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「ふふふふ…♡ ふふふふふふ」


夜ー。

純玲の友人・比奈は

ツインテールを揺らしながら、

夜の公園で、一人笑みを浮かべていたー


視線の先にはー

純玲の家があるー。


「純玲ちゃんは…目の保養になるなぁ…うひひひひ」

比奈は、高校の制服姿のままー。


学校で”ストーカー男”の悪霊に憑依されて

そのままずっと、純玲をストーカーしているのだー


「はぁぁぁぁ…俺はただ、純玲ちゃんを

 見ていたいだけなのにぃ…」

比奈がはぁはぁ言いながら、

純玲の家の付近をうろうろするー。


その口からはよだれが垂れているー。

あまりの興奮に比奈のアソコが濡れているー


それでもー

悪霊と化した譲治には、そんなことは

興味なかったー


ただー

生前、ずっとずっと見つめていた純玲を

もっともっと見ていたいー

その”愛”とも言える感情ー


それにー

自分に対して”変態”と言い放ちー

譲治が、事故死する原因を作った純玲に対する”憎悪”の感情が

混じり合いー

譲治の純玲に対する想いは、”生前”よりも

さらに異様なものに変わり果てていたー。


「--ふひっ…」

純玲の家の2階の明りがついているー。

確かー

あそこが純玲の部屋だったはずー。


鞄を放り投げる比奈ー

スマホが音を立てているー。

比奈が帰宅しないことに心配した両親や、

比奈から何の返事もないことを心配した友人たちがー

比奈にメッセージを送っているー。


しかしー

今の比奈から返事が来ることはないー

ホームレスであり、ストーカーであった男に

完全に支配されている比奈にとって

”そんなこと”どうでも良いのだからー


「--くふっ…♡ す・み・れ…」

比奈が甘い声を出しながら、純玲の家の外壁を

突然登り始めたー


蜘蛛のように、ツインテールの女子高生が

家の外壁を登っているー。


幸運か、不幸かー

夜だったために、誰も、その”異様な姿”を見かけることはなかったー


比奈が笑みを浮かべるー

家の1階の屋根の部分に飛び乗ると、

スカートと髪を乱しながら、

純玲の部屋が見える部分に向かおうとするー


夜ー

自分の部屋で純玲ちゃんは何をしているのだろう?


そんなことを考えていた比奈は

さらに、さらに興奮していくー

顔を真っ赤にしながら、よだれを垂らしてー

ついに、純玲の部屋をーーー


「あっ…!?」

突然、比奈が足を滑らせて、真っ逆さまに、純玲の家の屋根の部分から

勢いよく転落するー


「---!!!!」

尋常じゃない ドン! という音が聞こえて

部屋で読書していた純玲が驚くー


「--なに?今の?!」

姉の海美も、純玲の部屋に入って来るー


父・太一と母・留美子も異変に気付いていたー


父の太一が「俺が見て来るー」と、

玄関の外に向かうー


そしてー


「---救急車を呼ぶんだ!」

と、太一が家の中に飛び込んできたー


「え?」

純玲が戸惑いながら、父の太一と共に

玄関の外に向かうとー

そこには、純玲の友人・比奈が

頭から血を流して倒れていたー


転落した際に、頭を強く打ち付けた比奈ー。

比奈は目を見開いたまま微動だにせずー

病院に搬送されたが、助からなかったー


「比奈…」

病院で涙を流す純玲ー


「----純玲…」

姉の海美も、純玲を心配そうにーーー


いいやーーーー

笑みを浮かべながら見つめていたー


病室の外に出た海美が笑みを浮かべるー


「--友達の死を悲しむなんて、

 優しいなぁ~純玲ちゃんはぁ…♡」

海美が邪悪な笑みを浮かべたー


”移動できる”

