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図書委員の片桐 萌奈に憑依した

奥手な男子の高本 良太は戸惑っていたー


「うああああああああああ…」

萌奈が、自分の部屋の隅っこで、片手で口を塞いで、

片手で目を隠しているー


あまりにも、奇妙な光景ー


「--ふえええええええええ…」

萌奈が奇声を上げているー


周囲から見たら、

おかしくなったと思われるかもしれない光景ー。


萌奈に憑依した良太はーー

女子と全く縁のない人生を送っていたためー

萌奈の身体を直視することができなかったー


萌奈が、服を着ていても、だー。


その場に座り込んで、目と口を手で覆ったまま

足をばたばたさせる萌奈ー


「だめだぁぁぁぁぁぁ…」

もごもごと言葉を口にするー

萌奈の声が出るー


「だめだあああああああ…」

自分の口から可愛い声が出る時点で、もう耐えられない。


爆発しそうだー。


萌奈の顔は、真っ赤になっていたー

萌奈に憑依している良太が、あまりの恥ずかしさにもがいているためー

萌奈の顔も、良太の意思に従う形で、真っ赤になっているのだー。


「---……うあ…」

足がスースーすることに今更ながら気づくー


「--ひぇっ!?スカート…!」

目を覆った手を少しだけ開いて、萌奈の足元を見るー


程よい長さのスカートの感触ー。

萌奈に憑依できてしまったことで、

もはやスカートどころではなかったが、

今になってそれを意識してしまったー


「--ぎゃああああああ!スカート!」

飛び跳ねるようにして、立ち上がる萌奈ー

普段の穏やかな萌奈の姿はそこにはなく、

意味もなく一人で慌てふためく、奇妙な萌奈の姿が

そこにはあったー。


「--うぅぅぅぅぅぅ…」

立ち上がってスカートを抑えて

抑えて、もじもじする萌奈ー。

スカートからはみ出た足の部分を

落ち着かない様子で何度も何度も

手で隠そうとするー。


「---って、、、!」

萌奈の太ももに手が触れてしまって、

物凄く慌てた様子で、手を離す萌奈ー。


「--ご、、ごめんなさい!ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」

慌てて謝罪の言葉を口にする萌奈ー。


もはや、憑依して萌奈になったことを

楽しむどころではないー。


「-ーーー…うぅぅぅぅ」

萌奈は泣きそうになりながら、部屋の鏡の方に視線をやるー

鏡には、怯えた表情の萌奈ー


”僕がこんな表情を片桐さんにさせているー”

そう思っただけで、胸が張り裂けそうになって、

”もうだめだ”と、耐えきれなくなった萌奈はー

ベットに飛び込んだー。


ベットにうつぶせになって、このまま

憑依薬の効果が切れるまで、待とうー


萌奈に憑依して良太は、そんな風に思ったと同時にー

うつ伏せになったことで、胸がベッドに触れる感触ー

男では絶対に味わうことのできない感触を味わってしまいー


「ぶふぅ~~!?」

と奇声を上げて、飛び上がったー


その衝撃で、一人、ベットから転落して、尻餅をついてしまうー。


もはや、萌奈が一人で部屋で暴れているような

意味不明な光景が広がるー


「--いたたたたたた…って…うああああああああああああ!!!」

萌奈は、ジャンプしながら立ち上がったー


お尻を打ち付けたことで、

反射的にスカートの中に手を突っ込んで

萌奈の下着を触ってしまったー


「ああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ」

謎の奇声を上げながら、

近くにあったティッシュで、萌奈の綺麗な手を

何故か入念に拭き始める萌奈ー


今、自分が何をしているのか、萌奈に憑依している

良太自身にも、もはや、あまり理解できてなかった


”ぼ、僕、一体何をやってるんだろう…”


