<入れ替わり>幻想の日常⑪~崩壊~ (Pixiv Fanbox)
Content
★あらすじ★
ある日ー
階段から転落してしまって入れ替わってしまった
大学生カップルの橋口真司と川上愛梨のふたりは
入れ替わった状態のまま、なんとか生活を続けていたー
しかし、愛梨になった真司は、愛梨のバイト先である
メイドカフェで、音信不通になっていた自分の姉・詩織が
働いていることを知り、姉のことを気にするあまり、
愛梨との関係を悪化させてしまう。
一方の真司になった愛梨も、真司に、
うまく想いを伝えられないまま、亀裂を深めてしまい、
浅沼教授に入れ替わりのことを相談してしまう…。
・・・・・・・・・
★主な登場人物★
橋口 真司
大学生。彼女と入れ替わってしまう。
川上 愛梨
真司の彼女。真司と入れ替わってしまう。
馬淵 香澄
同級生。愛梨の幼馴染で親友。
中条 東吾
同級生。真司・愛梨の共通の友人。
天童 麗
同級生。頼りになるお姉さん風の女性。
風間 龍平
同級生。嫌味なインテリ学生で、裏で悪さをしている
※登場人物詳細
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お金がかかったりすることはありません!ご安心ください)
fanbox post: creator/29593080/post/1060230
・・・・・・・・・・・・
「--ーー…」
愛梨(真司)は、大学に登校しながら、
夕方以降のことを考えるー
今日は、メイドカフェでのバイトがある日だ。
姉の詩織ともシフトが被っている。
消息不明だった詩織と再会してから、
心が落ち着かない。
その結果、愛梨との関係にまで亀裂が入っている気がするし
自分自身もなんとなく不安や焦りから、イライラしてしまっているー
このままじゃいけないー
今日、愛梨として、姉の詩織にー
”自分の彼氏が、橋口真司”だということを
伝えてみよう、と愛梨(真司)はそう決意していたー。
この身体だから、
”俺が真司だよ”と言うわけにはさすがにいかないが、
愛梨として、真司の名前を出すことはできるー
”弟はいない”なんて言っていた
詩織の真意を知りたいー。
「---真司」
共通の友人・中条 東吾が、愛梨(真司)の方に
近づいてくるー
彼だけは、入れ替わりのことを知っているー。
「東吾…」
愛梨(真司)が返事をすると、
東吾は「あまり無理すんなよ」と心配そうに呟いたー
真司になった愛梨と
愛梨になった真司が、なんとなくギクシャクしているのは
東吾にもわかっていたー
色々と不安もあるのだろうし、すれ違いもあるのだろう。
「--お前はさ、なんでも背負い込みすぎなんだよ」
東吾が苦笑いしながら言う。
父や母から虐待を受けてきた真司は
”誰かに相談する”ということが、うまくできないー
なんでも自分で解決しようとしてしまうー
なんでも自分の手で助けようとしてしまうー
「--お前ひとりで抱え込めるうちはいいけどよ…。
無理な時は、本当に相談しろよ。
パンクしちまったら、元もこうもないぜ」
東吾の言葉に、
愛梨(真司)は「…そうだな」と呟く。
愛梨との入れ替わりー
愛梨のことも、メイドカフェのことも、姉の詩織のこともー
浅沼教授のこともー
全部自分で解決しようとしているー
それがいけないのは分かっているー
けれどー
愛梨に辛い想いをさせたくないー
「-愛梨に辛い想いをさせたくない…って顔してるな?」
東吾が笑う。
「え…なんでわかるんだよ?」
愛梨(真司)が戸惑いながら言うと、
「親友なめんなよ」と、東吾は笑いながら
”入れ替わりのこと知ってるのは、俺だけなんだからよ。
もうちょっと、俺のことも頼ってくれていいんだぜ”
と、優しく愛梨(真司)に言葉をかけたー
「--ありがとうー」
ドキッ
愛梨(真司)は違和感を感じるー
”また” だー。
何故?
愛梨になってから、東吾と話していると
ドキドキするー。
この前、真司(愛梨)が東吾と
何かを話していた場面を思い出すー
”これは、愛梨の感情…?”