比奈に続き、純玲の姉・海美を乗っ取った譲治は、

そのことを”学んで”しまったー


比奈の身体でずっと、純玲を見つめるのは

失敗だったー

帰宅後の純玲の様子を見守るのは難しいー


でもー


「--今の俺は、お姉ちゃんだぁ…♡

 純玲ちゃんの、お姉ちゃん…♡」

はぁはぁ言いながら海美が笑みを浮かべるー


そう、この力があればー

純玲をずーっと、ずっと、見守ることができる。


帰宅してからは、純玲の家族の身体を乗っ取ってー

学校では、純玲の友達を乗っ取ってー


「ふふふふふふ…

 純玲…純玲…純玲…

 これからもずーっと、

 見ててあげるよぉ…♡


 あぁぁぁ…こんな風にできるなら、

 純玲ちゃんに殺されてよかったかもなぁ…」


海美は、顔芸レベルに表情を歪めて

クスクスと笑ったー


・・・・・・・・・・・


翌日ー


純玲は落ち込んだ様子で学校に向かったー


学校でも、比奈の死が伝えられるー。


純玲も、

親友の和枝も、美由子も、

涙を流していたー


友達の突然の死ー。


「ーーーうっ…」

涙を流していた美由子が震えるー


そして、笑みを浮かべるー

ショートヘアーの美由子が、

”この身体は髪が邪魔じゃなくていいや”と、

笑みを浮かべるー


「純玲…純玲…純玲…すみれすみれすみれ…」

美由子が純玲の方をじーっと見つめるー


授業中もずーっと…。


昼休みになって移動する純玲ー

親友の和枝と共に、お昼に飲む飲み物を

昇降口前の自販機で購入しているー


それを物影から見つめる美由子ー


「---俺は…こうして…

 純玲ちゃんを見ているだけで、満足なんだ…

 目の保養…ふひひひひ」

美由子とは思えない、歪んだ表情を浮かべるー


「---…あれ!美由子?」

純玲の親友・和枝が、”ストーカー行為”をしていた

美由子に気づいてしまったー


「---あっ!?えっ!?」

美由子が戸惑うー。


「--そんな物影からじーっと見つめて、どうしたの?」

和枝が笑うー


純玲も苦笑いしながら、「美由子ー!」と手を振っているー


美由子は「--あぁ、、え、、えぇ、、いやぁ…」と

意味不明な返事をしながら、仕方なく和枝と純玲に近づいたー


「---う~ん、これ美味しい~!」

純玲が新発売の飲み物を口にするー


「え~?どれどれ?」

親友の和枝が、純玲に「ちょっといい?」と確認し、

純玲がうなずくと、

和枝は、純玲の飲んでいた飲み物の缶を手に持って

そのままそれを一口飲んだー


「うあ…♡」

それを見ていた美由子が思わず興奮してしまうー


”純玲ちゃんと間接キスー”


「--うん!おいしい!」

和枝が笑う。

純玲も笑うー


比奈の死で落ち込んでいたふたりに

少しだけ戻った笑顔ー。

比奈の死は悲しいー

けれど、ずっと落ち込んでいても、仕方がないー。


「---はい!」

純玲が美由子に飲み物を差し出すー


「え…???」

美由子が戸惑う。


「美由子も、飲んでみて!」

純玲が笑うー。


「--ふぁ……う、、、うん…」

顔を真っ赤にしながらー

缶の飲み口に口をつけてー

美由子の下でペロペロと舐め始めるー


「んっ…ふぅぅぅぅぅ♡」

美由子の身体が一気に、激しく興奮してくるのが

憑依しているストーカー男・譲治にも伝わってくるー

普段は、活発でサバサバしてそうな感じの美由子が、

こんなことで、激しく興奮しているー


「美由子…?」

和枝が不思議そうに美由子の方を見るー


気付けば、興奮しすぎて美由子は鼻血を垂らしていたー


「あ…うあああああ…、、、だ、、大丈夫…

 へへへ、、うひひひひひひ!」

美由子はそのまま鼻血を垂らしながら走り去ってしまったー


”あぁぁぁぁ…

 これからはー

 何でもできるんだー

 純玲ちゃんを見つめるだけでなくてー

 もっと、もっと、近づいてー”


美由子は狂ったように興奮していたーーー


そしてーー


「美由子も、飲んでみて!」


美由子に憑依しているストーカー・譲治は

純玲の笑顔を思い出して、

こう思ったー


”純玲ちゃん、実は俺のこと好きなんじゃー…?”


あまりにも酷すぎる勘違いー


しかしー

美由子に憑依している譲治は、そう思い込んでしまったー


放課後ー。


美由子は、純玲のあとをつけていたー


そしてー

純玲が下校中、人通りのあまりない道に

入ったタイミングで、美由子は純玲の肩を叩いたー


「--え?美由子?」

純玲が不思議そうにしていると、美由子は突然、純玲にキスをしたー


「あぁぁぁぁ…もう我慢できないよぉ…純玲ちゃん…

 純玲ちゃんも”俺”のこと、すきだったんだねぇ …」

美由子が低い声で、狂った表情を浮かべながら言うー


「え、、み、、美由子!?なんのこと!?」

純玲が戸惑いながら美由子を振り払うー


「--え」

美由子が唖然としているー


”振り払われた”ことにー


少ししてー

美由子は笑みを浮かべると、


「--俺は変態じゃないってわかってくれたんだね」


と、満面の笑みで呟いたー


「え…」

純玲には、その台詞に心当たりがあったー

”あのストーカー男”の言葉ー


「--み、、美由子…?」

純玲が震えながら言うと、

美由子は叫んだー


「そんな名前で呼ばないで!