そんな風に思いながらー

今度は、あまりのドキドキと興奮でー

萌奈の鼻から鼻血が垂れてきたー


「ぎゃあああああああああああ!」

叫びながら慌ててティッシュを取りに行く萌奈ー


良太には、”女の子に憑依する”ということが

耐えられるほどのーー

”耐性”がなかったー


・・・・・・・・・・・・・・・・


「あいつ…大丈夫かなぁ」

啓利は、憑依した身体の胸を揉んだり、

足を触ったり、

鏡の前でポーズを決めながら、そう呟いたー。


良太は今頃、萌奈に憑依しているはずだー


「まぁ…案外、良太みたいなやつは

 実際、憑依しちゃうと、はじけちゃうんだよな」

可愛い声で呟くー。


啓利は、鏡の前で、可愛いを振りまくようなポーズを取ったり、

キスしたり、挑発的なポーズを取ったりして、

乗っ取った身体を堪能しているー


もちろん、事前に約束した通り

”乗っ取った身体の部屋からは出ない”ことを徹底した上でー、だ。


あくまでも、啓利の憑依薬の用途は、

女の子になった状態を少し体感したい、というだけ。

イタズラじみたような理由だけで、

悪さをするつもりはないー。


「う~ん、やっぱ可愛すぎだよなぁ~」

それだけ呟くと、

時計の方を見て

”楽しい時間はあっという間だな”と、内心で苦笑いしたー


時計の針は、刻々と進んでいる。


憑依薬の効力は、2時間ー

もう、半分以上が過ぎているー

2時間経過すると、憑依状態から

強制的に抜け出して、元の身体に戻ってしまうから、

実際、あと遊べるのは、30分ちょっと、というところだろうか。


抜け出す前に、ちゃんと後始末を

しなくてはならないー。


「--ってか、あいつにそれ言い忘れたな」

可愛い声で、そう呟いて舌打ちする啓利ー


乗っ取ったこの身体は、いつ見ても可愛いー


「--あいつ、2時間ギリギリまで

 やりたい放題しちゃったりしないよな…」

啓利の中に不安がよぎるー。


憑依されている間の記憶は、

残らないー

それは、”既に1度妹で試した憑依”で

妹は、乗っ取られていた間、”眠くなって昼寝しちゃったのかな?”

みたいなことを言っていたー


つまり、乗っ取られている間の記憶はないー


だがー

例えば、全裸になってヤリまくっているタイミングで

2時間が経過してしまったとすればー


目を覚ました萌奈はどう思うだろうかー?

流石に、寝落ちしちゃって、寝てる間に

無意識のうちにエッチしてました、なんて風には

思わないだろうー


”誰が憑依している”とか、そんなところまでは

分からないとは思うが、不安だー


「--大丈夫かな、あいつ」

”電話するか?”とも思ったがー

啓利は、萌奈の住所は、妹の繋がりで知っているのだが、

電話番号は知らなかったー


「あぁ、くそっ!」

綺麗な髪を掻きむしりながら啓利は呟くー


「頼むから、ちゃんと考えて行動してくれよー」

啓利はそう呟くー


啓利は、前回、初めて憑依した際も、

1時間40分ぐらい経過した時点で、後片付けを初めて、

2時間経過するちょっと前に、布団に潜っておいたー


そうすることで、

乗っ取られていた人は

”あれ?わたし寝ちゃったのかな?”ぐらいで済むー。


「--頼むぞ~~!頼むぞ~!」

啓利は、そう願いながら、乗っ取った身体を再び堪能し始めたー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


啓利の心配は”杞憂”だったー。


何故ならー

そもそも、萌奈に憑依した良太は、

何にも出来ていないー


さっきから、ずっと慌てふためいて、

一人、奇妙な行動を繰り返しているだけだー


この様子では、エッチなんて、絶対にしないー


「すーーーーはーーーーーー」

萌奈が、部屋の真ん中であぐらをかいて

深呼吸をしているー。


「すーーーーーーはーーーーーーー」

目を瞑って、座禅のような状態になっている萌奈ー


萌奈に憑依した良太はー

”己の煩悩”に

深呼吸を続けていたー


少しでも落ち着き、この地獄のような2時間を

乗り越えなくてはならないー


ゴミ箱に萌奈の鼻血がついたティッシュを捨てるー。


「--あ、、、だ、、だめだだめだ!」

萌奈はそれだけ呟くと、慌てて立ち上がるー


目を瞑りながらー

萌奈の髪も手も姿もスカートも何も見ないようにしながら

ティッシュを取ると、萌奈の鼻血がついたティッシュを包み込んで

それをごみ箱に放り投げたー


「すーーーはーーー」

「すーーーーはーーーー!」

再び深呼吸を始める萌奈ー


深呼吸していると、不思議と萌奈に憑依している

良太の気持ちも、なんとなくだんだん落ち着いてきたー


”深呼吸、効果あるなぁ~”

