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女子大生の北野 香帆(きたの かほ)は

実家を出て、一人暮らしをしていたー。


バイトをしながら、大学に通う日々ー

人生初めての彼氏も出来て、

充実した学生生活を楽しんでいたー


しかしー

事件は起きた。


彼氏の谷村 祥吾(たにむら しょうご)と

デート中だった香帆は、驚くー。


母と父が、交通事故で死んだというのだー。


車ごとガードレールを突き破って

海に転落ー

そのまま二人とも助からなかったのだとー。


香帆は、そのことを深く悲しんだ。

母親と父親を同時に失う悲しみー。

既に、一人暮らしを始めていたとは言え、

両親は、香帆にとって大切な存在だったー。


だがー…

”本当の悲劇”は、

この先に待っていた。


葬儀を終えた香帆の元に、

綺麗なお姉さんが近づいてくるー

自分と同じぐらいの年齢に見える。


胸元や太ももを見せつけるような恰好の

その女は、

香帆に近づくと、サングラスを外してほほ笑んだー。


「こんにちは。北野 香帆さん」

とー。


香帆は「こんにちは」と頭を下げる。


葬儀に参列していたのだから、

母か父の関係者なのだろう、と

思いながら、面識ない相手に対しても

丁寧な対応をする香帆。


「---今日は、香帆さんにお話があって

 お伺いしました」


女は、そう言うと、

名刺を取り出した。


”暗夜金融”

眞城 愛(ましろ あい)と

書かれているー


「金融…?」

聞いたことのない名前…。

香帆は少し警戒しながら愛の方を見ると、

愛はほほ笑んだ。


「--お父様、わたしたちに借金があるんです」

愛が笑顔で言う。


「え…?」

香帆は戸惑ったー


だが、そんな話聞いたことがないー。


「--え、何かの間違いじゃ…?」

香帆が言うと、

愛は、笑顔を引きつらせながら「あるんです」と

無理に笑いながら答えたー。


「--……そ、、そんな」

香帆が戸惑っていると

愛は周囲を見ながら、香帆に告げる。


「お父様、実は半年ほど前から

 返済が滞っていたんですよ。」


愛はそう言うと、書類を香帆に見せつけるー


確かに、父親の筆跡だ。

真似したようには思えないー。


「---ほ、本当に父が?」

そう言うと、

愛は頷く。


「何なら、お父様がわたしたちの事務所に来た時の

 映像もお見せしましょうか?」


”映像もある”


愛の言葉に、香帆は、父が借金を

していたことを認めざるを得なかったー。


「--わたしたちの会社は

 家族にも、社会にも、職場にも

 借金したことを知られたくない人が

 主に利用しています」


愛が、香帆の周囲を歩き回りながら言う。


暗夜金融とは、

”お金を借りたことを絶対秘密にする”ことが

売りの闇金業者だー。


香帆は、父が”ギャンブル好き”

だったことを思い出すー

恐らく、それでー。


愛はほほ笑む。


「でも、お父様が死んでしまったので

 代わりに、娘である香帆さんに

 借金を返済してもらうことになります」

愛がにっこりとほほ笑むー


「え…」

香帆は戸惑う。


借用書らしき書類には、連帯保証人だとか

そういう記述もないー


「---わ、、わたしは…」

香帆が口を開こうとすると、

愛が舌打ちした。


「いいから返せよ」

愛の低い声。

顔は笑っているが、目は笑っていないー


「--え……そ、、そんな」

香帆が戸惑いながら愛の方を見る。


だが、愛は容赦なく続けた。


「---社会のルールなんて関係ねぇんです。

 我々からお金を借りた以上、

 我々が返せっつったら返すんですよ。」

愛が脅すような口調で言うー。


「-ひっ…」

香帆は怯えながら愛の方を見るー


”まともな金融会社じゃない”

香帆はすぐにそう思ったー


父がどうしてこの会社からお金を

借りたのかは知らないー

だが、借りてしまったのは事実のようだー

父の直筆のサインもあるし、

映像も残っているというー。


でもーー


「……」

香帆は”警察”か親戚、彼氏に相談してみようと考えるー


しかしー


「--誰にも相談しないほうがいいと思いますよ。

 お父さんとかお母さんみたいな人が

 増えちゃいますから」


「--えっ!?!?」


愛はそう言うとクスクス笑いながら

そのまま”後日連絡します”と言い残して

立ち去っていったー


・・・・・・・・・・


「----大丈夫か?」

彼氏の省吾が、元気のない香帆に気づいて

心配そうに呟くー


あれから2日ー

暗夜金融からの連絡はない。


だがー

一体どうすればー?


借金の金額は”5000万”だったー

とてもじゃないけれど、

香帆に返済することはできないー


「--う、、うん…大丈夫」

香帆は青ざめた表情のままそう答えたー。


「--誰にも相談しないほうがいいと思いますよ。

 お父さんとかお母さんみたいな人が

 増えちゃいますから」


暗夜金融の女、愛が言っていた言葉の意味が

分からないー。

あれはーどういう意味だろうー?


もしかすると、母と父は

”事故”ではなくーー


そんな、嫌な考えまでもが、頭をよぎる。


香帆は、借金のことで頭がいっぱいになっていたー。



そして、後日ー

暗夜金融の愛から電話があったー


”返済の計画を教えて欲しい”とのことだったー。


その数日後、愛が自宅にまでやってくるー。


ラバースーツ姿の愛が、家の中に入ってくると、

足を組みながら椅子に座り、

煙草を吸い始めたー。


「で?いつ返してくれるの?」

愛が、見下すような態度で言う。


営業モードではないー

取り立てモードだ。


「--ご、、5000万なんて大金…すぐには」

香帆が申し訳なさそうに言うと、愛はため息をついた。


「ーーあのさぁ。

 借りたお金は返してくれねぇと困るの。

 わたしたちだって、もう散々待ったの。わかる?


