだったー。


その相手の男は、元々彩乃に片思いをしていた男だった。

しかし彩乃は性欲が強めなその同級生をどうしても

恋愛対象としては見ることができず、振っていたのだった。


2時間後、同級生はやってきた


「よぉ、彩乃…?どうしたんだ?」

同級生の弦田 孝彦(げんだ たかひこ)は

戸惑いつつも、明るく振る舞っている。


”家についたらノックもいらないから入ってきて”と

彩乃からLINEが来ていた孝彦は

彩乃の家の中に入ってきたがー

肝心の彩乃の姿がないー


彩乃の呼び出しに応じた孝彦には、

もちろん”下心”があったー。

だが、実際にこうして、既に”人妻”となっている

彩乃から呼び出されて、

しかも彩乃の姿がない、となると不安になってしまうー。


そしてー、

次の瞬間、孝彦は背後から押し倒された


「なっ」

孝彦は驚いて声を出すー。

そこには髪が乱れ、だらしない笑みを浮かべた

彩乃の姿があった


「待ってたよぉ…

 もう、わたし、我慢できなぃぃい!」


彩乃がうっとりとした表情で言うと、

狂ったように孝彦の服を脱がせ始めた。


彩乃は、孝彦を呼び出して待っている間に、

既に我慢できなくなって

一人で滅茶苦茶になるまでエッチを続けていたー。


孝彦が、いきなり乱れた彩乃の姿を見て、

驚いてしまうー。


「ねぇ、、

 彩乃をぉ、滅茶苦茶にしてぇ!」


甘い声を出しながらささやく。

彩乃のこんな姿は見たことが無い。


何があったのか知らないがー、

そんなこと知ったことか!


押し倒された孝彦の理性が崩れ去った。


彩乃と孝彦はー

”激しい”行為を繰り返すー。


「んぁぁあああっ!あぁ、あ、凄い、すごい!

 気持ちぃいい♪」

彩乃が狂ったように喘ぎ声を上げる。


その声は近所にも響いているかもしれない。

でも、彩乃にはもうどうでもよかったーー


こんなに気持ちイイならどうにでもなってしまえ!

とにかく、今は気持ちくてたまらない!


「うっもうダメ、彩乃、壊れる!!

 あっ、、あっ、ああああああああああああ~~~♪」


彩乃はそのまま放心状態で床に崩れ落ちた。


だらしない笑みを浮かべて

「き…気持ちい」とつぶやいている。


孝彦は、そこでふと我に返った


「な、、なぁ、そろそろヤバくねぇか?

 お前、毅の妻なんだからよ…」


孝彦が荷物をまとめて足早に立ち去ろうとするー


彩乃はその間もピクピク震えながら

乱れた格好を晒しているー


そしてー

彩乃はうっとりとした表情で孝彦に抱き着いた


「明日も……彩乃を壊して・・・・・・うふふ…」


「お、、、お前…」

孝彦は、戸惑いながらも

彩乃の甘い誘惑を断ることはできなかったー。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ただいまー」


「おかえりなさい」


彩乃は満面の笑みで毅を迎え入れた。


彩乃はキッチンで、晩御飯の用意をしながらも、

時々、自分の胸をばれないように触ったりしていた。

彩乃の欲はーーもう限界に達していた。


元々彩乃は「芯が強い」人間だった。

周囲が悪い事をしていても、周りに流されず、

真面目を貫いた。


学生時代も、今までもーー。


だが、こんなに気持ちいなら、、、

もうどうでも良い気がしてきた。。。


けれどもーー

そんなのわたしじゃない。。


そう思うことで、彼女はなんとか自分を保っていた。


毅の見ていないところでーー

せめて、毅の前ではーーー。


でも、、、もう、、、

それも限界だった。。


次第に彩乃の”理性”は悪の魂に呑みこまれていった。


「---終わりだな」

彩乃の様子を見つめていた検死官ジョーが冷たい声で呟くー


藤森彩乃が、

悪の魂に完全に飲み込まれるまでー

”あと少し”であると確信したー。


彩乃は笑みを浮かべるー。


ーー真面目にやる?

ーーーそんなのあの快感と比べたら馬鹿らしいこと。


ーー毅がいるからーー?

ーーー私を気持ちよくしてくれないならいっそのこと。。


ーー世間体

ーーーそんなモノ、何の意味も。。


とにかく、、とにかく、、

私は、、私は…


「…どうした?」

毅が考え込んでいる様子の彩乃を心配した


「--ううん、何でもない。」

そう答えながらも、彩乃の心は既に

”家庭”には無かった…


彩乃の心はー

彩乃に憑依した”悪の魂”に染められていたー


⑦へ続く


・・・・・・・・・・・・


コメント


次回が彩乃編の最終回デス~!

”逆転”はあるのでしょうか~!

今日もお読み下さりありがとうございました!!


※毎週火曜日の作品は、私の初期作品のリメイクで、

いつもより短いので、

100円プランでも読めるようにしてあります!

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