良太は、そんなことを考える余裕を取り戻しつつ、

深呼吸をずっと続けているー


もしも、萌奈がー

自分が憑依されたことを自覚していたらー

憑依された側は”何かイタズラされる”と覚悟するだろうー

だが、萌奈は、さっきから深呼吸させられているだけー


憑依されて、深呼吸させられているー。

そんな、奇抜な憑依被害を体験しているのは、

萌奈だけかもしれないー


「----!!」

萌奈は表情を歪めたー

深呼吸を止めるー


「---やばい…トイレ行きたい…!」

萌奈の声で、そんな言葉を口走ってしまいー

また、慌てて口をふさぐー


「--やばやばやば…」

萌奈は、”早く2時間経過してくれー”などと

思いながあ、いつもの調子で、もじもじし始めるー

トイレに行きたいのを我慢する男の子モードで

アソコを触ろうとする萌奈ー


だがー

萌奈の身体にはアレがないー。

男の象徴である、アレがないー


「うあっ…ああああああ!」

スカートと、スカートの上からとは言え、

女の子のアソコらへんを触ってしまって

萌奈は顔を真っ赤にするー


「うぅぅぅぅぅ…漏れちゃう…」

じたばたする萌奈ー


でも、萌奈の身体でトイレに行くことなんてできないー

そもそも、女の子のトイレのしかたなんて

”座ってする”ぐらいしか、良太にはイメージできないし

どんな風に出るのかもわからないし、

そもそも、アソコが無い、なんて、どんな風になってるのかも

サッパリ分からないー


壊滅的に、知識がない。


「う~~~~~あ~~~~!」

冷や汗をかきながら、なんとか、尿意を我慢しようとする萌奈ー


もじもじもじもじしながらー

必死にこらえるー


そしてー


「あっ……」

萌奈の身体から、力が抜けたー


2時間経過ーーー

結局、良太は奥手すぎてー

”何も”出来ないまま

憑依タイムを終えてしまったー


「---」

憑依していた良太が抜けたことで、

ガクリとその場に倒れる萌奈ー

しかもーーー

そのはずみで、萌奈は、限界まで我慢していたものを

全部出してしまったー

スカートと下着がびしょびしょに濡れるー


水たまりを作ってしまった萌奈ー


彼女が意識を取り戻して、

悲鳴を上げるのは、この2分後のことだったー


・・・・・・・・・・・・


「---どうだった?」

良太より、わずかに先に意識を取り戻していた啓利が笑いながら

感想を聞くー


良太は、顔を真っ赤にしながらー

「な、、な、、なにも…できなかった…」と呟くー


「はぁ!?」

啓利が唖然とするー


「--そ、、その…片桐さんになってるって思っただけで

 心臓破裂しそうなほどドキドキしちゃって…」

良太がそう呟くと、

「お前なぁ~」と、啓利は苦笑いしながら呟いたー


「ホント、何もしてないのか?」

啓利の言葉に、良太は

「え、、、え~っと…じたばたして、鼻血だして、深呼吸して…

 あと、おしっこ我慢してただけ…」

と、答えたー


「--…はは… ま、、お前らしいか」

啓利がそう言うと、

良太は「塚井くんは、誰に憑依してたの?」と尋ねるー。


啓利は、苦笑いしながら答えたー


「----妹」

とー。


”おためし”で使った憑依薬でも”妹”に憑依してたと

啓利は言っていたー


「--出た!シスコン!」


「うるせぇ!シスコン言うな!」

顔を真っ赤にする啓利ー


啓利の妹は、憑依が終わる直前、

啓利が全部片づけて、ベッドに潜ったからー

また、”寝落ちかな?”ぐらいにしか思わないだろうー


兄としての、配慮だー


「---ま…もうじーちゃんの憑依薬もないし、

 じーちゃんはもう死んでるから…

 これで最後だな」

啓利は笑いながら、そう呟いたー


”もう、二度と憑依なんてしたくないよー”

と、思いながらも、良太は

ちょっとだけ貴重な経験だったかな?と、

啓利にお礼を述べたー


良太と啓利の友情が、少しだけまた深まったかもしれないー


啓利の妹が、意識を取り戻して「やば!また寝落ちしちゃった!」

などと呟いているー


今日も、穏やかな日常ーーー


ただ、一人ー


「なにこれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ?!?!?!?!」


憑依終了の直前まで、尿意を我慢していてー

憑依から良太が抜け出したはずみで、

全部出てしまった萌奈を除いてはーーー



おわり


・・・・・・・・・


コメント


平和な憑依モノでした!!!


片桐さん(萌奈)にとっては

災難以外の何物でもないですケド…笑


お読み下さりありがとうございました~~!

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