愛梨(真司)の表情が曇る。
「--どうした?」
東吾が首をかしげると、愛梨(真司)は
「い、いや、なんでもない」と
そのまま足早に立ち去って行ったー。
”愛梨は、東吾のことが好きなのではないかー”
だからー
東吾と話していると、愛梨の身体がドキッと
するのではないかー
「---…」
愛梨(真司)は少しだけ表情を曇らせたー
・・・・・・・・・・・
研究室ー
浅沼教授がせき込みながら、何かを
ノートに書いているー。
「---参考になるよ」
感情を感じさせない視線を、真司(愛梨)に送る
浅沼教授ー。
真司になった愛梨は
”真司にばかり負担をかけちゃいけない”と、
最近は浅沼教授に頼っていたー。
真司にばかり負担を掛けずに、
わたしは、わたしにできることをするー、と。
真司は、浅沼教授のことを危険だと言っていたが
教授は、優れた実績も持っているし、研究のことに関しては
人一倍、熱意を持っている。
だから、真司(愛梨)は、浅沼教授を信じて、
相談したのだった。
実際ー
浅沼教授は、連日、愛梨のために時間を取り、
一生懸命に”元に戻る方法”を模索しているー
「--ところで」
浅沼教授が真司(愛梨)に向かって言うー
「君の彼氏…橋口くんは、
君の身体で、何か卑猥なことをしたりはしないのかね?」
浅沼教授はノートに、愛梨から聞いたことを
メモしながら、真司(愛梨)に尋ねた。
「---う~ん…」
真司(愛梨)が考えるー
浅沼教授はズバッと、単刀直入に物事を言う性格だ。
だから、聞きにくそうな質問も、単刀直入にぶつけてくるー
「--まぁ…ずっと見てるわけじゃないので、
してるかもしれないですけど…」
真司(愛梨)はそこまで呟くと、笑うー
「でも、わたしは真司のこと、信じてますし
わたしを傷つけたり、何かひどいことしたりは
絶対しないと思いますから、大丈夫です。
入れ替わってる以上、少しぐらいはその…
わたしもしますし、
お風呂とか着替えは仕方がないですし」
真司(愛梨)が、笑顔で答えると、
浅沼教授は手元で何かをいじりながら「そうか」と答えた。
「--でも、もしも、君の身体でやりまくってたとしたら…?
どんな風に感じるのかね?」
教授の言葉に、真司(愛梨)が何でそんなことを聞くんだろう…?という
表情を浮かべるー
その表情に気づいた教授は
「なに、入れ替わったあとの心境は君たちにしか分からないからね。
なんでも、聞いておいた方が、データとしても役に立つだろう?
私は、研究者なのでね」
と、苦笑いしながら呟いたー。
その言葉に、真司(愛梨)は納得して答える。
「まぁ、そしたら、真司きもちわるい~って思っちゃいますけどね」と
苦笑いしながらー
「--ふむ…
まぁもしも何かあれば、私に相談しなさい」
そう呟くと、浅沼教授は、何かをメモし始めたー
「--ーー色々参考になった。ありがとう」
浅沼教授の言葉に、真司(愛梨)は、「いつもありがとうございます」と
頭を下げたー
浅沼教授は”真剣”に、入れ替わりを元に戻す方法を
探してくれているー
愛梨は、そう信じていたー
部屋から出て行く真司(愛梨)を見て
浅沼教授は笑みを浮かべたー
邪悪な、笑みをー
浅沼教授は”真剣”だったー
もう一度”入れ替わり”を引き起こすためにー
熱心に毎日動いているー
だがー
それはーー
愛梨と真司を”元に戻すため”ではないー
「---」
浅沼教授自身が”入れ替わる”ためー。
「--彼氏のほうは、厄介そうだからな」
浅沼教授は、以前、二人と話した時のことを思い出す。
愛梨になった真司は、やたらと浅沼教授のことを
警戒していたー
それと比べると、真司になった愛梨の方はー
御しやすい。単純だ。
だからー
”邪魔者は、少し離れていてもらおうかー”
浅沼教授は、ボイスレコーダーを机の上に置いたー
愛梨から話を聞いている最中に、いじっていた
ボイスレコーダーを…。
・・・・・・・・・・・・・
「--今日もエロエロだね!」
バイト先ー
メイドカフェにやってきた
愛梨(真司)はメイド服に着替えると、
国枝店長から卑猥な言葉を投げつけられた。
「--」
国枝店長を睨むようにして見つめる愛梨(真司)。
「--あぁぁ~今にも人を殺しそうな目~!