 俺は、、、俺は…湯河原譲治だ!」


「--ひっ!?!?!?み、、美由子!!?!?」

純玲がおびえながら叫ぶー


美由子が純玲にキスをしようと襲い掛かるー


「離して!」

純玲が美由子を押し飛ばすー


押し飛ばされて尻餅をつく美由子ー


「なんで……?」

美由子が路上に座ったままの状態で首を振るー


「なんで……????

 純玲ちゃん…なんで????????」

美由子の目が赤く染まっていくー


「--み、、美由子…???しっかりして!」

純玲は戸惑うー


”美由子が、あのストーカー男になってる!?”


ストーカー男が死んだことも、

美由子が憑依されたことも知らない純玲はー

混乱して、美由子の方を見ながら後ずさるー


「---俺のこと、好きなんだろう???

 どうして??どうして??俺を拒絶するんだ!?」


怨霊と化していたストーカー男・譲治は

”狂気”に染まっていたー

生前は、本当に”純玲を見てるだけ”で幸せで

何もするつもりはなかったー


だがー

純玲に拒絶されたせいで事故死したと逆恨みしー

憑依の力を手に入れたことで力に溺れー

純玲と間接キスをしたことで、勝手に純玲が自分を好きだと思い込みー


完全にーー

”壊れて”いたー


「--俺は…ひひっ…俺は…!!!

 純玲ちゃんの全部が欲しい…!」

美由子がゾンビのように走って来るー


「ま、、待って!?どうしちゃったの!?ねぇ!?美由子!」

そう言いながらも、”明らかに正気を失っている”

美由子を見て、純玲は慌てて逃げ始めるー


どう考えても、普通じゃないー。


「--ひひっ!ひひひひっ!ひひひひひっ!」

何もかも振り乱しながら純玲を追い回す美由子ー


「やめて!やめてってば!」

美由子に追いつかれた純玲が美由子を振り払うー


路上に倒れた美由子がけらけらと笑うー


「-ーー俺を拒絶するなんてぇぇぇ…

 許せないぃぃぃぃぃい!!!!」


叫ぶ美由子ー

美由子が顔を上げると、既に純玲は遠くに走り去っていたー


「--はぁぁぁぁ…はぁぁぁぁぁぁ…」

怒りのあまり呼吸が荒くなる美由子ー

目を真っ赤に光らせながら、美由子は立ち上がるー。



「----はぁ…はぁ…はぁ…」

純玲は家に逃げ込んで、部屋の中に駆け込んだー


スマホで震えながら”湯河原譲治”と検索するー


さっき、美由子がそう名乗っていたー


検索しても意味ないかもしれないけれどー

そう思いながらも、パニックになった純玲は

スマホの画面を連打するー


そしてーーー


「----!」

純玲は、この時、初めて知ったー

自分を数か月間付け回していた男の名前が

湯河原譲治であることー

そして、ホームレスであったことー


さらにーーー

数日前に”事故”で死んでいることー


「え……」


!!


純玲の肩に手が触れたー


純玲が振り返ると、そこには、姉の海美がいたー


「----俺、死んじゃったんだ♡」

海美がイヤらしい笑みを浮かべながら言うー


「お…おねえちゃ……」


純玲の言葉を遮り、

海美は純玲にキスをしたー


「--もう俺からは逃げられないー


 純玲ちゃんがどこに行ってもー

 俺は純玲ちゃんの近くで、純玲ちゃんを見ているよー

 純玲ちゃんの横で、純玲ちゃんを愛するよー


 ずっとずっと

 どこでも、いつでも」


姉の海美の声が狂ったように弾んでいるー

姉の海美の顔が、壊れたように笑っているーーー


「きゃああああああああああああああ!!!」

純玲は、あまりの恐怖に、悲鳴を上げて、

海美を振り払うと、

そのまま1階にいる母・留美子に助けを求めたー


「--どうしたの!?」

留美子が振り返る。


「お姉ちゃんが…お姉ちゃんがぁ…!」

泣き叫びながら純玲が言うー


母・留美子には、その意味が分からないー


だがー

すぐに留美子はその意味を理解したー


何故ならー


「--!」

純玲が唖然とするー


「---俺は、いつでもすぐそばにいるよーー…

 ふひっ…」


姉・海美から飛び出た譲治が、母・留美子に憑依したー

”今”の留美子は、純玲が泣いている意味を理解しているー


「---純玲ちゃん…

 ずーっと、ずっと…そばにいるよ…♡ ふひっ」

母・留美子が見たこともないような表情で、不気味にほほ笑んだー



③へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


憑依で執拗に純玲ちゃんを付け回すストーカー…!

果たして、逃げ切ることはできるのでしょうか~?


続きはまた近日中に~!


今日もありがとうございました!!

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