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「アンタ、私に嫉妬してるんでしょ~~?

 私の方がかわいいもんね?

 ・・・邪魔すんじゃねーよ!ブス!」


突然の豹変に祥子は凍り付いてしまう。

優香の穏やかなはずの顔が、敵意に満ちている。


「ゆ…優香?」

祥子が信じられないという風な声で言う-。

だが、優香はそのまま祥子の方を睨んだままー


こんな優香の表情、見たことがないー


いいやー

優香が、こんな表情をできるなんて…


そう思ってしまうぐらいに、信じられない表情だった。


「--は、、ははは」

後ろに居た、不良の神戸はそそくさと退散していった。

面倒ごとに、関わりたくなかったのだろう。


優香は舌打ちしてから呟く。


「アンタさ…前から思ってたんだけど、

 ウザい!本当にウザい!」


優香が祥子に向かって声を荒げるー。

祥子は戸惑うことしかできない。

優香が、こんな風に…

こんな風に声を荒げたりするなんて…


祥子は、激しく動揺しながらも

ようやく口を開いた。


「ねぇ…ちょっと、、

 どうしちゃったの優香?」

祥子の言葉に、

優香は放り投げたブレザーを拾いながら言った


「どうって?

 これがわたしの本性よ。

 今までわたし、猫被ってたの」

優香がそう言うと、笑みを浮かべた。


中学の頃から優香のコトは知っているーーー

こんな、悪い笑みを浮かべるような子じゃない


祥子は”最悪の予感”が頭の中に浮かんでくるー

謎の老婆からもらったペンダントー。

あれを身に着けてから、優香の様子がおかしくなった気がするー


まさかとは思うー

でも、そう思わずにはいられなかった。


祥子は意を決して口を開く。


「アンタ・・・

 例の犯罪者ね?」


もし、これで「そう」だと言われてしまったら

どうすれば良いのか。


「プっ…クク…あはははは」

目の前の優香が突然笑い出す。


祥子は背筋の凍るような思いをしながら、

笑い出した優香を見つめるー。


「気づくのおせーんだよ!」

優香がカワイイ声で叫ぶー。


「ゆ…優香…

 ちょ、、ちょっとアンタ!

 早く優香の体、返しなさいよ」


祥子は震えながらも、必死にそう叫んだー


やっぱり…

やっぱり、優香がこんなことするはずがないー


でもー

あの時、ペンダントを引きはがしたハズ、、

ペンダントに魂が宿っていたのではないの??


祥子はそう思いながら優香の方を見つめるー

なんとか、なんとか優香を助けなくてはならない


「返す??あはは…

 馬鹿ね?祥子も…


 今や俺が優香なんだよ!


 あのペンダントから俺の魂がこの子の体の中に入った。


 その時、この子本来の心は、

 心の奥底に押し込んでしまったから、

 もう出てこれねぇよ!俺がいる限りはな」


優香が狂ったようにうれしそうな顔をしながら言う。


狂った笑みを浮かべながら

自分の胸を優香が触っているー

興奮しながら、はぁはぁと息を荒げているー


祥子はそれを見て怒りが込み上げてきた。


どうして優香がこんな目にー?


本当の優香は絶対に悲しんでいる。

なのに、目の前にいる優香は笑っているーー。


どういうことなの??


”他人の身体を勝手に操るなんて…”

祥子の中で、怒りが激しく湧き上がるー。


「あ~~それにしてもこの女、

 カワイイよな」

優香が胸をもみながら笑う。


「ちょっと!何やってんの!」

祥子は怒りの形相で叫んだー。


「優香 興奮してきちゃった♪」

そう言うと、優香は一人、自分の胸を

乱暴に触り、色っぽい声を上げている


「ゆ…優香・・」

変わり果ててしまった優香を前に

祥子の目には涙が浮かんでくるー


それに気づいた優香が、胸を揉んでいた

手をペロリと舐めると、

祥子の方を見て、ほほ笑む。


「…ふぅ~ん、

 祥子、そんなに私のコト、思ってくれてるんだ!?


 優香 うれしい!」


この男は優香の事をもてあそんでいる。

祥子は今にも、優香に襲い掛かりそうだった。


しかし、それはできない…。

襲い掛かったところで、傷つくのは優香なのだから…


「じゃあ、アンタが代わりに体をくれる?

 そうしたら、優香は解放してあげる」


目の前にいる優香が恐ろしい事を口走った。


私が、、優香の代わりに…?

祥子は、再び動揺するー。


そしてー

優香の顔を見る。

優香はニヤニヤと笑っている。


こんな優香の姿、、我慢できない…


優香とは、ずっと仲良しだったー

いつも真面目に、

将来は苦労を掛けた両親のために

一生懸命頑張りたいなどと、目を輝かせていた優香ー


そんな優香がーー

こんな…


優香とは違い、自分はふざけ半分で適当に

生きてきたー

優香みたいな目標もないー


だったらーー


祥子は唇を噛みしめるー。

もちろん、自分だって憑依なんかされたくないー


でも…

それでもーー

祥子は優香を助けたかった。


「……分かったわよ」

祥子は返事をした。


もちろん、ただで乗っ取られるつもりはないー

祥子はよく、周りから頑固だとよく言われる。

こんなヤツが入り込んできても、抑え込める自信があった。


”絶対に乗っ取られたりしないから”


入り込んできた男を返り討ちにするー

祥子はそう覚悟を決める。


それを聞いた優香が言う。


「ありがとう祥子。優香うれしい♪」

そう言うと、わざとかわいらしいしぐさをして、

祥子の方に駆け寄る。


そしてー

「じゃあ、早速行きましょう」

低い声で脅すように言うと、

優香は、祥子についてくるように促したー。



④へ続く


・・・・・・・・・・・・・・


コメント


私の初期の作品のリメイクなので、

今よりシンプルな展開ですネ~!


シンプルな方がゾクゾク度は

強かったりするかもですケド…!


原作が短めなので、こちらの作品は

全て100円プランでも読めるようになっています~!


今日もありがとうございましたー!

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