いいね!いい!」
スマホで、愛梨の写真を勝手に撮影する
国枝店長ー
こんな変態野郎に付き合っている暇はない。
愛梨(真司)はそう思いながら、
姉の詩織ー
真司自身の姉・詩織の元に近づいていくー
「あら、愛梨ちゃん」
詩織がほほ笑むー
一緒に暮らしていたときよりも、
派手な感じの詩織ー
”伊吹 詩織”
今は、そう名乗っている詩織は、
恐らく誰かと結婚したのだろうー。
そんな風に思いながら、
愛梨(真司)は口を開いた。
「この前、姉さ…いえ、伊吹先輩は
「--わたし、弟とか、妹はいないからー」
って、言ってましたけど…」
愛梨(真司)はそこまで言いかけて
言葉を止めるー
”わたしの彼氏が、橋口 真司ー”
そう、告げたら
姉さんはどう反応するだろうかー。
なんで、姉さんは
”弟はいない”と言ったのだろうかー
その言葉が、ずっとずっと、心をえぐるようにー
頭の中で響き続けているー
その答えを知るためにはー
やはりーーー
言うしかないー
”俺が真司”とは言えないー
だからー
「--わたしの彼氏…
橋口 真司なんです」
愛梨(真司)はそう告げたー
「------!」
詩織が、表情を歪めたー
”やっぱ、姉さんは俺のことをちゃんと覚えてるー”
詩織の反応で、愛梨(真司)はそう悟るー
「--真司に先輩の話をしたら、
それは俺の姉さんだ、って言ってたんです。
すごく素敵なお姉さんで、
ずっとずっと、真司、伊吹先輩のことーー」
愛梨のフリをして、
想いを遠まわしに伝える真司(愛梨)
しかしー
「-ーじゃあ、伝えといて」
詩織が低い声で言い放った。
「--”二度とわたしの前に姿を現すな”って。
わたしは、もう”あんな家族”とは縁を切ったの。」
詩織の冷たい言葉ー
愛梨(真司)は強いショックを受けるー
「---え…で、、、でも、、あの…」
愛梨(真司)は”姉さん”と叫びそうになるのをこらえて言う。
「-ーあの変態のこと、もう思い出したくないの!」
詩織が声を荒げたー
変態ー?
なんでーー???
なんでそんなこと言うんだよ姉さん…
「--姉さん!」
愛梨(真司)が、我慢できずに叫んでしまう。
詩織は「--もうこの話は終わり」と、
ロッカーを乱暴に閉めて、そのまま外に出て行ってしまうー
なんで…
愛梨(真司)は更衣室で一人、膝をついたー。
なんでーーー
泣きじゃくる愛梨(真司)-
姉さんは、自分を唯一守ってくれたー
そんな姉さんのために、自分も、早く立派に
なって姉さんを支えたいと思ってたー
父に性的暴行を受ける姉さんを
影から見ながら、何もできなかった自分を
いつもいつも呪っていたー
父に好き放題されて、喘ぐ姉さんー
何度も、何度も、父親を殴り飛ばしてやりたいと
そう思っていたー
でも、できなかったー
怖かったー
臆病だったー
「-ーあの変態のこと、もう思い出したくないの!」
「俺…何もしてないだろ…?姉さん…」
なんで自分まで”変態”と呼ばれなきゃいけないのかー。
愛梨(真司)はそう思いながら、
膝をついたー。
「-----俺?」
更衣室にセットされた隠しカメラの映像を別室で見ていた
国枝店長が笑みを浮かべるー
「---おれ…おれ…おれおれおれおれおれおれおれおれ!」
国枝店長は愛梨が”俺”と言っているのを見て
興奮した様子で、コンビニで買ってきたばかりの
カフェオレを狂ったように振り始めたー
・・・・・・・・・・・
翌日ー
愛梨(真司)は苛立っていたー
姉からの無慈悲な言葉にー
心を打ち砕かれたー
”姉さん…”
「---!」
愛梨(真司)の前に、
浅沼教授が姿を現すー
「ちょっと、いいかな?」
浅沼教授が笑う。
「---」
愛梨(真司)は警戒しながら
浅沼教授の研究室に入っていくー
咳き込みながら、浅沼教授は、
「ーーー入れ替わりのこと、君の彼女から聞いたよ」
と、笑みを浮かべるー。
「------…何が目的なんです?」
愛梨(真司)は愛想無く聞くー
真司は、浅沼教授を危険視しているー。
「……」
浅沼教授は、そんな愛梨(真司)の態度を見ると
笑みを浮かべたー
「---君の彼女が、なんで私を頼ったか、
知っているかね?」
浅沼教授の言葉に、愛梨(真司)は首をかしげるー
するとー
浅沼教授は続けたー
「--川上 愛梨は、君のことー
まったく信じていないんだよ」
浅沼教授が邪悪な笑みを浮かべるー
「え・・・?」
愛梨(真司)が表情を歪めるー
だが、すぐに苦笑いして頷いた。
「そうやって、俺と愛梨の関係を引き裂こうとでも
しているんですか?」
余裕な感じの愛梨(真司)
しかしー
浅沼教授はボイスレコーダーを机に置くとー
音声を再生したーー
「--何か悩んでそうな顔だね」
「---そうですね」
「--彼氏のことかね?」
「はい」
「---実は」
小声の音声が入るー
「--なに?彼氏が、君の身体でエッチをしている?」
「はい」
「---酷い話だな」
「真司きもちわるい~って思っちゃいます」
「--ふむ…
まぁもしも何かあれば、私に相談しなさい」
「いつもありがとうございます」
そこまで再生すると
浅沼教授は音声を止めたー
「-----え……」
愛梨(真司)が唖然とするー
「--君は、変態なのかね?」
浅沼教授がニヤリと笑いながら言う。
「え……なんで…」
愛梨(真司)は唖然としているー
愛梨にまで、変態だと思われてー?