 すぐには、じゃなくて

 いつ返せるのか、言えよ」


愛が、たばこの煙を香帆に向かって吹きかけて威圧するー


胸元をイヤらしく開いたラバースーツ姿の愛ー。

紫色に輝くペンダントを光らせながら、

愛は、香帆の方を睨んでいるー。


大人しそうで優しそうな雰囲気に見えるのにーー

”人は見かけによらない”

そんな風に思いながら

香帆は必死に頭を下げる。


「わ、、わたしはいったいどうすれば…?」

香帆は戸惑いながら、

今の自分の収入と現状を説明するー


とても、返済できる金額ではない。


「---で?」

説明を聞き終わった愛が、イライラした様子で

煙草の火を消すと、香帆を見つめるー。


「--で、ですから…すぐには…」

香帆が言うと、

愛が机を叩いた。


「調子乗ってんじゃねぇぞコラぁ!」

綺麗な声が、歪んでいるー


愛が大声で「借りたもんは返せってんだよ!」と叫ぶー。


恐怖で目に涙を浮かべた香帆を見つめながら

愛はニヤリとほほ笑んで立ち上がると、

香帆に耳打ちをしたー


”金で返すか?それとも身体で返すか?”

とー。


「---え…」

香帆は”性的な何かをされる”と恐怖するー


身体で返すー

とは、おそらくそういうことなのだろうー。

あるいは、暴力かもしれないー


「--これ見てごらん」

愛は、スマホをいじると、

何かを見せつけたー


そこには、可愛らしい女子高生が、制服姿のまま、

家族と一緒に写っている写真があったー


「--2年前の、わたし」

愛が笑うー。


父と母と、弟らしき人物と一緒に、

愛はとても幸せそうにしているー


2年前の愛が高校生ということは、

この人は今ー


「--でもね」

愛は笑うー


「-”この男”が借金してたの」

愛は、自分の父親を他人のようにして言いながら笑うー


香帆はなんて答えていいか分からず、戸惑うー


”身体で払う”とはー

暗夜金融で働かされることなのー?


香帆はそんな風に思いながら愛に言葉をかけるー


「あ…あの…

 え…どういう…?」


「--この女は、身体で払ったの」

愛が、ラバースーツの上から胸を触るー。


「--え…」

香帆は戸惑いながら愛を見るー


「返済できなかったわたしの両親は

 事故を起こして死んじゃったの。


 それでね、わたしが代わりに

 返すことになったんだけど~」

愛はそこまで言うと

クスクスと笑い出すー


恐怖しながら愛のことを見つめる香帆ー


笑い終わると、愛は香帆を見たー


「わたし、お金じゃ返せなかったから

 身体で返済することになっちゃったの~!」


愛が自分の顔をつんつんつつきながら笑うー


写真の中で幸せそうに笑う愛と、

今のラバースーツ姿の愛を見比べるー


確かに同じ顔だがー

まるで別人のように見えるー


「”1か月”だけ待ってあげるー」

愛は笑う。


「--……い、、1か月」


返せるわけがないー


そう思いながらも、香帆が戸惑っていると

愛は続けたー


「1か月以内に返せなかったら

 ”身体”で払ってもらうからね」

愛はそう言うと、

「”この女”みたいになりたくなかったらー…

 頑張ることね」と言いながら

立ち去ってしまったー


「どうしよう…」

香帆は一人、戸惑うことしかできなかったー


・・・・・・・・・・


1週間ー

2週間ー


何もできないまま、時間が経過していくー


お金をどうにかしようと考えてみたけれど、

どうすることもできないー


愛の言葉が思い出されるー


”「1か月以内に返せなかったら

 ”身体”で払ってもらうからね」


「”この女”みたいになりたくなかったらー…

 頑張ることね」”


身体で払うー


どういう意味なのだろうかー。

愛が、暗夜金融の取り立てをしているということは

愛のように、自分も暗夜金融で働くことに

なるのだろうかー。


だがー

その割にはー

愛は、とれも楽しそうにしているー


それにー


自分のことを

”この女”と言ったり


自分の父親を

”この男”と言ったり

少し違和感を感じるー


香帆は、”なんとかしないと…”と

頭を抱えながら

日付だけを無駄に浪費させていたー


ある日ー

香帆は、警察に相談することを決意するー


”言うしかないー”

とー


しかしー

それを”読んだ”かのように、愛が尋ねてきた。


「--どこにお出かけするつもり?」

愛が笑うー。


チャイナドレス姿の愛が、

部屋に入ってくると、香帆を壁ドンして、

囁いたー


「相談したら、お父様やお母さまみたいな人が

 増えるけど、いいの?


 くく…

 わたしの弟もね、

 わたしが相談したから、”事故”で死んじゃったの


 バカなやつでしょぉ??」


愛が自分の弟の死をも、ゲラゲラと笑うー


「--安心しなよ」

愛が呟くー


「--”身体”で払えばいいんだから

 わたしみたいに…

 ふふふふふふふ」


チャイナドレス姿の愛が

怖くなって、香帆は目を逸らすー


「---その身体…気持ちよさそうだなぁ~~」

愛が、はぁはぁ言いながら舌を出して香帆の頬を舐める。


「んふふふふ…”この身体”にもそろそろ飽きちゃったし…

 楽しみだぜェ…」


愛はそう言うと、「え?」と言う香帆に対して

「なんでもねぇよ」と言いながら

そのまま家の外へと立ち去って行ったー


②へ続く


・・・・・・・・・・・・


コメント


憑依要素がなかった…?


そんなことはないですよ~☆


続きはまた今度デス!



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