浅沼教授の言葉だけでは信用しなかったがー
浅沼教授の再生した音声は
紛れもなく、愛梨のものだったー
「--その身体で、エッチなことをされているー
彼女から、毎日、相談を受けていてね…。
入れ替わった身体で好き放題する…
恥ずかしくはないのかね?」
浅沼教授の攻めるような言葉に、
愛梨(真司)は言葉を失うー
俺はーー
なにもーーー
「真司きもちわるい~って思っちゃいます」
ボイスレコーダーの愛梨の言葉が、真司の頭に響くー
「-ーあの変態のこと、もう思い出したくないの!」
メイドカフェでの姉の言葉が響くー
「---」
泣きそうになりながら愛梨(真司)が、
呼吸を荒くし始めるー
パニックになっている様子だー
「--変態な君より、私…そういうことだ」
浅沼教授は勝ち誇ったように言い放ったー
愛梨(真司)が半泣き状態で、
研究室から飛び出すー
立ち去った愛梨(真司)を見つめて
浅沼教授は笑うー
”合成ー”
浅沼教授の言葉は、一部、後から一人でしゃべって
録音したものー
愛梨の言葉は、確かに愛梨の言葉だが、
順序や言葉を切り取ってー
”入れ替わった彼氏にエッチなことをされていて
悩む相談を受ける浅沼教授”
風な音声を作り出したー
”気持ち悪い”は、
「--でも、もしも、君の身体でやりまくってたとしたら…?
どんな風に感じるのかね?」
「まぁ、そしたら、真司きもちわるい~って思っちゃいますけどね」
の、会話を切り取ったものだー。
このためにー浅沼教授は真司(愛梨)のセリフを
録音していたー。
「---これで、邪魔者は消えたー」
真司の性格を分析する限りー
こうして信頼を引き裂けばー
真司になった愛梨から、離れるー
浅沼教授はそう分析していたー。
「これでーーー」
浅沼教授は笑みを浮かべるー
”入れ替わり”の研究を邪魔するものはいないー
・・・・・・・・・・・・・
帰宅した愛梨(真司)は部屋で暴れていたー
姉さんもー
愛梨もー
みんなみんな、俺のことを変態だと言うー
元に戻る方法も分からないー
頑張っても報われないー
姉さんに憎まれ
愛梨に気持ち悪がられてー
愛梨と東吾は仲良しでーー
色々なことが頭に浮かんでくるー
「はははははっ…」
愛梨(真司)は突然笑い出したー
「そっかそっか…そっか…
俺は…俺はどうせ…俺はどうせ」
愛梨(真司)はそう言うとー
今まで自分から触れようとしなかったー
愛梨の胸を触りだしたー
「変態変態言うなら…いいさ…」
愛梨の胸を両手でわしづかみにして
揉み始める愛梨(真司)-
「あ~あ!もうどうにでもなれってんだ!」
さらに激しく胸を触りながら
喘ぎだす愛梨(真司)-
そのまま、快感に身をゆだねるー
どうせー
どうせ、俺は変態だー
どうせ、俺は力不足のごみだー
真司は、負の感情に支配されたー
「あっ♡ あっ♡ あははっ♡
あは、もう、、もう、何もかも知らねぇ~♡!」
愛梨(真司)は激しく喘ぎながら
そのまま一人、絶頂を迎えてしまったー
⑫へ続く
・・・・・・・・・・・・・
コメント
関係崩壊…。
物語はさらに進んでいきます~☆
続きはまた近日中に~!